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'''シングル'''︵{{Lang-en-short|single}}︶ は、本来は1曲を表す言葉であるが、[[音楽]]、特に[[大衆音楽]]において、 近年は[[インターネット]]で[[音楽配信|配信]]される'''ダウンロード・シングル'''も急増している。
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2018年4月22日 (日) 13:20時点における版
シングル︵英: single︶ は、本来は1曲を表す言葉であるが、音楽、特に大衆音楽において、楽曲を1曲や2曲程度収めた販売単位をも指す。これは、販売用の媒体として多数の、もしくは演奏時間の長い楽曲を収めたアルバムとの対比的な表現である。時代や目的に応じて様々な手法で販売されたが、1曲から数曲ほどを収録し、メインとなる楽曲のヒットを主目的として販売される電子媒体のことを言う。代表的なものは、レコード盤におけるシングル・レコードやCDにおけるCDシングルであり、これらはシングル盤とも呼ばれ、シングル盤に収録されている曲はシングル曲と呼ばれる。
近年はインターネットで配信されるダウンロード・シングルも急増している。
シングルレコード盤︵ドーナツ盤ともいわれる︶
シングル・レコードはアナログ式の録音盤︵アナログ盤︶であり、直径7インチ (17cm) 毎分45回転のレコードを指すことが多いが、1950年代までは直径10インチ(25cm)78回転のSP盤と呼ばれる形式のレコードも存在した。シングルに対し、SP盤を何枚かまとめて販売されたものが﹁レコード・アルバム﹂と呼ばれ、後のLPレコードに名前が引き継がれた。1980年代より、LPレコードサイズ︵12インチ=30cm︶で45r.p.m.︵回転/分︶として、1曲の長さや収録曲数の多さを特徴とする﹁12インチシングル﹂と呼ばれるものも登場した。アナログ盤は、その後登場したデジタル再生のCDに移行していった。
シングルの媒体
シングル・レコード
SP盤
78r.p.m.のSP盤は、その性能から片面に3分30秒しか録音することが出来なかった。(クラシックなどの演奏時間の長い楽曲は何面にも分けられて販売されることがあり、この場合シングルとは呼ばない。)シングル盤
直径30cmの盤に、片面に約30分の楽曲が録音できるLP盤が登場し、さらに1958年ステレオ録音のレコードが登場すると、SP盤は急速に衰退し、シングルは直径17cmで45r.p.m.のシングル盤に移行する。シングル盤は、ジュークボックスで再生されることを想定し、回転用の中心の穴を大きく開けたものが主流であったため、見た目のイメージからドーナツ盤とも呼ばれた。ドーナツ盤を通常のプレイヤーで再生する際には、アダプターを介してプレイヤーに装填する。 表裏に1曲ずつ収録して﹁A面﹂﹁B面﹂とし、A面曲をメインとしてヒットを狙うのが通常である。﹁両A面﹂などと設定し、ダブルヒットを狙うものもあった。詳細は「A面/B面」を参照
EP盤
盤のサイズはシングルと同じ7インチで回転数は45回転であるが、中心の穴はLPと同じである。シングルと同じ大きさながら収録時間が延びたことから extended play と呼ばれ、その略称がEPである。日本では回転数を33回転に落としたものもあり、それは小さいLPという意味から﹁コンパクト盤﹂とも呼ばれる。日本ではシングル盤をEPと誤用することがあるので明確に区別して﹁4曲入りEP﹂とも呼ばれる。EPを複数枚アルバムとして閉じたものも多く出回り、CD以降には﹁ミニアルバム﹂と呼ばれる。
CDシングル
CDシングルには、8cm盤の﹁CD SINGLE規格﹂︵ジャケットにマークが記載されている︶と、12cm盤の﹁CD Audio Maxi-single規格﹂︵マキシシングルと呼ばれる︶の2種類がある。また、﹁シングル・レコード﹂の後継とも言える。 CDでは﹁B面﹂の代わりに﹁カップリング・ウィズ﹂(Coupling with) や﹁カップルド・ウィズ﹂(Coupled with) と呼び"C/W"と表記するが、後述の﹁両A面﹂と同じく﹁B-Side﹂や﹁B面﹂といった旧来の呼び方も根強く残っている。 ﹁両A面シングル﹂とは両面をA面扱いとするシングル盤︵レコード・CD︶であり、特にCDにおいてはディスク自体の記録面がそもそも片面しかないということで﹁ダブルフェイスシングル﹂という呼び方をすることもある。また、アーティストによって様々な呼称を用いることがある[1]。 シングルのタイトルはA面曲の曲名とするものがほとんどであるが、独自のタイトルを付けたものもある︵例:浜崎あゆみのA・H・&・L、島谷ひとみの亜麻色マキシ、多くのクアトロA面シングル︶。詳細は「A面/B面」を参照
