北鉄バス
概要[編集]
北陸鉄道グループは石川県全域に路線バスの路線を有している。金沢市中心部・北部で西日本ジェイアールバス、まちバス、加越能バスと競合する他は、県内のバス路線をほぼ独占している。なお、大半の路線を分社化しており、2000年代は金沢市中心部でも北陸鉄道本体のみならず子会社数社のバスが入り乱れて走る状況になっていたが、2012年に子会社の大規模な統合が行われ︵後述︶、現在の状況になっている。 1999年︵平成11年︶2月19日に金沢市がオムニバスタウンに指定されたことを受け、2004年︵平成16年︶12月1日からICカード﹁ICa︵アイカ︶﹂が導入され、金沢市および同市周辺の路線︵高速バスや定期観光バスなどをのぞく︶で利用可能となった。 2008年︵平成20年︶10月14日よりバスの車体に広告を施したラッピング車両を試験運行し[1]、その後本格運行に入っている。 また、金沢市などのコミュニティバスを受託運行している。グループ各社および営業所[編集]
北陸鉄道[編集]
金沢市内を中心に、一部の路線は直営で運行されている。以下の営業所・支所をおく。
金沢営業所[編集]
石川県金沢市割出町706番地(北陸鉄道本社と同じ敷地内)にある。東部支所と南部支所を管理下に置く。以下の路線を管轄する[2]。
- 名古屋線
- 新潟線
- 高山線
- 白川郷・名古屋線
- 城下まち金沢周遊
- 錦町B線
- 平和町線
- 野田線
- 大桑線
- 金石線
- 四十万金石線
- 三馬線
- 三馬大野線
- 金沢大学線
- 金沢ふらっとバス(此花ルート・菊川ルート、受託運行)
東部支所[編集]
石川県金沢市末町3の246番地1にある。以下の路線を管轄する[2]。
- 錦町B線
- 花里線
- 平和町線
- 野田線
- 大桑線
- 鈴見線
- 金沢大学線
南部支所[編集]
石川県白山市安養寺町ニ30番地にある。以下の路線を管轄する。
- 錦町B線
- 光が丘住宅線
- 額住宅線
- 工業大学線
- 野々市円光寺線
- 四十万線
- 四十万金石線
- 三馬線
- 三馬大野線
- 松任線
- 千代野線
- 金沢大学線
北鉄金沢バス[編集]
2012年10月に北鉄金沢中央バスとほくてつバス、加賀白山バス(旧会社)の統合により発足した[3]。本社は北陸鉄道と同じ石川県金沢市割出町556番地に置く。金沢市近郊の路線を管轄する。
北鉄白山バス[編集]
2012年10月に「加賀白山バス」として設立。2021年7月1日に北陸交通と合併し、社名を北鉄白山バスに変更した[4][5]。
北鉄加賀バス[編集]
1994年に「加賀温泉バス」として設立[6]。2021年7月1日に小松バスと合併し北鉄加賀バスが設立された[4][5]。
北鉄能登バス[編集]
2008年4月に能登西部バスと七尾バスの統合により発足[6][7]。能登地区の路線を管轄する。
北鉄奥能登バス[編集]
運賃[編集]
本節では、北陸鉄道・北鉄金沢バスおよび北鉄白山バスの運賃制度について述べる。 運賃は基本的に対キロ制である。2023年10月1日に運賃の改定が行われ、3社とも上限運賃の基準賃率は43円30銭、初乗り運賃は180円である[8][9][10]。 ただし、金沢市の中心部においては地帯制運賃を採用している。地帯制運賃を採用するエリアは﹁まちなか︵地帯制︶エリア﹂と呼ばれ、香林坊を中心に3つの地帯に分かれている[11]。2023年10月現在の地帯制運賃は、第1地帯が210円、第2地帯が240円、第3地帯が260円となっている。それ以前はそれぞれ200円・230円・250円で、さらに2019年︵令和元年︶10月1日の消費税の税率改定に伴う改定以前は200円・220円・240円となっていた。 このほか、2002年7月から2022年6月までは、武蔵ヶ辻・近江町市場 - 香林坊間のみの利用に限り運賃が100円となっていた[12]。また、2006年︵平成18年︶4月1日から2011年︵平成23年︶3月31日までは、金沢大学地区バストリガー協定に基づいて旭町・鈴見台二丁目・鈴見町 - 金沢大学も100円区間とされていた[13][14]。福祉割引制度[編集]
