トヨタ・コースター
トヨタ・コースター | |
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4代目コースター EX (2016年12月販売型) | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1969年 - |
ボディ | |
ボディタイプ | 2ドアキャブオーバー |
駆動方式 | FR/4WD |
コースター︵COASTER︶は、トヨタ自動車が販売するキャブオーバー型のマイクロバスである。
概要[編集]
ビッグバン︵1ナンバー︶やキャンピングカー︵8ナンバー︶としての登録も多く、テレビ放送局などでのロケバスとしても多く用いられている。また、日産・シビリアン同様、コミュニティバス用として導入している国内バス事業者もある。日本国内での用途廃車後、新興国や開発途上国へ中古車として輸出されるケースが多い車両でもある。 系列の日野自動車にはリエッセIIの車名でOEM供給︵3代目中途以降︶されている。 輸出仕様には、つり革、非常口、降車ボタンなどを備えた路線仕様も存在し、香港において運行されているミニバス︵Public Light Bus︶のほとんどがコースターLPGを使用している。また、香港向けに開発された1BZ 型 4.1 L LPGエンジン搭載車も、3代目から日本においてもコースターならびにリエッセIIに設定され幼稚園バス等で使用されている。 欧州では、ポルトガルのサルバドール・カエターノがコースターのシャシに独自の車体を架装し、﹁オプティモ﹂の名で販売している。 なお、2014年9月に運転席側・助手席側ともに全車SRSエアバッグが非装備だったピクシストラック︵ダイハツ・ハイゼットトラックのOEM︶がフルモデルチェンジし、全車運転席側にSRSエアバッグが標準装備化されたため、2015年1月の時点で新車で購入可能なトヨタ車では唯一、運転席側・助手席側ともに全車SRSエアバッグが非装備だったが、2016年︵平成28年︶12月に実施されたフルモデルチェンジで全車に運転席・助手席SRSエアバッグ︵幼児専用車は運転席のみ︶がようやく標準装備され、2018年6月の一部改良で衝突被害軽減ブレーキも装備されるようになった。前史[編集]
1956年 - 1962年[編集]
トヨペット・ルートトラックのはしごフレームにバスボディーを架装したものがコースターの始祖にあたる。
当初は、毎年のようにシャシが改良され、それに伴い型式︵かたしき︶も変更された。同一フレームがトラック、ルートバン、ライトバスなどで共用されていた。
他社も含め、当時はマイクロバスではなく、ライトバスと名乗っているものが多いようである。
●1959年︵昭和34年︶ トヨペット ダイナ(RK95) バス仕様 RK95B
●1961年︵昭和36年︶ トヨペット RK150B
●1962年︵昭和37年︶ 旧荒川板金製の RK160B 登場。車名はトヨペット・マイクロバス。12人乗りと15人乗りの2タイプ。
初代コースター
1969年︵昭和44年︶2月、コースターという名前では初代となるRU18型ほかが登場する。従来どおり、ダイナの姉妹車として開発されており、型式の﹁U﹂もダイナと共通である。最前部の屋根のみ少し高くされ︵ハイルーフを除く︶、運転席と左側最前列席への移動性が向上している。運転席ドアを装備するとともに、ラップアラウンド形状︵U字型︶のバンパーを採用した。
5R型ガソリンエンジンのほか、J型ディーゼルエンジンも設定され、レントゲン車などの架装に対応して発電用サブエンジンの搭載も可能であった。
1977年︵昭和52年︶2月、マイナーチェンジ。フレームを補強、ホイールベースも15mm延長され、型式がRU19となる。ブレーキマスターシリンダーがタンデムとなり、真空倍力装置一体型となる。5Rエンジンは圧縮比のアップなどで5 ps・1 kgmの出力向上。外観ではフロントグリルの意匠、外板色や塗り分けを変更。
1977年︵昭和52年︶6月、ダイナのフルモデルチェンジに先んじ、B10系に型式変更。ダイナから分離され専用型式︵かたしき︶となったため、運輸省の認可上はモデルチェンジとなるが、外観が踏襲されているため従来型との判別は難しい。
