フォント
外形による分類[編集]
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![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/af/Ming_serif.svg/150px-Ming_serif.svg.png)
セリフ体 (明朝体) とサンセリフ体 (ゴシック体)[編集]
活字体の代表的なものにはセリフ︵ウロコ︶のあるセリフ体︵明朝体︶と、セリフ︵ウロコ︶のないサンセリフ体︵ゴシック体︶が存在する。 セリフ体とサンセリフ体の中間はセミセリフ体やセミサン体と呼ばれる[2]。OpenTypeのOpenType Font Variations仕様を使って、セリフ体からサンセリフ体まで連続的に変形できるようにしたフォントも存在する︵Foredayなど︶[3]。コントラスト (抑揚)[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6b/Optima_font.svg/150px-Optima_font.svg.png)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/72/French_Clarendon.png/250px-French_Clarendon.png)
ラウンドとすみ丸とにじみ[編集]
ゲタ (突き出し)[編集]
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手書き書体と連綿体[編集]
手書き書体は筆記具による手書きを模したものである。フォーマルなものとカジュアル︵インフォーマル︶なもの[23]、単調︵モノトーン︶なものとブラシ調のもの[23]、放ち書き (Unjoined) なものと続け字︵連綿体、Joined︶のものが存在する[23]。 手書き書体には西洋の葦ペン・羽ペン・万年筆によるカリグラフィーを模したイタリック体、ブラックレター体、カッパープレート体、︵いわゆるスクリプト体︶の筆記体フォント︵日本語書体では後述の西洋レトロなフォントや欧風花体[24]/金花体[25]など︶、東洋の毛筆による書道を模した楷書体、行書体、草書体の毛筆フォント、楷書よりも形や線の太さが整った教科書体フォント[23]、ボールペンやサインペンで書いたようなペン字体フォントなどが存在する。 金属活字の時代からスクリプト体の活字や連綿体の連綿活字は存在していたが、組み合わせによって活字が変わるため使用が複雑であった。OpenTypeフォントではフィーチャータグにより文脈依存字形︵caltタグ︶、標準合字︵ligaタグ︶、任意合字︵dligタグ︶などに対応している[26]ため、スクリプト体や連綿体の使用が容易となっている。 Unicodeの数学用英数字記号にはイタリック体とスクリプト体とフラクトゥール体のラテン文字およびイタリック体のギリシャ文字が割り当てられており、これらは一つのフォントに含めることが可能となっている。 Unicodeの漢字や変体仮名には漢字の崩し字と同形の文字が一部含まれている︵𬼂︵也の草体︶など︶。 筑紫Q明朝や﹁みちくさ﹂など明朝体と筆書体の中間のようなフォントも登場している[27][28]。 OpenTypeのOpenType Font Variations仕様を使って、フォーマルからカジュアルまで連続的に変形できるようにしたフォントも存在する︵Recursiveなど︶[29]。モダンとトラディショナルとオールドスタイルと未来風[編集]
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![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/eb/Akzidenz1.svg/120px-Akzidenz1.svg.png)
-
オールドスタイルの数字字体(ノンライニング体)
-
さまざまな「Q」の字形スタイル
-
タイ文字のモダン書体(上)とトラディショナル書体(下)
本文用と見出し用とキャプション用[編集]
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オプティカルサイズ[編集]
小さな文字は潰れたり見分けが難しくなったりするため、文字サイズにより複数のデザインのあるフォントも存在する。例えばAdobeのOpenTypeフォントではCaption︵キャプション用・6〜8ポイント向け︶、Regular︵一般用・9〜13ポイント向け︶、Subhead︵小見出し用・14〜24ポイント向け︶、Display︵タイトル用・25〜72ポイント向け︶のバリアントが用意されている[58]。 OpenTypeにはOpenType Font Variationsという仕様が存在し、opsz軸タグを使ってオプティカルサイズを連続的に変えられるようにすることも可能となっている[59][60]。ルビ用字形[編集]
