「津波地震」の版間の差分
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|1896 || 明治三陸 || 7.2 || 8.0 - 8.1 || 8.2 - 8.6 |
|1896 || [[明治三陸地震|明治三陸]] || 7.2 || 8.0 - 8.1 || 8.2 - 8.6 |
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|1923 || [[択捉島沖地震|択捉島沖]]<ref name="TNOK">{{cite web |author=谷岡 勇市郎,勝俣 啓 |date=2011 |url=https://www.jishin.go.jp/main/chousakenkyuu/nemuro_juten/h22/h22_3_1.pdf |title=根室沖等の地震に関する調査研究 平成22年度成果報告書 古地震調査 |website=jishin.go.jp |publisher=[[地震調査研究推進本部]] |accessdate=2020-11-30}}</ref> || 7.1 || || 8.1 |
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|1946 || アリューシャン || 7.4 || 8.1 || 9.3 |
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|1946 || [[アリューシャン地震 (1946年)|アリューシャン]] || 7.4 || 8.1 || 9.3 |
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|1963 || [[択捉島沖地震#1963年択捉島沖地震|択捉島沖 (10月20日)]]<ref name="TNOK"/> || 7.1 || 7.8 || 8.0 |
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|1992 || ニカラグア || 7.2 || 7.6 - 7.7 || 7.9 |
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|1975 || [[北海道東方沖地震|北海道東方沖]]<ref name="TNOK"/> || 6.9 - 7.0 || 7.5 || 7.95 |
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|1992 || {{仮リンク|ニカラグア地震 (1992年)|en|1992 Nicaragua earthquake|label=ニカラグア}} || 7.2 || 7.6 - 7.7 || 7.9 |
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|1993 || [[北海道南西沖地震|北海道南西沖]] || 7.6 || 7.7 || 8.1 |
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|1996 || {{仮リンク|チンボテ地震|en|1996 Chimbote earthquake|label=ペルー沖}} || 6.6 || 7.5<ref name = "USGS">{{cite web |url=https://earthquake.usgs.gov/earthquakes/search/ |title=Search Earthquake Catalog |website=earthquake.usgs.gov |publisher=[[アメリカ地質調査所]] |accessdate=2020-11-30}}</ref> || 7.7 |
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⚫ | |2006 || [[ジャワ島南西沖|ジャワ島南西沖]]<ref name="YC89_12_16">{{PDFlink|[http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/kaihou89/12_16.pdf 津波地震] 地震予知連絡会会報 第89巻}}</ref> || 7.1<ref name = "USGS"/> || 7.7<ref name = "USGS"/> || 8.0 |
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⚫ | |2010 || [[スマトラ島沖地震 (2010年10月)|スマトラ島沖 (10月)]]|| 7.2<ref name = "USGS"/> || 7.8<ref name = "USGS"/> || 8.3 |
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* 1984年6月13日[[鳥島近海地震]]では、M5.7 であったが、Mt7.3 と津波マグニチュードが特異的に大きく八丈島八重根漁港で1.3 - 1.5 mの津波を観測している<ref>羽鳥徳太郎、「[https://hdl.handle.net/2261/12933 1984年6月13日鳥島近海地震による特異な津波]」 東京大學地震研究所彙報 60(1), p87-95, 1985, {{hdl|2261/12933}}, {{naid|120000871735}}</ref>。当時の観測記録のなかで、最も小さいマグニチュードで津波を発生させた地震である<ref>{{PDFlink|[http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/kaihou33/07_01.pdf 1984年6月13日鳥島近海の地震(気象庁)] 地震予知連絡会 会報33巻}}</ref>。 |