ライトバス時代を通しても初となる、カタログモデルとしてのハイルーフが設定されている。2U型エンジンを用いたサブエンジン方式のクーラーは廃止され、経済性や騒音面を重視し、乗用車等で一般的なエンジン直動式コンプレッサーとなっている。大きな車室の冷気をまかなうためのコンプレッサーは非常に大型となり、ベルト駆動では信頼性に欠けるため、トランスミッションケース横から長い補助シャフトで動力を伝えるPTO式を採用している。この補助シャフトのアイディアは、初代エスティマのスーパーチャージャーの駆動にも応用されている︵エスティマの動力取り出しはPTOでは無く、クランクプーリーとベルトによる。︶。
車両総重量とクーラーコンプレッサーの負荷を考慮してエンジンには若干の余裕を持たせ、3,200 ccの2B型ディーゼルと、2,200 ccの20R型ガソリンが新たに設定された。2B型は、ランドクルーザー40系の排出ガス規制用として、1979年︵昭和54年︶に日本国内向けのみに搭載されるまで、しばらくはコースター専用であった。
1979年︵昭和54年︶、一部改良。昭和54年排出ガス規制に適合︵型式の排ガス記号‥K-︶すると共に、シフトレバーの配置がコラムシフトからフロアシフトに、ワイパーがシルバーからブラックにそれぞれ変更された。
2代目コースター
ロングボデー ハイルーフGX
2代目コースター
ロングボデー ハイルーフ デラックス
1982年︵昭和57年︶5月、フルモデルチェンジされ2代目が登場する。このモデルより、ロングボデーやオートマチックトランスミッション︵1985年10月︶もラインナップされる。
全車の前輪がトーションバースプリングを用いたダブルウィッシュボーン式サスペンション︵独立懸架︶となり、最上級となるEXグレードにはエアサスペンションが新たに採用された。又、スタンダード、幼児車を除き、角形4灯ヘッドランプが採用された。
直列6気筒エンジンがメインとなり、ランドクルーザーに搭載されていた、直列6気筒OHV・4,000 cc、渦流室式の2H型ディーゼルエンジンと、その直噴・ターボ版の12H-T型︵1985年︿昭和60年﹀10月追加︶がコースターにも設定された。他に、直列4気筒 OHV・3,400 cc・渦流室式ディーゼルの3B型、直列4気筒 OHV・3,700 ccの直噴ディーゼル14B型︵1988年8月追加︶、直列4気筒 OHC・ 2,400 ccガソリン22R型と合わせ、5機種のラインナップとなった。
客用ドアは従来からの折り戸に加え、国産マイクロバスでは初となるグライドドア︵アウタースイング式プラグドアのトヨタでの呼称︶を設定、どちらも自動・手動切替式とした。
他社に先駆けたこれら一連の装備の採用で、コースターの商品性は大きく向上した。
1984年︵昭和59年︶8月、普通貨物登録の﹁ビッグバン﹂を追加。普通免許︵当時︶での運転が可能なよう座席を9名とし、車室後半を1.25 t積みの荷室に充て、バックドアは荷役に都合の良い観音開きとした。2007年︵平成19年︶6月以降は運転免許制度改正に伴い、ロングボディーは車両総重量が5 tを超えて中型自動車となるため、新普通免許での運転は出来なくなった。さらに、2017年3月12日以降は、標準、ロングとも、準中型自動車となるため、準中型免許︵標準は5トン限定でも可︶でも運転できるようなった。
1990年︵平成2年︶1月、マイナーチェンジ。6気筒ディーゼルエンジンをH系から、OHC・4,200 cc渦流室式の1HZ型と、同じく直噴式ターボ過給の1HD-T型へ変更し、平成元年排出ガス規制に適合︵型式の排ガス記号‥U-︶。ボディーのカラーリングも変更された。
特装車として、キックアップルーフで後部座席天井に傾斜付きのガラス窓が設けられた﹁パノラマサルーン﹂が存在した。架装は北村製作所。
トヨタ・ライトバス K170B系︵1963年 - 1969年︶[編集]
1963年︵昭和38年︶3月、ダイナのモデルチェンジに合わせ、3R-B型ガソリンエンジン搭載のトヨタ・ライトバス RK170B系が発表された。 170系ダイナでは、バスボディーを架装しやすいよう、スタウトと共通のものから、直線的なフレームに一新されており、ボディーもこれまでより大型のものを新規に設計・開発した。ライトバスの型式は、末尾がB (BUS) とされ、22人乗りがRK170B、25人乗りはRK170B-Bとなった。また、日本のマイクロバスとしては初めてとなる、オルタネーター︵交流発電機、日本電装製︶を装備していた。 当型式の丸型テールランプとバックアップランプは、2000GTにも流用されている。 