対象 | 種類 | 種別 | 区分 | 条件 | 普通券 | 回数券 | 定期券 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
身体障害者 知的障害者 精神障害者 |
身体障害者手帳 療育手帳 精神障害者保健福祉手帳 |
第一種 | 大人 | 単独 | 5割引 | 3割引 | ||
介護付 | 本人 | |||||||
介護者 | ||||||||
小児 | 単独 | - | ||||||
介護付 | 本人 | 無割引 | ||||||
介護者 | 3割引 | |||||||
第二種 | 大人 | 単独 | ||||||
小児 | - | |||||||
介護付 | 本人 | 無割引 | ||||||
介護者 | 3割引 |
定期券[編集]
回数券[編集]
もともとグループ各社共通の普通回数券︵11枚綴りで10枚分の発売金額︶が存在していた[21]が、2021年6月30日をもって金沢地区での発売を終了し[22]、2022年4月1日からは北鉄奥能登バス・北鉄能登バスの2社共通回数券と北鉄加賀バスの回数券に分けられた[23][24]。能登地区・加賀地区では23枚綴り・35枚綴りの得用回数券も販売されていたが、これも2022年4月1日からは北鉄奥能登バス・北鉄能登バスの2社共通回数券と北鉄加賀バスの回数券に分けられた[23][24]。企画乗車券[編集]
詳細は、公式サイト[25]を参照。グループ各社のうち特定の1社または1路線でのみ利用可能な乗車券類は当該会社・路線の記事を参照のこと。- 金沢市内1日フリー乗車券
- 販売価格は大人800円、小児400円。「城下まち金沢周遊」のほか、北鉄バスのまちなか(地帯制)エリア内とそれに相当する区間内の西日本ジェイアールバス、金沢ふらっとバスが1日乗り放題になる。金沢ライトアップバスやまちバスなどは対象外である[26][27]。
ICカード乗車券[編集]
ICa[編集]
manaca[編集]
クレジットカードのコンタクトレス決済[編集]
2024年3月から2025年度にかけて順次、クレジットカードのコンタクトレス決済を県内全域の路線に導入する計画であることが2023年8月に発表された[29]。 2024年3月16日からまずは加賀エリアの路線バスと城下まち金沢周遊バスに導入される[32]。車両[編集]
低床化への取り組み[編集]
ノンステップ車・ワンステップ車の採用は1996年︵平成8年︶から積極的に推進していて、導入台数は北陸地区において最も多い[要出典]。 1997年︵平成9年︶に大型ノンステップ車7台︵三菱ふそうKC-MP747M︶が導入されたが、これは北陸地区で最初の導入であった。その後も増備されたが、1999年春以降、金沢地区でもコストダウンを目的に日産ディーゼル・RNなどの小型車﹁プチ﹂や日野・HRを主体に日産ディーゼル・JP、三菱ふそう・MKといった中型10.5m車の導入が続いていた[要出典]。 しかし、積み残しや車内の混雑が激しくなるなどの問題が生じたため2005年︵平成17年︶秋からは輸送力を増強すべくフルサイズ大型ワンステップ車の導入[39]が開始されたほか、2006年︵平成18年︶より大型ノンステップ車の導入も再開され現在も増備が進んでいる[要出典]。 なお、2005年︵平成17年︶以降のサイズはワンステップ車は10.7m車、ノンステップ車は10.9m車を基本に導入されていたが、ワンステップ車においては2008年導入の日産ディーゼル・スペースランナーAより11m車で導入され、2011年以降はすべて11m車で導入されているが、2013年は一部10.7m車も導入している。中古車の導入[編集]
