「Debian」の版間の差分
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| language = 75言語<ref name="stretch-release-note">{{Cite web|和書|url=https://www.debian.org/releases/stretch/amd64/release-notes/ch-installing.ja.html |title=Debian 9 (stretch) リリースノート (64 ビット PC 用)第3章 インストールシステム |
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|accessdate=2017-06-20 |publisher=Debian |date= 2017-06-17}}</ref> |
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| license = [[Debianフリーソフトウェアガイドライン|DFSG]] ([[GNU General Public License|GNU GPL]]その他)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.debian.org/legal/licenses/ |
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'''Debian'''︵{{pron|ˈdɛbiən}} '''デビアン'''︶または'''Debian Project'''は[[Linuxディストリビューション]]のひとつである'''Debian GNU/Linux'''を中心とす |
'''Debian'''({{pron|ˈdɛbiən}} '''デビアン''')または'''Debian Project'''は[[Linuxディストリビューション]]のひとつである'''Debian GNU/Linux'''を中心とするプロジェクトである。 |
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[[GNUプロジェクト]]の精神の尊重と、同プロジェクトによるプロダクトの積極的な採用などが特徴である。システム全体を単に[[Linux]]と呼ぶ事が多いのに対し、Debianでは﹁[[GNU/Linux]]﹂という呼称を積極的に使っている。呼称が分かれる経緯については''[[GNU/Linux名称論争]]''を参照。
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Linuxディストリビューションの他、[[カーネル]](核)を[[Linuxカーネル]]から[[GNU Hurd]]や[[FreeBSD]]のカーネルに置き換えた、[[Debian GNU/Hurd]]や[[Debian GNU/kFreeBSD]]などがある。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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[[Linuxカーネル]]、必須なユーティリティ類のutil- |
[[Linuxカーネル]]、必須なユーティリティ類の{{ill|util-linux|en|util-linux}}、プログラムの[[ビルド (ソフトウェア)|ビルド]]に必要な[[GNUコンパイラコレクション|GCC]]や[[GNU Binutils]]、[[GNU Core Utilities|coreutils]]などのその他の[[Unix系]][[ユーティリティ]]をはじめ、その他[[デスクトップ環境]]向けや[[サーバ]]運用向けなど多数の、計51,000以上のパッケージを提供している<ref name="stretch-release-news" />。対象環境として現在10の[[コンピュータ・アーキテクチャ|アーキテクチャ(環境)]]向けに開発されており<ref name="stretch-release-news" />、[[インテル]]や[[アドバンスト・マイクロ・デバイセズ|AMD]]の[[32ビット]]・[[64ビット]][[プロセッサ]]、組み込み機器で使われる[[ARMアーキテクチャ]]などがそれには含まれている。低水準のパッケージ管理システムは[[dpkg]]、高水準のパッケージ管理システムは[[APT]]である。[[デスクトップ環境]]は各種のものがパッケージにあるが、Debian 8では導入時に選べるのは[[GNOME]]、[[Xfce]]、[[KDE]]、[[Cinnamon]]、[[MATE (デスクトップ環境)|MATE]]、[[LXDE]]、[[LXQt]]である。 |
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Debian-kde.png|Debian 7 (wheezy) KDE4.8 Plasmaデスクトップ |
Debian-kde.png|Debian 7 (wheezy) KDE4.8 Plasmaデスクトップ |
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その他の特徴として、Debianを母体として、さらに[[カスタム#パーソナルコンピュータにおけるカスタム|調整や変更]]を加えた派生Linuxディストリビューションの作成が考慮されている、という点がある。派生先には[[Ubuntu]]他多くの派生ディストリビューションが存在する。 |
その他の特徴として、Debianを母体として、さらに[[カスタム#パーソナルコンピュータにおけるカスタム|調整や変更]]を加えた派生Linuxディストリビューションの作成が考慮されている、という点がある。派生先には[[Ubuntu]]他多くの派生ディストリビューションが存在する。 |
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インストーラ用のCD/DVD[[ISO_9660|イメージ]]はWebからのダウンロード、[[BitTorrent]]・[[jigdo]]・uNetBootInなどで取得できる。さらに、インストーラーをオンライン再販業者から購入する事も可能である<ref>{{ |
インストーラ用のCD/DVD[[ISO_9660|イメージ]]はWebからのダウンロード、[[BitTorrent]]・[[jigdo]]・uNetBootInなどで取得できる。さらに、インストーラーをオンライン再販業者から購入する事も可能である<ref>{{Cite web|和書| first = | last = | accessdate = 2010-11-29 | url = http://www.debian.org/CD/vendors/ | title = Debian CD のベンダ | publisher = www.debian.org }}</ref>。
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Debian10-installation-menu.png| Debian 10 のインストール・メニュー |
Debian10-installation-menu.png| Debian 10 のインストール・メニュー |
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*[[1993年]][[8月16日]] [[イアン・マードック]]により開始。 |
*[[1993年]][[8月16日]] [[イアン・マードック]]により開始。 |
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*[[1996年]][[6月16日]] Debian 1.1(コード名 buzz)を公開。 |
*[[1996年]][[6月16日]] Debian 1.1(コード名 buzz)を公開。 |
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*1996年12月12日 Debian 1.2(rex)を公開。 |
*[[1996年]][[12月12日]] Debian 1.2(rex)を公開。 |
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*1997年6月5日 Debian 1.3(bo)を公開。 |
*[[1997年]][[6月5日]] Debian 1.3(bo)を公開。 |
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*[[1998年]][[7月24日]] Debian 2.0(hamm)を公開。 |
*[[1998年]][[7月24日]] Debian 2.0(hamm)を公開。 |
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*1999年3月9日 Debian 2.1(slink)を公開。 |
*[[1999年]][[3月9日]] Debian 2.1(slink)を公開。 |
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*2000年8月14−15日 Debian 2.2(potato)を公開。 |
*2000年8月14−15日 Debian 2.2(potato)を公開。 |
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*[[2002年]][[7月19日]] Debian 3.0(woody)を公開。 |
*[[2002年]][[7月19日]] Debian 3.0(woody)を公開。 |
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*[[2003年]][[8月16日]] プロジェクト発足10周年を迎えた。 |
*[[2003年]][[8月16日]] プロジェクト発足10周年を迎えた。 |
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*2005年6月6日 Debian 3.1(sarge)を公開。 |
*[[2005年]][[6月6日]] Debian 3.1(sarge)を公開。 |
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*[[2007年]][[4月8日]] Debian 4.0(etch)を公開。 |
*[[2007年]][[4月8日]] Debian 4.0(etch)を公開。 |
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*[[2009年]][[2月14日]] Debian 5.0(lenny)を公開。 |
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*[[2019年]][[7月6日]] Debian 10.0(buster)を公開。 |
*[[2019年]][[7月6日]] Debian 10.0(buster)を公開。 |
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*[[2021年]][[8月14日]] Debian 11.0(bullseye)を公開。 |
*[[2021年]][[8月14日]] Debian 11.0(bullseye)を公開。 |
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*2023年6月10日 Debian 12.0(bookworm)を公開。 |
*[[2023年]][[6月10日]] Debian 12.0(bookworm)を公開。 |
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Debian の各版に付けられている開発用コード名は、ディズニー映画「トイ・ストーリー」の登場人物の名前に基づいている。Debian の不安定版は、おもちゃをいつも壊す悪ガキのキャラクターである Sid にちなんでいる。 |
Debian の各版に付けられている開発用コード名は、ディズニー映画「トイ・ストーリー」の登場人物の名前に基づいている。Debian の不安定版は、おもちゃをいつも壊す悪ガキのキャラクターである Sid (シド)にちなんでいる。 |
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===1993年〜1998年=== |
===1993年〜1998年=== |
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Debianは[[1993年]]8月16日に当時[[パデュー大学]]の学生であった[[イアン・マードック]]により創設された。 マードックは当初"Debian Linux Release"という名称を付けた<ref>{{cite mailing list | url = https://groups.google.com/g/comp.os.linux.development/c/Md3Modzg5TU/m/xty88y5OLaMJ | title = New release under development; suggestions requested | mailinglist =comp.os.linux.development | date = 1993-08-16 | author = Ian A Murdock }}</ref>。当時"Softlanding Linux System (SLS)"という初のGNU/Linuxディストリビューションが公開されていたが、SLSは保守がお粗末であったり不具合が頻発したためマードックは全く新しいディストリビューションを立ち上げた。 |
Debianは[[1993年]]8月16日に当時[[パデュー大学]]の学生であった[[イアン・マードック]]により創設された。 マードックは当初"Debian Linux Release"という名称を付けた<ref>{{cite mailing list | url = https://groups.google.com/g/comp.os.linux.development/c/Md3Modzg5TU/m/xty88y5OLaMJ | title = New release under development; suggestions requested | mailinglist =comp.os.linux.development | date = 1993-08-16 | author = Ian A Murdock }}</ref>。当時"Softlanding Linux System (SLS)"という初のGNU/Linuxディストリビューションが公開されていたが、SLSは保守がお粗末であったり不具合が頻発したためマードックは全く新しいディストリビューションを立ち上げた。 |
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1993年、マードックは"Debianマニフェスト"というこの新しいオペレーティングシステムについての概要を公表した。その中で、このディストリビューションの保守は、LinuxおよびGNUの精神に基づき公開された手法で維持されることを求めた。彼はこのディストリビューションの名称を、ガールフレンドの名前Debra Lynnと自身の名前IanからDebianとした<ref>{{Citation | author = Robin Nixon | year = 2010 | title = Ubuntu: Up and Running: A Power User's Desktop Guide isbn = 978-0-596-80484-8}}</ref>。 |
1993年、マードックは"Debianマニフェスト"というこの新しいオペレーティングシステムについての概要を公表した。その中で、このディストリビューションの保守は、LinuxおよびGNUの精神に基づき公開された手法で維持されることを求めた。彼はこのディストリビューションの名称を、ガールフレンド(後の妻)の名前Debra Lynnと自身の名前IanからDebianとした<ref>{{Citation | author = Robin Nixon | year = 2010 | title = Ubuntu: Up and Running: A Power User's Desktop Guide isbn = 978-0-596-80484-8}}</ref><ref>{{Cite book|和書 | author= GLYN MOODY 小山祐司監訳 | title= ソースコードの反逆 | year=2002 | date=2002-6-11 | publisher=[[アスキー (企業)|株式会社アスキー]]|isbn = 4-7561-4100-5 |page=108}}</ref>。
