探偵・由利麟太郎
探偵・由利麟太郎 | |
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ジャンル | 連続ドラマ |
原作 | 横溝正史 |
脚本 |
小林弘利 仲井陽 |
演出 | 木村弥寿彦 |
出演者 |
吉川晃司 志尊淳 田辺誠一 |
音楽 | ワンミュージック |
オープニング | 吉川晃司「Brave Arrow」 |
エンディング | 吉川晃司「焚き火」 |
国・地域 | 日本 |
言語 | 日本語 |
話数 | 5話 |
製作 | |
プロデューサー |
萩原崇 森井敦 福島一貴 |
撮影地 | 日本 京都府京都市 他 |
制作 | 東映(京都撮影所) |
製作 | 関西テレビ放送 |
放送 | |
放送チャンネル | フジテレビ系 |
映像形式 | 文字多重放送 番組連動データ放送 |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2020年6月16日 - 7月14日 |
放送時間 | 火曜 21:00 - 21:54 |
放送枠 | 火曜21時枠 |
放送分 | 54分 |
回数 | 5回 |
公式サイト | |
特記事項: 初回は15分拡大(21:00 - 22:09) |
﹃探偵・由利麟太郎﹄︵たんてい ゆり りんたろう︶は、2020年6月16日から7月14日までカンテレ制作・フジテレビ系の﹁火曜21時枠﹂で放送された横溝正史による﹁由利麟太郎シリーズ﹂を原作とするテレビドラマ。主演は吉川晃司で、吉川は本作品が地上波連続ドラマ初主演となる[1][2][3]。全5回。
概要[編集]
横溝が自身の代表作である﹁金田一耕助シリーズ﹂よりも前に執筆していた探偵・由利麟太郎が活躍するシリーズ作品を初めて連続ドラマ化した作品である[注 1][4]。 原作の時代設定は戦前の昭和であるが、ドラマでは令和[注 2]に置き換えるなどの変更が行われている︵詳細は#原作との相違点を参照︶[4]。 キャッチコピーは﹁観察すれば、真実は自ずと浮かび上がる。﹂[5]。あらすじ[編集]
由利麟太郎は、元・警視庁捜査一課長の経歴を持つ探偵にして犯罪心理学者。頭脳明晰で﹁警視庁にその人あり﹂と言われるほど優秀な人物であったが、ある事件をきっかけに警視庁を退職し、現在では学生時代を過ごした京都に居を移している。由利は波田聡美が営む骨董品店﹁加茂句堂﹂の一室を活動拠点に、出版社の山岸克平から紹介された由利を﹁先生﹂と慕うミステリー作家志望の青年・三津木俊助を助手に従え、大学時代の旧友である京都府警の等々力警部の協力を受け、類稀なる洞察力と論理的思考で次々と難事件の解決に挑戦する。キャスト[編集]
主要人物[編集]
由利麟太郎︵ゆり りんたろう︶ 演 - 吉川晃司[4][1] 元・警視庁捜査一課長の経歴を持つ探偵にして犯罪心理学者。白髪の紳士。犯罪心理学に関する書籍を執筆する傍ら、過去の経歴と実績から嘱託で事件の捜査協力を依頼されるなど、警察から全幅の信頼を寄せられている[注 3]。 ある事件をきっかけに警視庁を退職し、学生時代を過ごした京都に移住している。執務中以外は椅子に深く腰掛け目を閉じ、蓄音機で趣味のオペラ[注 4]のレコード鑑賞をしていることが多く、時折、風防のガラスがひび割れた懐中時計を傍らにして、ある女性のことを追憶し物思いにふけることがある[注 5]。 食事の際は自宅、外食を問わず紙エプロン[6]をかけることが流儀。ミステリー映画への造詣も深い[7]。 学生時代に北米のロッキー山脈で出会ったハンターから学んだトレース技術に基づき、ひたすら事件現場を観察し続けて浮かび上がる違和感、不自然な箇所を追跡することで捜査を行う[8]。先端恐怖症[注 6]でありながら弓道の心得があり、静寂の中、弓を構え、的を見据えて精神を集中させることが難事件解決の一助となっている[4]。あまり多くを語らない静かな男だが、その洞察力と論理的思考力には目を見張るものがある。決め台詞は﹁今、的を捉えました﹂[注 7]。 愛車は黒い1949フォード・カスタム[9][10]。 三津木俊助︵みつぎ しゅんすけ︶ 演 - 志尊淳[4][1] ミステリー作家志望の青年。由利を﹁先生﹂と慕い、難事件の捜査で助手を務める。由利を崇拝するあまり、自身の小説の執筆もそこそこに彼の活躍の記録を配信するWEBサイト﹃由利麟太郎の事件簿﹄の運営に心血を注いでいる。パソコンやスマートフォンなどのIT機器の取り扱いに精通しており[注 8]、現場検証で警察よりも先にパソコンのデータ解析をしても、鑑識よりも作業が早いことから等々力警部から黙認されている[11]。 童顔のため波田からは学生と勘違いされている[注 9]。高校時代はミステリー同好会に所属していた[7][注 10]。 愛車はベージュ色のホンダ・スーパーカブ[12]。主要人物の関係者[編集]
