「ニューエイジ・ミュージック」の版間の差分
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聴く人を[[リラクゼーション|リラックス]]させ、ポジティヴな感情を与えたり、アンビエント音楽的な[[メロディ]]が特徴の[[音楽]]のことである。[[1960年]]代後半から、[[ヨーロッパ]]および[[アメリカ]]で、[[ヒッピー・ムーブメント]]の影響を受け自然回帰願望を持った人々を対象として、実験的な[[癒し]]の音楽として始まった。[[1970年]]代から、[[ブライアン・イーノ]]らの[[環境音楽]]([[アンビエント・ミュージック]])に刺激を受け、より多くの[[曲|楽曲]]が活発に作られるようになっていく。[[日本]]では、[[喜多郎]]などが先駆けとして活動するようになる。[[1981年]]に、[[マウンテンビュー]]の[[タワー・レコード]]が初めて「ニューエイジ」を音楽市場の[[ジャンル]]に加え[[1985年]]から、本格的にジャンルとしてニューエイジが広まった。[[1986年|1986年度]]から[[グラミー賞]]にニューエイジ部門が設けられ、記念すべき最初の受賞者となったのは、[[スイス]]出身の[[アンドレアス・フォーレンヴァイダー]]である。その他にも、[[エンヤ]]、[[ジョージ・ウィンストン]]、[[クラナド]]、[[ウィリアム・アッカーマン]]など、有名なアーティストが受賞しているが[[日本人]]の受賞者には[[喜多郎]]がいる。 |
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クリアな音の質感の追求と緻密な音声の加工のために、ジャンル流行期の[[1980年代]]末には、未だ黎明期にあったデジタル機材が惜しげもなく投入されていた。このジャンルの音楽制作者の多くがシンセサイザー,サンプラー,デジタルレコーディング,ハードディスクレコーディング等を駆使しており、自然回帰を謳いながらも、高度なテクノロジーに大きく依存したジャンルであると言える。 |
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2018年1月7日 (日) 13:44時点における版
歴史
聴く人をリラックスさせ、ポジティヴな感情を与えたり、アンビエント音楽的なメロディが特徴の音楽のことである。1960年代後半から、ヨーロッパおよびアメリカで、ヒッピー・ムーブメントの影響を受け自然回帰願望を持った人々を対象として、実験的な癒しの音楽として始まった。1970年代から、ブライアン・イーノらの環境音楽︵アンビエント・ミュージック︶に刺激を受け、より多くの楽曲が活発に作られるようになっていく。日本では、喜多郎などが先駆けとして活動するようになる。1981年に、マウンテンビューのタワー・レコードが初めて﹁ニューエイジ﹂を音楽市場のジャンルに加え1985年から、本格的にジャンルとしてニューエイジが広まった。1986年度からグラミー賞にニューエイジ部門が設けられ、記念すべき最初の受賞者となったのは、スイス出身のアンドレアス・フォーレンヴァイダーである。その他にも、エンヤ、ジョージ・ウィンストン、クラナド、ウィリアム・アッカーマンなど、有名なアーティストが受賞しているが日本人の受賞者には喜多郎がいる。 クリアな音の質感の追求と緻密な音声の加工のために、ジャンル流行期の1980年代末には、未だ黎明期にあったデジタル機材が惜しげもなく投入されていた。このジャンルの音楽制作者の多くがシンセサイザー,サンプラー,デジタルレコーディング,ハードディスクレコーディング等を駆使しており、自然回帰を謳いながらも、高度なテクノロジーに大きく依存したジャンルであると言える。定義
クラシックやポップス、ジャズなど多様な要素をミックスしたような特徴を持ち、環境音楽、エレクトロニカ、ミニマル・ミュージック、ワールドミュージック、イージー・リスニングなどの音楽と多くの共通点を持つ。これらの音楽とはジャンルの分類が非常にシビアであるため、混同されることも多い。実際にCDショップやレコード業者の都合でニューエイジのジャンルで棚に並べられていることもある。リラクゼーションや、瞑想を助けたり、音楽療法などの代替医療、ヨガ、チャクラなどに使用するための意図がこめられている場合もある。主にピアノやシンセサイザーなどのインストゥルメンタルで演奏される。楽曲によっては人声を使用するものもある。癒し系音楽ジャンルの1つとして認知されている。また、ヒーリング・ミュージックと呼ばれることもある。特徴