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Debianプロジェクトからは、[[1994年]]から[[1995年]]にかけて0.9版のシリーズが初めて公開された。この期間、[[フリーソフトウェア財団]]の[[GNUプロジェクト]]が支援を行った。1995年には、インテルi386以外の環境に対しても対応が開始されることとなり、[[1996年]]に最初の1.x版が公開された。 |
Debianプロジェクトからは、[[1994年]]から[[1995年]]にかけて0.9版のシリーズが初めて公開された。この期間、[[フリーソフトウェア財団]]の[[GNUプロジェクト]]が支援を行った。1995年には、インテルi386以外の環境に対しても対応が開始されることとなり、[[1996年]]に最初の1.x版が公開された。 |
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3.0(woody)公開後、次期版3.1(sarge)まで、およそ3年という長期に渡る空白期間が存在する。主な理由として、potatoからwoody以後にかけて、パッケージ数が2倍程に増加、またwoodyでの対応環境も増加したため、公開直後からこれに伴うバグが飛躍的に増大した点がある。とりわけリリースクリティカルバグが事実上すべて解消されない限り公開できないため、公開日程に多大なる影響を与えた。パッケージメンテナのバグに対する考え方は温度差があり、たとえば特定の言語のみ発生するバグならば、そのメンテナがバグ対象の言語圏でも無い限りバグを修正することに対する意欲を持つことは少ない。コミュニティによるボランティアを作業基盤とするDebian特有の問題とも言える。 |
3.0(woody)公開後、次期版3.1(sarge)まで、およそ3年という長期に渡る空白期間が存在する。主な理由として、potatoからwoody以後にかけて、パッケージ数が2倍程に増加、またwoodyでの対応環境も増加したため、公開直後からこれに伴うバグが飛躍的に増大した点がある。とりわけリリースクリティカルバグが事実上すべて解消されない限り公開できないため、公開日程に多大なる影響を与えた。パッケージメンテナのバグに対する考え方は温度差があり、たとえば特定の言語のみ発生するバグならば、そのメンテナがバグ対象の言語圏でも無い限りバグを修正することに対する意欲を持つことは少ない。コミュニティによるボランティアを作業基盤とするDebian特有の問題とも言える。 |
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しかし、長くなっていく公開間隔について、フリーソフトウェアコミュニティから疑問の声が上がった。Debianのsargeリリース直前には、実際にDebian開発者の1人であった[[マーク・シャトルワース|Shuttleworth]]が主導して[[Ubuntu]]というプロジェクトを派生させた。Shuttleworthが雇っているUbuntu開発者の多くは、かつてはDebianボランティアだったか、または今もDebianに関わっている人々である。多くの場合、Ubuntu開発者として([[カノニカル|Canonical]]を通して)雇われた人々はDebianでも同じパッケージの管理をしている<ref>{{Cite web|title=DebConf6:Debianユーザのための激しく刺激的で熱い取り組み {{!}} OSDN Magazine|url=https://mag.osdn.jp/06/05/25/0324244|website=OSDN|accessdate=2020-04-09|language=ja}}</ref>。この点については本人も公式サイト<ref>{{Cite web|title=MarkShuttleworth - Ubuntu Wiki|url=https://wiki.ubuntu.com/MarkShuttleworth#Is_Ubuntu_a_Debian_fork.3F_Or_spoon.3F_What_sort_of_silverware_are_you.2C_man.3F|website=wiki.ubuntu.com|accessdate=2020-04-09}}</ref>で「Debian の開発者の中には、Ubuntu で仕事のほとんどをするようになった人も確かにいます。また、Ubuntu と Debian で同じように仕事をしている開発者もいます。」としてそれを認めている。Debian の創立者、Ian Murdochは、Ubuntu の人気が Debian 派生のディストロのために良い兆しだとは考えていない。それは、Ubuntu 用に作られたパッケージが Sarge上で動作しないことが多いことを挙げている。 |
しかし、長くなっていく公開間隔について、フリーソフトウェアコミュニティから疑問の声が上がった。Debianのsargeリリース直前には、実際にDebian開発者の1人であった[[マーク・シャトルワース|Shuttleworth]]が主導して[[Ubuntu]]というプロジェクトを派生させた。Shuttleworthが雇っているUbuntu開発者の多くは、かつてはDebianボランティアだったか、または今もDebianに関わっている人々である。多くの場合、Ubuntu開発者として︵[[カノニカル|Canonical]]を通して︶雇われた人々はDebianでも同じパッケージの管理をしている<ref name="osdn">{{Cite web|和書|title=DebConf6‥Debianユーザのための激しく刺激的で熱い取り組み {{!}} OSDN Magazine|url=https://mag.osdn.jp/06/05/25/0324244|website=OSDN|accessdate=2020-04-09|language=ja}}</ref>。この点については本人も公式サイト<ref>{{Cite web|title=MarkShuttleworth - Ubuntu Wiki|url=https://wiki.ubuntu.com/MarkShuttleworth#Is_Ubuntu_a_Debian_fork.3F_Or_spoon.3F_What_sort_of_silverware_are_you.2C_man.3F|website=wiki.ubuntu.com|accessdate=2020-04-09}}</ref>で﹁Debian の開発者の中には、Ubuntu で仕事のほとんどをするようになった人も確かにいます。また、Ubuntu と Debian で同じように仕事をしている開発者もいます。﹂としてそれを認めている。Debian の創立者、Ian Murdochは、Ubuntu の人気が Debian 派生のディストロのために良い兆しだとは考えていない。それは、Ubuntu 用に作られたパッケージが Sarge上で動作しないことが多いことを挙げている。Murdockは、Ubuntuが本当にDebianと互換性があった場合、開発のための作業のエネルギーの全てをSargeに向けられる可能性があり、それが本当に全体として見た場合、Debianの開発システムに利益をもたらすと主張している<ref>{{Cite web|title=Sarge vs. The Hoary Hedgehog? - InternetNews.|url=http://www.internetnews.com/dev-news/article.php/3496541|website=www.internetnews.com|accessdate=2020-04-09}}</ref>。したがって、当時のこうした混乱状況がsargeの開発をさらに遅らせることになったといえる。
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その後、Debianから派生したUbuntuは多数の常勤の開発者によって開発されるところとなり、次第に影響力を増していった。しかし、ブラジル人のDebian開発者、Otavio Salvador は、﹁﹁ユーザはUbuntuを信用しているが、ユーザには安定したパッケージを提供する必要がある﹂ という考えにUbuntuが[[コミット (バージョン管理)]]しているかどうか、確信が持てない。﹂と述べている。また彼は、Shuttleworth個人に対しても不信感を抱いており、露骨に﹁言動が一致していない﹂と非難し、﹁品質対公開日程の問題で溝が深まったことでUbuntuとDebianの関係はひどいものになっている。﹂と語っている |
その後、Debianから派生したUbuntuは多数の常勤の開発者によって開発されるところとなり、次第に影響力を増していった。しかし、ブラジル人のDebian開発者、Otavio Salvador は、﹁﹁ユーザはUbuntuを信用しているが、ユーザには安定したパッケージを提供する必要がある﹂ という考えにUbuntuが[[コミット (バージョン管理)]]しているかどうか、確信が持てない。﹂と述べている。また彼は、Shuttleworth個人に対しても不信感を抱いており、露骨に﹁言動が一致していない﹂と非難し、﹁品質対公開日程の問題で溝が深まったことでUbuntuとDebianの関係はひどいものになっている。﹂と語っている{{R|"osdn"}}。このように、Ubuntuに対する評価は分かれている。
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Debianのstable開発の長期化と派生であるUbuntuの誕生は、Debianコミュニティに対する意識を変化させ、Debian 4.0(コードネーム: etch)以降の版に対しての公開日程を含むいくつかの改善をもたらしたのは確かである。[[2011年]]現在では両コミュニティにおいて、バグ修正の取扱いなど相互交流もある<ref> |
Debianのstable開発の長期化と派生であるUbuntuの誕生は、Debianコミュニティに対する意識を変化させ、Debian 4.0(コードネーム: etch)以降の版に対しての公開日程を含むいくつかの改善をもたらしたのは確かである。[[2011年]]現在では両コミュニティにおいて、バグ修正の取扱いなど相互交流もある<ref> |
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| url = http://www.ubuntulinux.jp/community/ubuntustory/debian |
| url = http://www.ubuntulinux.jp/community/ubuntustory/debian |
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| title = DebianとUbuntu {{!}} Ubuntu Japanese Team |
| title = DebianとUbuntu {{!}} Ubuntu Japanese Team |
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[[2007年]]4月8日、Debian 4.0(コードネーム: etch)が公開された。GUIインストールが公式に対応されている。この公開版では新たにAMD64に対応した一方、Debian初のx86以外の対応環境であったm68kは公式に非対応となった(但し非公式ながら動作する)。 |
[[2007年]]4月8日、Debian 4.0(コードネーム: etch)が公開された。GUIインストールが公式に対応されている。この公開版では新たにAMD64に対応した一方、Debian初のx86以外の対応環境であったm68kは公式に非対応となった(但し非公式ながら動作する)。 |
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[[2009年]]2月14日、Debian 5.0(コードネーム: lenny)が公開された。開発期間は22ヶ月。25000以上のソフトウェア・パッケージが収録された。新たに[[マーベル・テクノロジー・グループ]]が販売しているARM基盤の[[ネットワークアタッチトストレージ|NAS]]、[[:en:Orion (system-on-a-chip)|Orion]][[プラットフォーム (コンピューティング)|プラットフォーム]]と[[Eee PC|Asus Eee PC]]のような[[ネットブック]]に対応した。この版はMIPSアーキテクチャメンテナで[[2008年]]12月26日に交通事故で亡くなったThiemo Seuferに捧げられた<ref>{{ |
[[2009年]]2月14日、Debian 5.0(コードネーム: lenny)が公開された。開発期間は22ヶ月。25000以上のソフトウェア・パッケージが収録された。新たに[[マーベル・テクノロジー・グループ]]が販売しているARM基盤の[[ネットワークアタッチトストレージ|NAS]]、[[:en:Orion (system-on-a-chip)|Orion]][[プラットフォーム (コンピューティング)|プラットフォーム]]と[[Eee PC|Asus Eee PC]]のような[[ネットブック]]に対応した。この版はMIPSアーキテクチャメンテナで[[2008年]]12月26日に交通事故で亡くなったThiemo Seuferに捧げられた<ref>{{Cite web|和書| first = | last = | accessdate = 2010-11-29 | url = http://www.debian.org/News/2008/20081229 | title = Debian プロジェクトは Thiemo Seufer さんの死に哀悼の意を捧げます | publisher = www.debian.org }}</ref><ref name="lenny released">{{Cite web|和書|url=http://www.debian.org/News/2009/20090214 |title=Debian GNU/Linux 5.0 がリリース |
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|accessdate=2009-02-15 |publisher=Debian |date= 2009-02-14}}</ref>。 |
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== プロジェクトの組織構成 == |
== プロジェクトの組織構成 == |
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プロジェクトは、世界中の有志の開発者によって構成されている。プロジェクトには誰でも参加できるが、正規の開発者になるためには、技術的なチェックを受ける必要がある。2020年11月現在、1100名以上<ref> |
プロジェクトは、世界中の有志の開発者によって構成されている。プロジェクトには誰でも参加できるが、正規の開発者になるためには、技術的なチェックを受ける必要がある。2020年11月現在、1100名以上<ref>{{Cite web |title=Debian Project -- debian.org Developers LDAP Search |url=https://db.debian.org/search.cgi |website=db.debian.org |access-date=2024-01-28}}</ref>のメンバーがいる。日本人の開発者は40人ほどである。
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プロジェクトの抱負として、Debian社会契約<ref> |
プロジェクトの抱負として、Debian社会契約<ref>{{Cite web |url=https://www.debian.org/social_contract |title=Debian 社会契約 |access-date=2022-01-28 |publisher=Debian}}</ref>を掲げている。Debian社会契約は、プロジェクトが遵守すべき事項を定めたもので、[[1997年]][[7月5日]]に採択された。その中の[[Debianフリーソフトウェアガイドライン]] (DFSG) は、Debianにおける[[ソフトウェア]]評価基準となっており、このガイドラインに適合しない、フリーではないと評価されたソフトウェアは、Debianの一部として提供されることはない。
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プロジェクト内の意思決定はDebian憲章<ref> |
