「新たな形態の銀行」の版間の差分
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2020年5月18日 (月) 14:05時点における版
新たな形態の銀行︵あらたなけいたいのぎんこう︶とは、都市銀行や地方銀行、信託銀行など従来の伝統的な銀行にはない業務を行う銀行を指す、金融庁の分類用語である。
2000年9月26日に事業免許を取得し10月12日に営業を開始したジャパンネット銀行開業以降に設立された銀行に多い。
概要
いずれも実店舗数を最低限に抑え︵基本的には対面窓口のない、組織上だけの預金口座のある本店営業部のみ︶、入出金業務は提携先・出資元銀行や郵便局、コンビニエンスストアなどの現金自動預け払い機︵ATM︶やインターネットバンキングを利用している。また、維持経費のかかる預金通帳は発行されず、インターネットバンキングやスマフォアプリで明細を表示するほか、利用明細書を別途郵送することで代替している場合が多い。こうした手法によって運営コストを低くすることで、従来型の銀行に比べて、各種手数料の安さや預金金利の高さなどに優位性をもたせるなどの特徴を持つ。分類
業態としては以下のようなものがある。金融庁の分類では、かつての長期信用銀行である新生銀行とあおぞら銀行、外国銀行の日本法人であるSBJ銀行も、新たな形態の銀行が分類される﹁その他﹂の区分に含まれている。 ●インターネット専業銀行 ●商業施設との連携を主体にする銀行 ●中小企業への融資を主体にする銀行 ●破綻した銀行の業務を一時的に引き継ぐ事を主体にする銀行国庫金取扱業務やPay-easy
2020年現在、インターネット専業銀行および商業施設との連携を主体にする銀行のうち、ソニー銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、イオン銀行、ローソン銀行、ジャパンネット銀行以外の銀行は日本銀行の国庫金取扱業務を行っていない[1]ため、既存の都市銀行や地方銀行、信用金庫などの従来型金融機関と異なり、確定申告による国税の還付や、国家公務員の給与の受取、年金や雇用保険などの公的機関からの振込用口座には利用できない[注釈 1]。その他の銀行で、国庫金の取扱がない金融機関も同様である。 Pay-easyはジャパンネット銀行と楽天銀行が対応しているが[2]、ほとんどの新たな形態の銀行は対応していない。インターネット専業銀行
詳細は「ネット銀行」を参照
インターネット専業銀行は、利用者に対し直接現金や証券証書類の受け払いを行う実店舗を原則的に設置せず、営業上必要な拠点のみを設置し、電話やインターネットを介した取引に特化した銀行。略してインターネット銀行、ネット銀行とも言う。
実店舗が少なく預金通帳も発行されないため、取り引きはネットバンキングで行う。キャッシュカード、ATMで取り引きできるところもある。実店舗が少ないため人件費や店舗運営コストが小さく、﹁手数料が安い、預金金利が高い﹂などの特徴がある。
商業施設との連携を主体にする銀行
金融庁の指針[3]では﹁コンビニ等の店舗網にATMを設置し主に決済サービスの提供を行う銀行﹂と表記している。 セブン銀行︵旧‥アイワイバンク銀行︶ 利用者や提携金融機関からの手数料を収益とするフィービジネスを主たるビジネスモデルとする。ATM網の全国展開。親会社であるセブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂︵スーパーマーケット︶、セブン-イレブン︵コンビニエンスストア︶、デニーズ︵ファミリーレストラン︶、そごう・西武︵百貨店︶などの店舗内にATMを展開しているほか、証券会社支店ATMのセブン銀行ATMへの置換も実施された。 イオン銀行 ショッピングセンター利用の個人を対象とした銀行。親会社であるイオングループ︵主にイオンやミニストップ︶の各店舗内にATMを展開するほか、大型ショッピングセンターにはインストアブランチとして実店舗も開設している。2012年3月31日付で、イオンコミュニティ銀行を吸収合併したことに伴い、同社の拠点を継承した﹁法人営業部﹂を設置し、法人・個人事業主事業にも進出、逆に同社の個人向け事業は従来の事業に併せる形となった。 ローソン銀行 2015年11月に、報道各社がローソンを主体とした銀行を2016年半ば以降に開業する方針であることを報じた[4]。ローソンは、報道に対しては事実は無いとしたものの、あらゆる手段を検討していると発表し[5]、2016年11月25日、ローソンが95%、三菱東京UFJ銀行が5%を出資するローソンバンク設立準備株式会社を資本金10億円で設立した[6]。2018年3月、ローソンはローソンバンク設立準備株式会社が金融庁に銀行業取得に向けた予備審査を申請すると発表[7]。2018年6月26日に同庁による銀行業免許予備審査が終了[8]。次いで2018年8月10日付で認可申請中だった﹁ローソン銀行﹂について、同庁は銀行業の免許を交付した[9]。これを受け、2018年10月15日からローソン銀行は業務を開始[10]。中小企業への融資を主体にする銀行
中小企業への融資を主体にする銀行は、一般の銀行より広く中小企業融資を推進し、中小企業の事業展開や新事業開発を支援する事を企図した銀行。かつて新銀行東京と日本振興銀行の2行が存在したが、いずれも現存しない。破綻した銀行の業務を一時的に引き継ぐ事を主体にする銀行
日本承継銀行 日本承継銀行は、破綻した各地第二地方銀行の業務を継承し業務を開始した。 第二日本承継銀行 破綻した日本振興銀行の業務を継承し業務を開始した。2011年12月26日以降、新たな親会社となったイオン銀行傘下となりイオンコミュニティ銀行として再出発したが、2012年3月31日にイオン銀行に吸収合併され、消滅した。 整理回収機構 2011年の法改正により承継銀行機能を付与されることとなった。脚注
注
(一)^ ソニー銀行については、国庫金振込お取り扱い開始のお知らせ ︵2004年8月2日︶を参照。楽天銀行については、国庫金振込の取り扱い︵年金、国家公務員給与等の受け取り︶開始のお知らせ ︵2012年7月2日︶を参照。住信SBIネット銀行については、国庫金当座振込事務取扱開始のお知らせ ︵2013年1月15日 ︶を参照。出典
(一)^ 国庫金の振込先金融機関・送金先金融機関 日本銀行HP
(二)^ ネット銀行などでもペイジーは使えますか?|よくあるご質問|いつでも、どこでも、ペイジー。
(三)^ 主要行等向けの総合的な監督指針 金融庁HP
(四)^ “ローソンが銀行設立検討 三菱UFJ出資も”. 共同通信. (2015年11月20日) 2016年2月6日閲覧。
(五)^ "本日の一部報道について" (Press release). ローソン. 2015-11-20. 2016-2-6閲覧。
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(六)^ "ローソンバンク設立準備株式会社の設立について" (Press release). 株式会社ローソン. 25 November 2016. 2017年5月16日閲覧。
(七)^ “セブン銀、イオン銀の次は… ﹁ローソン銀行﹂開業へ”. 朝日新聞デジタル. (2018年3月26日) 2018年3月31日閲覧。
(八)^ "︵開示事項の経過︶ローソンバンク設立準備株式会社における銀行業免許の予備審査終了について" (Press release). ローソン. 2018-6-26. 2018-7-1閲覧。 {{cite press release2}}
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(九)^ “﹁ローソン銀﹂免許交付10月サービス開始”. 日本経済新聞. (2018年8月10日) 2018年8月10日閲覧。
(十)^ “﹁ローソン銀行﹂に金融庁が免許 7年ぶり新規参入”. 朝日新聞デジタル. (2018年8月10日) 2018年8月10日閲覧。