等々力警部︵とどろきけいぶ︶ 演 - 田辺誠一[4][1][13] 京都府警の警部で、由利とは京都で大学時代をともに過ごした旧友で、同じ弓道部の仲間[注 11]でもあった。由利の事件解決能力に一目置き、難事件の捜査に協力する。たい焼きが大好物で、たい焼きを片手に殺人現場に顔を出す。IT機器を使いこなす三津木とは対照的に、スマートフォンやカーナビの扱いにも手間取る機械音痴[14][注 12]。学生のころは由利のことを﹁ユリリン﹂[注 13]と呼び、等々力は由利から﹁トド﹂[注 14]と呼ばれていた。 波田聡美︵はだ さとみ︶ 演 - どんぐり[13] 骨董品店﹁加茂句堂﹂の店主[13]で、骨董品店を営む一軒家の一角を由利に貸している。由利に一方的に好意を寄せており[13]、時折、由利に店番や買い物などの用事を託け[注 15]、そのお礼にお菓子や食事を振舞っている。京都弁を話す。 山岸克平︵やまぎし かっぺい︶ 演 - 木本武宏[13] 出版社の編集者。ミステリー作家志望の三津木に目を掛けて叱咤激励する。小説執筆の参考になればと、三津木に自社から犯罪心理学の書籍を出版している[11]由利を紹介したが、三津木が由利の活躍の記録に没頭し小説の執筆が滞ってしまい、﹁才能が枯渇する﹂と心配している。そのため、執筆のためのネタ探しができればと三津木を仮装パーティーに誘うが、それがもとで三津木は殺人の容疑で警察に身柄を拘束されている[14]。京都府警の関係者[編集]
松戸鈴子[注 16][15] 演 - 森山くるみ[16] 京都府警の女性刑事。等々力警部の部下で、彼とともに現場検証や容疑者の取り調べにあたる。 等々力の妻 演 - あだち理絵子[17] 等々力警部の妻。お土産と思い等々力から手渡された紙袋に、洗濯物と食べかけのたい焼きが入っていたため呆れ返るが[7]、少々だらしないところがある等々力のために愛妻弁当を作り、出勤時にはネクタイを締め直してあげるなど甲斐甲斐しく彼の世話を焼いている[14]。ゲスト[編集]
第1話 ●日下瑠璃子︵イラストレーター・瑛造の養女︶︿28﹀[注 17] - 新川優愛[13][18][19]︵幼少期‥朝日湖子[20]、学生時代‥詩季[21]︶ ●日下瑛一︵瑛造の息子・瑠璃子の血のつながらない兄︶︿30﹀[注 18] - 長田成哉[22]︵幼少期‥中須翔真[23]︶ ●日下瑛造︵遺伝子研究者︶ - 中村育二[24] ●日下魁太︵瑛造の遠縁の子供︶︿12﹀[注 19] - 栗田倫太郎[20] ●湯浅建彦[注 20]︵瑛造の共同研究者︶ - 佐戸井けん太[25] ●八十川藤吉︵凶悪な強盗犯・故人︶ - 高島和男[26] 第2話 ●吉岡エマ︵祇園のクラブ﹁マダムシルク﹂のホステス︶ - 水上京香[13][27] ●五月翔太︵青年実業家・エマの恋人︶ - 赤楚衛二[22] ●神崎美沙子︵﹁マダムシルク﹂のホステス・五月の元恋人︶ - 柳ゆり菜[28] ●井出圭一︵三津木の高校時代のミステリー同好会の旧友[注 10]︶ - 尾上寛之[29]︵少年時代‥河原田俊斗[30]︶ ●井出江南︵井出レンズ社長・圭一の父︶- 入江毅[31] ●小松四郎︵住職・﹁マダムシルク﹂の常連客︶- 西尾塁[32] ●ジョン・ドウ︵エマに海外ドラマへの出演を持ち掛けたイギリス人︶- クリス・ホドル ●梶原絹江︵﹁マダムシルク﹂のマダム︶ - 山口香緒里[33] 第3話 ●名越優美︵モデル︶ - 村川絵梨[13][34] ●名越恭介︵優美の夫・料理研究家志望︶ - 浅利陽介[13][35] ●白川珠喜︵優美のモデル仲間︶ - 島居香奈[36][37] ●川瀬文乃︵優美のモデル仲間︶ - 阿部純子[38] ●鮎沢慎吾︵モデル事務所の社長︶ - 金山一彦[39] ●木島[注 21]︵モデル事務所のスタッフ︶ - 三角園直樹[37] 第4話、最終話 ●原さくら︵ソプラノ歌手・オペラ界のスター︶ - 高岡早紀[13][40] ●原聡一郎︵さくらの夫︶ - 大鶴義丹[13][41] ●土屋恭蔵︵さくらのマネージャー・咽頭がんで引退した元オペラ歌手︶ - 鈴木一真[13][42] ●相良千恵子︵若手歌手・さくらの弟子︶ - 吉谷彩子[13][43] ●小野竜彦︵テノール歌手︶ - 佐野岳[13][44] ●雨宮順平︵土屋の助手︶ - 水沢林太郎[22] ●牧野謙三︵コンダクター︶ - 大河内浩[45] ●川田良介︵コントラバス奏者︶ - 佐渡山順久[46] ●蓮見清彦︵トロンボーン奏者︶ - 本郷弦[45] ●志賀笛人︵バリトン歌手︶-水橋研二[46] ●藤本章二︵かつて殺害された新人歌手・志賀の弟子︶-池岡亮介[46] ●浅原警部︵大阪府警の警部︶ - 板尾創路[13][47]スタッフ[編集]
●原作 - 横溝正史﹃由利麟太郎シリーズ﹄︵角川文庫刊、柏書房刊︶ ●脚本 - 小林弘利、仲井陽 ●音楽 - ワンミュージック ●主題歌 - 吉川晃司︵ワーナーミュージック・ジャパン︶[48] ●メインテーマ - ﹁Brave Arrow﹂[48] ●エンディングテーマ - ﹁焚き火﹂[48] ●演出・プロデュース - 木村弥寿彦︵カンテレ︶ ●プロデューサー - 萩原崇︵カンテレ︶、森井敦︵東映京都撮影所︶、福島一貴 ︵東映京都撮影所︶ ●制作協力 - 東映京都撮影所 ●制作著作 - カンテレ放送日程[編集]
各話 | 放送日 | サブタイトル | ラテ欄[49] | 原作 | 脚本 | 演出 | 視聴率 | 備考 |
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第1話 | 6月16日 | 花髑髏 | 名探偵への挑戦状! 花髑髏の秘密とは | 花髑髏 | 小林弘利 | 木村弥寿彦 | 9.6%[50] | 15分拡大 |