プロジェクト内の意思決定はDebian憲章<ref>{{Cite web |title=Debian Constitution |url=https://www.debian.org/devel/constitution.en.html |website=www.debian.org |access-date=2024-01-28 |language=en}}</ref>の下で行なわれる。Debian憲章は、組織構成やその権限、投票にかけるまでの手続きなどを定めたもので、[[1998年]][[12月2日]]に採択された。
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このことから、Debianプロジェクトは独立した非中央集権的な組織である。また他のGNU/Linuxディストリビューション(例えば、Ubuntu、openSUSE、Fedora、そしてMandriva)のように企業が所有するものではない。 にも関わらず、プロジェクトの生産付加価値は極めて高く、Debian 4.0 (etch)版に含まれる全パッケージ開発コストを例にとると、コード総数2億8300万行、[[COCOMO]]モデル([[:en:COCOMO]])を使用した生産価値評価は130億米ドルにのぼるとされる<ref>{{cite web | first = Terry | last = Hancock | accessdate = 2008-10-31 | url = http://www.freesoftwaremagazine.com/books/mihrfc/impossible_thing_1_developing_efficient_free_software_like_gnu_debian | title = Impossible thing #1: Developing efficient, well engineered free software like Debian GNU/Linux | publisher = www.freesoftwaremagazine.com }}</ref>。[[2009年]]4月2日、オンラインコミュニティサイト[[Ohloh]]はある時点でのDebian GNU/Linuxプロジェクトのコードベース(コード総数4500万行)をCOCOMOモデルを用いて評価したところ、開発コストは約8億1900万米ドルになると推計した<ref>[http://www.ohloh.net/p/debian Ohloh.net], Debian GNU/Linux</ref>。Debian 5.0 (lenny) リリースに関して、Juan José Amorらの推計によると、有効なコード総数は324,000,000行、COCOMOモデルによる生産価値評価は61億ユーロにのぼるとされる<ref>{{cite web | first = Juan | last = Amor | accessdate = 2010-11-29 | url = http://gsyc.es/~frivas/paper.pdf | title = Measuring Lenny: the size of Debian 5.0 | publisher = GSyC/Libresoft, [[レイ・フアン・カルロス大学|Universidad Rey Juan Carlos]] ([[:en:King Juan Carlos University|King Juan Carlos University]])}}</ref>。 |
このことから、Debianプロジェクトは独立した非中央集権的な組織である。また他のGNU/Linuxディストリビューション(例えば、Ubuntu、openSUSE、Fedora、そしてMandriva)のように企業が所有するものではない。 にも関わらず、プロジェクトの生産付加価値は極めて高く、Debian 4.0 (etch)版に含まれる全パッケージ開発コストを例にとると、コード総数2億8300万行、[[COCOMO]]モデル([[:en:COCOMO]])を使用した生産価値評価は130億米ドルにのぼるとされる<ref>{{cite web | first = Terry | last = Hancock | accessdate = 2008-10-31 | url = http://www.freesoftwaremagazine.com/books/mihrfc/impossible_thing_1_developing_efficient_free_software_like_gnu_debian | title = Impossible thing #1: Developing efficient, well engineered free software like Debian GNU/Linux | publisher = www.freesoftwaremagazine.com }}</ref>。[[2009年]]4月2日、オンラインコミュニティサイト[[Ohloh]]はある時点でのDebian GNU/Linuxプロジェクトのコードベース(コード総数4500万行)をCOCOMOモデルを用いて評価したところ、開発コストは約8億1900万米ドルになると推計した<ref>[http://www.ohloh.net/p/debian Ohloh.net], Debian GNU/Linux</ref>。Debian 5.0 (lenny) リリースに関して、Juan José Amorらの推計によると、有効なコード総数は324,000,000行、COCOMOモデルによる生産価値評価は61億ユーロにのぼるとされる<ref>{{cite web | first = Juan | last = Amor | accessdate = 2010-11-29 | url = http://gsyc.es/~frivas/paper.pdf | title = Measuring Lenny: the size of Debian 5.0 | publisher = GSyC/Libresoft, [[レイ・フアン・カルロス大学|Universidad Rey Juan Carlos]] ([[:en:King Juan Carlos University|King Juan Carlos University]])}}</ref>。 |
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無論こうしたDebianに関するコミュニティの門戸の広さは、全く問題がないわけではなく、以前には、「一部ユーザによる礼儀知らずな行為」とコミュニティの意思決定の遅さが批判されたことがある<ref>{{ |
無論こうしたDebianに関するコミュニティの門戸の広さは、全く問題がないわけではなく、以前には、「一部ユーザによる礼儀知らずな行為」とコミュニティの意思決定の遅さが批判されたことがある<ref>{{Cite web|和書| first = Bruce | last = Byfield | accessdate = 2010-11-30 | url = http://sourceforge.jp/magazine/06/09/06/0929250 | title = 保守担当者の辞任で明らかになったDebianプロジェクトの問題 | publisher = NewsForge, [[SourceForge.JP]] Magazine}}</ref>。 |
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{{Main|DebConf}} |
{{Main|DebConf}} |
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毎年、Debianカンファレンス<ref> |
毎年、Debianカンファレンス<ref>{{Cite web |title=DebConf |url=https://www.debconf.org/ |website=www.debconf.org |access-date=2024-01-28 |language=en}}</ref> (通称[[DebConf]]) が開催される。Debianカンファレンスは、世界中のDebian開発者が直接会談する場で、[[2000年]][[7月5日]]に初めて開催された。資金面などの多くの障害があるため、今のところ日本で開催されたことはないが、有志によって開催が検討されている<ref>{{Cite web |title=DebConfInJapan - Debian Wiki |url=https://wiki.debian.org/DebConfInJapan |website=wiki.debian.org |access-date=2024-01-28}}</ref>。
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===プロジェクトリーダー=== |
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| style="background-color:#FFE6E6;" | 2018年5月31日<ref name="wheezy-lts" /> |
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| 新アーキテクチャ: {{Mono|armhf}}, {{Mono|s390x}}<ref>{{ |
| 新アーキテクチャ: {{Mono|armhf}}, {{Mono|s390x}}<ref>{{Cite web|和書| url = http://www.debian.org/releases/wheezy/amd64/release-notes/ch-whats-new.ja.html#idp159648 |title=第2章 Debian 7.0 の最新情報|accessdate=2013-6-8}}</ref>。LTS対象アーキテクチャ: {{Mono|i386}}, {{Mono|amd64}}, {{Mono|armel}}, {{Mono|armhf}}<ref name="lts" />。Multiarchのサポート<ref>{{cite web | url = http://www.debian.org/News/2011/20110726b | title = Debian -- News -- Debian 7 "Wheezy" to introduce multiarch support | publisher = Debian | accessdate = 2013-06-08 }}</ref>。amd64向けに[[UEFI]]インストール/ブートに対応<ref name="wheezy-release-news">{{Cite web|和書| url = http://www.debian.org/News/2013/20130504 | title = Debian -- ニュース -- Debian 7.0 "Wheezy" リリース | publisher = Debian | accessdate = 2013-06-08 }}
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Linux 3.2, kFreeBSD 8.3/9.0, KDE Plasma 4.8.4, GNOME 3.4, Xfce 4.8, X.Org 7.7<ref name="wheezy-release-news" />。 |
Linux 3.2, kFreeBSD 8.3/9.0, KDE Plasma 4.8.4, GNOME 3.4, Xfce 4.8, X.Org 7.7<ref name="wheezy-release-news" />。 |
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| style="background-color:#FFE6E6;" | 2018年6月17日<ref name="lts" /> |
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| 新アーキテクチャ: {{Mono|arm64}}, {{Mono|ppc64el}}、脱落アーキテクチャ: {{Mono|s390}}, {{Mono|ia64}}, {{Mono|sparc}}、脱落カーネル: {{Mono|kfreebsd}}{{Mono|(-i386/-amd64)}}<ref name="jessie-support-architecture">{{Cite web|和書| url = https://www.debian.org/releases/jessie/amd64/release-notes/ch-whats-new.ja.html#idp64836096 | title = 第2章 Debian 8 の最新情報 | accessdate = 2017-07-22}}</ref>。LTS対象(予定)アーキテクチャ: {{Mono|i386}}, {{Mono|amd64}}, {{Mono|armel}}, {{Mono|armhf}}<ref name="lts" />。[[Embedded GLIBC|eglibc]]から[[GNU Cライブラリ|glibc]]への再移行<ref name="debian-switching-back-to-glibc">{{cite web | url = https://blog.aurel32.net/175 | title = Debian is switching (back) to GLIBC | accessdate = 2017-07-22}}</ref>。systemdを標準のinitシステムへ。32ビットシステム上のUEFI対応。<ref name="jessie-release-news" />
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Linux 3.16, KDE Plasma 4.14.2, GNOME 3.14, Xfce 4.10<ref name="jessie-release-news" /> |
Linux 3.16, KDE Plasma 4.14.2, GNOME 3.14, Xfce 4.10<ref name="jessie-release-news" /> |
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|新アーキテクチャ: {{Mono|mips64el}}、脱落アーキテクチャ: {{Mono|powerpc}}<ref name="stretch-support-architecture">{{ |
|新アーキテクチャ: {{Mono|mips64el}}、脱落アーキテクチャ: {{Mono|powerpc}}<ref name="stretch-support-architecture">{{Cite web|和書| url = https://www.debian.org/releases/stretch/amd64/release-notes/ch-whats-new.ja.html#idm45309675803072 |title=第2章 Debian 9 の最新情報|accessdate=2017-7-22}}</ref>。MariaDBがMySQLを置き換え。GnuPGを2.1︵モダンブランチ︶に移行。Xorgサーバーを一般ユーザー権限で実行可能に<ref name="stretch-whats-new">{{Cite web|和書| url = https://www.debian.org/releases/stretch/amd64/release-notes/ch-whats-new.ja.html#newdistro | title = Debian -- News -- Debian 9 "Stretch" released | publisher = www.debian.org | accessdate = 2017-07-22}}</ref>。
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Linux 4.9, [[KDE Plasma 5]].8. GNOME 3.22, Xfce 4.12<ref name="stretch-release-news" />。 |
Linux 4.9, [[KDE Plasma 5]].8. GNOME 3.22, Xfce 4.12<ref name="stretch-release-news" />。 |
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| 10.0 |