以後、コースター登場まで、3度のマイナーチェンジを経る。 トヨタ車体の歴史には、マイクロバスRK160B型︵現コースター、旧アラコ製︶、トヨタ自動車の歴史ではこのRK170B トヨタ・ライトバス︵現・コースター︶、とそれぞれ記されており、RK、JK系のバスモデルがコースターにつながったことが示されている。 なお、少数ながら、スタイルの異なるトヨペット整備製の車体を架装したモデルも、傍系として併売されていた。 J型ディーゼルエンジン搭載のJK170B系を追加。 1965年︵昭和40年︶6月、サブエンジン方式でクーラー搭載モデルを設定。このエンジンにはパブリカ700用のU型が流用され、最後列の座席を廃した床下に収められた。大型のクーラーボックスをも備えており、外観では屋根上のクーラーダクトと、リアの通気用メッシュが特徴となる。 1966年︵昭和41年︶2月、パブリカの800cc化に伴い、クーラー用サブエンジンが2U-B型となる。 1966年︵昭和41年︶2月、エンジンを2000ccの5R型へ変更、型式がRK171Bとなる。歴史[編集]
初代・U10系、B10系︵1969年 - 1982年︶[編集]
2代目・B20、30系︵1982年 - 1992年︶[編集]
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2代目コースター
三和交通パノラマサルーン -
2代目コースター 標準ボデー (香港ミニバス)
3代目・B40、50系(1992年 - 2017年)[編集]
トヨタ・コースター(3代目) B40・50系 | |
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前期型 ロングボディ GX/EX | |
中期型 標準ボディ標準ルーフ LX | |
後期型 ロングボディ GX | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1992年12月 - 2017年1月 |
ボディ | |
乗車定員 | 9人 - 29人 |
ボディタイプ | 2ドアキャブオーバー |
駆動方式 | FR/4WD |
車両寸法 | |
全長 | 6,255 - 6,990 mm |
全幅 | 2,035 mm |
全高 | 2,750 mm |
その他 | |
姉妹車 | 日野・リエッセII(初代) |
後期型 標準ボディハイルーフLX
陸上自衛隊人員輸送車2号
陸上自衛隊人員輸送車2号
中期型 ビッグバン標準ボディ(リア)
XZB46V[注釈 6]
XZB46V[注釈 6]
ロングのリアオーバーハングを延長したスーパーロング
高機動シャーシでは無い4WD
サルバドール・カエターノによる車体架装例
LPGエンジン
(香港ミニバス)
(香港ミニバス)
丸型4灯ヘッドライト仕様
ハイブリッドEV[編集]
1,500 ccの5E-FE型エンジンを発電用に使ったシリーズハイブリッド車もHZB50系の改造車扱いでラインナップされていた。運転席・助手席の後部に機器を増設しているため、吸気口が外観のアクセントとなる。 1997年3月に発売開始、車両本体価格が約1,500万円と非常に高価なため導入例が少なく、北海道では極寒期の出力減衰という事情もあり、2007年のマイナーチェンジで生産・市販を中止した。導入例としては札幌市の紅葉の名所である豊平峡ダムへの観光客送迎用バス(札幌リゾート開発公社)や東京電力横浜火力発電所見学者用が挙げられる。
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ハイブリッド遊覧バス(札幌リゾート開発公社:豊平峡ダム)
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東京電力横浜火力発電所
4代目・B60/B70/B80系(2017年 - )[編集]
トヨタ・コースター(4代目) XZB60/60V/70/70V/80 GDB60/60V/70/70V/80型 | |
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LX 標準ボディ | |
LX 標準ボディ リア | |
GX ロングボディ | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 2017年1月 - |