第2話 | 6月23日 | 憑かれた女 | 黒き怪人の脅威! 幻か現実か悪夢に憑かれた女 | 憑かれた女 | 6.3%[51] | |||
第3話 | 6月30日 | 殺しのピンヒール | 殺人ピエロの罠! 相棒の容疑を晴らせ | 銀色の舞踏靴 | 小林弘利
仲井陽 |
6.6%[52] | ||
第4話 | 7月 | 7日マーダー・バタフライ 前編 | 蝶々殺人事件前編! 歌姫の死! 嵐の夜の謎 | 蝶々殺人事件 | 小林弘利 | 5.9%[53] | ||
最終話 | 7月14日 | マーダー・バタフライ 後編 | 衝撃の最終回! 歌姫の亡霊! 驚愕のトリックとは | |||||
平均視聴率 %(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯) |
インターネット配信[編集]
●過去放送分は、FODプレミアム︵フジテレビオンデマンド︶、U-NEXT で有料見放題配信。原作との相違点[編集]
基本的な設定[編集]
時代 ●時代設定を戦前の昭和から令和[注 2]に変更している。 由利麟太郎 ●活動拠点を東京の麹町から京都に変更している。 ●弓道の心得があるという設定はドラマオリジナルで、由利役の吉川と制作スタッフとの打ち合わせから設定に盛り込まれた[54]。 三津木俊助 ●本業の傍ら推理小説を執筆している新聞記者から、ミステリー作家志望の青年に変更している。 ●由利が捜査した事件を社会部記者として勤める新日報で記事にしている原作の設定は、WEBサイトでの由利の活躍の記録に置き換えられている。 等々力警部 ●所属を警視庁から京都府警に変更している。 ●由利と大学時代の同窓生という設定[注 22]、たい焼き好きの設定はいずれもドラマオリジナル。 波田聡美、山岸克平 ●共にドラマオリジナルのキャラクターで、原作には登場しない[注 23]。 ●波田の役名の由来は探偵・シャーロック・ホームズの下宿の大家ハドソン夫人から︵ハドソン→波田さん︶[55]。波田も由利の下宿の大家。第1話﹁花髑髏﹂[編集]
●原作で実父の凶暴性を受け継いでいることが強調されている瑠璃子は、不幸な境遇に抗う人物像に変更されている。 ●瑠璃子が湯浅に変装して罪をかぶせようとする筋書が無くなっている。 ●家を飛び出した瑛一は居所を特に定めていない設定とし、瑠璃子が閉じ込められたのを長持から壊れた業務用冷凍庫に変更して、運送先を瑛一宅からリサイクル処理場に変更している。血染めのコートの発見現場も瑛一宅から実家の瑛一の部屋に変更されている。 ●瑛造と湯浅は超音波でドーパミンとセロトニンの分泌を制御する実験をしており、凶悪犯・八十川で人体実験を行ったが副作用で自殺させてしまっている︵原作では病院職員に危害を及ぼすうえ死病に侵されていた八十川を安楽死させている︶。 ●原作で知能障害がある書生・魁太はドラマでは引きこもりのゲーム[56]好きの少年に変更され、瑛造が瑠璃子を犯して産ませた子とし、瑠璃子は自殺を偽装して生き延びさせようとする︵原作では自殺に偽装され殺害されている︶。 ●﹁瑠璃子﹂の名は瑛造が彼女を引き取るときに﹁瑠璃色が好き﹂と答えたことに基づく命名で、母との思い出の色であったと原作にない脚色がなされている。 ●原作で特に定められていない瑠璃子の職業をイラストレーターに設定し、アトリエに残された彼女の絵画が由利たちに事件解決のヒントを与える。 ●瑛一は魁太を瑛造の悪行の結果のひとつとして抹殺しようとし、瑠璃子がそれを阻止するため瑛一殺害を図るが未遂に終わる︵原作では瑛一が凶暴性を秘めた瑠璃子を殺害したうえ自殺する︶。 ●湯浅は瑠璃子により喘息薬に顔料を混ぜられ、喘息を悪化させられ殺害されている。後日、瑠璃子の絵画に残されたヒントから由利は湯浅が瑠璃子により殺害された核心に近づくが、物証となる喘息薬の遺留品を採取できなかったため、湯浅の殺害に関しては未解決に終わる︵原作では事件後まもなく病死しており、過去の悪行に端を発する事態への自責の念に耐えられなかったためと推測されている︶。第2話﹁憑かれた女﹂[編集]
●この話の原作は本来由利物ではなく、昭和8年に書かれたノンシリーズを昭和23年に横溝正史自身が書き直したもののため、原作では由利と三津木の出番が極端に少なく[注 24]、彼らの出番の大半はドラマオリジナルである。 ●原作でフルネームや名前そのものの設定がない人物は、ドラマではフルネームが与えられている。また、エマに該当する人物は原作では名前が異なる。原作→テレビドラマの順で名前の設定変更は次の通り。井出→井出圭一、五月→五月翔太、みさ子→神崎美沙子、﹁アザミ酒場︵バー︶﹂のマダム→﹁マダムシルク﹂のマダム・梶原絹江、西条エマ子→吉岡エマ。 ●原作に登場しない井出圭一の父・井出江南の名前は、原作では井出が推理小説を執筆する際のペンネームとして使用されている。 ●井出は会社社長の道楽息子で、エマへのストーカー行為が高じ、父親に認められたいという思いも複雑に合わさり、猟奇的犯行に及んでいる︵原作では自称・推理小説家の井出の悪戯で精神に変調を来したエマ子が、悪戯が井出の仕業であることに気付き、その悪戯に気付いていないふりをしてみさ子殺害の濡れ衣を井出に着せて復讐しようとしていた︶。 ●井出は父親に認められたいために、父親が若いころ道楽で撮影したミステリー映画をより完璧なものにリメイクしようとし、エマをその映画のヒロインとして出演させようとしていた︵原作では過去に道楽で映画を撮影していたのは井出本人。事件現場に当時の撮影セットを利用した︶。 ●美沙子は井出のエマへのストーカー行為を見破り、井出のことを子供扱いしてバカにしたため彼の怒りを買って殺害されている︵原作では、エマ子が井出への復讐のため、彼に殺人の濡れ衣を着せることをまず考え、その標的に五月をめぐり恋敵であったみさ子が選ばれ、エマ子に殺害されている︶。 ●﹁マダムシルク﹂の絹江は精神が衰弱したエマを心配し、彼女にマンションを出て自分の家に身を寄せることを勧めたため、エマにマンションから出られると今後エマの盗撮ができなくなると危惧した井出に殺害の標的にされ、映画撮影にも利用されそうになった。しかし殺害される寸前で由利に助け出されている︵原作ではみさ子殺害に関し、エマ子に不利な証拠をマダムが握る形になったため、エマ子に殺害されている︶。 ●エマと井出が住んでいるマンションは井出の父の会社の関連不動産会社の所有であり、井出はその立場を利用してエマの部屋に盗撮用カメラや映像投影機を秘密裏に仕込み、アルコール飲料に精神に影響を与える薬物を混入していた︵原作ではアパートの構造を利用して白壁に映像を投影していた︶。 ●五月は美沙子殺しの捜査の手が井出に及ばないよう、捜査をかく乱させる目的で井出が雇った男に殺害されている︵原作では真相にたどり着いた五月が、発狂した井出を世間に晒したうえ、エマ子を殺害して自らも自殺している︶。第3話﹁殺しのピンヒール﹂[編集]
●原作のタイトルは﹁銀色の舞踏靴﹂。 ●原作とドラマで3人の女性の名前が変更されている。原作→テレビドラマの順で名前の設定変更は次の通り。鮎沢由美→名越優美、白川珠子→白川珠喜、河瀬文代→川瀬文乃。 ●狙われた3人は同じモデル事務所のモデル仲間で、最初の殺害現場となった仮装パーティーにピンヒールの宣伝活動も兼ねて出席していた︵原作では婦人雑誌の美人投票で選ばれた3美人で互いに接点はなく、うち2人は嘘の手紙で殺害現場となる映画劇場に呼び出されている︶。 ●ドラマでは上記の通り3人の職業はモデル、鮎沢慎吾は3人が所属するモデル事務所の社長、名越恭介の妻は名越優美で、優美は社長の鮎沢と不倫関係という人物設定︵原作では白川珠子の職業はダンスホールのダンサー、鮎沢慎吾は鮎沢由美の父親、名越恭介の情婦が白川珠子という人物設定︶。 ●恭介は料理研究家志望であるが実質的には無職で収入がなく、妻の優美の経済力に依存しており劣等感で鬱屈していた︵原作では、他に情婦ができて珠子が邪魔になったという以上の描写は無い︶。 ●珠喜は優美を狙って香水に仕込まれた毒で誤って殺害され、文乃は逃走中のピエロ︵恭介の変装︶の腕時計を見たため口封じのために殺害されており、いずれも当初は殺害する計画は無かった︵原作では珠子の殺害動機を隠蔽して捜査をかく乱させるため当初から3人とも殺害する計画であった︶。 ●珠喜が香水に仕込まれた毒に侵され転倒した際、靴を階下へ落下させ、それを偶然拾った三津木が届けに行って死体を発見し、誤解から殺人容疑で警察に身柄を拘束される︵原作では珠子の死体に驚いた由美が靴を階下へ落下させ、靴が片方だけの由美が立ち去るのを目撃した三津木が彼女を追跡、そのあと靴の出どころを調査する︶。 ●靴は鮎沢がスポンサー契約獲得のため﹁美脚﹂が売りの3人に履くよう求めていた︵原作では珠子の殺害動機隠蔽の手段として恭介が3人に靴を贈りつけている︶。 ●由利は殺害現場の足跡のプロファイリングで珠喜、優美、文乃、ピエロの動きを正確に分析し、何が起こったかを見抜いている。 ●文乃の居宅︵珠喜とのシェアルーム︶にガスマスクを着けたピエロが侵入し、加湿器に毒を仕掛けて文乃を殺害する。 ●恭介は料理研究家としての作品も兼ねて優美の夕食を準備していたが、彼女が鮎沢と外食して帰ってきたことに怒って争い、頭を打った優美は気絶する。恭介は優美を料理教室として契約する予定の店舗物件まで連れて行き、他の2人と同じように毒殺しようとするが失敗し、物理的手段で殺害しようとする。第4話・第5話﹁マーダー・バタフライ︵前編・後編︶﹂[編集]
●原作のタイトルは﹁蝶々殺人事件﹂。 ●原さくらが主宰する歌劇団の名称は﹁SAKURA歌劇団﹂︵原作では﹁原さくら歌劇団﹂︶。 ●原総一郎と由利は旧知の間柄で、大阪公演の観劇を総一郎に誘われた由利が3月22日に中之島公会堂を訪問し、コントラバスケースに収められたさくらの死体遺棄現場に居合わせる︵原作では10月20日にさくらの殺害判明後、その捜査を総一郎が東京の由利に依頼しており、由利はさくらの死体遺棄現場には居合わせていない︶。 ●花弁で埋め尽くされたコントラバスケースの中に椿姫のドレスを着てネックレスを付けたさくらの死体が遺棄されていた︵原作でのさくらの死体の着衣は黒い毛皮のコートで、普段付けていた真珠の首飾りが無くなっていた︶。 ●東京から大阪への移動に際し、さくらは京都駅︵原作では品川駅︶で途中下車している。 ●さくらと千恵子が前日移動したのはスポンサーとの会食のため︵原作では夜行列車の移動はのどに負担がかかるという理由で前日移動している︶。 ●劇団員の牧野、川田、蓮見の3名は大阪で飲み遊ぶために公演日前日の晩には大阪入りしている︵原作では土屋、志賀、さくら、千恵子以外の劇団員は公演日前日の夜行列車︵到着は公演日当日︶で大阪に移動している︶。 ●さくらは東京公演の楽屋で藤本殺害事件の記事が載った週刊誌に引き続いて暗号楽譜を見ており、その様子を千恵子が横で見ていた︵原作ではさくらが東京駅で小野から花束を渡された際に暗号楽譜を落とし、拾い上げている︶。 ●さくらは江口清子という偽名で、左京区の小野の実家の近所にある哲学の道近くの﹁清風荘﹂を借りていた︵原作では本名の原清子名義で、都内の小野の住居の近所にある愛宕の﹁清風荘﹂を借りていた︶。 ●由利は﹁清風荘﹂調査に必要な捜索令状を入手するために等々力を巻き込み、等々力は引き続き浅原への捜査協力で大阪の現場にも現れる︵原作では由利の東京での活動に関与するだけで大阪へは現れない︶。 ●ドラマでは原作の福島区にある﹁曙アパート﹂が登場せず、﹁清風荘﹂と﹁曙アパート﹂のどちらがさくらの殺害現場か判然としない筋書が無くなり、殺害現場特定をかく乱させるトリックに知らずに加担させられていた洋画家・佐伯淳吉、東京で由利の捜査に協力する新日報社の三津木の同僚・五井は登場しない。 ●さくら殺害の凶器となった砂嚢は近年の水害を意識した防災用品︵原作では砂嚢は戦時︵日中戦争︶中の防空用品で、さくら殺害の凶器以外に、さくらの遺体をチッキで東京から輸送したように偽装するため歌劇の衣装用トランクの重量を調整する役割でも使用されている︶。 ●千恵子が歌劇団の宿泊先の大阪の近畿第一ホテルから一時行方不明になった理由は、劇団員の中にいると思われるさくら殺害の真犯人に真相を白状させようと、さくらの亡霊のふりをして劇団員の前に現れる工作をおこなっていたため︵原作では清風荘に藤本の写真を戻すのに大阪東京間を往復する時間が必要だったため行方不明となった︶。 ●千恵子は椿姫でアルフレッド・ジェルモンを演じたことはないが、雑誌の取材でアルフレッドのフロックコートの衣装を着てグラビア撮影をしている︵原作では千恵子はアルフレッドを演じている︶。 ●土屋は歌劇団の女性たちを散々弄びさくらを苦しめていた総一郎を殺害しようとして、さくらの亡霊が現れたことを知らせに総一郎の部屋を訪れた雨宮を総一郎と誤って襲ってしまい、顔を見られたためそのまま絞殺した︵原作では土屋がさくらの遺体から盗んだ頚飾︵真珠の首飾︶を隠していた蓮見のトロンボーンから取り出しているのを雨宮に目撃されてしまい、口封じのために絞殺されている︶。 ●由利と三津木が歌劇団の宿泊先の近畿第一ホテルで捜査中に雨宮の殺害事件が発生している︵原作では由利と三津木が東京の清風荘で捜査しているころ、大阪のNホテルで雨宮の殺害事件が発生する︶。 ●雨宮の死体にはホテルの部屋のカーテンが被さっていた︵原作では雨宮の死体には川田の外套が被さっていた︶。 ●さくらは高校時代に主役を奪おうとした音楽スクールの同級生の策略で暴行されそうになったことにより、心理的要因で性機能障害となっている︵原作ではさくらが性機能障害[注 25]となった具体的な理由は特に説明されていない︶。 ●さくらは藤本が自分の﹁隠し子﹂であるという妄想をいだくが、藤本からその妄想を手酷く否定されたため殺害してしまい、土屋は殺害直後にその犯行現場に駆け付ける︵原作ではさくらは藤本の殺害犯から脅されていると清風荘で小野に告白していたが、実際はさくらは藤本殺害とは関係がなかった︶。 ●さくらを慕う土屋は喉頭がんが再発して余命が長くないことを悟り、妄想と現実の区別がつかなくなったさくらの心が完全に壊れてしまう前に、自分が生きている間に、さくらをこの世から退場させようと﹁清風荘﹂でさくらの殺害を実行した︵原作ではかつてさくらの先輩オペラ歌手であった土屋が、さくらがオペラ歌手として人気が出たころには落ち目となり、彼女のマネージャーに転身して立場が逆転し、さくらがわがままになったことに耐えきれず彼女を殺害している︶。 ●土屋は宅配便の集配センターからコントラバスをケースごと盗み出し、ネットカフェに居合わせた男に10万円を渡してタイムシェアの車を手配させ、集配センター近くの曽根橋公園でコントラバスケースを手配した車に載せ﹁清風荘﹂まで運搬後、さくらを殺害して死体をケースに収める。その後、タイムシェアの車で大阪まで移動し、阪急梅田駅でタクシー運転手にコントラバスケースと1万円を渡し、中之島公会堂までケースを運ぶよう依頼した︵原作でのコントラバスの運送手段はチッキで、コントラバス奏者の川田が東京駅で輸送を手配し、雨宮に渡したチッキの合い札を土屋が盗み出し大阪駅へ先回りして回収し、﹁曙アパート﹂でさくらの死体をケースに収め、チップを払って橋場と坂本という男たちを雇い、フォード車で中之島公会堂までコントラバスケースを運搬させている︶。 ●志賀が神戸に用事があったというのは嘘で、さくらのふりをして土屋が送信したメールで箕面の滝へ呼び出されていた︵原作では佐伯淳吉に会うため神戸へ行く予定だったが、土屋がチッキの手配を佐伯に手伝わせていたことをしゃべられては困るので、佐伯に会わせないよう土屋がさくらのふりをして梅田から電報を打ち、志賀を箕面の滝へ呼び出している︶。 ●千恵子が扮したさくらの亡霊を見たのをきっかけに志賀は妄想が高じ、さくらの亡霊と乾杯したあと雨の降る宿泊先のホテルの屋上で蝶々夫人の小道具の短刀で胸を刺す。この短刀は模造刀のため実際には刺せないが、志賀は心臓麻痺で死亡している。 ●指揮者の牧野はさくらのオペラ歌手としての才能は認めているが、色気を振りまき男の気を引こうとする態度に不快感を持っていた︵原作では牧野はさくらが総一郎と結婚するまではさくらのことを狙っていた︶。 ●由利は千恵子に探偵の素質があると買っており、土屋のアリバイトリックを説明する段階から﹁千恵子さん﹂と呼ぶようになったことを最後に三津木に指摘されている︵原作ではさくら殺害事件の真相解明後、由利は千恵子と結婚して麹町から国立に拠点を移している︶。制作[編集]
在阪テレビ局であるカンテレが“ALL関西”を掲げ、1985年に放送された同局制作の﹃影の軍団 幕末編﹄以来34年ぶりにゴールデン・プライム帯の連続ドラマとして、前述の﹃影の軍団 幕末編﹄を共同制作した東映京都撮影所と再びタッグを組み、スタジオ撮影からロケ撮影など、すべて京都をはじめとする関西地区で撮影されている︵詳細は#撮影を参照︶[1][57]。
キャスティング[編集]
原作にあった由利の﹁白髪、ダンディー、達観したスタンス﹂というイメージから本作品のプロデューサー木村弥寿彦の頭に吉川晃司の姿が浮かんだことから、吉川が由利麟太郎役にキャスティングされた[58][59]。 吉川は、オファーを受けた際に面白い挑戦だと思ったと複数のメディアとのインタビューの中で話しており、普通のドラマ制作では選ばれない自分に声がかけられたことから、今までのドラマとは違ったことをしたいという制作スタッフの想いを感じたとも話している[4][9]。 吉川は由利麟太郎については若干認知していたものの、原作通りの時代設定で映像化するのは厳しいが、時代設定を現代に変更すれば成立すると思っていたと前述のインタビューの中で話している[4]。 また、吉川はWOWOWのテレビドラマ﹃黒書院の六兵衛﹄にも出演しており、同作に参加した東映京都のスタッフが本作品にも参加したことがありがたかったと話している[4]。 演技にあたり、由利がアメリカのハンターから学んだトレース技術が推理の基盤になっているという設定や、過去を引きずっているという点から荒野のカウボーイのような人物像を見出し、台詞ではなく横顔や後ろ姿から内面を表現することにした[4][9]。このことから、劇中において由利は必要最低限しか話していない[4][9]。加えて、弓道をたしなむという設定は吉川の提案によるものであり[9]、それに関連して由利の行動のくせも追加された[4][60]。 由利の助手で相棒の三津木俊助には、特撮番組﹃烈車戦隊トッキュウジャー﹄で主人公のトッキュウ1号・ライト役を務めた志尊淳が起用された[61]。 第1話﹁花髑髏﹂には、モデル兼女優の新川優愛がイラストレーター・日下瑠璃子の役でゲスト出演した。新川はリアルサウンドとのインタビューの中で、台本を読んだ際の印象として﹁重たいお話だなと思ったのと同時に、こういった複雑な重さのあるお話は、経験させていただく機会が少なかったので、その意味では、楽しみだなと思いました﹂と述べている[62]。 第2話﹁憑かれた女﹂の出演者の一人である水上京香は、自身が演じるホステス・吉岡エマについて、﹁何かに依存しやすい、寄りかかりやすい、結構弱い人間のような気がします﹂とフジテレビとのインタビューの中で話している[63]。また、エマは感情の起伏が激しいという設定があり、水上はサブタイトルの通り﹁誰かに乗っ取られている﹂感覚があったと話しており、自分自身をつかみ切れていないと感じている日もあったと振り返っている[63]。さらに、エマは叫ぶ場面が多いため、のどが痛くなることもあったと話している[63]。 また、同じ回に出演した柳ゆり菜は、台本を読んだ際、﹁妄想なのか、現実なのか、よくわからないシーンもあって、難解な台本だなと﹂という印象を感じたとフジテレビとのインタビューの中で話している[64]。柳はインタビューの中で元々他のキャラクターをいじめる役が多いとしつつも、自分が演じる神崎美沙子は特に強烈なキャラクターであり、﹁強い人物ではあるが、性格の強さや周囲の環境ゆえに﹃いやな女﹄になってしまったのではないか﹂と話している[64]。 第3話﹁殺しのピンヒール﹂では、村川絵梨と浅利陽介が夫婦役でゲスト出演した[65]。村川は、美脚モデルの名越優美を演じるにあたり、﹁強い女﹂ではあるものの、﹁憎たらしい女﹂にはならないように注意し、内面や台本に書かれていない部分を意識したとフジテレビとのインタビューの中で話している[65]。 最終章﹁マーダー・バタフライ前編/後編﹂は2話連続であり、これまでよりも多くの俳優が登場した[66]。 オペラ界のスター歌手・原さくら役の高岡早紀は台本を読んだ際、﹁[中略]芝居がメインというより、存在自体が、この物語にとって重要なのだなと感じました。言葉を使わず、ある意味存在感だけで芝居をするというのは、今まであまりなかったので、自分自身としては、どんな表現ができるのか、楽しみだと思いました﹂とフジテレビとのインタビューの中で話している[66]。