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| ''buster'' <ref name="debian_9_and_10">https://lists.debian.org/debian-release/2014/11/msg00749.html</ref> |
| ''buster'' <ref name="debian_9_and_10">{{Cite web |url= https://lists.debian.org/debian-release/2014/11/msg00749.html|title= Release Team Sprint Results|publisher= Debian|language=en|accessdate=2024-01-28}}</ref> |
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| align="right" | 2019年7月6日 |
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|UEFIセキュアブートに対応。標準のディスプレイサーバを[[X.Org Server|X.org]]から[[Wayland]]に移行。Linux 4.19, KDE Plasma 5.14, GNOME 3.30, Xfce 4.12。 |
|UEFIセキュアブートに対応。標準のディスプレイサーバを[[X.Org Server|X.org]]から[[Wayland]]に移行。Linux 4.19, KDE Plasma 5.14, GNOME 3.30, Xfce 4.12。 |
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| 11.0 |
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| ''bullseye'' <ref name="debian_11_released">https://www.debian.org/News/2021/20210814</ref> |
| ''bullseye'' <ref name="debian_11_released">{{Cite web |url= https://www.debian.org/News/2021/20210814|title= Debian -- News -- Debian 11 "bulleye" released|publisher= Debian|language=en|accessdate=2024-01-28}}</ref> |
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| align="right" | 2021年8月14日 |
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| exFATファイルシステムにカーネルが対応<ref name="debian_11_released" />。Linux 5.10, [[KDE Plasma 5]].20, GNOME 3.38, Xfce 4.16<ref name="debian_11_released" />。 |
| exFATファイルシステムにカーネルが対応<ref name="debian_11_released" />。Linux 5.10, [[KDE Plasma 5]].20, GNOME 3.38, Xfce 4.16<ref name="debian_11_released" />。 |
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| 12.0 |
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| ''Bookworm'' <ref>{{Cite web|title=Debian 10 "Buster"は2019年中頃に登場 Debian 12の名前は"Bookworm"に {{!}} ソフトアンテナブログ|url=https://www.softantenna.com/wp/software/debian-10-mid-2019/|website=www.softantenna.com|accessdate=2020-05-09}}</ref> |
| ''Bookworm'' <ref>{{Cite web|和書|title=Debian 10 "Buster"は2019年中頃に登場 Debian 12の名前は"Bookworm"に {{!}} ソフトアンテナブログ|url=https://www.softantenna.com/wp/software/debian-10-mid-2019/|website=www.softantenna.com|accessdate=2020-05-09}}</ref> |
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| align="right" | 2023年6月10日 |
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|ARM64でのセキュアブートサポート<ref name="debian_12_released">{{Cite web |url= https://www.debian.org/News/2023/20230610|title= Debian -- News -- Debian 12 "bookworm" released|publisher= Debian|language=en|accessdate=2024-01-28}}></ref>。Linux 6.1, KDE Plasma 5.27, GNOME 43, Xfce 4.18<ref name="debian_12_released" /> |
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|13.0 |
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|''trixie''<ref>{{Cite web |url= https://www.debian.or.jp/using/release.html|title= Debian JP Project - リリース情報|publisher= Debian JP Project|language=en|accessdate=2024-01-28}}></ref> |
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|''trixie'' |
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|TBA |
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Debian の「スワール」マーク(意匠)は 1999 年に Raul Silva によって考案された<ref>{{cite web |url = http://gnuart.onshore.com/ |title = GNU/art |accessdate =2020/02/02 }}</ref><ref>{{cite web |url = https://lists.debian.org/debian-www/2010/10/msg00119.html |title = Logo credit |accessdate =2020/02/02 }}</ref>。これはその年に開催されたコンテスト用のものであって、それ以前に使われていた準公式のマークに替わるものとしてデザインされた<ref>{{cite web |url = //www.debian.org/News/1999/19990204.en.html |title = Debian Logo Contest |accessdate =2020/02/02 }}</ref>。 このコンテストの勝者に対して、@debian.org のメールアドレスと、希望するアーキテクチャ用の Debian 2.1 インストール CD のセットが贈られた。マークの意味について Debian プロジェクトから公式な声明は出ていなかったが、 このマークが選ばれた時点では、これはコンピュータを動作させる魔法の煙 (または精霊) を表していることがほのめかされた<ref>{{cite web |url = https://lists.debian.org/debian-devel/2005/01/msg01782.html |title = Origins of the Debian logo |accessdate =2020/02/02 }}</ref>。 |
Debian の「スワール」マーク(意匠)は 1999 年に Raul Silva によって考案された<ref>{{cite web |url = http://gnuart.onshore.com/ |title = GNU/art |accessdate =2020/02/02 }}</ref><ref>{{cite web |url = https://lists.debian.org/debian-www/2010/10/msg00119.html |title = Logo credit |accessdate =2020/02/02 }}</ref>。これはその年に開催されたコンテスト用のものであって、それ以前に使われていた準公式のマークに替わるものとしてデザインされた<ref>{{cite web |url = //www.debian.org/News/1999/19990204.en.html |title = Debian Logo Contest |accessdate =2020/02/02 }}</ref>。 このコンテストの勝者に対して、@debian.org のメールアドレスと、希望するアーキテクチャ用の Debian 2.1 インストール CD のセットが贈られた。マークの意味について Debian プロジェクトから公式な声明は出ていなかったが、 このマークが選ばれた時点では、これはコンピュータを動作させる魔法の煙 (または精霊) を表していることがほのめかされた<ref>{{cite web |url = https://lists.debian.org/debian-devel/2005/01/msg01782.html |title = Origins of the Debian logo |accessdate =2020/02/02 }}</ref>。 |
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Debian のこのマークの由来については、最初に命名された Debian のキャラクターとして選ばれた バズ・ライトイヤー(Buzz Lightyear)のあごに渦巻きがあるからだという説がある{{sfn |Krafft |2005 |p=66}}<ref>{{cite AV media |url=http://www.pixar.com/sites/default/files/ts_billboards_title_v3.jpg |title=Toy Story |type=Billboard |publisher=[[Pixar]] |access-date=2014-08-20 |url-status=dead |archiveurl=https://web.archive.org/web/20131110181603/http://www.pixar.com/sites/default/files/ts_billboards_title_v3.jpg |archivedate=November 10, 2013 |df=mdy-all }}</ref>。Stefano Zacchiroli も、この渦巻きが Debian のものであると示唆している。Debian のコードネームはトイ・ストーリーのキャラクターの名前を付けているので、 バズ・ライトイヤーのスワールが候補となった可能性が高いと思われる。Debian 開発者の Bruce Perens も Pixar の元で働いていた<ref>{{cite web |url = https://upsilon.cc/~zack/talks/2010/20101204-versailles.pdf |title = Debian: 17 ans de logiciel libre, 'do-ocracy' et démocratie |page = 6 |publisher = [[Stefano Zacchiroli]] |date = 2010-12-04 |access-date = 2014-10-21 |archive-url = https://web.archive.org/web/20161120152845/https://upsilon.cc/~zack/talks/2010/20101204-versailles.pdf |archive-date = November 20, 2016 |url-status = dead }}</ref><ref>{{Cite web|title=Chapter 3. Debian リリース|url=https://www.debian.org/doc/manuals/project-history/releases.ja.html|website=www.debian.org|accessdate=2020-06-20}}</ref>。 |
Debian のこのマークの由来については、最初に命名された Debian のキャラクターとして選ばれた バズ・ライトイヤー(Buzz Lightyear)のあごに渦巻きがあるからだという説がある{{sfn |Krafft |2005 |p=66}}<ref>{{cite AV media |url=http://www.pixar.com/sites/default/files/ts_billboards_title_v3.jpg |title=Toy Story |type=Billboard |publisher=[[Pixar]] |access-date=2014-08-20 |url-status=dead |archiveurl=https://web.archive.org/web/20131110181603/http://www.pixar.com/sites/default/files/ts_billboards_title_v3.jpg |archivedate=November 10, 2013 |df=mdy-all }}</ref>。Stefano Zacchiroli も、この渦巻きが Debian のものであると示唆している。Debian のコードネームはトイ・ストーリーのキャラクターの名前を付けているので、 バズ・ライトイヤーのスワールが候補となった可能性が高いと思われる。Debian 開発者の Bruce Perens も Pixar の元で働いていた<ref>{{cite web |url = https://upsilon.cc/~zack/talks/2010/20101204-versailles.pdf |title = Debian: 17 ans de logiciel libre, 'do-ocracy' et démocratie |page = 6 |publisher = [[Stefano Zacchiroli]] |date = 2010-12-04 |access-date = 2014-10-21 |archive-url = https://web.archive.org/web/20161120152845/https://upsilon.cc/~zack/talks/2010/20101204-versailles.pdf |archive-date = November 20, 2016 |url-status = dead }}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=Chapter 3. Debian リリース|url=https://www.debian.org/doc/manuals/project-history/releases.ja.html|website=www.debian.org|accessdate=2020-06-20}}</ref>。
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== 必要環境 == |
== 必要環境 == |
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== Debian派生のディストリビューション == |
== Debian派生のディストリビューション == |