設計統括 | 山川雅弘 |
ボディ | |
乗車定員 |
25人(バス・標準ボディ) 21人 - 29人(バス・ロングボディ) 13人(バス・超ロングボディ) 9人(ビッグバン) 大人3人 + 幼児39人(幼児専用車・標準ボディ) 大人3人 + 幼児49人(幼児専用車・ロングボディ[3]) |
ボディタイプ | 2ドアキャブオーバー |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
2018年6月改良型まで N04C-VJ型 4.0 L 直4 直噴ディーゼルターボ N04C-VK型 4.0 L 直4 直噴ディーゼルターボ 2019年7月改良型 N04C-WA型 4.0 L 直4 直噴ディーゼルターボ N04C-WB型 4.0 L 直4 直噴ディーゼルターボ 2023年3月改良型 1GD-FTV型 2.8L 直4 直噴ディーゼルターボ |
最高出力 |
110 kW (150 PS)/2,500 rpm (N04C-VJ・N04C-WA・1GD-FTV) 132 kW (180PS)/2,800 rpm (N04C-VK) 129 kW (175 PS)/2,800 rpm (N04C-WB) |
最大トルク |
420 N・m (42.8 kgf・m)/1,400 rpm (N04C-VJ) 461 N・m (47.0 kgf・m)/1,600 rpm (N04C-VK・N04C-WB) 420 N・m (42.8 kgf・m)/1,400 - 2,500 rpm (N04C-WA・1GD-FTV) |
変速機 | 5MT/6AT |
前 |
前:トーションバータイプダブルウィッシュボーン式独立懸架 後:車軸式半楕円板ばね (前後共にスタビライザー付) |
後 |
前:トーションバータイプダブルウィッシュボーン式独立懸架 後:車軸式半楕円板ばね (前後共にスタビライザー付) |
車両寸法 | |
全長 |
6,255 mm(標準ボディ) 6,990 mm(ロングボディ) 7,725 mm(超ロングボディ) |
全幅 | 2,080 mm |
全高 |
2,630 mm(標準ボディ) 2,635 mm(ロングボディ) 2,645 mm(超ロングボディ) |
車両重量 |
3,600 - 3,920 kg(バス) 3,450 - 3,600 kg(ビッグバン) 3,460 - 3,700 kg(幼児専用車) |
その他 | |
姉妹車 | 日野・リエッセII(2代目) |
●2016年︵平成28年︶12月22日 - 24年ぶりにフルモデルチェンジ[4]。︵2017年1月23日発売︶
4代目は同年4月に発足した商用車の開発から生産までを一手に担う社内カンパニー﹁CV Company﹂が手掛けた。また、生産拠点もトヨタ車体傘下の岐阜車体工業本社工場へ移管。
ボディ構造はルーフ・側面・フロアの骨格を繋いで一体化した環状骨格を採用するとともに、高張力剛板の採用なども行い、バスにおけるボディ強度の世界的な安全評価基準であるECE基準︵欧州統一車両法規︶R-66︵バスの上部構造の強化に関する統一法規、ロールオーバー性能︶に適合した高剛性ボディを導入したほか、VSCや運転席・助手席エアバッグを標準装備し、シートベルトには瞬時にシートベルトを巻き取って早期に乗員を拘束するプリテンショナー機構と胸部に加わる力を低減するフォースリミッター機構を備えた。運転席エリアはフロントガラスの開口部を広げて視界を拡大し、機能スイッチや運転席まわりの物入れの配置を最適化。客室エリアは室内高を60mm高くし、窓側は約40mm外側へ拡大。サイドウインドゥの上下高を50mm広げた。ドアステップの奥行も65mm拡大したほか、ルームラックは室内天井面とラックの高さを60mm拡大するとともに、140mm外側へ配置移動した。前述のとおり環状骨格化によりボディ剛性を向上するとともに、エンジンカバーの構造変更、ボディシール構造の強化、防音材の配置最適化などにより静粛性を改善し、足まわりにはスタビライザーをフロント・リア共に装備し、ショックアブソーバーの減衰力を最適化した。
外観はルーフサイドに面取りを効かせ、ボディシルエットを2代目B20系を彷彿とさせるスクエア形状とした。サイドには上下分割したキャラクターラインを配し、アンダーボディはタイヤまわりを強調したデザインとなる。ボディカラーは﹁ホワイト︵﹁幼児専用車﹂以外のグレードはオプションカラー︶﹂や﹁EX﹂専用の﹁ベージュメタリック﹂を含む6色を設定した︵グレードにより設定できるボディカラーが異なる︶。