一方で、登場人物数が多いために台本を読み込まなくてはいけなかったほか、序盤で死ぬ役柄だったがゆえに吉川らとの対話がほとんどなかったとも話している[66]。 さくらのマネージャー・土屋恭蔵を演じた鈴木一真は、監督から長い髪を切らないでほしいと頼まれたとフジテレビとのインタビューの中で話している[67]。 また、土屋の助手の雨宮順平は社会人という設定だが、﹁MEN'S NON-NO﹂の専属モデルである水沢林太郎が演じた[68]。 演じた当時、水沢は17歳の高校生であり、社会人の役を演じるのは本作品が初めてであり、不器用な新人を演じるのにも苦労したとフジテレビとのインタビューの中で話している[68]。役作りにあたり、水沢は見た目から入るべく﹁新社会人の心得﹂といった本を読んだ[68][69]。 さくらの弟子・相良千恵子を演じた吉谷彩子は、台本を読んだ印象として﹁こういう現代劇だけどちょっと時代物っぽい雰囲気の推理作品の役は、今まで演じたことがなかったので、しかも、物語を動かす立場なので、そこに対しての難しさが最初にきましたね﹂とフジテレビとのインタビューの中で話しており、強い印象を残せるようにするため、演じるに当たっては目づかいや言葉運びなども意識したとも話している[70]。また、古谷は長いセリフを淡々と力強く話す役や、女優役、さらには探偵役もはじめてだったため、自分の役をかなり読みこんだとも話している[70]。このほかにも、大阪府警の警部・浅原役で板尾創路が出演している[69]。撮影[編集]
本作品はスタジオ撮影からロケ撮影まで、すべて京都をはじめとする関西地区で撮影されており、下記に示す代表的なシーンが撮影されたロケ地のみならず、スタジオ撮影においても東映京都撮影所︵京都市右京区︶で撮影が行われている[57]︵﹁加茂句堂﹂の店内[71]、由利の仕事部屋[72]、第1話の日下邸内の瑛造の実験室[73]、第2話の事件が起きた洋館の館内[74]はいずれも撮影所のスタジオセット︶。 ロケ地が京都をはじめとする関西地区となった理由は主演の吉川晃司の提案と、制作サイドの意図の双方によるところがある[4][60]。 吉川は﹁ミステリー色の強い作品なので、趣のある建物や風景が大事。京都は、なんでこんなところに洋館があるの、とか不思議な建物が多くあって、そこに浮遊する空気で立体感を出せる。僕自身、京都で撮ろうよって提案したんです﹂と京都新聞のインタビューでコメントしている[57]。また、吉川はフジテレビとのインタビューにおいても、﹁結果的に、やっぱり京都で撮れて良かった。ロケに行っても、趣のある建物が多いし、太秦のスタッフは映像に独特の陰影や奥行きを出せる﹂と話している[4]。 ●向日神社[75]︵京都府向日市︶- 由利が推理をまとめる際、精神を集中するために弓を射る境内のシーンを撮影。 ●菅大臣神社[76]︵京都市下京区︶- 入口石鳥居の向かって右側の町屋を由利の下宿先、骨董品店﹁加茂句堂﹂の外観として撮影。 ●旧乾邸[77]︵神戸市東灘区︶- 第1話で日下邸として撮影︵作中での所在地は京都市伏見区となっている︶。 ●生そば やっこ[78]︵京都市中京区︶ - 第1話で由利がにしん蕎麦を、第3話で由利と等々力が食事するシーンを撮影。 ●愛宕念仏寺[57]︵京都市右京区︶- 第1話で瑠璃子と瑛一が訪れた輪願寺の瑠璃堂として撮影。 ●ヴォーリズ建築の住宅[79]︵滋賀県近江八幡市︶ - 第2話で由利と三津木たちが調査する洋館の外観、玄関ホールとして撮影。 ●大阪市中央公会堂︵中之島公会堂︶[80][69]︵大阪市北区︶ - 第4話、第5話で原さくらの歌劇団が大阪公演を行う中之島公会堂として撮影︵原作通り︶。 また、本作品は2019新型コロナウイルスの感染拡大で開催延期となった東京五輪が本来は2020年7月に開幕予定だったことから、“オリンピックシフト”で当初より6月に放送を開始する全5話の"連続特別ドラマ"として企画・制作が進んでいたため、撮影はコロナ禍の影響を受ける直前だった2020年3月末にクランクアップしている[2][9][注 26]。反響[編集]
由利麟太郎を演じる主演の吉川晃司は本作品への出演前に、テレビ朝日・東映制作の特撮作品﹃仮面ライダーW﹄の劇場版で仮面ライダースカルに変身する探偵・鳴海荘吉を演じていたことから、特撮ファンが由利麟太郎と鳴海荘吉がどちらも﹁探偵﹂であるという共通点を結び付け、SNS上で盛り上りを見せた[81]。 さらに、由利の助手で相棒の三津木を演じた志尊淳も同じくテレビ朝日・東映制作の特撮作品﹃烈車戦隊トッキュウジャー﹄で主人公のトッキュウ1号・ライト役で出演しており、仮面ライダースカルとトッキュウ1号という東映特撮ヒーローの共演に大喜びするコメントも見られた[61]。 初回放送には、SNS上で吉川の演技を称賛する声が寄せられた[64]。脚注[編集]
注釈[編集]
(一)^ 単発テレビドラマの事例や由利を金田一耕助に置き換えたシリーズの事例は本作品以前にも存在する︵由利麟太郎#テレビドラマ参照︶。
(二)^ ab第1話﹁花髑髏﹂で三津木が運営するWEBサイト﹃由利麟太郎の事件簿﹄に投稿された由利への挑戦状の送信日が2020年3月1日になっている。
(三)^ 数々の難事件を解決に導いており、そのことがマスコミや三津木の運営するWebサイトで紹介されていることから、第1話の湯浅、第2話の井手、第4話、第5話の相良は由利の名前を聞いただけでどのような人物か認識できるほど、世間での認知度は高い。