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[[File:DebianFamilyTree1210.svg|thumb|upright|Debian 系統樹]] |
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=== 派生物調査と協力体制について === |
=== 派生物調査と協力体制について === |
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Debian プロジェクトは派生ディストリビューションの重要性を完全に認めており、関係者間の協力を活発に支援している。通常これは、当初派生ディストリビューションで開発されていた改善を Debian が取り込むことを意味する。こうすることで、誰もが恩恵を受けることができ、長期におよぶ保守作業を減らすことになる。 |
Debian プロジェクトは派生ディストリビューションの重要性を完全に認めており、関係者間の協力を活発に支援している。通常これは、当初派生ディストリビューションで開発されていた改善を Debian が取り込むことを意味する。こうすることで、誰もが恩恵を受けることができ、長期におよぶ保守作業を減らすことになる。 |
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このため、派生ディストリビューションは debian-derivatives@lists.debian.org メーリングリストの議論に参加し、派生物調査に参加するよう勧められている。派生物調査は、派生ディストリビューションの中でなされた作業に関する情報を集めることを目標にしている。こうすることで、公式の Debian 開発者が Debian 派生物内の自分のパッケージの状況をより良く追跡することが可能になる<ref>https://debian-handbook.info/browse/ja-JP/stable/derivative-distributions.html</ref>。 |
このため、派生ディストリビューションは debian-derivatives@lists.debian.org メーリングリストの議論に参加し、派生物調査に参加するよう勧められている。派生物調査は、派生ディストリビューションの中でなされた作業に関する情報を集めることを目標にしている。こうすることで、公式の Debian 開発者が Debian 派生物内の自分のパッケージの状況をより良く追跡することが可能になる<ref>{{Cite web |title=Debian 管理者ハンドブック |url=https://debian-handbook.info/browse/ja-JP/stable/derivative-distributions.html |website=debian-handbook.info |access-date=2024-01-28}}</ref>。
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=== Debian (テスト版) 派生 === |
=== Debian (テスト版) 派生 === |
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|{{仮リンク|Astra Linux|en|Astra Linux}} |
|{{仮リンク|Astra Linux|en|Astra Linux}} |
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| [[ロシア連邦|ロシアの政府機関]]における[[:ru:Astra Linux|制式OS]]のひとつ<ref>{{ |
| [[ロシア連邦|ロシアの政府機関]]における[[:ru:Astra Linux|制式OS]]のひとつ<ref>{{Cite web |title=Российская операционная система Astra Linux Special Edition, ОС от отечественного разработчика операционных систем |url=https://www.astralinux.ru/ |website=astralinux.ru |access-date=2024-01-28 |language=ru |first=Группа |last=Астра}}</ref>。
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|[[Ubuntu]] |
|[[Ubuntu]] |
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|{{仮リンク|gLinux|en|gLinux}} |
|{{仮リンク|gLinux|en|gLinux}} |
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| [[Google]]社内向けのデスクトップOS<ref name="glinux_gc">{{ |
| [[Google]]社内向けのデスクトップOS<ref name="glinux_gc">{{Cite web|和書|url=https://cloud.google.com/blog/ja/topics/developers-practitioners/how-google-got-to-rolling-linux-releases-for-desktops|title=Google がデスクトップ向け Linux リリースのロールアウトに至った経緯|publisher=[[Google Cloud]]|accessdate=2023-01-11}}</ref>。2018年まではUbuntuベースの[[Goobuntu]]を使用していたが、OSアップデートの[[ローリングリリース]]対応を目的として移行した<ref name="glinux_gc" />。 |
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|} |
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=== KNOPPIX 派生 === |
=== KNOPPIX 派生 === |
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[[File:KnoppixFamilyTree1210.svg|thumb|KNOPPIX 系統樹]] |
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[[:en:List of Linux distributions#Knoppix-based|KNOPPIXの派生品一覧]]に掲載。 |
[[:en:List of Linux distributions#Knoppix-based|KNOPPIXの派生品一覧]]に掲載。 |
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{{see also|[[KNOPPIX#その他の派生版]]}} |
{{see also|[[KNOPPIX#その他の派生版]]}} |
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753行目: | 755行目: | ||
* [[KNOPPIX#日本発の派生版]] |
* [[KNOPPIX#日本発の派生版]] |
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== 注 |
== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
{{脚注ヘルプ}} |
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{{reflist|2}} |
{{reflist|2}} |
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759行目: | 761行目: | ||
== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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{{Commons&cat|Debian}} |
{{Commons&cat|Debian}} |
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{{Portal|FLOSS|[[ファイル:FLOSS_logo. |
{{Portal|FLOSS|[[ファイル:FLOSS_logo.svg|41px|ウィキポータル FLOSS]]}} |
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{{ウィキポータルリンク|コンピュータ|[[ファイル:Computer.svg|36px|ウィキポータル コンピュータ]]|break=yes}} |
{{ウィキポータルリンク|コンピュータ|[[ファイル:Computer.svg|36px|ウィキポータル コンピュータ]]|break=yes}} |
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{{ウィキポータルリンク|オペレーティングシステム|[[ファイル:Alternative virtual machine host.svg|36px|ウィキポータル オペレーティングシステム]]}} |
{{ウィキポータルリンク|オペレーティングシステム|[[ファイル:Alternative virtual machine host.svg|36px|ウィキポータル オペレーティングシステム]]}} |
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{{Authority control}} |
{{Authority control}} |
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{{DEFAULTSORT: |
{{DEFAULTSORT:てひあん}} |
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[[Category:Debian|*]] |
[[Category:Debian|*]] |
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[[Category:Debian派生ディストリビューション|*]] |
[[Category:Debian派生ディストリビューション|*]] |
2024年6月15日 (土) 06:08時点における版
Debian 10 (buster) Cinnamon デスクトップ | |
開発者 | Debian Project |
---|---|
OSの系統 | Unix系,Linux |
開発状況 | 開発中 |
ソースモデル | FLOSS |
初版 | 1993年8月16日 |
最新安定版 | 12.6[1] [±] |
リポジトリ | |
使用できる言語 | 75言語[2] |
アップデート方式 | LTS |
パッケージ管理 | APT, dpkg (その他数種類のフロントエンド) |
プラットフォーム | i386 (i486以降のx86)、AMD64、PowerPC(64ビット版のみ)、ARM、MIPS、S390[2](以下は非公式: IA-64, SPARC, m68k, Alpha, HPPA) |
カーネル種別 | モノリシック (Linux, FreeBSD (テクノロジープレビュー)), マイクロ (GNU Hurd (非公式)) |
ユーザランド | GNU Core Utilities |
既定のUI | GNOME, KDE, Xfce, LXDEなど |
ライセンス | DFSG (GNU GPLその他)[3] |
ウェブサイト |
|
概要
Linuxカーネル、必須なユーティリティ類のutil-linux、プログラムのビルドに必要なGCCやGNU Binutils、coreutilsなどのその他のUnix系ユーティリティをはじめ、その他デスクトップ環境向けやサーバ運用向けなど多数の、計51,000以上のパッケージを提供している[4]。対象環境として現在10のアーキテクチャ︵環境︶向けに開発されており[4]、インテルやAMDの32ビット・64ビットプロセッサ、組み込み機器で使われるARMアーキテクチャなどがそれには含まれている。低水準のパッケージ管理システムはdpkg、高水準のパッケージ管理システムはAPTである。デスクトップ環境は各種のものがパッケージにあるが、Debian 8では導入時に選べるのはGNOME、Xfce、KDE、Cinnamon、MATE、LXDE、LXQtである。-
Debian 7 (wheezy) KDE4.8 Plasmaデスクトップ
-
Debian 7 (wheezy) Xfce4.8デスクトップ
-
Debian 10 (buster) GNOME デスクトップ
-
Debian 9 (stretch) XFCE デスクトップ
-
Debian 10 のインストール・メニュー
-
Debianインストーラのテキスト版
-
Debianインストーラのグラフィカル版
-
Debian 10 のコンソール・ログイン画面
歴史
開発・公開履歴
●1993年8月16日 イアン・マードックにより開始。 ●1996年6月16日 Debian 1.1︵コード名 buzz︶を公開。 ●1996年12月12日 Debian 1.2︵rex︶を公開。 ●1997年6月5日 Debian 1.3︵bo︶を公開。 ●1998年7月24日 Debian 2.0︵hamm︶を公開。 ●1999年3月9日 Debian 2.1︵slink︶を公開。 ●2000年8月14−15日 Debian 2.2︵potato︶を公開。 ●2002年7月19日 Debian 3.0︵woody︶を公開。 ●2003年8月16日 プロジェクト発足10周年を迎えた。 ●2005年6月6日 Debian 3.1︵sarge︶を公開。 ●2007年4月8日 Debian 4.0︵etch︶を公開。 ●2009年2月14日 Debian 5.0︵lenny︶を公開。 ●2011年2月6日 Debian 6.0︵squeeze︶を公開。 ●2013年5月4日 Debian 7.0︵wheezy︶を公開。 ●2015年4月25日 Debian 8.0︵jessie︶を公開。 ●2017年6月17日 Debian 9.0︵stretch︶を公開。 ●2019年7月6日 Debian 10.0︵buster︶を公開。 ●2021年8月14日 Debian 11.0︵bullseye︶を公開。 ●2023年6月10日 Debian 12.0︵bookworm︶を公開。Debian の各版に付けられている開発用コード名は、ディズニー映画﹁トイ・ストーリー﹂の登場人物の名前に基づいている。Debian の不安定版は、おもちゃをいつも壊す悪ガキのキャラクターである Sid ︵シド︶にちなんでいる。1993年〜1998年
Debianは1993年8月16日に当時パデュー大学の学生であったイアン・マードックにより創設された。 マードックは当初"Debian Linux Release"という名称を付けた[6]。当時"Softlanding Linux System (SLS)"という初のGNU/Linuxディストリビューションが公開されていたが、SLSは保守がお粗末であったり不具合が頻発したためマードックは全く新しいディストリビューションを立ち上げた。 1993年、マードックは"Debianマニフェスト"というこの新しいオペレーティングシステムについての概要を公表した。その中で、このディストリビューションの保守は、LinuxおよびGNUの精神に基づき公開された手法で維持されることを求めた。彼はこのディストリビューションの名称を、ガールフレンド(後の妻)の名前Debra Lynnと自身の名前IanからDebianとした[7][8]。 Debianプロジェクトからは、1994年から1995年にかけて0.9版のシリーズが初めて公開された。この期間、フリーソフトウェア財団のGNUプロジェクトが支援を行った。1995年には、インテルi386以外の環境に対しても対応が開始されることとなり、1996年に最初の1.x版が公開された。 1996年にはブルース・ペレンズがDebianプロジェクトのリーダーとしてマードックの後任に就いた。同年開発者のEan Schuesslerは、Debianプロジェクトがその利用者に対して社会的な契約を交わすべきであるとの提案を行った。これに関してDebianプロジェクトのメーリングリストで行われた議論は、プロジェクトについての﹁Debian社会契約﹂と﹁Debianフリーソフトウェアガイドライン (DFSG)﹂にまとめられた。ペレンズは、Software in the Public Interest (SPI) というDebianプロジェクトを公式に支え、プロジェクトを統括する非営利組織の創設にも関わった。 ペレンズは、glibc移行後初めての版となったDebian 2.0が公開される直前にDebianプロジェクトを引退した。1999年〜2004年