1990年代後半より地域子会社を中心に大手事業者からの中古車も導入している[40]。 特に、加賀温泉バスおよび能登地区の地域子会社において導入例が多く、金沢地区でも子会社にて導入例が見られるが北鉄本体では導入されていない[40]。 以前は、都営バス・小田急バス・成田空港交通・空港グランドサービス・名古屋市営バスなどや、奥能登地区で撤退した西日本JRバスからの移籍車両[41]も使用されていた。2005年以降は愛知万博終了後、大量の余剰車が生じていた名鉄バスから大量の中古車を購入した[要出典][42]。少数ながら、大阪市営バス・川崎市営バス・京浜急行バス・京阪バス・相鉄バス・立川バス・神奈川中央交通・ジェイアール東海バスなどの移籍車両も在籍していたが[43]、これらの車両も置き換えられて引退している。 また近年では、2008年︵平成20年︶4月に廃業し、北陸鉄道も出資していた、富山県の名鉄クレハ観光バス︵1台︶を含む名鉄系グループ各社より貸切車両も移籍してきている。主に金沢競馬場等の契約輸送で運用されている。車両設備および車両番号[編集]
車両側面および後方には車両番号が記載されている。また、前扉袖部には﹁東﹂や﹁南﹂といった所属する営業所を表す文字が記載されている︵﹁東﹂は東部支所、﹁南﹂は南部支所︶。車両称号(一般車)[編集]
2 | 0 | - | 469 |
---|---|---|---|
車種 | 年式 | 番号 |
路線[編集]
#グループ各社および営業所を参照。方向幕の色・路線番号[編集]
1975年4月20日に、金沢地区の路線に対し行先別の色・路線番号の付与が行われた。この時には長距離路線にも番号が付与されたが、同一方向の複数の路線に同じ番号が付けられたものもあった。1984年11月27日には、0番台(市内路線)の区分がなくなり90番台が笠舞方向から卯辰山・鈴見方向に変更され、他にも一部で番号や色の変更が行われた。この時に郊外への長距離路線は多くが無番となった。1998年3月15日にはそれまで複数に分かれていた路線を中心部でつなげて通し運行する結節路線が設定されたが、この路線は行き先に応じた色と番号で案内されるようになったため、同じ運行区間でも往復で色や番号が異なったり、旧来の路線内で完結する便と直通運行する便で全く異なった色や番号を表示する路線が生じた。この方法は野々市金沢大学線のように中心部を通過しない路線にも準用されている。2003年1月6日のシティライナー便の運行開始時には再び0番台が使用されるようになったが、市内路線の時とは異なり必ず頭に0をつけた二桁で案内されている。また、笠舞駅西線のように終点がシティライナーとしての設定範囲を超える便は、結節路線と同様に行き先に応じた色・番号で案内される。
北陸鉄道では、行先表示器にLED表示器を用い始めた頃には、番号幕を独立させて色の表示を実現していたが、2003年から順次番号部分を含めた単色LED表示器を用いるようになったため、方向幕の色分けは路線図のほか金沢駅などののりば案内に名残を留めるだけとなっている。なお、路線図では一部色分けが異なっている。
- 00番台
- 県庁前方面(シティライナー便、白地に黄緑字)
- 01 中央病院線(野町駅 - 県庁前)
- 02 中央病院線(野町駅 - 中央病院)
- 03 畝田住宅線(野町駅 - 畝田住宅 - 大野港)
- 04 笠舞駅西線(大桑本町→香林坊 - 金沢駅西口 - 工業試験場/金沢港クルーズターミナル)
- 05 笠舞駅西線(大桑本町→香林坊 - 金沢駅西口 - 戸水)
- 06 市内近郊各地→香林坊→金沢駅西口→県庁前
- 07 市内近郊各地→香林坊→金沢駅西口→映寿会みらい病院