ポップスと比較すると、自然、風景、旅、環境、宇宙、生命などをテーマにしたものが多い。メロディは幾度も繰り返される様式が多く、それにより催眠感が形成されるとする楽曲もある。ハーモニーには教会旋法や協和音、ドローンバスが用いられる楽曲もある。いくつかの曲は自然の収録音が用いられることがある。一部のニューエイジ・ミュージックはニューエイジ・ムーブメントと関連付けられるが、すべてのニューエイジ・ミュージックにニューエイジ・ムーブメントとの関連があるわけではない。宗教
スピリチュアルな雰囲気を持つため、新興宗教の教祖にこの類の音楽を好む者が多い。1990年代は太陽寺院,オウム真理教,セブン・シールズなどの教団が起こした事件のため、ニューエイジ・ミュージック自体が非難の対象になりかけたことがある。サイエントロジーの信者で知られるミュージシャンは、ほぼ決まって無限反復を持ち込んでいる。代表的な作曲家(50音順)
- RELAX WORLD
- Infinix
- アディエマス
- アンドレ・ギャニオン
- ヴァンゲリス
- エンヤ
- 喜多郎
- ケルティック・ウーマン
- 坂本龍一
- サラ・ブライトマン
- シークレット・ガーデン
- ジャン・ミッシェル・ジャール
- ジョージ・ウィンストン
- タンジェリン・ドリーム
- ディープ・フォレスト
- 西村由紀江
- ハンス・ジマー
- 久石譲
- 平沢進
- ブライアン・イーノ
- マイケル・ナイマン
- マイク・オールドフィールド
- ロジャー・イーノ
- エニグマ
関連項目
- ニューエイジ
- ニューエイジ・ミュージックの作曲家一覧
- 実験音楽
- 現代音楽
- 環境音楽
- アンビエント・ミュージック
- ヒーリング・ミュージック
- リラックスミュージック (音楽)
- オルタナティブ・ミュージック
- ベリー・ダンス
- ヒッピー
- カウンターカルチャー
- ヨーガ
- ヒンドゥー教
- 音楽療法
- ジョン・ケージ
- カラー・セラピー
- 1/fゆらぎ
- シンセサイザー
- モーグ・シンセサイザー
参考文献
- Hale, Amy; Philip Payton (2000), New Directions in Celtic Studies, University of Exeter Press, ISBN 9780859895873
- Marini, Stephen A. (2003), Sacred Song in America: Religion, Music, and Public Culture, Urbana and Chicago: University of Illinois Press, ISBN 9780252028007
- Newport, John P. (1998), The New Age Movement and the Biblical Worldview: Conflict and Dialogue, William B. Eerdmans Publishing, ISBN 9780802844309
- Seaward, Brian Luke (2011), Managing Stress: Principles and Strategies for Health and Well-Being, Burlington, MA, Mississauga, and London: Jones & Bartlett Publishers, ISBN 9780763798345
- Shuker, Roy (2002), Popular Music: The Key Concepts, Psychology Press, ISBN 9780415284257
- Whittall, Arnold (2003), Exploring Twentieth-Century Music: Tradition and Innovation, Cambridge University Press, ISBN 9780521016681
- Piero Scaruffi, Enciclopedia della musica New Age elettronica, ambientale, pan-etnica, a cura di E. Guaitamacchi, Arcana Editore, 1996, p. 640, ISBN 88-7966-073-X.
- 電子音楽in JAPAN, 田中雄二
- 電子音楽 In The(Lost)World, 田中雄二