この時期、Debianプロジェクトは新たなリーダーを選出し、2.x を公開した。この時期にAPTが初めて導入され、Debian GNU/HurdというLinuxカーネル以外の開発も始められた。1999年にはDebianを母体とするディストリビューションも現れ始めた。Libranet (2006年に開発停止[9])、Corel Linux そして StormixによるStorm Linuxである。 特筆すべきは、2000年に公開された2.2版︵コードネーム: potato︶で、この版はlibc等重要なパッケージの保守で、デュシェンヌ型筋ジストロフィーのため亡くなった、Joel 'Espy' Kleckerに捧げられた[10]。 2000年後半には、プロジェクトはパッケージアーカイブとリリースマネージメントに関する大きな変革を行い、﹁パッケージプール﹂方式と次期stable版の土台となる"testing"版の導入が開始された。また同年には全世界のDebian開発者・技術者を集めて年1回開催されるDebConf︵Debianカンファレンス︶が開かれるようになった。 この頃CorelはLinux部門を売却 (後にXandrosとなっている) 、Stormixは2001年破産を宣告されている。 2002年7月、Debian 3.0 ︵コードネーム: woody︶が公開された。︵遡ることver.1.1から、Debianは公開の際に映画トイ・ストーリーのキャラクター名をコードネームとして採用し現在に至る。︶ 3.0(woody)公開後、次期版3.1(sarge)まで、およそ3年という長期に渡る空白期間が存在する。主な理由として、potatoからwoody以後にかけて、パッケージ数が2倍程に増加、またwoodyでの対応環境も増加したため、公開直後からこれに伴うバグが飛躍的に増大した点がある。とりわけリリースクリティカルバグが事実上すべて解消されない限り公開できないため、公開日程に多大なる影響を与えた。パッケージメンテナのバグに対する考え方は温度差があり、たとえば特定の言語のみ発生するバグならば、そのメンテナがバグ対象の言語圏でも無い限りバグを修正することに対する意欲を持つことは少ない。コミュニティによるボランティアを作業基盤とするDebian特有の問題とも言える。 しかし、長くなっていく公開間隔について、フリーソフトウェアコミュニティから疑問の声が上がった。Debianのsargeリリース直前には、実際にDebian開発者の1人であったShuttleworthが主導してUbuntuというプロジェクトを派生させた。Shuttleworthが雇っているUbuntu開発者の多くは、かつてはDebianボランティアだったか、または今もDebianに関わっている人々である。多くの場合、Ubuntu開発者として︵Canonicalを通して︶雇われた人々はDebianでも同じパッケージの管理をしている[11]。この点については本人も公式サイト[12]で﹁Debian の開発者の中には、Ubuntu で仕事のほとんどをするようになった人も確かにいます。また、Ubuntu と Debian で同じように仕事をしている開発者もいます。﹂としてそれを認めている。Debian の創立者、Ian Murdochは、Ubuntu の人気が Debian 派生のディストロのために良い兆しだとは考えていない。それは、Ubuntu 用に作られたパッケージが Sarge上で動作しないことが多いことを挙げている。Murdockは、Ubuntuが本当にDebianと互換性があった場合、開発のための作業のエネルギーの全てをSargeに向けられる可能性があり、それが本当に全体として見た場合、Debianの開発システムに利益をもたらすと主張している[13]。したがって、当時のこうした混乱状況がsargeの開発をさらに遅らせることになったといえる。 その後、Debianから派生したUbuntuは多数の常勤の開発者によって開発されるところとなり、次第に影響力を増していった。しかし、ブラジル人のDebian開発者、Otavio Salvador は、﹁﹁ユーザはUbuntuを信用しているが、ユーザには安定したパッケージを提供する必要がある﹂ という考えにUbuntuがコミット (バージョン管理)しているかどうか、確信が持てない。﹂と述べている。また彼は、Shuttleworth個人に対しても不信感を抱いており、露骨に﹁言動が一致していない﹂と非難し、﹁品質対公開日程の問題で溝が深まったことでUbuntuとDebianの関係はひどいものになっている。﹂と語っている[11]。このように、Ubuntuに対する評価は分かれている。 Debianのstable開発の長期化と派生であるUbuntuの誕生は、Debianコミュニティに対する意識を変化させ、Debian 4.0(コードネーム: etch)以降の版に対しての公開日程を含むいくつかの改善をもたらしたのは確かである。2011年現在では両コミュニティにおいて、バグ修正の取扱いなど相互交流もある[14]。2005年以降
Debian 4.0 Etch (2007) 2005年6月、Debian 3.1︵コードネーム: sarge︶が公開された。小規模な改良︵バージョン番号が小数部の増加に留まる︶にも関わらず、この正式版では数多くの変更が実施されたが、それは一つ前の版woodyからsarge公開までの期間が長かったことが原因である。この版では70%以上のソフトウェアが更新の対象となっただけではなく、ソフトウェアの容量も増加した。新規のインストーラーが導入され、40ヶ国語にも及ぶ言語に対応するようになった。 このリリースでは、woody以前のインストーラである、"boot-floppies"をDebianインストーラと呼ばれるモジュラー設計の新しいインストーラで置き換えた。この新しいインストーラは高度な導入方法に対応しており、RAID、XFS そしてLVMにも対応している。またハードウェア検知能力に優れるため、Linuxのインストールに不慣れな者でもインストールできるようになっている。インストーラは約40ヶ国の言語で完全なソフトウェアレベルでの国際化を実現している。インストールマニュアルと包括的なリリースノートはそれぞれ10と15の言語に翻訳され公開されている。 このときの公開では、Debianプロジェクトの各サブプロジェクトの取り組みも含まれており、Debian-Edu (Skolelinux)、Debian-Med、Debian-Accessibilityがそれに当たる。Skolelinuxは学校教育において有用なソフトウェアのパッケージを作成しDebianアーカイブに収録、また教育現場へのDebianの利用促進を行うプロジェクトである。Debian-Medは医療現場におけるDebianの利用促進や医療用ソフトウェアの作成、パッケージ化を担っている。Debian-AccessibilityはDebianシステムやDebianプロジェクトのWebサイトの利便性向上や障害者に対するDebianの利用を支援するプロジェクトで、その一部は視覚障害者のためのブライユ端末上における導入支援などがある。Iceweasel logo 2006年、ウェブブラウザやメーラーといった Mozilla関連のソフトウェア名が商標上の問題によって変更された。Firefox は、Iceweasel へ、Thunderbird は Icedove へといったように変わった。これはMozilla Foundationの要請によりDebianプロジェクトでMozilla Firefoxの名称が使えなくなったことによる。 2007年4月8日、Debian 4.0︵コードネーム: etch︶が公開された。GUIインストールが公式に対応されている。この公開版では新たにAMD64に対応した一方、Debian初のx86以外の対応環境であったm68kは公式に非対応となった︵但し非公式ながら動作する︶。 2009年2月14日、Debian 5.0︵コードネーム: lenny︶が公開された。開発期間は22ヶ月。25000以上のソフトウェア・パッケージが収録された。新たにマーベル・テクノロジー・グループが販売しているARM基盤のNAS、OrionプラットフォームとAsus Eee PCのようなネットブックに対応した。この版はMIPSアーキテクチャメンテナで2008年12月26日に交通事故で亡くなったThiemo Seuferに捧げられた[15][16]。 2010年9月5日、公式にバックポートサービス (Debian Backport) を開始した。Debian 6.0 Squeeze (2011) Debian GNU/Linux 7.5 (GNOMEデスクトップ) 5.0公開からほぼ2年経った2011年2月6日、Debian 6.0︵コードネーム: squeeze︶が公開された。FreeBSDカーネル︵Debian GNU/kFreeBSD︶が﹁テクノロジープレビュー﹂としてこの版から正式に対応されたが、その一方でalphaとhppa、armの3つの環境がこの版から公式に非対応となった。 6.0公開から2年以上経過した2013年5月4日、Debian 7.0︵コードネーム: wheezy︶が公開された。この版からarmhfとs390xの2つの環境に正式対応されることとなった。 2014年4月24日、Debian 6.0の保守が2016年2月まで延長されることが発表され[17]、2014年6月16日より長期サポート(LTS)期間に入った[18]。 2015年4月25日、Debian 8.0︵コードネーム: jessie︶が公開された。この版よりAArch64︵64ビット版ARM環境︶とPOWER 64 ビットリトルエンディアン版が正式対応された。またs390 環境の対応が終了し、s390xに置き換えられた。なお、ia64 および sparc が、開発者不足から、正式版に含まれなくなった。 2017年6月17日、Debian 9.0︵コードネーム: stretch︶が公開された。この版より64ビットリトルエンディアン MIPSが対応環境に追加された。逆に32ビット版PowerPCがサポートされる対応環境から外れた︵PowerPC 64ビット版は引き続き保守が継続される︶。 2019年7月6日、Debian 10.0︵コードネーム: buster︶が公開された。 2021年8月14日、Debian 11.0︵コードネーム: bullseye︶が公開された。[19]プロジェクトの組織構成
プロジェクトは、世界中の有志の開発者によって構成されている。プロジェクトには誰でも参加できるが、正規の開発者になるためには、技術的なチェックを受ける必要がある。2020年11月現在、1100名以上[20]のメンバーがいる。日本人の開発者は40人ほどである。 プロジェクトの抱負として、Debian社会契約[21]を掲げている。Debian社会契約は、プロジェクトが遵守すべき事項を定めたもので、1997年7月5日に採択された。その中のDebianフリーソフトウェアガイドライン (DFSG) は、Debianにおけるソフトウェア評価基準となっており、このガイドラインに適合しない、フリーではないと評価されたソフトウェアは、Debianの一部として提供されることはない。 プロジェクト内の意思決定はDebian憲章[22]の下で行なわれる。Debian憲章は、組織構成やその権限、投票にかけるまでの手続きなどを定めたもので、1998年12月2日に採択された。 このことから、Debianプロジェクトは独立した非中央集権的な組織である。また他のGNU/Linuxディストリビューション︵例えば、Ubuntu、openSUSE、Fedora、そしてMandriva︶のように企業が所有するものではない。 にも関わらず、プロジェクトの生産付加価値は極めて高く、Debian 4.0 (etch)版に含まれる全パッケージ開発コストを例にとると、コード総数2億8300万行、COCOMOモデル(en:COCOMO)を使用した生産価値評価は130億米ドルにのぼるとされる[23]。2009年4月2日、オンラインコミュニティサイトOhlohはある時点でのDebian GNU/Linuxプロジェクトのコードベース︵コード総数4500万行︶をCOCOMOモデルを用いて評価したところ、開発コストは約8億1900万米ドルになると推計した[24]。Debian 5.0 (lenny) リリースに関して、Juan José Amorらの推計によると、有効なコード総数は324,000,000行、COCOMOモデルによる生産価値評価は61億ユーロにのぼるとされる[25]。 無論こうしたDebianに関するコミュニティの門戸の広さは、全く問題がないわけではなく、以前には、﹁一部ユーザによる礼儀知らずな行為﹂とコミュニティの意思決定の遅さが批判されたことがある[26]。詳細は「DebConf」を参照毎年、Debianカンファレンス[27] (通称DebConf) が開催される。Debianカンファレンスは、世界中のDebian開発者が直接会談する場で、2000年7月5日に初めて開催された。資金面などの多くの障害があるため、今のところ日本で開催されたことはないが、有志によって開催が検討されている[28]。プロジェクトリーダー
Debianプロジェクトリーダー(Debian Project Leader; DPL)はプロジェクトの公的な代表者であり、プロジェクトの現在の方向性を決める立場にある[29]。プロジェクトは次のリーダーを選出してきた:[30] (一)イアン・マードック (1993年8月 – 1996年3月), Debianプロジェクト創設者 (二)ブルース・ペレンズ (1996年4月 – 1997年12月) (三)イアン・ジャクソン (1998年1月 – 1998年12月) (四)ウィヘルト・アッカーマン (1999年1月 – 2001年3月) (五)ベン・コリンズ (2001年4月 – 2002年4月) (六)ビーデール・ガービー (2002年4月 – 2003年4月) (七)マーチン・マイケルメイヤー[訳語疑問点] (Martin Michlmayr) (2003年3月 – 2005年3月) (八)ブランデン・ロビンソン (Branden Robinson) (2005年4月 – 2006年4月) (九)アンソニー・タウンズ (2006年4月 – 2007年4月) (十)サム・オセヴァール[訳語疑問点] (Sam Hocevar) (2007年4月 – 2008年4月) (11)スティーブ・マッキンタイアー (2008年4月 – 2010年4月) (12)ステファノ・ザッキローリ (2010年4月 – 2013年4月) (13)Lucas Nussbaum︵2013年4月 – 2015年4月︶ (14)Neil McGovern︵2015年4月 – 2016年4月︶ (15)Mehdi Dogguy︵2016年4月 – 2017年4月︶ (16)Chris Lamb︵2017年4月 – 2019年4月︶ (17)Sam Hartman︵2019年4月 – 2020年4月︶ (18)Jonathan Carter︵2020年4月 – 現職︶ 補佐的な役職として、アンソニー・タウンズによりDebian Second in Charge (2IC; 副リーダー)が創設された。スティーブ・マッキンタイアーは2006年4月から翌2007年4月までこの役職に就いている。2009年4月からはLuk Claesがその地位にいる。現プロジェクトリーダー、ステファノ・ザッキローリは、2ICを選出しない旨DPL選挙の際に宣言していた[31]。開発マネージャ
●Brian C. White (1997–1999) ●Richard Braakman (1999–2000) ●アンソニー・タウンズ (2000–2004) ●Steve Langasek, Andreas Barth そして Colin Watson (2004–2007) ●Andreas Barth と Luk Claes (2007–2008) ●Luk Claes と Marc Brockschmidt (2008–2009) ●Luk Claes と Adeodato Simó (2009–2010) ●Adam D. Barratt と Neil McGovern (2010–現職)[32] 注意すべきことに、上記リストにはアクティブな開発マネージャーのみ含まれている。2003年から導入された、開発アシスタント、そして引退したマネージャー("release wizards"と呼ばれる)はここには含まれていない[33]。保守の容易さ
APT