(四)^ 第1話では﹃蝶々夫人﹄、第2話では第4話、第5話で登場する相良千恵子が歌唱する﹃椿姫﹄の﹁乾杯の歌﹂を鑑賞している。
(五)^ 作中では明確に言及されていないが、等々力の発言や由利の回想から、由利は過去に妻を亡くしており、亡き妻のことを思い出していることが示唆される。
(六)^ 由利が各話で先端に過剰反応してしまったアイテムは次の通り。第1話‥湯浅のステッキの握り手、瑠璃子のアトリエのナイフ、瑛一が振りかざしたナイフ、第2話‥井出の振りかざしたサーベル、第3話‥等々力が回収した由利が放った2本の弓矢、モデル事務所で等々力が手にしたピンヒールの爪先とヒール部分、恭介が振りかざしたナイフ。
(七)^ 犯行の核心部分や犯人像を絞り込んだ際の決め台詞。犯行の動機や犯人を特定した際の決め台詞は﹁的を射た﹂。
(八)^ 第1話ではインターネットの画像検索で人物を特定し、第2話では地図サービスで事件現場を特定し、第3話では逃走犯のリアルタイムの目撃情報をSNSを使い収集するなど、情報リテラシーの能力が高い。
(九)^ 第2話で旧友の井出からも童顔と指摘されている。
(十)^ ab第2話の作中に﹁洛西第二高等学校ミステリー同好会・会誌﹃蜘蛛の巣﹄﹂という小道具が登場する。
(11)^ 第3話。弓道部の部員は由利と等々力の2人だけだった。
(12)^ カーナビを上手く操作できない自分自身に対して、自虐的に﹁俺は化石か!﹂と苛立ちの言葉を発している。
(13)^ ユリリンの表記は字幕放送の字幕より。
(14)^ トドの表記は字幕放送の字幕より。
(15)^ 第2話で夜分に由利に薔薇の花束を買いに行かせている。
(16)^ 役名の苗字は公式ツイッター、名前は字幕放送の字幕より。
(17)^ 数え年。事件の発生年が2020年で、1992年生まれのプロフィールが作中で確認できる。
(18)^ 数え年。事件の発生年が2020年で、1990年生まれのプロフィールが作中で確認できる。
(19)^ 作中で12歳と言及されている。
(20)^ 役名は回想シーンで湯浅が八十川を拘束していた際に着用していた白衣の名札より
(21)^ 役名は字幕放送の字幕より。
(22)^ 原作では未ドラマ化の﹃幻の女﹄で等々力が由利を﹁嘗つての大先輩﹂とする描写があり、由利の方が立場的に格上。
(23)^ 原作では由利は下宿ではなく自宅を麴町三丁目に保有。ここに﹁お直﹂と呼ばれるお婆さんの女中がいたが、登場は﹃石膏美人﹄︵未ドラマ化︶のみ。
(24)^ 中盤でこれまでの話をまとめ上げ時系列整理と終盤で真相に気が付き、ミサ子達の所に向かう場面程度。
(25)^ 原作中で夫の総一郎︵ドラマ版の聡一郎︶はさくらについて﹁子供を産めない体だった﹂としか言っておらず、ただの不妊の可能性もあり。
(26)^ 出典の吉川へのインタビューによると、吉川曰く﹁ギリギリ﹂2020年3月末にクランプアップしている。
出典[編集]
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関連項目[編集]
●名探偵 由利麟太郎 蝶々殺人事件 - 1998年12月5日にテレビ朝日の土曜ワイド劇場で放送された蝶々殺人事件の映像化作品。主演は石坂浩二。原作収録書籍[編集]
﹃花髑髏﹄ 由利・三津木探偵小説選 第1﹃悪魔の設計図﹄︵東方社 1956年︶ 角川文庫 緑304-32﹃花髑髏﹄ ISBN 4-04-130432-6 角川文庫 よ5-47﹃花髑髏﹄ ISBN 978-4-04-109613-0 由利・三津木探偵小説集成2﹃夜光虫﹄︵柏書房 ISBN 978-4-7601-5052-6︶ ﹃憑かれた女﹄ 由利・三津木探偵小説選 第5﹃カルメンの死﹄︵東方社 1957年︶ 由利・三津木探偵小説選 第7﹃カルメンの死﹄︵東方社 1961年︶ 角川文庫 緑304-51﹃憑かれた女﹄ ISBN 4-04-130451-2 角川文庫 よ5-45﹃憑かれた女﹄ ISBN 978-4-04-109299-6 由利・三津木探偵小説集成4﹃蝶々殺人事件﹄︵柏書房 ISBN 978-4-7601-5054-0︶ 由利が登場しない同題の原型作品があり、角川書店﹃喘ぎ泣く死美人﹄ISBN 978-4-04-788149-5︵文庫版 ISBN 978-4-04-355505-5︶に収録されている。 ﹃銀色の舞踏靴﹄ 角川文庫 緑304-69﹃血蝙蝠﹄ ISBN 4-04-130469-5 角川文庫 よ5-46﹃血蝙蝠﹄ ISBN 978-4-04-109298-9 由利・三津木探偵小説集成3﹃仮面劇場﹄︵柏書房 ISBN 978-4-7601-5053-3︶ ﹃蝶々殺人事件﹄ 蝶々殺人事件#収録本を参照。外部リンク[編集]
●探偵・由利麟太郎︵関西テレビ公式サイト︶ ●﹃探偵・由利麟太郎﹄公式 (@ktvyuri8) - X︵旧Twitter︶ ●︻公式︼探偵・由利麟太郎 (@ktvyuri) - Instagramカンテレ制作・フジテレビ系 火曜21時枠 | ||
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