1963年のテレビ (日本)
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1963年のテレビ︵1963ねんのテレビ︶では、1963年︵昭和38年︶の日本におけるテレビジョン放送全般の動向についてまとめる。
福島テレビ開局︵4月1日。写真は旧本社︶
4月
●1日
●福島テレビ︵FTV︶開局。地方局最後のアナログVHF親局のテレビ局となった[注 4]。
●NHK総合で農業情報番組﹃明るい農村﹄放送開始︵ - 1985年3月31日︶。
●NHK連続テレビ小説第3作﹃あかつき﹄放送開始︵ - 1964年4月4日︶。
●7日 - NHK大河ドラマ放送開始︵2021年現在も継続中︶。その記念すべき第1作となる﹃花の生涯﹄を放送︵ - 12月29日︶[注 5]。
6月
●2日 - 日本テレビ系にて、芸能人が体を張ったゲームに挑戦するバラエティ番組﹃底ぬけ脱線ゲーム﹄︵ロート製薬一社提供︶が放送開始。金原二郎︵当時日本テレビアナウンサー︶の司会で親しまれた︵ - 1973年1月25日︶。
●12日 - NETテレビ︵現‥テレビ朝日︶系にて、大正製薬の一社提供で牧伸二司会の演芸番組﹃大正テレビ寄席﹄が放送開始︵ - 1978年6月25日︶。
8月
●2日 - 朝日放送︵現・朝日放送テレビ︶[注 6]製作・TBS系にて、ミヤコ蝶々と南都雄二の司会によるトーク番組﹃夫婦善哉﹄が放送開始[注 7]︵ - 1975年9月27日︶。
9月
●4日 - フジテレビにて、史上初となる深夜アニメ﹃仙人部落﹄︵原作‥小島功︶が放送開始︵ - 1964年2月23日︶。
10月
●6日 - 毎日放送製作・NETテレビ系にて、ロート製薬一社提供のクイズ番組﹃アップダウンクイズ﹄放送開始[注 8]。初代司会者は喜劇俳優の市村俊幸が務めたが、後に毎日放送アナウンサー︵当時︶の小池清に交代する[注 9]︵ - 1985年10月6日︶。
●7日 - 日本テレビ系にて、子供番組﹃ロンパールーム﹄放送開始。
●17日 - 日本テレビ系にて、初の1時間歌謡番組﹃百万ドルの饗宴﹄放送開始︵ - 1966年10月︶。
●20日 - フジテレビ系にて、横山光輝原作のロボットヒーローアニメ﹃鉄人28号﹄︵江崎グリコ一社提供︶放映開始︵ - 1966年5月25日︶。
11月
●7日 - TBS系にて、平井和正原作・桑田次郎作画の漫画を原作としたSFヒーローアニメ﹃エイトマン﹄︵丸美屋食品工業一社提供︶放映開始︵ - 1964年12月31日︶。
●23日 - 人工衛星を使用した 日本 - アメリカ合衆国間の衛星中継試験放送を実施。その当日にジョン・フィッツジェラルド・ケネディアメリカ合衆国大統領が、テキサス州ダラスにて暗殺により死亡したニュース︵ケネディ大統領暗殺事件︶をアメリカからの回線により、毎日放送北米支局の前田治郎特派員が日本に第一報を伝えることとなった。
●24日 - NETテレビ系にて、東映動画︵現‥東映アニメーション︶製作によるテレビアニメ第1号﹃狼少年ケン﹄︵森永製菓一社提供︶放映開始︵ - 1965年8月16日︶。
12月
●1日
●電電公社、テレビネット回線の東日本ループ(東京(→甲府)-横手山(→長野)-薬師(現上越市内)(→新潟)-富山-金沢-福井-大阪-名古屋-浜松-静岡-東京)のカラー対応の高規格化整備が完成。[1][2][3]
●NHK教育テレビの放送がこの日、北見︵網走放送所︶・甲府・長崎・宮崎で開始、一応の全国ネットワーク完成をみる。
●毎日放送製作・NETテレビ系にて、夢路いとし・喜味こいし司会によるゲームバラエティ番組﹃がっちり買いまショウ﹄[注 10]放送開始[注 8]︵ - 1975年11月30日︶。
●12日 - 毎日放送製作・NETテレビ系にて、動物をテーマとした教養ドキュメンタリー番組﹃野生の王国﹄放送開始[注 8]︵ - 1990年9月21日︶。