詳細は「APT」を参照Debianの特長として、保守の単純さがある。パッケージ管理システムを備えており、ひとたび導入が終了すれば、パッケージマネージャのAPT (Advanced Package Tool) により、ソフトウェアの更新が行える。パッケージの導入は、セキュリティ関連の更新やプログラム相互の依存性確認も含めて、仮想端末︵コンソール︶より容易に操作できる。 パッケージの依存関係には、大きく分けて、depends︵依存︶、recommends︵推奨︶、suggests︵提案︶ という3種類の項目が設定されており、動作に必須なものがdepends、動作に必須ではないが常識的に必要とするものがrecommends、組み合わせる事で更に便利に使えるものがsuggestsに指定されている。lenny以前では、apt-getは、depends以外の項目を上手に扱えなかった。これらの項目を最大限生かす事ができるaptitudeの使用がSarge以降では勧められていた。Squeezeではこの点は改善された[34][35]。さらに、自動削除に対応するようにも更新された[36]。 APTには補助的機能を追加するフロントエンドが数多く提供されており、以下ではaptitudeを含めた幾つかのフロントエンドを紹介する。aptitude
詳細は「aptitude」を参照GUIフロントエンド
扱いやすいユーザーインターフェイスは複数存在する。 一般的に良く知られる代表としては、Debianだけでなく RPM系のディストリビューションでも使われている Synaptic︵シナプティック︶がある。Synapticは、apt-getコマンドを使用せずにシステムの更新が全てマウスで直感的に行えるだけでなく、ソフトウェアの削除機能も備えている。 ﹁apt-watch︵アプト-ウォッチ︶﹂は、デスクトップで使用するユーザーにとって、アップデートの公開を直ちに通知してくれるアプレットとして極めて有効なツールである。apt-watch は、より簡易にパッケージの管理を実現するツールとして開発されたアプリケーションである。これは、ネットワークに接続し、アップデータを定期的に監視するアプレットであり、アップデータが利用可能となった時には、クライアントに自動的に更新の通知を行う。Windows Updatesや Red Hat Network と同様な機能を持っている。 4.0 (Etch) では、apt-watch に加えて新たに update-manager も用意された。これは、GNOMEデスクトップ環境で利用可能なパッケージの管理ツールである。この update-manager は、Update Notifier と呼ばれるデスクトップ上のアプレットと組み合わせて利用することができる。機能的には apt-watch と似ているが、APT keyring を管理する仕組みが追加されている。なお、Update Notifier は GNOME や KDE、Xfce など Freedesktop.org 準拠の全てのデスクトップ環境で動作するように設計されている。 ただしこれらもアップデートの実際の内部処理は、APT が機能しているので、apt-get コマンドを実行することと大差は無い。gdebi
GDebi パッケージ・インストーラー Debian 4.0 では、グラフィカルなパッケージ・インストーラーが新たに提供された。このインストーラーを利用すれば、ローカルに保存した Debianパッケージがコマンド操作なしでインストール可能である。Red Hat Linux で初めて採用された GNOME-RPM[37] (あるいは gnorpm とも) というグラフィカルなインストーラーと好対照を成すツールであるが、GNOME-RPM がシェルプロンプトから RPMコマンドを実行するのと同じ機能を有するのに留まるのとは違い、gdebi は APTのようにパッケージ間の依存関係を自動的に解決する機能も併せ持っている点でより優れている。GDebi とも表記される。debconf
パッケージ管理にはdebconfと呼ばれるフレームワークが用意されており、パッケージ作成者はユーザーに対して簡易のフロントエンドを提供できる。このフレームワークを積極的に利用しているパッケージでは、インストール後にユーザーが行うであろう初期設定の大半を、対話形式の質問に答えていくだけで、インストールと同時に終える事ができる。debconfパッケージ自身もdebconfの設定を有しており、利用するフロントエンドインターフェースと優先度を設定できる。debconfのインターフェースは、対話形式のものから、非対話形式︵質問なしで自動設定︶なもの、キャラクタベースなものから、グラフィカルなもの、または設定ファイルを直接書き換える用途で使用するエディタまで、ユーザーが自由に選択可能である。優先度はパッケージの各質問毎に設定されており、ユーザが介在しないとシステムが動作しなくなる高レベルのものから、標準で問題ないような些細なものまである。︵システムに不慣れなユーザのため︶ある優先度より低い設定をすべて標準で済ませ、それらを一切質問させないことも可能である。種類
A Debian 10.0 Buster box cover 公開は、4種類で行なわれている。 (一)安定版 (stable)‥これは、厳密に安定性を検証した版で公式の公開となる。公開は2009年より2年の間隔をもっておこなわれ、日程を決定することにより奇数年の12月に固定し、翌年の偶数年前半に公開される[38]。 ●ソフトウェアのセキュリティホールやバグの修正は、主に上流から修正コードをバックポートする事で行なわれる。そのため、ソフトウェアのメジャーバージョン︵例: 1.0.0→2.0.0︶やマイナーバージョン︵例: 1.0.0→1.1.0︶が更新されることは滅多になく、ビルドバージョン︵例: 1.0.0→1.0.1︶かパッケージ番号︵例: 1.0.0+deb8u1→1.0.0+deb8u2︶が更新されることがほとんどである。 ●安定版に含まれるソフトウェアは上述のとおりメジャー/マイナーバージョンアップされることが滅多にないが、テスト版や不安定版のパッケージを安定版向けにリビルドし、backportsパッケージとして提供されているソフトウェアが一部存在する。これにより、新版のソフトウェアをソースコンパイルすることなく、パッケージ管理下で使用することが可能になる。 ●不定期に新しいリビジョンが公開される。この公開版はそれまでの更新を包含して提供される小規模バージョンアップデートであり、構成を変えるものではない。8.0、8.1、8.2に対して8.3公開時までの全ての更新を適用すると、8.3と同じものになる。 ●リビジョンは下記の形式で示される。 ●4.0︵etch︶以前: バージョン番号の末尾の"rN"表記︵N = 0, 1, 2, ...︶。例えば、3.1版4回目のアップデートは、3.1r3。 ●5.0︵lenny︶以降: バージョン番号の小数第二位の値。例えば、5.0版4回目のアップデートは、5.0.4。 ●7.0︵wheezy︶以降: バージョン番号の小数第一位の値。例えば、7.0版4回目のアップデートは、7.4。 ●次の安定版が公開されると、それまでの安定版は一般に﹁旧安定版﹂(oldstable) と呼ばれて区別される。 ●セキュリティアップデートは、次の安定版が公開された後も、そのまま一年間は継続して提供される。 ●6.0︵squeeze︶以降は、旧安定版のLTS︵Long Term Support︶が実施されるようになった[39]。Debian LTS teamによって、安定版としての最初の公開日から少なくとも5年後までセキュリティサポートが提供される。 (二)テスト版 (testing)‥次期の安定版となる公開テスト中の版である。次に説明する不安定版で一定期間致命的なバグが発見されなかったパッケージが、自動的にテスト版に組み入れられる。 ●デスクトップなどで使う分には支障のない程度の安定度を持っていると言われ、最新のデスクトップを使いたい場合は、このテスト版を使うことが多いようである。だがパッケージ更新が機械的に行なわれるため、依存関係が壊れやすい。 ●公開が近付くと段階的に固定され、この自動処理が止められる。すべてのRCバグ (Release Critical Bug。安定版として致命的なバグ) が無くなったとき、テスト版は安定版として公開される。 ●テスト版が安定版として公開される時期が近付くとセキュリティアップデートの提供が始まる。それ以前は提供されない。だが、2005年9月より、Debian開発者の有志らがDebian Testing Security Teamを結成し、非公式な形でテスト版向けのセキュリティアップデートを提供している。 (三)不安定版 (unstable)‥これは、開発者向けの版である。コードネームは不変で﹁sid﹂と呼ばれる。 ●通常新規パッケージはこの版に投入される。セキュリティのアップデートは提供されないが、パッケージの更新サイクルが早いため、セキュリティの問題も比較的早く取り除かれる。またテスト版とは違い、DSA (Debian Security Advisory) によってどのバージョンから当該セキュリティホールが塞がれているか告知される。 (四)実験版 (experimental)‥これは、影響が大きなパッケージ群が、不安定版に入れる前に一時的に置かれて、不安定版との組合せによりしばらく実験が行われる。experimentalだけで全ての導入を行うことは出来ず、他の版との組み合わせにより動く。 Debianのコードネームは、ディズニー配給の映画﹁トイ・ストーリー﹂のキャラクタから取られている。これは、過去にDebianのプロジェクトリーダーを務めたブルース・ペレンズが、トイ・ストーリーを製作したピクサー・アニメーション・スタジオの社員であったためである。公開/開発履歴
詳細は「Debianのバージョン履歴」を参照凡例 保守終了(過去の版) 保守継続 現行版 バージョン コードネーム 公開日 アーキテクチャ数 カーネル数 パッケージ数 保守期限 特記事項 通常 LTS 1.1 buzz 1996年6月17日 1 1 474 No dpkg、ELFへ移行、Linux 2.0[40] 1.2 rex 1996年12月12日 848 - 1.3 bo 1997年6月2日 974 2.0 hamm 1998年7月24日 2 ~ 1500 glibcへ移行、新アーキテクチャ: m68k[41] 2.1 slink 1999年3月9日 4 ~ 2250 APT、新アーキテクチャ: alpha, sparc[42] 2.2 potato 2000年8月15日 6 ~ 3900 新アーキテクチャ: arm, powerpc[10] 3.0 woody 2002年7月19日 11 ~ 8500 2006年6月30日[43] 新アーキテクチャ: hppa, ia64, mips, mipsel, s390[44] 3.1 sarge 2005年6月6日 ~ 15400 2008年3月31日[45] モジュラーインストーラー、半公式amd64対応 4.0 etch 2007年4月8日 ~ 18000 2010年2月15日 グラフィカルインストールサポート、udevへ移行、モジュラーX.Orgへ移行、新アーキテクチャ: amd64、脱落アーキテクチャ: m68k[47] 最終版は、2010年5月22日に公開された、4.0r9[48]。 5.0 lenny[49] 2009年2月14日 11[A] ~ 28000 2012年2月6日[50] 新アーキテクチャ: armel[51] SPARC 32ビットハードウェア非対応となる[52]。完全なEee PC対応[53]。 6.0 squeeze 2011年2月6日 9[B] 2[B] ~ 29000 2014年5月31日[17] 2016年2月29日[54] 新カーネル: kfreebsd(-i386/-amd64)(テクノロジープレビュー)、脱落アーキテクチャ: alpha, hppa, arm[55]。LTS対象アーキテクチャ: i386, amd64[39]。eglibcへの移行[56]。新しいinsservとSysv initによる依存関係ベースのブートシーケンスサポート[57]。旧式ライブラリの除去[58]。バイナリ・ブロブのLinuxカーネルイメージパッケージからの分離[59]。長期サポート(LTS)の開始[18]。 KDE Plasma 4.4.5, GNOME 2.30, Xfce 4.6, LXDE 0.5.0, X.Org 7.5, Linux 2.6.32[60]。
7.0 wheezy[61] 2013年5月4日 11 2 ~ 37000 2016年4月25日[62] 2018年5月31日[62] 新アーキテクチャ: armhf, s390x[63]。LTS対象アーキテクチャ: i386, amd64, armel, armhf[39]。Multiarchのサポート[64]。amd64向けにUEFIインストール/ブートに対応[65]。
Linux 3.2, kFreeBSD 8.3/9.0, KDE Plasma 4.8.4, GNOME 3.4, Xfce 4.8, X.Org 7.7[65]。
8.0 jessie[66] 2015年4月25日 10 1 ~ 43000 2018年6月17日[39] 2020年6月30日[39] 新アーキテクチャ: arm64, ppc64el、脱落アーキテクチャ: s390, ia64, sparc、脱落カーネル: kfreebsd(-i386/-amd64)[67]。LTS対象(予定)アーキテクチャ: i386, amd64, armel, armhf[39]。eglibcからglibcへの再移行[68]。systemdを標準のinitシステムへ。32ビットシステム上のUEFI対応。[66] Linux 3.16, KDE Plasma 4.14.2, GNOME 3.14, Xfce 4.10[66]
9.0 stretch[4] 2017年6月17日 ~ 52000 2020年7月6日[39] 2022年6月30日[39] 新アーキテクチャ: mips64el、脱落アーキテクチャ: powerpc[69]。MariaDBがMySQLを置き換え。GnuPGを2.1(モダンブランチ)に移行。Xorgサーバーを一般ユーザー権限で実行可能に[70]。 Linux 4.9, KDE Plasma 5.8. GNOME 3.22, Xfce 4.12[4]。
10.0 buster [71] 2019年7月6日 ~ 59000 2022年6月[39] 2024年6月[39] UEFIセキュアブートに対応。標準のディスプレイサーバをX.orgからWaylandに移行。Linux 4.19, KDE Plasma 5.14, GNOME 3.30, Xfce 4.12。 11.0 bullseye [19] 2021年8月14日 9 1 ~ 60000 2024年[39] 2026年[39] exFATファイルシステムにカーネルが対応[19]。Linux 5.10, KDE Plasma 5.20, GNOME 3.38, Xfce 4.16[19]。 12.0 Bookworm [72] 2023年6月10日 8 1 ~ 64000 2026年[39] 2028年[39] ARM64でのセキュアブートサポート[73]。Linux 6.1, KDE Plasma 5.27, GNOME 43, Xfce 4.18[73] 13.0 trixie[74] TBA - A Linuxカーネルの11アーキテクチャ + ARMアーキテクチャにおける追加のABI (armel) に対応している[16]。
- B Linuxカーネルの9つのアーキテクチャ + FreeBSDカーネル(i386、amd64の2アーキテクチャのみ)に対応していることを示す[75]。
ロゴ
ロゴマークの﹁スワール﹂(渦巻き)は魔法の煙を表している。 Debian の﹁スワール﹂マーク︵意匠︶は 1999 年に Raul Silva によって考案された[76][77]。これはその年に開催されたコンテスト用のものであって、それ以前に使われていた準公式のマークに替わるものとしてデザインされた[78]。 このコンテストの勝者に対して、@debian.org のメールアドレスと、希望するアーキテクチャ用の Debian 2.1 インストールCDのセットが贈られた。マークの意味について Debian プロジェクトから公式な声明は出ていなかったが、 このマークが選ばれた時点では、これはコンピュータを動作させる魔法の煙 (または精霊) を表していることがほのめかされた[79]。 Debian のこのマークの由来については、最初に命名された Debian のキャラクターとして選ばれた バズ・ライトイヤー(Buzz Lightyear)のあごに渦巻きがあるからだという説がある[80][81]。Stefano Zacchiroli も、この渦巻きが Debian のものであると示唆している。Debian のコードネームはトイ・ストーリーのキャラクターの名前を付けているので、 バズ・ライトイヤーのスワールが候補となった可能性が高いと思われる。Debian 開発者の Bruce Perens も Pixar の元で働いていた[82][83]。必要環境