* 1984年6月13日[[鳥島近海地震]]では、M5.7 であったが、Mt7.3 と津波マグニチュードが特異的に大きく八丈島八重根漁港で1.3 - 1.5 mの津波を観測している<ref>羽鳥徳太郎、「[https://hdl.handle.net/2261/12933 1984年6月13日鳥島近海地震による特異な津波]」 東京大學地震研究所彙報 60(1), p87-95, 1985, {{hdl|2261/12933}}, {{naid|120000871735}}</ref>。当時の観測記録のなかで、最も小さいマグニチュードで津波を発生させた地震である<ref>{{PDFlink|[http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/kaihou33/07_01.pdf 1984年6月13日鳥島近海の地震(気象庁)] 地震予知連絡会 会報33巻}}</ref>。 |
2020年11月30日 (月) 10:09時点における版
概要
海底において地震が発生し、海底面に地震断層による地殻変動が現れると、それは海水の上下動を呼び起こし、津波を発生させる。通常は、津波を発生させる地震は大規模な地震であり、体感もしくは強震動地震計などにより、津波を引き起こした地震による揺れ︵地震動︶を感知することができる。一般的に断層運動の大きさ︵モーメントマグニチュード︶が大きいほど、地震動も津波の規模も大きくなる[注 1]。 しかしながら、地震動と津波の大きさがリンクしないことがあり、体感もしくは地震計によって観測した地震動は比較的小規模であるにも拘わらず、大きな津波が発生する場合もある。このタイプの地震を津波地震と呼称する。 津波の波高が大きいことから、海水の上下動の差 = 地殻の変動量自体は大きい。大きな地殻変動が通常の地震よりも長い時間をかけて発生する︵スロースリップ︶ことで、有感となるような短周期の地震動をあまり生じさせることなく大きな津波を発生させ、津波地震となる。また、海溝軸付近でのすべり量が大きいと津波が大きくなる[2]。一般に地震断層の破壊伝播速度は、通常の地震ではおおむね秒速2.5 - 3 km程度であるとされる。しかし津波地震では秒速1 km程度の場合が多い。このような地震では強震動をあまり生じさせないが、津波の波源域は津波が拡散するよりも早く数分以内の短い時間で広がるため、津波が大きくなる。破壊伝播速度がこれよりさらに十分遅い場合は、津波の波源域が広がる前に津波が拡散してしまい、大きな津波も発生しなくなる。 地震の揺れ自体が小さいにもかかわらず大きな津波を発生させる津波地震の特性から、地震発生直後の避難が難しく被害が拡大する危険性をはらんでいる。津波地震の顕著な例として知られる1896年の明治三陸地震では、2万人以上の死者を出した。 2011年の東北地方太平洋沖地震では、プレート境界の陸地側の深い部分のすべりにより短周期の強い地震動が発生し、沖合いの海溝側の浅い部分のすべりにより長周期の地震動と強大な津波を発生したと推定され、この陸地側と海溝側の断層破壊が往復する形で発生したと推定される。これにより広範囲で発生した海溝型地震と津波地震が連動して、津波もより巨大化された可能性がある[3]。また、明治三陸地震は主にプレート境界の海溝側の浅い部分で断層破壊が発生し、長周期の地震動と強大な津波を発生したと理解される[4][5]。東京大学の古村孝志らも明治三陸地震や同じく津波地震である慶長地震は海溝側の浅い部分で発生した地震と推定している[6]。 地震学では一般的に、実体波マグニチュードに対してモーメントマグニチュードや津波マグニチュードが1以上大きくなるような地震が津波地震に分類される[注 2]。津波地震の例
年 | 地震名 | 表面波マグニチュード () |
モーメントマグニチュード () |
津波マグニチュード () |
---|---|---|---|---|
1896 | 明治三陸 | 7.2 | 8.0 - 8.1 | 8.2 - 8.6 |
1923 | 択捉島沖[8] | 7.1 | 8.1 | |
1946 | アリューシャン | 7.4 | 8.1 | 9.3 |
1963 | 択捉島沖 (10月20日)[8] | 7.1 | 7.8 | 8.0 |
1975 | 北海道東方沖[8] | 6.9 - 7.0 | 7.5 | 7.95 |
1992 | ニカラグア | 7.2 | 7.6 - 7.7 | 7.9 |
1993 | 北海道南西沖 | 7.6 | 7.7 | 8.1 |
1996 | ペルー沖 | 6.6 | 7.5[9] | 7.7 |
2006 | ジャワ島南西沖[2] | 7.1[9] | 7.7[9] | 8.0 |
2010 | スマトラ島沖 (10月) | 7.2[9] | 7.8[9] | 8.3 |
類似の地震
脚注
注釈
(一)^ 断層運動によって地震動︵揺れ︶と津波︵海底面の地殻変動による海水の上下動︶がそれぞれ生じるのであって、地震動が津波を引き起こすわけではない。地震動と津波は原因は同じだが別の現象であるともいえる。 (二)^ この目安は概ねM5 - M7程度で適用される。実体波マグニチュードが8以上になると、マグニチュードの﹁頭打ち﹂によりモーメントマグニチュードとの差が大きくなるが、このことをもって津波地震と判断されることはない。出典
関連項目
- 防災 - ハザードマップ
- スロースリップ(ゆっくり地震)
- マグニチュード#津波マグニチュード
- 大津波
外部リンク
- 柿沼太郎、「津波地震がもたらす幾つかの地変形態を対象とした津波形成過程の数値解析」 『海岸工学論文集』 2006年 53巻 p.191-195, doi:10.2208/proce1989.53.191
- 武村雅之、小山順二、「低周波地震のスケーリングモデル 津波地震と中小規模低周波地震の関係」 『地震 第2輯』 1983年 36巻 3号 p.323-336, doi:10.4294/zisin1948.36.3_323