電装系は、これまで仕向地や仕様によって12 Vと24 Vの2種類があったが、新型では全世界統一仕様で12 Vになった。これにより、乗用車のVSC装置などの電装品の使用が可能となる上、それまで使用されていた多数のDC-DCコンバーターの廃止や電力の2系統化が廃止できることで大幅なコストダウンが可能になった。反面、24 Vで設計されていたエアサスペンションが使えなくなり、最上級グレードを含む全車が金属ばね︵前‥トーションバー、後‥重ね板ばね︶となった[5]。
グレード体系はバス3グレード︵﹁LX﹂・﹁GX﹂・﹁EX﹂︶、﹁ビッグバン﹂、﹁幼児専用車﹂の計5グレードが用意され、﹁EX﹂はロングボディのみ、その他のグレードは標準ボディとロングボディの2種類が用意される。センタードアはグレードによって異なり、通常は﹁LX﹂・﹁GX︵ロングボディ車︶﹂・﹁ビッグバン﹂は手動グライドドア、﹁GX︵標準ボディ車︶﹂・﹁EX﹂はオートグライドドア、﹁幼児専用車﹂は手動折戸ドアとなるが、オプションでドアタイプの変更が可能で、﹁LX﹂はオートグライドドア・手動折戸ドア・オート折戸ドアのいずれかを、﹁GX︵ロングボディ車︶﹂はオートグライドドア、﹁ビッグバン﹂はオートグライドドアまたは手動折戸ドア、﹁幼児専用車﹂はオート折戸ドアを設定できる。
コースターがフルモデルチェンジを発表してから4日後の同年12月26日に、日野自動車がOEMモデルのリエッセIIを4代目コースターベースの2代目にフルモデルチェンジすることが発表された︵リエッセIIは1996年6月に3代目コースターをベースに販売しているため、リエッセIIでは初のフルモデルチェンジとなった︶。なお、発売はOEM元のコースターよりも一足早く2017年1月6日より販売を開始した[6]。
ビッグバンは標準ボディ・ワイドボディ共に、準中型免許が必要となり、3代目まで5トン限定準中型免許で運転可能であったビッグバン標準ボディは、4代目では車両総重量が5tを超過したため5トン限定準中型免許での運転が不可となった。
●2018年︵平成30年︶6月21日 - 一部改良が発表された︵7月2日発売︶[7]。
プリクラッシュセーフティ︵歩行者[昼]検知機能付︶、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームで構成された衝突回避支援パッケージ﹁Toyota Safety Sense﹂やコンライト︵ライト自動点灯・消灯システム︶を﹁幼児専用車﹂を除く全てのグレードに標準装備された。なお、コースターの﹁Toyota Safety Sense﹂の検知デバイスは他の搭載車種とは配置が異なっており、ミリ波レーダーはフロントのCIエンブレムの真下に、単眼カメラはフロントウィンドウの中央下にそれぞれ配置されている。また、オートグライドドア車にオプション設定されている電動格納式補助ステップが大型化され、ウィンドシールド両サイドにレインガーターモールが追加された。
●2019年︵令和元年︶7月18日 - 一部改良が発表された︵8月1日発売︶[8]。
尿素SCRシステムが採用され、ディーゼルエンジンをN04C-WA型/N04C-WB型に換装したことで全車﹁平成28年︵ポスト・ポスト新長期︶排出ガス規制﹂に適合するとともに、MT車とビッグバンは﹁平成27年度燃費基準+5%﹂を達成した。
センターのオートグライドドアに挟み込み防止機構とイージークローザーが採用され、荷物の有無が一目で確認可能なようにルームラック︵﹁EX﹂に標準装備、﹁GX﹂・﹁LX﹂にメーカーオプション︶のトレイ中央部に半透明のアクリル板が配置された。
﹁LX﹂と﹁GX﹂には、ロングボディに比べて全長で735mm長く、全高で5mm高くするとともに、乗車定員を13人に減らすことで広大な後部スペースを確保した超ロングボディが新たに設定された。
●2020年︵令和2年︶
●5月1日 - 東京都を除く全ての地域での全車種併売化に伴い、トヨタ店で唯一取扱がなかった大阪トヨタ、大阪トヨペットを除くトヨペット店、整備に対応していない一部店舗︵東かがわトヨタ自動車販売を含む︶を除くカローラ店・ネッツ店での販売を開始。