HP 9000 C110 PA-RISC workstation booting Debian Lenny Debianでは、以下のような環境に対応したバイナリ版を作成している。括弧内はプロジェクトでの呼称である。 ●AMD64 (amd64/x86-64) ●ARM EABI (armel) ●Hard Float ABI ARM (armhf) ●64ビット版ARM (arm64) ●x86 (i386/IA-32、ただし現行版では80386には対応しない) ●MIPS (mips/mipsel) ●64ビット版リトルエンディアンMIPS (mips64el) ●64ビット版リトルエンディアンPowerPC (ppc64el) ●System z (s390x) 以下の環境はかつて対応されていたが、現在では公式には対応されていない︵一部の環境では非公式な対応が存在する︶。 ●MC68000 (m68k)︵etchより開発対象から外された︶ ●Alpha (alpha)︵squeezeより開発対象から外された︶ ●ARM (arm)︵同上。armelにより置き換え︶ ●PA-RISC (hppa)︵同上︶ ●IA-64 (ia64)︵jessieより開発対象から外された︶ ●SPARC (sparc)︵同上︶ ●IBM S/390及びzSeries︵同上。s390xに置き換え︶ ●32ビット版PowerPC (powerpc)︵stretchより開発対象から外された[2]︶ Linuxカーネル以外をカーネルとするものもある。名称の通り、ユーザーランドはGNUの成果物に依存している。Logo of Debian GNU/kFreeBSD ●Debian GNU/kFreeBSD (kfreebsd-i386, kfreebsd-amd64) ︵jessieより開発対象から外された︶ まだ正式公開されていない上記以外の環境やカーネル版もいくつかある。 アーキテクチャ ●SuperH (sh4) ●Motorola/IBM PowerPC64 (ppc64) ●Linksys NSLU2 (armeb) ●Renesas Technology M32R (m32r) ●Sun UltraSPARC (sparc64) ●32ビットポインタ搭載64ビットPC (x32) カーネル- Debian GNU/Hurd (hurd-i386)
-
Debian GNU/Hurd
-
Logo
- Debian GNU/NetBSD (netbsd-i386, netbsd-alpha)
- Debian GNU/Solaris (solaris-i386)
Debian派生のディストリビューション
派生物調査と協力体制について
Debian プロジェクトは派生ディストリビューションの重要性を完全に認めており、関係者間の協力を活発に支援している。通常これは、当初派生ディストリビューションで開発されていた改善を Debian が取り込むことを意味する。こうすることで、誰もが恩恵を受けることができ、長期におよぶ保守作業を減らすことになる。
このため、派生ディストリビューションは debian-derivatives@lists.debian.org メーリングリストの議論に参加し、派生物調査に参加するよう勧められている。派生物調査は、派生ディストリビューションの中でなされた作業に関する情報を集めることを目標にしている。こうすることで、公式の Debian 開発者が Debian 派生物内の自分のパッケージの状況をより良く追跡することが可能になる[84]。
Debian (テスト版) 派生
Debianテスト版の派生品一覧に掲載。
配布版 説明 BackTrack Debian派生であり、Kali Linuxの前身。侵入テスト目的に特化していることが特徴だった。開発停止。 Kali Linux Debian派生の1DVD型。侵入テスト目的に特化していることが特徴。BackTrackから派生した後継版。 PureOS 完全に自由ソフトウェアだけで構成されている、プライバシーと保安、利便性に重点を置いているGNU/Linuxディストリビューション。 Astra Linux ロシアの政府機関における制式OSのひとつ[85]。 Ubuntu 6ヶ月ごとの更新と商用の保守を掲げる。デスクトップ環境としてGNOMEを採用している。パソコン雑誌に雑誌社特製のLive CD/DVDとして付属される場合がある。多彩な派生版が存在。 gLinux Google社内向けのデスクトップOS[86]。2018年まではUbuntuベースのGoobuntuを使用していたが、OSアップデートのローリングリリース対応を目的として移行した[86]。 Ubuntu 派生
配布版 説明 Astra Linux ロシアの政府機関における制式OSのひとつ。 Corel Linux 企業向けディストリビューションでEee PCに搭載されていた、後継版のXandrosに移行。 CrunchBang Linux ウィンドウマネージャにOpenBoxを採用し、軽量、高速を重視したディストリビューション。開発停止。 Deepin Wuhan Deepin Technology Co.が開発を手掛ける、Debianを母体とした中国産 Linux ディストリビューション。 Devuan 2014 に Debianから派生[87]。 gNewSense GNU FSDGに適合し、フリーソフトウェア財団の支援を受ける。Linux-libreを使用し、ファームウェアのレベルまで100%自由ソフトで構成される。開発停止。 KANOTIX Debian派生でCD起動/HDD導入共可能。 KNOPPIX Debianを基にCD起動で利用できるようにしている。派生版は#KNOPPIX 派生を参照。 Maemo Nokia N800, N810など携帯端末のほか、Nokia N900 タブレット端末とその他の Linux kernel派生の機器向けに開発された[88]。 MEPIS デスクトップ環境にKDEを採用したディストリビューション。開発停止。派生版は#MEPIS 派生を参照。 MintPPC PowerPC 向け。MintPPC は Mint LXDE のコードを用いるが、Linux Mint ではない[89]。 NepaLinux GNOMEやWindowマネージャーのfluxboxを使用するMorphixが前身。[90] OpenZaurus Sharp Zaurus PDA向け Debian パッケージと ROM イメージ。 Ångström distribution後継[91]。 Pardus トルコ政府からの支援を受けて開発されているディストリビューション。 Parrot OS オウムの壁紙を採用するイタリア製。セキュリティを重視し、Tor Browserも組み込まれている。一般向けのHome版のほか、侵入テストなども行えるSecurity版などがある。 Raspberry Pi OS 小型シングルボードコンピュータであるRaspberry Pi向けに開発されたディストリビューション。 Skolelinux ノルウェー産 Linux で、学校向け thin clientディストリビューション[92]。 SolydXK Xfce and KDE desktop focused on stability, security and ease of use.[93] The Amnesic Incognito Live System (TAILS) プライバシーと匿名性の保護に特化したディストリビューション。Tor#Torの利用も参照。 Vyatta VyOSの前身[94]。 VyOS VPN / ルーター / ネットワークファイアウォール用ディストリビューション。 MEPIS 派生
MEPISの派生品一覧に掲載。
配布版 説明 antiX Debian安定版から派生した軽量な Live CD かつインストール(導入)可能なディストリビューション。 MX Linux 中量級。KNOPPIXのように Live CD としても利用可能。 KNOPPIX 派生
KNOPPIXの派生品一覧に掲載。
「KNOPPIX#その他の派生版」も参照配布版 説明 Damn Small Linux 名刺大のCDやUSB pendrive向けの軽量なKNOPPIXLive CD。開発停止。 その他の派生版
上記のようにDebianはいくつかのディストリビューションの母体として利用されている。Debianの派生品一覧に非掲載であるるものの、以下もその一部である。 なお、Ubuntuの派生版や、他言語版を含めWikipediaに記事が存在しないものは掲載しない。現行︵2020.4.1︶のDebian派生ディストリビューション
●Clonezilla - ディスクまたはパーティションの複製︵クローニング︶ならびにイメージ作成︵イメージング︶用。 ●LinEx - スペインの地方自治体、教育機関で利用するために開発されたディストリビューション。 ●Linux Mint Debian Edition(LMDE) - Linux MintプロジェクトがDebian安定版をベースに開発したディストリビューション。 ●OpenMediaVault - 無償なネットワークアタッチトストレージ(NAS)向けディストリビューション。 ●Pengwin[95] - Debian派生。前身はRed Hat Enterprise Linuxと互換性があるとされる WLinux[96][97][98]。 ●Puppy Linux - ver.5 以降はDebian系もあり。 ●SLAX - Slax 9からはDebian系。元はSlackwareの派生ソフト。CD起動で利用可能。日本語化されたSLAX-jaも存在する。 ●Voyager[99][100][101][102] - フランス産のOS。MacOS風の画面が美しい。Debian (安定版) から派生[103]した32bit版と64bit版のほか、Xubuntu派生版もある。 ●Whonix - 保安面重視のOS。通信はすべてTor経由でおこなう。 ●WindOS - Debian Squeeze派生で作られた軽量OS。起動時の初期メモリ消費量が60MB以下。開発が停滞している[104]。開発終了及び休止したDebian派生ディストリビューション
●aptosid - 旧名sidux。Debian sid派生のデスクトップ向けディストリビューション。CD起動/HDD導入共可能。 ●Freespire : Linspireの無料版。CD起動/HDD導入共可能。 ●Linspire - 企業向けディストリビューション︵旧名Lindows︶。 ●Progeny Debian - Redhat/FedoraのインストーラAnacondaを移植したGNU/Linux。 ●UserLinux - 元Debianプロジェクトリーダーブルース・ペレンズにより提唱され、企業向けディストリビューションの基幹となるべく開発されていたDebian母体のディストリビューション。開発停止。日本発の派生版
●ARMA aka Omoikane GNU/Linux : ファイルシステムにXFSを採用している。 ●巫女 GNYO/Linux : openMosixとSCoreを利用したPCクラスタが構築可能。CD起動/HDD導入共可能。開発停止。 ●Ubuntu#日本発の派生品 ●KNOPPIX#日本発の派生版脚注
(一)^ https://www.debian.org/News/2024/20240629. (二)^ abc“Debian 9 (stretch) リリースノート (64ビットPC用)第3章 インストールシステム”. Debian (2017年6月17日). 2017年6月20日閲覧。 (三)^ “ライセンス情報”. Debian. 2009年2月28日閲覧。 (四)^ abcd“Debian -- News -- Debian 9 "Stretch" released”. www.debian.org. 2017年6月18日閲覧。 (五)^ “Debian CD のベンダ”. www.debian.org. 2010年11月29日閲覧。 (六)^ Ian A Murdock (16 August 1993). "New release under development; suggestions requested". comp.os.linux.development (Mailing list). (七)^ Robin Nixon (2010), Ubuntu: Up and Running: A Power User's Desktop Guide isbn = 978-0-596-80484-8 (八)^ GLYN MOODY 小山祐司監訳﹃ソースコードの反逆﹄株式会社アスキー、2002年6月11日、108頁。ISBN 4-7561-4100-5。 (九)^ Danzig, Tal. “Current status”. forum.libranet.com (インターネットアーカイブ). 2010年11月30日閲覧。 (十)^ abMartin Schulze (15 August 2000). "Debian GNU/Linux 2.2, the "Joel 'Espy' Klecker" release". debian-announce (Mailing list). 2008年10月4日閲覧。 (11)^ ab“DebConf6‥Debianユーザのための激しく刺激的で熱い取り組み | OSDN Magazine”. 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This release marked the move to a new version of the system C libraries (glibc2 or for historical reasons libc6).” (42)^ “A Brief History of Debian, 4.3: the 2.x Releases” (2007年4月3日). 2007年4月26日閲覧。 “this release of Debian was the first to require 2 CD-ROMs for the "Official Debian CD set"” (43)^ “Debian -- News -- Security Support for Debian 3.0 to be terminated”. Debian. 2015年10月4日閲覧。 (44)^ “A Brief History of Debian, 4.4: the 3.x Releases” (2007年4月3日). 2007年4月26日閲覧。 “This is the first release including HP PA-RISC, IA-64, MIPS, MIPS (DEC) and IBM s/390 ports.” (45)^ “Debian -- News -- Security Support for Debian 3.1 to be terminated”. Debian. 2015年10月4日閲覧。 (46)^ “Debian -- News -- Security Support for Debian 4.0 to be terminated”. Debian. 2015年10月4日閲覧。 (47)^ Alexander Schmehl (8 April 2007). "Debian GNU/Linux 4.0 released". debian-announce (Mailing list). 2008年10月4日閲覧。 (48)^ “Debian Wiki DebianEtch”. Debian. 2009年2月10日閲覧。 (49)^ Steve Langasek (16 November 2006). 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(95)^ https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1179710.html WSL向けに最適化されたLinuxディストロ﹁WLinux﹂が改称、﹁Pengwin﹂に (96)^ https://news.mynavi.jp/techplus/article/20181218-742626/ Winodws 10にRHEL互換の新しいLinux﹁WLinux Enterprise﹂登場 (97)^ Windows 10に最適化されたLinuxディストロ﹁WLinux﹂が爆誕 - 期間限定の50%オフでセール中 (98)^ Windows 10 now has its own exclusive Linux distro -- WLinux (99)^ Live Voyager (100)^ DistroWatch.com: Voyager Live (101)^ Voyager download | SourceForge.net (102)^ Voyager 日本語情報トップページ - OSDN (103)^ Voyager Live 10 (104)^ “WindOS公式ホームページ”. (2012年2月) 2012年12月2日閲覧。外部リンク
プロジェクトの公式リソース
コミュニティサイト
カスタムDebianディストリビューション
Debian Pure Blendsに一覧などがある。
関連項目