日本語では漢字などに読み仮名として小さなルビを振ることが行われるが、一部の日本語のOpenTypeフォントはフィーチャータグによりルビ用字形︵rubyタグ︶への切り替えが可能となっている[26]。小さいサイズでも読みやすいように細めの本文書体でルビ用仮名が太めに作られるなど、標準仮名とルビ用仮名とではデザインが異なる[61]。かつては、ルビ用字形では拗促音などを示す小書きの仮名も標準サイズとされた[61]。これは活字組版ではルビ用の小書き仮名が用意されなかった[62]ことの名残であると考えられる。商用日本語OpenTypeフォントの文字セットとして事実上の標準となっているAdobe-Japan1では、2000年の追補4︵Adobe-Japan1-4︶でCID 12639〜12869に、2002年の追補5︵Adobe-Japan1-5︶でCID 16412〜16468にルビ用字形を割り当てている[63]。これらのルビ用字形には、JIS X 0208に収録されたすべての小書きの仮名︵追補4︶とJIS X 0213に収録されたすべての小書きの仮名︵追補5︶が含まれる。2010年代初めまでには、書籍でルビに小書きの仮名を使用する例が増えている[62]。ユニバーサルデザイン[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/ae/Ud-font-3-6-8-%E8%AA%AD%E3%81%BF%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%95%E6%AF%94%E8%BC%83.png/200px-Ud-font-3-6-8-%E8%AA%AD%E3%81%BF%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%95%E6%AF%94%E8%BC%83.png)
学参フォント[編集]
メーカー | 教科書体 | 筆順フォント | 学参明朝体 | 学参ゴシック体 | 学参丸ゴシック体 |
---|---|---|---|---|---|
モリサワ[注 4] | 学参 常改教科書ICA[注 5] | 筆順ICA/筆順2 ICA[74] | 学参 常改リュウミン、 学参かな アンチックAN[注 6] |
学参 常改新ゴ[注 5]、 学参 常改太ゴB101、 学参 常改中ゴシックBBB、 学参かな ネオツデイ[注 6] |
学参 常改新丸ゴ[注 5]、 学参 常改じゅん |
(タイプバンク) | UDデジタル教科書体 | UDデジタル教科書体 筆順フォント TypeA/TypeB[75] | TBUD学参丸ゴシック | ||
字游工房 | 游教科書体[注 7] | ||||
イワタ | G-イワタ教科書体、 イワタ学参新教科書体 |
イワタ筆順フォント 教科書体 Aタイプ/Bタイプ[76]、 イワタ筆順フォント 新教科書体 Aタイプ/Bタイプ[76] |
G-イワタ明朝体 | G-イワタゴシック体、 G-イワタ新ゴシック体 |
G-イワタ丸ゴシック体 |
モトヤ | モトヤKJ教科書、 モトヤICT教科書 |
モトヤK2 ヒツジュン/エレメント[77]、 モトヤICT教科書 ヒツジュン/エレメント[78] |
モトヤKJ学参明朝 | モトヤKJ学参ゴシック | |
ダイナコムウェア | DF教科書体[注 8] | ||||
フォントワークス | 学参丸ゴ[注 9] |
筆順フォント[編集]
筆順フォントは、既存の教科書体を基にした筆順を示すためのフォントで、漢字ドリルや字典などの漢字の解説で使用されている。1画ずつ分解したもの︵Aタイプ[76]/TypeA[75]/エレメント[77]など︶と筆順に沿って1画ずつ増やしたもの︵Bタイプ[76]/TypeB[75]/ヒツジュン[77]など︶が存在し、両者は筆順を表現するために組み合わせて使用される。等幅フォントとプロポーショナルフォント[編集]
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長体・平体フォント[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/89/Skia_variants.png/220px-Skia_variants.png)
縦組用・横組用フォント[編集]