●5月19日 - 新グレード﹁PREMIUM CABIN︵プレミアムキャビン︶﹂の追加が発表された︵6月1日発売︶[9]。
最上級のグレードに位置づけられており、シートを既存グレードよりも少ない5列シート・乗車定員を21人[注釈 7]とし、シートの前後間隔を約1m確保。24人乗り仕様[注釈 8]同様に車両後方にはラゲージスペースと観音扉式バックドアが設置され、後方からの荷物の出し入れが可能となる。
内装は専用仕様となり、TBカワシマ製のスエード調﹁ブランノーブ﹂と合成皮革を組み合わせたブラックのシート表皮をシート表皮の背もたれと座面に採用され、サイドトリムはシート同色のファブリック素材が取り入れられ、フロアの通路と足元にカーペットが敷き詰められた。外観はセンタードア横[注釈 9]に﹁PREMIUM CABIN﹂専用ステッカーが装着されたほか、右窓側の3箇所︵2~4列目︶に充電用USB端子が装備された。
本グレードはロングボディ・6ATのみの設定となる。
●12月18日 - 一部改良が発表された︵2021年1月6日発売︶[10]。
衝突回避支援パッケージ﹁Toyota Safety Sense﹂やコンライトが﹁幼児専用車﹂にも装備され、全車標準装備となった。
●2022年︵令和4年︶
●2月 - モデル切り替えに伴い生産停止[11]。
●10月21日 - トヨタが開発した1GDエンジンへ換装の上、一部のモデルを2023年︵令和5年︶3月に発売する予定であることと、当初搭載する予定だった日野自動車開発によるN04Cエンジンについては、必要な燃費改良の目途が立たない状況から改良型では搭載されないことが発表された[12]。
詳細は「日野自動車エンジン不正問題」を参照
●2023年︵令和5年︶
●3月15日 - 一部改良を行い、約1年1ヶ月ぶりに販売を再開[13]。
ドライバーに異常が発生した際、ドライバー自身または同乗者が非常ブレーキスイッチ︵運転席及び天井に設置︶を押すことで車両が減速して停止するドライバー異常時対応システム︵Emergency Driving Stop System︶を標準装備。エンジンは前述のとおりトヨタ製の1GD-FTV型へ換装︵トヨタ製ディーゼルエンジンの搭載は2004年7月の一部改良に伴う廃止以来約19年ぶり︶。最高出力・最大トルクは日野製のN04C-WA型と同スペックながら総排気量が2,754ccへダウンサイジングされた。トランスミッションはATのみの設定となった。これにより、﹁GX﹂の超ロングボディと﹁EX﹂・﹁PREMIUM CABIN﹂は休売となり、﹁LX﹂と﹁GX﹂は29人乗りの設定が無くなる替わりに、ロングボディにリアシートの列数を7列に増やしたパッケージ︵﹁LX 27人乗りパッケージ﹂・﹁GX 26人乗りパッケージ﹂︶が設定された。なお、今回の一部改良により車両型式がGDB##系へ変更となった。
●3月29日 - 2019年7月改良モデル︵2022年1月生産分まで︶を対象にした燃費補償実施を決定し、今夏にユーザーへ案内されることが発表された[14]。
●5月30日 - 2019年7月改良モデル︵2022年1月生産分まで︶において、実際の燃費性能が諸元値に達していないために自動車検査証︵車検証︶の排ガス記号の変更が必要となった為、車検証の差し替えをサービスキャンペーンにて実施することを発表。なお、車型によっては次回の車検から自動車重量税が変更となることから、差額分の補償を実施することも発表された[15]。
●10月3日 - 2019年7月改良モデル︵2022年1月生産分まで︶において、前述した燃費並びに自動車重量税の補償を開始したことを発表。車検証の差し替えに伴って自動車重量税が変更となる車型を対象にその差額分をトヨタ自動車が補償するとともに、既に納付済の自動車重量税についても本来支払われるべき税金の不足分をユーザーに代わって製造元の日野自動車が国へ追納を行う予定となる[16]。
GX ロングボディ リア
(2016年12月販売型)
(2016年12月販売型)
GX ロングボディ 車内(2016年12月販売型)
トヨタセーフティセンス装着車(2018年6月以降販売型)
台湾仕様
香港ミニバス(LPGエンジン)
BZB70
BZB70
超ロングボディ(香港仕様)
生産工場[編集]
2020年4月までの販売店[編集]
販売網が再編される前の販売店は下記。