●16日 - 前述の電電公社のテレビネット回線の東日本ループのカラー対応化を受け、NHK名古屋中央放送局の総合及び教育テレビと、本部管下の甲信越の各地方局及び中部地区内の静岡県内の総合テレビで、一斉にカラー放送開始︵詳細は、﹁既存局のカラー放送開始﹂の項を参照のこと︶[1][2]。(本部管下及び名古屋中央局管内の教育テレビカラー放送未実施局は、翌年4月1日に教育のカラー放送を開始[6]。)
●27日 - TBS系にて﹃第5回日本レコード大賞﹄放送。大賞は梓みちよの﹁こんにちは赤ちゃん﹂。梓はソロの女性歌手では初の大賞受賞。
●31日 - 第14回NHK紅白歌合戦放送。81.4%という驚異的な視聴率を記録︵関東地区、ビデオリサーチ調べ︶[注 11]。
できごと[編集]
●日本におけるテレビ普及率が88.7%へ上昇。 ●TBS[注 1]がこの年の年間視聴率で、ゴールデンタイム︵19〜22時までの時間帯︶の視聴率がトップとなる。以後、1981年までの19年間、連続して首位の座を維持することとなった︵ビデオリサーチ調べ︶。 ●また、NHKがこの年の年間視聴率で、全日帯︵6〜24時までの時間帯︶の視聴率がトップとなる。以後、1986年までの24年間、連続して首位の座を維持することとなった︵同上︶。 ●翌年の東京オリンピックを控え、12月1日に電電公社が、テレビネット回線の東日本ループのカラー対応の高規格化を完成。これを受け、同月16日に、甲信越及び中部地方のNHK総合テレビのカラー化が完了する。[1][2][3] 1月 ●1日 - フジテレビ系にて、国産30分テレビアニメシリーズ第1号[注 2]﹃鉄腕アトム﹄︵手塚治虫原作。明治製菓︿現‥明治﹀一社提供︶放映開始︵ - 1966年12月31日︶。 ●16日 - 日活の看板俳優だった石原裕次郎︵俳優・歌手︶が芸能事務所・石原プロモーションを設立︵2021年の同日に会社解散︶[4][5]。 ●21日 - 日本テレビ系の料理番組﹃キユーピー3分クッキング﹄︵キユーピー一社提供︶放送開始︵2021年現在も継続中︶[注 3]。 2月 ●10日 - 福岡県北九州市が発足したのに伴い、NHK小倉放送局︵旧小倉市︶が﹁NHK北九州放送局﹂に名称を変更。 3月 ●23日 - NHK総合で、視聴者が作詞・作曲した楽曲をプロの歌手が歌唱し、プロの作詞家・作曲家によって優劣を競う音楽番組﹃あなたのメロディー﹄放送開始。同番組から﹁空よ﹂︵歌唱‥トワ・エ・モワ︶や﹁与作﹂︵歌唱‥北島三郎︶といったヒット曲が生まれた︵ - 1985年3月21日︶。開局[編集]
●4月1日 - 福島テレビ[注 4](カラー放送は未実施)既存局のカラー放送開始[編集]
●12月16日 ●NHK総合テレビ…長野、新潟、甲府︵ここまで本部管下︶、名古屋中央、静岡、浜松[1] ●NHK教育テレビ…名古屋中央[1]視聴率[編集]
︵関東地区、ビデオリサーチ調べ︶[7] (一)第14回NHK紅白歌合戦︵NHK総合、12月31日︶81.4% (二)ニュース︵NHK総合、12月31日 21:00-21:05︶66.7% (三)プロレス・WWA世界選手権無制限一本勝負﹁デストロイヤー×力道山﹂︵日本テレビ、5月24日︶64.0% (四)ゆく年くる年︵NHK総合、12月31日︶57.4% (五)ボリショイサーカス︵NHK総合、7月16日︶55.3% (六)ベン・ケーシー︵TBS、1月11日︶50.6% (七)リングサイドアワー﹁海老原博幸×ポーン・キングピッチ﹂︵フジテレビ、9月18日︶47.8% (八)事件記者︵NHK総合、6月4日︶47.1% (九)世界バンタム級タイトルマッチ﹁エデル・ジョフレ×青木勝利﹂︵TBS、4月4日︶46.0% (十)図々しい奴︵TBS、8月5日、9月9日︶45.1% (11)お笑い三人組︵NHK総合、6月4日︶44.2% (12)歌謡浪曲ドラマ︵NHK総合、1月1日︶43.9% ●ディズニーランド︵日本テレビ、1月11日︶43.7% ●ジェスチャー︵NHK総合、5月21日︶43.7% (14)ニュース︵NHK総合、1月27日 17:35-17:40︶41.8% (15)月曜日の男︵TBS、8月12日︶40.9% (16)てなもんや三度笠︵TBS、11月24日︶40.5% (17)若い季節︵NHK総合、2月3日︶40.3% (18)ドラマ・吾輩は猫である︵NHK総合、1月1日︶40.2% (19)1963年歌くらべオールスター大行進︵TBS、12月31日︶39.9%テレビ番組[編集]