フォントにより縦組横組両用、縦組向け、横組向けが存在する。 Adobe-Japan1対応のOpenTypeフォント[81]は横組用・縦組用の両方のグリフを含んでいる。OpenTypeフォントには縦組用字形へと切り替えるためのvertタグが存在する[26]。OpenTypeフォントには横組用かなへ切り替えるためのhknaタグと縦組用かなへ切り替えるためのvknaタグが存在し[26]、一部フォントは縦組用かなと横組用かなの両方を含んでいる。 縦組向けと横組向けで別のフォントとなっている書体︵游教科書体など︶や横組用かなを別のフォントとしても用意する書体︵ヒラギノ明朝体横組用仮名︶もある。大がな・小がなフォント[編集]
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大がなはラインが揃うものの、小がなの方が日本語の可読性は高いとされる[82]。
一部のフォントファミリーは大がなフォントと小がなフォントの両方が用意されている(リュウミンL-KLとリュウミンL-KS[82]、本明朝-L 標準がな/新がなと本明朝-L 小がな/新小がな、など)。
感情とフォント[編集]
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従属欧文および多言語フォント[編集]
一般的な日本語フォントには和文書体だけでなく従属欧文書体も付属しているが、フォントに含まれる和文書体と従属欧文書体には書体の印象差が存在している[89]。混植では一般的に和文と従属欧文の調和融合が良いとされているが、游明朝など和文と従属欧文にあえて印象に差を付けたフォントも存在している[89]。また書体にはお国柄というものも存在している[90]。 和文がセンター揃えであるのに対し欧文がベースライン揃えである[91][92]ため、混植では書体間でうまく調和をとる必要があり、例えば欧文書体のベースラインを下げてエックスハイトが高くなるよう長体を掛けて和文書体との調和を取ったフォント︵写植でいうところのE欧文[92]; 小塚ゴシックなど︶や、和文書体のベースラインを上げて枠に収まるよう平体を掛けて欧文書体との調和と取ったフォント︵メイリオなど︶などが存在している[93]。 多言語のテキストを表示・印刷する場合、異なる書体の混植が行われてきた。フォントエンジンには、フォントに欠けているグリフを別のフォントで補うフォントフォールバック機能やフォントリンク機能[94]が搭載されているものもある。対応文字種[編集]
フォントはそれぞれ対応文字種および対応言語が異なっており、一つのフォントファミリーに複数の異なる文字種のフォントが含まれているものも存在する。 欧文フォントファミリーでも昔は地域ごとにフォントが分かれていた。例えばWindows 95の﹁多国語サポート﹂では西ヨーロッパ諸語︵無印、Windows-1252︶、中央ヨーロッパ諸語︵CE、Windows-1250︶、バルト諸語[注 10]︵Baltic、Windows-1257︶、キリル諸語︵Cyr、Windows-1251︶、ギリシャ語︵Greek、Windows-1253︶、トルコ語︵TUR、Windows-1254︶でフォントが分かれており[95]、Microsoftはこれらの文字全てを包括するグリフセットとしてWindows Glyph List 4︵WGL4︶を定めた[96]。WGL4に似たコンセプトのグリフセットとしてWorld glyph set1︵W1G︶およびそれにベトナム語やヘブライ語を追加したW2G[97]も存在し、一部のフォントベンダーはこちらを実装している。 一方、Adobeも独自にラテングリフセットを定めている。Adobe Latin 1は西ヨーロッパ諸語のみであり、Adobe Latin 2 (Std)はそれに数学記号を追加し、Adobe Latin 3 (Pro)はそれに中央ヨーロッパ諸語︵バルト諸語・トルコ語含む︶を追加し、Adobe Latin 4はそれにベトナム語などを追加し、Adobe Latin 5はそれに国際音声記号︵IPA︶などを追加している[98]。なお、キリル諸語のグリフセットはAdobe Cyrillic 1〜3で[99]、ギリシャ語のグリフセットはAdobe Greek 1〜2で[100]定められている。 