- 08 内灘線
- 10番台
- 小立野・花里方面(緑地に白字)
- 10 錦町粟崎線(金沢駅西口 - 香林坊 - 金沢学院大学、旧 錦町A線)
- 11 錦町B線(橋場町経由)
- 12 湯涌線
- 13 医王山線(旭町経由)
- 14 医王山線(小立野二丁目経由、旧 田上住宅線)
- 16 犀川線
- 18 花里線
- 19 笠舞駅西線(戸水/金沢港クルーズターミナル→金沢駅西口 - 大桑本町、旧 笠舞線)
- 20番台
- 寺町方面(だいだい地に白字)
- 30番台
- 円光寺・額住宅方面(青地に白字)
- 30 光が丘住宅線
- 31 額住宅線
- 32 工業大学線(旧 円光寺線)・柳橋円光寺線(木越住宅・柳橋→円光寺)・木越円光寺線(木越住宅→円光寺)
- 33 四十万線・四十万金石線(香林坊 - 四十万)・元町有松線(東金沢駅→金沢工業大学)・辰口線
- 34 三馬線・三馬大野線(金沢駅 - 高尾/金沢工業大学)
- 39 野々市円光寺線
- 40番台
- 野々市・松任方面(白地に黒字)
- 40 松任線
- 41 千代野線(有松、南松任経由)
- 42 金沢寺井線
- 43 錦町野々市線(旧 小立野線)
- 44 野々市線(押野経由)
- 45 八日市線
- 47 松任中奥線
- 48 野々市線(野々市中央経由)
- 49 千代野線(金沢工業大学、相木団地経由)
- 50番台
- 上荒屋・安原方面(白地に青字)
- 50 上荒屋線(保古町経由)
- 51 安原線(金沢駅 - みどり/打木)
- 52 示野線
- 53 西金沢線(兼六園下 - 西金沢)
- 54 安原線(金沢駅 - 上安原)
- 55 上荒屋線(有松経由)
- 56 西部緑地公園線
- 57 黒田線(武蔵ヶ辻・近江町市場/金沢駅西口 - 上荒屋西/新金沢郵便局前)
- 60番台
- 金石方面(白地にだいだい字)
- 60 金石線・四十万金石線(兼六園下・金沢城 - 金石)
- 61 三馬大野線(兼六園下・金沢城 - 大野、旧 大野線)
- 62 畝田住宅線(中央病院 - 大野港、旧 金石中央病院線)
- 63 三馬大野線(兼六園下・金沢城 - 大野港、旧 大野港線)
- 64 黒田線(金沢駅西口 - 工業試験場、旧 工業試験場線)
- 65 畝田住宅線(兼六園下・金沢城 - 畝田住宅)
- 70番台
- 粟崎・内灘方面(白地に茶字)
- 70 錦町粟崎線(兼六園下・金沢城 - コマツ金沢工場/内灘駅、旧 問屋団地線)
- 77 錦町粟崎線(金沢駅 - 西割出)
- 80番台
- 鳴和・森本方面(茶地に白字)
- 80 柳橋円光寺線(円光寺→柳橋)
- 81 柳橋寺町線
- 82 鳴和・増泉線
- 83 石引線
- 84 木越円光寺線(円光寺→大浦保育園前)
- 85 柳橋円光寺線(円光寺→木越住宅)
- 86 田中医大線
- 87 津幡線
- 88 東山線
- 89 元町有松線(金沢工業大学→東金沢駅)
- 90番台
- 卯辰山・鈴見方面(黄地に黒字)
- 90 卯辰山線(天神橋経由)
- 90 卯辰山線(鈴見台四丁目経由)
- 92 鈴見線
- 93 金沢大学線(鈴見台二丁目経由)
- 94 金沢大学線(旭町経由)
- 95 北陸大学線
- 96 西金沢線(西金沢→金沢大学)
- 97 金沢大学線(鈴見町経由)
- 98 野々市金大線
- 99 東金沢金大線
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 『バスマガジン vol.71』講談社・講談社ビーシー、2015年5月27日。ISBN 978-4-06-366728-8。
- 『バスジャパンハンドブックシリーズ V107 北陸鉄道』星雲社、2021年7月21日。ISBN 978-4-434-29498-3。