テレビドラマ[編集]
NHK ●大河ドラマ - 花の生涯 ●連続テレビ小説 - あかつき 日本テレビ系 ●男嫌い︵出演‥越路吹雪、淡路恵子、岸田今日子、横山道代、坂本九 他︶ ●美しき嘘︵主演‥小畠絹子︶ ●エプロンおばさん︵日本テレビ版第1期︶︵主演‥藤村有弘︶ ●台所太平記︵主演‥柳永二郎︶ TBS系 ●図々しい奴︵主演‥丸井太郎︶ ●コメディフランキーズ︵主演‥フランキー堺︶ ●パパと歩こう︵主演‥佐野周二︶ フジテレビ系 ●三匹の侍︵主演‥丹波哲郎、長門勇、平幹二朗、加藤剛︶ ●姿三四郎 ●嫁ぐ日まで NETテレビ系 ●鉄道公安36号子供向けドラマ[編集]
NHK ●中学生時代︵NHK総合︶ 日本テレビ系 ●おじいちゃま!!ハイ!︵主演‥榎本健一︶ ●ホラ、しあわせが︵主演‥香川京子︶ ●現代っ子 ●白面剣士 牛若天狗 - 日本テレビ初のロート製薬一社提供番組 ●三波春夫の三五郎街道︵主演‥三波春夫︶ ●うちのママ姉ちゃん︵読売テレビ、主演‥中村メイコ︶ ●噂の錦四郎︵読売テレビ︶ TBS系 ●明星杉の子劇場 - ドラマの他、人形劇も放送 ●高杉晋作︵朝日放送︶︵主演‥宗方勝巳︶ フジテレビ系 ●わんぱく同盟 ●海の野郎ども︵主演‥中岡慎太郎︶ NETテレビ系特撮番組[編集]
●宇宙Gメン︵読売テレビ︶ ●宇宙船XL-5→谷啓の宇宙冒険 ︵フジテレビ︶ - 海外の人形劇 ●ウエスタン・マリオネット 魔法のけん銃︵TBS︶ - 海外の人形劇テレビアニメ[編集]
●鉄腕アトム︵フジテレビ︶ ●バックス・バニー・ショー︵毎日放送︶ - 海外作品。 ●銀河少年隊︵NHK︶ - 人形劇との合成作品。 ●ヘッケルとジャッケル︵フジテレビ︶ - 海外作品。 ●仙人部落︵フジテレビ︶ ●鉄人28号︵フジテレビ︶ ●エイトマン︵TBS︶ ●狼少年ケン︵NETテレビ︶ ●ピーコック劇場︵NETテレビ︶ ●ドラ猫大将︵NETテレビ︶ - 海外作品。バラエティー番組[編集]
●素敵なデイト→てんで素敵なショー︵日本テレビ︶ ●日立ファミリーステージ 圭三ビッグプレゼント︵カラー︶︵日本テレビ︶ ●底ぬけ脱線ゲーム︵8月11日放送回よりカラー[8] ︶︵日本テレビ︶ ●7時半だよクレージー︵フジテレビ︶ ●ピーコック・ショー︵NETテレビ︶ ●がっちり買いまショウ︵毎日放送︶クイズ番組[編集]
●ロッテエスチャー︵日本テレビ︶ ●マネましょう当てまショー︵日本テレビ︶ ●私のクイズ︵日本テレビ︶ ●いじわるクイズ時価1万円︵フジテレビ︶ ●アップダウンクイズ︵毎日放送︶音楽番組[編集]
●あなたのメロディー︵NHK総合︶ ●たのしいうた︵NHK総合︶ ●百万ドルの饗宴︵日本テレビ︶トーク番組[編集]
●裕次郎アワー 今晩は裕次郎です︵日本テレビ︶教養・ドキュメンタリー番組[編集]
●新日本紀行︵NHK総合︶ ●明るい農村︵NHK総合︶ ●ドレミファ船長︵NHK教育︶ ●たのしいひる休み︵NHK教育︶ ●日本の歴史︵NHK教育︶ ●わたしたちの社会︵NHK教育︶ ●高校生の広場︵NHK教育︶ ●みんなの科学︵NHK教育︶ ●ロンパールーム︵日本テレビ︶ ●さくらんぼ教室︵中部日本放送︶料理番組[編集]
●キユーピー3分クッキング︵日本テレビ︶[注 3]紀行番組[編集]
●ふるさと紀行︵東海テレビ︶既存番組のカラー化[編集]
●私のクイズ︵日本テレビ︶- 8月9日放送分より︵当初は後楽園ホールでの公開放送のみ︶[9] ●歌のグランプリショー、底ぬけ脱線ゲーム︵いずれも日本テレビ︶- 8月11日放送分より︵当初は後楽園ホールでの公開放送のみ︶[8]参考文献[編集]