シングル・カセット
1980年代後半から1990年代初めのレコードからCDへの移行期から発売された。B面にはオリジナルカラオケが入っていたため人気は高かったがCDの普及と共にJ-POP・洋楽系は消滅した。その一方で、まだ高齢者層を中心にカセットテープの需要がある演歌・歌謡曲系では2015年現在もCDマキシシングルと併売するかたちで新譜が発売される例がある。
VHSシングル
VHSシングルはVHSをメディアに用いたパッケージである。大きく注目されるようになったのはマドンナ﹁ジャスティファイ・マイ・ラヴ﹂︵1990年︶の世界的ヒットからとされている。DVD
主にDVDを使用したシングル。DVDビデオシングル
DVDビデオを媒体に用いたメディアで、ミュージック・ビデオを内容とするVHSシングルの後継である。DVDオーディオシングル
高音質・マルチチャンネル・映像表示対応のDVDオーディオを媒体に用いたメディアである。現在は、ほぼ扱われていない。ダウンロード・シングル
近年、パーソナルコンピュータ(PC)ではiTunes StoreやAmazon.com(Amazon MP3)から、携帯電話では着うたフル等の楽曲関連のサイトから音楽ファイルを購入することが出来る﹁ダウンロード販売﹂が多い。なお、﹁デジタルシングル﹂と呼ばれる場合もある。詳細は「音楽配信」を参照
シングルへの収録曲
シングルにもオリジナル曲とは別にバージョンの異なる楽曲が収録されることがある。
リミックス収録
既存のオリジナル曲をリミックス︵再度トラックダウンしてアレンジ︶した楽曲を収録した作品のこと[2]。単にリミックス曲等と呼ばれる。近年ではアルバムだけでなく、様々なシングルに取れ入れられている。ライブ音源収録
シングルは基本的に録音スタジオで収録された音源を使用する。しかし、スタジオ・ライブで演奏された楽曲の音源をそのまま収録した場合、その楽曲はライブ音源となる。こちらも、リミックス収録と同様にアルバムだけでなく、様々なシングルに取り入れられてきた。スプリット盤
2組以上のアーティストによる楽曲の音源を一つに収録した作品のことを指す。これは単にスプリット・シングルと呼ばれる。また、音源の名称に特に決まりはない。シングル販売日
2015年7月10日から、各国でばらばらだったアルバムとシングルの発売日が金曜日に世界統一された[3]が、日本国内では現在もアルバムとシングル共に水曜日に発売している歌手が多い。欧米におけるシングル
欧米の音楽業界ではアルバム発売後に未発表や別バージョンの楽曲を付加価値にしてシングルカットを行うことが多い[4]。アメリカ合衆国
1950年代から1960年代の米国のポピュラー音楽ではシングルの売上が重視されており、アーティストがシングルを発売するたびにスタジオでの録音を行い、何曲かヒット曲が生まれた時点で過去に発売されたシングル曲︵B面曲を含む︶と未発表曲を集めて1枚のアルバムを発売するという形式が主流であった[5]。しかし1960年代後半にビートルズやボブ・ディランといった大物アーティストらによってそれまでの常識は覆された。 1990年代後半から2000年代現在では、アルバムに先駆けて発売する先行シングルは1・2枚程度で、アルバムの直前に発売する場合が多い。その後数か月おきにアルバムの中の楽曲にリミックスなどを加えて︵あるいは表題曲そのものにシングル用のアレンジを加えて︶シングルカットという手法を採る。主にアルバムを長い時間をかけてプロモーションするのが目的で、シングル自体の売上は重視されていない︵米国ではシングルの価格が安いため、売れてもレコード会社の利益に繋がらないのが大きな理由である︶。大ヒットしたアルバムでは、収録曲の3 - 4曲程度がシングルカットされて更に売上を伸ばす場合がある。アルバムが販売不振の場合はテコ入れとしてシングルカットすることもあるが、これ以上の売り上げが見込めないとされる場合はシングルカットを放棄することも多いため、“いかに多くの曲がカットされ、ヒットしたか”は母体アルバム自体のヒット規模を示す指標にもなり得る。 1997年頃からシングルCDの売上は減少を続け、2001年以降の米国においてはCD売上全体の数パーセントに過ぎず、かつてのシングルCDに代わって音楽配信が楽曲単位での購入のメインとなっている。一般発売せずラジオ局などに向けたプロモ・シングルの形をとることも多い。 