近年は日本語および中国語を含む多言語のフォントファミリーも登場している: ●モリサワ: UD新ゴ︵森泽UD新黑︶/Clarimo UD[101]、UD黎ミン︵森泽UD黎明体︶/Lutes UD[102] ●SCREEN: ヒラギノ角ゴ︵冬青黑体︶ ●イワタ: みんなの文字ゴシック[103]、イワタUDゴシック︵IWATA UD 黑体︶[104] ●ダイナコムウェア: 金剛黒体[105]︵華康金剛黑︶、UDゴシック体[73]︵華康UD黑︶、青花ゴシック体︵華康青花黑︶、娥眉明朝体︵華康愛情體[106]︶、クラフト遊︵華康娃娃體︶など ●フォントワークス/方正電子: 筑紫明朝[107]、筑紫A見出ミン︵筑紫A标题明朝︶[107]、筑紫Aオールド明朝︵筑紫A老明朝︶[107]、筑紫ゴシック︵筑紫黑︶[107]、筑紫オールドゴシック︵筑紫老式黑体︶[107]、筑紫アンティークS明朝︵筑紫古典S明朝︶[107]、筑紫アンティークL明朝︵筑紫古典L明朝︶[107]、筑紫A丸ゴシック︵筑紫A圆︶[107]、パール︵珍珠体︶[107]、ハミング︵轻吟体︶[107]、パルラムネ︵欢乐体︶[107]、ベビポップ︵童趣POP体︶[107] ●Monotype: たづがね角ゴシック/M XiangHe Hei︵翔鶴黑體︶/Seol Sans/Neue Frutiger World[108] ●Dalton Maag: Aktiv Grotesk ●Adobe: Myriad/小塚ゴシック/Adobe Heiti︵Adobe 黑体︶ ●Adobe/Google: 源ノ角ゴシック/Noto Sans CJK、源ノ明朝/Noto Serif CJK その他の日本語を含む多言語のフォントファミリーには以下がある: ●フォントワークス: UD角ゴ_ラージ/FWThai/FWHebrew/FWArabic/FWHindi ●Monotype: SST[109]、Shorai Sans/Avenir Next World[110] ●IBM: IBM Plex︵中国語は2024年予定︶ 日本語を含まない多言語のフォントファミリーには以下がある‥ ●Monotype: Neue Helvetica World[111]、Univers Next Paneuropean/Cyrillic/Arabic、DIN Next Paneuropean/Cyrillic/Devanagari 例えば組み込み機器ではAndroidはRoboto/Noto Sans CJKを、PlayStation 4はSSTフォントを[112]、Nintendo SwitchはUD新ゴを採用している[113]。地域による字形の違い[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/23/Source_Han_Sans_Version_Difference.svg/400px-Source_Han_Sans_Version_Difference.svg.png)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/29/Cyrillic_alternates.svg/150px-Cyrillic_alternates.svg.png)
規格 | Adobe-Japan1-7 (日本) |
Adobe-GB1-5 (簡体字) |
Adobe-CNS1-7 (繁体字) |
Adobe-KR-9 (韓国) |
Source LOCL Test (参考用) |
---|---|---|---|---|---|
グリフ数 | 23,060 | 30,284 | 19,179 | 22,897 | 65,534 |
-
オランダ語の「íj́」を含む用例(「í」→「j」と入力する)
-
トルコ語で別字(「i」→「ı」)となってしまう「fi」合字
またその他にも地域によって様々な異体が存在し、フォントではそれらを指し示すのに OpenType の Language System Tags が使われている。一方、Webページに使われるHTML言語ではlang属性にIETF言語タグを指定することで字体の切り替えが可能となっている。
ウェイト (太字フォント・細字フォント)[編集]
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フォントには細字から太字までさまざまなウェイトのフォントが存在し、フォントファミリーによっては一つの書体に対し複数のウェイトのフォントが用意されている。
数値表記 | ISO/IEC 9541-1のウェイト名[n 1] | OpenTypeのOS/2テーブルのウェイト名 (ISO/IEC 14496-22)[n 2] | Apple | CSS |
---|---|---|---|---|
Ultra Light[124] | ? | |||
W1 | Ultra light(極細、UL) | Thin[125] | Thin[124] | font-weight: 100;[125] |