- トヨタ店 - 東京都は2019年4月1日よりトヨタモビリティ東京(東京都内のトヨタ直営販社を統合)。大阪府は2006年8月8日より大阪トヨペット(旧・大阪トヨタから社名変更)。沖縄県は1979年10月1日より沖縄トヨタ(1979年9月まではトヨタカローラ沖縄)。
特記事項[編集]
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都営ミニバス(BU10、BB10系)[編集]
東京都交通局の実験的な試みで始まった、ビジネスや買い物客を想定した、低運賃の都心ミニバスにコースターハイルーフが採用された。1974年︵昭和49年︶2月、クリーム色に水色の帯の美濃部カラーでデビューした。品川営業所の受け持ちで、系統番号は﹁東01﹂、運行経路は東京駅北口 - 東京駅南口 - 有楽町駅 - 日比谷 - 警視庁 -︵→運輸省︶- 霞ヶ関 - 虎ノ門 - 新橋駅であった。
1980年︵昭和55年︶9月にK-BB11型に代替され、全廃時の都電を彷彿とさせる、黄色地にえんじの帯へ変更された。大型の方向幕とも相まって、都営バスのなかでは異彩を放つものであった。現在の100円バスと同様のコンセプトは先進的であったが、利用客数は低迷し、1983年︵昭和58年︶8月に廃止された。
その後車両は岩手県の東磐交通に売却され、都営時代のカラーのまま路線バスとして使われ廃車となったが、解体されずに倉庫となり現在に至る。後にこの塗色は、一般の都営バスにも波及したが、都の調査の結果、利用者には不評であったため、短期間で緑とベージュの組み合わせへと変わっている。
国際科学技術博覧会︵2代目︶[編集]
1985年︵昭和60年︶3月に国際科学技術博覧会︵科学万博つくば'85︶会場内の巡回バス︵愛称・ポレポレバス︶として採用される。この車体については、乗務員が停留所で運賃収受や車椅子の乗降補助を容易にするため、左ハンドルに設定され、側面の乗降口は運転席のすぐ後ろと、最後部の2箇所に設けられた。また、バリアフリー対策として、オプションの車椅子乗降用リフトも8台中4台に取り付けられた。FCコースター[編集]
九州旅客鉄道︵JR九州︶が2023年8月から営業運行を開始した﹁日田彦山線BRT﹂において、福岡県とコマーシャルジャパンパートナーシップテクノロジーズ︵CJPT︶が共同で実施する実証実験用燃料電池バスとして、MIRAIの第2世代FCシステムを組み込んだFCバス・FCコースターを製作。2023年11月下旬から2025年春頃まで実証実験を予定している[17]。-
「BRTひこぼしライン」実証運転用FCコースター
車名の由来[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
(一)^ アウタースイング式プラグドアのトヨタでの呼称。OEMの日野・リエッセIIでは﹁自動スイング扉﹂となっている。
(二)^ 三菱ふそう・ローザは6.4 - 7.5 m、日産・シビリアンは6.6 m。
(三)^ ローザは5.7 - 6.1 m、シビリアンは6.0 m
(四)^ 仕様はロングボディー・ハイルーフ・4速AT︵高機動シャーシにMTの設定は無い︶で、発売当初は4輪ダブルウィッシュボーンサスペンション・4輪シングルタイヤだったが、その後、車両価格を抑え、リプレイスタイヤの購入費用を抑えるため、後輪は標準車のホーシングを流用したダブルタイヤとリーフリジッドサスペンションに変更された。2004年︵平成16年︶のB系エンジン廃止と同時に生産を終了した。
(五)^ オーストラリア、香港、マカオ向けもN04Cに変更されたが、排出ガス規制のないアフリカでは1HZ、14Bが継続設定された。
(六)^ バンはハイルーフのみで、観音開きバックドアはバンで標準、幼児専用車以外のバスではオプションとなる。幼児専用車の背面には観音扉の左側のみを流用した非常口が備わる。
(七)^ メーカーオプションの冷蔵庫を装備した場合は20人
(八)^ ﹁LX﹂・﹁GX﹂・﹁EX﹂に設定
(九)^ ボディカラーでホワイト︵メーカーオプション︶を選択した場合は車内
(十)^ 愛知県。1989年1月に﹁トヨタカローラ名都﹂への社名変更及びカローラ店へ系列変更され︵後年、トヨタカローラ愛豊に吸収合併︶、これを以て全国からトヨタディーゼル店は消滅。
出典[編集]
(一)^ ﹃TOYOTA、コースター幼児専用車 後付け保護パッドセットを発売﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2014年10月28日。2014年10月28日閲覧。