ちなみにビルボードでは長らく、フィジカルシングル︵物理媒体のシングル、CDだけでなくアナログシングルも含む︶として発売されていない楽曲はHot 100︵一般的にメインのシングルチャートとみなされている︶にチャートインさせないというルールを貫いていた。そのため世間的には大ヒットした、つまりラジオで非常によくかかっている楽曲であってもHot100には全く入らないことも多くなっていたが、1998年12月にHot 100のルール改正が行われ、シングルカットのない楽曲でもHo100にチャートインできることになった。このような、形としてのシングル盤が存在しないままHot 100に入る曲は当初“アルバムカット”と呼ばれていたが、現在のアメリカにおいてシングル曲をCDとしてリリースするケースは非常に少なく、多くの曲が“アルバムカットとしてチャートインしてくる”ようになったため敢えてこの呼称を使うケースは少ない。また2005年にダウンロードによるセールスを加算するようになった際、当初は“DIGITAL PAID DOWNLOAD”の表記がチャート上で見られたがこれもほどなくして廃止された︵アルバムカットと同様の理由︶。英国
英国においても米国を始めとした世界同様シングルカットの手法が主に取られ、その売り上げから来る利益が重視されていないのも米国と同様であるが、現在でも形としてのシングルCDがリリースされ続けている。ミュージック・ビデオが"CD-Extra" (Enhanced CD) として収録されていることも多い。しかしB面曲やリミックスの内容が違う複数種の販売は常套化しており、多くの場合CD-1がトラック数の少ない廉価版になっている。また全く別の形態としてUSBメモリスティックに音源データを収録したUSBシングル︵これはUSBアルバムも存在する︶や、表面がCDで裏面がアナログレコードという特殊なシングルも発売されるようになってきている。 ダウンロード販売の普及に伴って英国のシングルチャートでもダウンロード販売によるセールス数が段階的に算入され始め、現在ではCDとしてのシングル盤がリリースされなくてもダウンロードセールスのみでのチャートインも可能になっている。米国と違いダウンロードのみのシングルというのは一般的ではないが、シングル曲のリミックスがダウンロードでのみ販売されそのCDシングル盤には未収録というケースは非常に多い︵その逆、シングル盤収録のトラックがダウンロードでは買えないというケースももちろんある︶。このような場合、その未CD化リミックスは12インチなどのアナログシングルに収録されているケースがよくある。日本におけるシングル
シングルの位置づけ
日本においてはシングルの価格が高いこともあり、伝統的にシングル販売からの収益が重視されてきた。また、業界にとって重要な収益源であるベスト・アルバムを販売していく上でも、﹁シングルが何曲入っているか﹂がその販売訴求力を大きく左右する要素であるため、間接的にも、シングル発売の果たす役割は大きいといえる。 日本の音楽業界ではシングルの発売が先行するケースが多く欧米とは異なる[4]。アルバム発売後にシングルカットされるケースは少なく、アルバム発売前に1年ほどの期間をかけて先行シングルを数曲発売し、アルバムへの期待感を盛り上げる場合が多い。極端な場合は、非ベストのアルバムであっても、発売済みのシングル曲が大半を占め、新曲が少なくベスト・アルバムのような内容になることもある。 音楽配信︵着うたフル・スマホ・PC配信での単曲販売市場︶と、シングルCDとはチャート上全く別々の扱いとなっており、両者を合算した英米のようなチャートは存在しない。音楽配信シングルトラックの売上結果は日本レコード協会が認定しているが、10万・25万︵プラチナ︶・50万・75万・100万︵ミリオン︶、200万…という大くくりの認定が発表されるだけで、万の単位以下は公表されない[6]。歴史
シングル・レコード
日本で本格的にレコードや蓄音機が生産されたのは、1920年代からである。33r.p.m.のLP盤が発売されたのは、1951年であるが、流行歌や和製ポップスのレコードは、ほぼ1950年代いっぱいSP盤で発売されていた。CDシングル
初期のCDシングル
1982年にCDが登場した後、1980年代半ば頃からシングルレコードと並行して12cm盤のCDシングルが一部で発売されていたが、 ●最高74分︵後に80分︶収録できる12cm盤への2〜3曲程度の収録はディスクの未使用部分︵無駄︶が多い ●当時は、﹁シングル=レコード﹂﹁アルバム=CD﹂の認識が根強かった ●価格面で石川さゆりは曲が3曲入っていたりレコードと比すると製造コストがかかるなどの問題から1,500円程度と割高だった といった点が不利となり、ほとんど普及していなかった。8cmCDシングルの発売