●日本放送協会 編﹃NHK年鑑'63﹄日本放送出版協会、1963年10月10日。[10] ●日本放送協会 編﹃NHK年鑑'64﹄日本放送出版協会、1964年10月15日。[11] ●日本放送協会 編﹃放送五十年史﹄日本放送出版協会、1977年3月10日。 ●日本放送協会 編﹃放送五十年史 資料編﹄日本放送出版協会、1977年3月10日。 ●NHK 編﹃放送の五十年 昭和とともに﹄日本放送出版協会、1977年3月30日。 ●﹁NHK大河ドラマ大全﹂︵NHK出版、2011年︶ ●NHKは何を伝えてきたか-NHKテレビ番組の50年 ●NHKアーカイブスカタログ―テレビ番組放送記録+番組小史 1953〜2008 など注釈[編集]
(一)^ 当時は東京放送︵現・TBSホールディングス︶のテレビ放送事業だった︵現・TBSテレビ︶。
(二)^ テレビアニメとしてはそれ以前に﹃もぐらのアバンチュール﹄﹃新しい動画3つのはなし﹄﹃インスタントヒストリー﹄﹃おとぎマンガカレンダー﹄などが放映されている。
(三)^ abCBCテレビ︵当時‥中部日本放送のテレビ放送部門︶版が日本テレビより早く1962年12月3日に開始している。
(四)^ ab開局当初は、在京キー局4系列の人気番組を中心に編成したオープンネット形式であったが、1970年4月に福島中央テレビ︵FCT︶がフジテレビとNETのクロスネット局として開局してから、日本テレビとTBSのクロスネット局に移行するが、FCT開局から1年半後の1971年10月、新聞資本の関係でTBSとフジテレビのクロスネット局となり、1983年10月までにフジテレビ系フルネット局に一本化され、現在に至る。
(五)^ 1年間の通年放送となるのは翌年放送の第2作﹃赤穂浪士﹄から。
(六)^ 当時は朝日放送のテレビ放送事業であり、2018年4月の放送持株会社制移行により朝日放送グループホールディングスとなり、現在の朝日放送テレビとなった。
(七)^ 1975年4月から最終回までは腸捻転解消に伴いNETテレビ系で放送。
(八)^ abc1975年4月から腸捻転解消に伴いTBS系で放送。
(九)^ 小池は1983年9月まで司会を務め、後年は西郷輝彦︵歌手・俳優︶に司会を交代、最終回まで務めた。
(十)^ 当時は﹃オリエンタルがっちり買いまショウ﹄。1972年に提供が江崎グリコに交代し﹃グリコがっちり買いまショウ﹄となった。
(11)^ この記録は﹃NHK紅白歌合戦﹄の歴代並びに日本のテレビ史上1位の高数字であり、2020年現在まで破られていない。
脚注[編集]
(一)^ abcde日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修部﹃NHK年鑑'64﹄日本放送出版協会、1964年、5、206~7頁。
(二)^ abc日本放送協会総合技術研究所﹃五十年史﹄(1981.03) 95ページ (渋沢社史データベース)(2023年10月4日閲覧)
(三)^ ab日本テレビ放送網(株)﹃大衆とともに25年. 沿革史﹄(1978.08) 41ページ (渋沢社史データベース)(2023年10月4日閲覧)
(四)^ “石原プロモーション、16日に解散58年前に起業した日に看板下ろす”. サンケイスポーツ. 産経デジタル. (2021年1月16日) 2021年1月16日閲覧。
(五)^ “破壊した車4600台 オーディションには5万人…石原軍団解散 裕次郎さん設立から58年”. 中日スポーツ. 中日新聞社. (2021年1月16日) 2021年1月16日閲覧。
(六)^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修部﹃NHK年鑑'64﹄日本放送出版協会、1964年、5,26頁。
(七)^ あの時の視聴率 1963年 ビデオリサーチ50周年記念サイト、2012年
(八)^ ab朝日新聞 1963年8月11日 朝刊 P.7 テレビ欄(朝日新聞クロスサーチにて閲覧)
(九)^ 朝日新聞 1963年8月9日朝刊 P.7 テレビ欄(朝日新聞クロスサーチにて閲覧)
(十)^ NHK nenkan - Google Books
(11)^ NHK nenkan - Google Books