(二)^ ﹃TOYOTA、コースターを一部改良﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2014年12月24日。2014年12月24日閲覧。
(三)^ “トヨタ コースター 幼児専用車 主要諸元表”. トヨタ自動車. 2021年9月1日閲覧。
(四)^ ﹃TOYOTA、コースターをフルモデルチェンジ﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2016年12月22日。
(五)^ “﹁エアサス同等以上の乗り心地を実現した﹂という新型﹁コースター﹂”. Car Watch (2016年12月22日). 2022年1月8日閲覧。
(六)^ ﹃日野自動車、小型バス﹁日野リエッセII﹂をモデルチェンジして新発売﹄︵プレスリリース︶日野自動車株式会社、2016年12月26日。2017年1月27日閲覧。
(七)^ ﹃TOYOTA、コースターを一部改良﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2018年6月21日。2018年6月21日閲覧。
(八)^ ﹃TOYOTA、コースターを一部改良し、全車﹁平成28年︵ポスト・ポスト新長期︶排出ガス規制﹂に適合﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2019年7月18日。2019年7月18日閲覧。
(九)^ ﹃TOYOTA、コースターに﹁PREMIUM CABIN﹂を設定﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2020年5月19日。2020年5月19日閲覧。
(十)^ ﹃コースター、幼児専用車の安全装備を強化﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2020年12月18日。2020年12月18日閲覧。
(11)^ 弊社小型バス﹁コースター﹂の燃費性能に関するお詫びとお知らせ トヨタ自動車、2022年3月4日、2022年6月23日閲覧。
(12)^ ﹃弊社小型バス﹁コースター﹂の一部仕様の販売再開予定について﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2022年10月21日。
(13)^ ﹃コースターを一部改良﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2023年3月15日。2023年3月15日閲覧。
(14)^ ﹃弊社小型バス﹁コースター﹂の燃費補償実施に関するお知らせ﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2023年3月29日。2023年3月29日閲覧。
(15)^ ﹃弊社小型バス﹁コースター﹂車検証の差替えと重量税補償について﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2023年5月30日。2023年5月30日閲覧。
(16)^ ﹃弊社小型バス﹁コースター﹂燃費補償ならびに重量税補償開始について﹄︵プレスリリース︶トヨタ自動車株式会社、2023年10月3日。2023年10月3日閲覧。
(17)^ BRTひこぼしラインでFCバス実証運転を実施-地域交通への商用FCモビリティ普及に向けた具体的取り組みを開始- - 福岡県・Commercial Japan Partnership Technologies・九州旅客鉄道共同発表
関連項目[編集]
- トヨタ自動車
- 日野・リエッセII
- バス (交通機関)
- キャンピングカー
- デュアル・モード・ビークル - 実用化された阿佐海岸鉄道DMV93形気動車は4代目コースターをベースとして改造された。
- エンジン (テレビドラマ) - 木村拓哉が演じた主人公の愛車としてB20系が登場していた。
外部リンク[編集]
- トヨタ コースター - トヨタ自動車ウェブサイト
- トヨタの歩み 1960-1969 - トヨタ自動車株式会社グローバルサイト
- 会社案内パンフレット - トヨタ車体株式会社(トヨタ車体の歴史PDF内の1960'sを参照)