「8センチCD」も参照
この結果、シングルとして適当なサイズのCDが希求され、1988年2月21日に収録時間が20分程度と手頃な8cmサイズのCDシングルが初めて発売され、その年の6月には早くもCDシングルがアナログ・シングルの販売を上回った。
CDシングルへの完全移行直前になると、アナログ・シングルがプロモーション用の非売品しか制作されなかった例もあった。
8cmというサイズは、CDV規格で音楽トラックを収録する部分の直径を踏襲している。8cmのCDシングルのジャケットが縦長になっているのは、当時、レコード店のシングル盤陳列棚に2列ずつ入って、なおかつ、手に取り易い大きさにするためであった︵レコードのシングル盤の直径は17cm︶。また、正方形サイズでは手の平に収まるサイズとなり小さすぎて万引きされやすい、という懸念もあった︵個人経営のレコード店では商品管理タグなどをつけていないところが多かったため︶。
この縦長のシングルジャケットは日本独特のものである。基本的にはデジパックの様に紙ジャケットにプラスチック製のトレイを貼り付ける構造だった。
登場初期には﹁さらにコンパクトに﹂と題して、持ち運びに便利なように、また、半分に折り畳んで収納しやすいよう、折り目がジャケットの真ん中に入れられていた。レコード会社によっては切り取りやすいようにミシン線入りのジャケットもあった。更にCBSソニー/ソニー・ミュージックエンタテインメント発売のCDミニアルバム用のトレイの切り離し部分には折り畳んだ歌詞カードを収納できる構造を取っていた。
1991年頃までのものは大方折り目が入っていたが、実際に半分に折り畳むと中古CD店では買い取り価格が大きく下がってしまう・歌詞カードを紛失したり印刷部を切り取ると買い取り不可能となること、折り畳む人がほとんどいなかったこと、そしてEP盤の完全なる生産終了によりジャケットのデザインを縦長・横長にするという問題もあり、後年は折り目がなくなった。この頃から表裏ともジャケット、中面に歌詞が記載されるようになった。演歌ではシングルカセットと共通の楽譜付き歌詞カードが封入されることも多かった。
﹁8cmのCDシングルは日本にしかない﹂と言われることがあるが、これは正しくない。世界初の8cmCDシングルはフランク・ザッパの﹁Peaches en Regalia﹂のアメリカ盤とされており、少なくとも1989年頃には、アメリカでも8cmのCDシングルが一般に売られていた。また、ビートルズのシングルも最初のCD化は8cmサイズだった。ただ、欧米では日本ほど8cmのCDシングルが普及しなかったのは事実であり、1990年代以降はほとんどのシングルが12cmとなった。
シングルレコードでいうA面/B面だけの収録だけではまだ余裕があるため、カラオケブームを反映して、1990年頃からボーカル︵声︶なしのオリジナルカラオケも収録されることが多くなった。
12cmCDシングル︵マキシシングル︶への移行
その後、音楽ソフトの主流がレコードからCDへと移ったが、8cmCDシングルはCDプレーヤーの性能及び適応性から来る取り扱いの難しさも抱えていた。また、1990年代後半以後増加傾向にある外資系CDショップでは8cmCDシングル用のスペースが少ないことが多い[7]。そのため日本においては1990年代後半以降、8cmCDシングルから12cmCDシングルへの移行が進んだ[7]。 マキシシングルの中には、CD自体は12cmだがアルミ部分が8cmの﹁ニューマキシ﹂というディスクも存在する。これはCD-DAの追加仕様に基づくものであるため、一部のCDプレーヤーでは再生できないことがある。 移行期にはモーニング娘。の﹃LOVEマシーン﹄︵1999年発売︶のように、12cmCDシングル用の薄型ケースとジャケットに8cmCDを入れるかたちで発売された例もある。 8cmCDシングルでリリースされるタイトルの激減とともに、8cmCDシングルは消滅するかのように思われたが、食玩業界からお菓子のおまけ︵食玩CD︶としての需要が発生した。8cmCDシングルの最大収録時間が約22分程度であることと、12cmCDでは大きさやコストに問題があることから、曲を1曲だけ収録した8cmCDシングルを同梱したガムやチョコレートが発売されるようになっている。ジャンルもアニメの主題歌︵アニメソング︶、1970 - 80年代のJ-POP、演歌等多岐にわたっている。日本レコード協会の生産実績統計によると、2009年の8cmCDシングル生産枚数は15万5000枚、生産金額は5800万円であり、CD全体における構成比は1%未満である。 2015年10月7日には、DEENの44枚目のシングル﹃ずっと伝えたかった I love you﹄が通常の12cmCDマキシシングルの他に生産限定盤として8cmCDでもリリースされ、ケースも当時と同じ縦長仕様となった。歌詞に8cmCDの文言が含まれるなど、1990年代をテーマとした楽曲であることから企画された[8]。CD売上の減少
日本でもシングルCDの売上は減少しており、CD不況の影響がアルバムよりも顕著に表れている。シングルの年間販売数︵日本レコード協会集計対象シングル、8cm+12cm︶は、1997年の1億6782万7000枚をピークに減少し、2005年には6468万8000枚、2009年には4489万7000枚、2013年は6060万枚となっている[9]。VHSシングル
日本でのVHSシングルは主にシングル曲と同一のミュージック・ビデオ (プロモーション・ビデオ=PV) を収録する形態であった。1980年代には存在していたが、一曲ではなく複数曲のPVを収録した﹁ビデオクリップ集﹂形態が主流であった。しかしながら、1999年のGLAYの新曲﹁サバイバル﹂はCDではなくビデオシングルとして発売され約90.2万本を売り上げたり[10]、ハロー!プロジェクト系アーティストが﹁シングルV﹂の名称でCDシングルと同時にビデオシングルを発売し、売上げに貢献する形態もあった。2001年に入るとメディア媒体がDVDビデオへほぼ移行し、﹁DVDシングル﹂かシングルCDにDVDを同梱する形態に取って代わられた。DVDビデオシングル
日本ではビデオシングルという正式な規格は存在せず便宜上の名称のみとなっている。オリコンチャートにおいては映像ソフトとしてカウントされる。最初期の作品としてスライ&ロビー﹁Superthruster﹂︵1999年2月9日︶が挙げられる。単独で発売されるタイトルも存在するが、2003年以降はシングルCDにミュージック・ビデオを収録したDVDを同梱する﹁CD+DVD﹂形態がエイベックスをはじめとする日本国内レコード会社で急速に普及している。この場合、音楽チャートの売上にカウントされる。DVDオーディオシングル
日本では1999年に登場し、2000年代初頭に洋楽やクラシック音楽系統で発売された。DVDオーディオは強固なコピーガードが使えることに加え、複数メディアを同時並行して販売することにより、特にマニア層向けに売上の増加が見込まれた。DVDオーディオの普及率が高くないことにより2003年頃を峠にリリースが下火となっており、過去の作品も多くが廃盤になっている。音楽配信の普及
2007年2月23日に日本レコード協会が、2006年の日本国内の有料音楽配信の売上︵パソコンと携帯電話の合計︶が、シングルCDのそれ︵8cmと12cmの合計︶を上回ったことを発表した。2009年の売上︵日本レコード協会集計対象︶は、8cmCDと12cmシングルCDは計4489万7000枚に対し、インターネットダウンロード・シングルトラックとモバイル・シングルトラックの合計は1億8540万7000本に及んでいる[9][11]。脚注
(一)^ 例えば、GLAYは﹁ダブルエーサイドシングル﹂を、サザンオールスターズは﹁ツートップシングル﹂をそれぞれ発表したことがある。
(二)^ 大川正義﹃図解入門 業界研究最新音楽業界の動向とカラクリがよーくわかる本 第2版﹄秀和システム、2010年、170頁。
(三)^ アルバム・シングル発売日、世界で金曜日に統一
(四)^ ab大川正義﹃図解入門 業界研究最新音楽業界の動向とカラクリがよーくわかる本 第2版﹄秀和システム、2010年、164頁。
(五)^ ウェイン・ジャンシック︵著︶、加藤秀樹︵訳︶﹃Billboardただ1曲のスーパーヒット1﹄、音楽之友社、1991年、4頁。ISBN 4-276-23611-8。
(六)^ なお配信最大手のレコチョクチャートでは順位のみの公表であり、外資系最大手のiTunes Storeも同様である。
(七)^ ab音楽の新常識20ヒットチャート、﹃日経エンタテインメント!﹄1999年6月号より。︵インターネットアーカイブのキャッシュ︶
(八)^ 若い子知らないやつだこれ! 90年代を代表するバンド・DEENが懐かしの﹁8センチCD﹂で新曲をリリース - ねとらぼ、2015年10月7日、11時40分更新。
(九)^ ab音楽ソフト種類別生産数量の推移︵日本レコード協会︶
(十)^ 2011年時点でのVHSでの映像ソフトにおいて最大とされている
(11)^ http://www.riaj.or.jp/data/download/2009.html