W2 | Extra light(特細、EL) | Extra Light (Ultra Light)[125] | Light、Extra Light[124] | font-weight: 200;[125] |
W3 | Light(細、L) | Light[125] | Book[124] | font-weight: 300;[125] |
W4 | Semi light(中細、SL) | Normal[125] (Regular) | Regular、Plain、Display、Roman[124] | font-weight: 400;又はfont-weight: normal;[125] |
W5 | Medium(中、M) | Medium[125] | Medium[124] | font-weight: 500;[125] |
Demi、Demi Bold[124] | ? | |||
W6 | Semi bold(中太、SB) | Semi Bold (Demi Bold)[125] | Semi、Semi Bold[124] | font-weight: 600;[125] |
W7 | Bold(太、B) | Bold[125] | Bold[124] | font-weight: 700;又はfont-weight: bold;[125] |
W8 | Extra bold(特太、EB) | Extra Bold (Ultra Bold)[125] | Extra、Extra Bold[124] | font-weight: 800;[125] |
Heavy、Heavy Face[124] | ? | |||
W9 | Ultra bold(極太、UB) | Black (Heavy)[125] | Black、Super[124] | font-weight: 900;[125] |
Ultra、Ultra Black、Fat[124] | ? | |||
Extra Black、Obese、Nord[124] | ? |
斜体フォント[編集]
斜体にはイタリック体とオブリーク体が存在し、欧文で良く使われている。日本語でも広告などに使われることがある。
OpenTypeフォントではフィーチャータグにより、イタリック字形(italタグ)への切り替えが可能となっている[26]。Unicodeの数学用英数字記号にはセリフおよびサンセリフのイタリック体のアルファベットが含まれている。
OpenTypeにはOpenType Font Variationsという仕様が存在し、slnt軸タグを使って傾斜角度を連続的に変えられるようにできる[59][60]。
カラー[編集]
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データ形式による分類[編集]
ビットマップフォント[編集]
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スケーラブルフォント[編集]
線の位置や形、長さなどで文字の形を作るため、拡大縮小しても、ビットマップフォントとは違い字形に影響がない。そのためスケーラブル、拡縮自由などと冠される。拡縮自由なフォントとしては、ストロークフォントやアウトラインフォントがある。ストロークフォント[編集]
文字の形状を、中心線だけの情報で保持するフォント形式。線の太さなどは扱わないためデータ量は軽く、かつ出力デバイスの解像度に依存しない。CADシステムやプロッタなどで使用される。なお﹁ストロークフォント﹂という言葉は、文字をストロークごとに分解して管理する作成・生成・管理システム︵それをフォントプログラムとして実装した例としてはダイナコムのストロークベーステクノロジなど︶や、派生した形式︵一つの骨格からファミリーを生成する技術など︶を指すこともある。アルファブレンドの三次ベジェ曲線で構成され筆順を持つストロークフォントはASPで利用可能である。アウトラインフォント︵袋文字︶[編集]
文字の輪郭線の形状を、関数曲線の情報として持つフォント形式[132]。実際に画面や紙に出力する際には、解像度に合わせてビットマップ状に塗り潰すラスタライズが必要になる。 日本ではワープロやDTPを中心にアウトラインフォントの利用が普及し、WYSIWYGが普及したために、コンピュータ画面でもスケーラブルラインフォントの利用が広がった︵当初のDTPは、プリントアウトにはアウトラインフォントを使い、画面表示にはビットマップフォントを使用するワークフローが基本だった︶。バリアブルフォント[編集]
フォントの太さ、幅、傾斜などが可変のアウトラインフォントである。バリアブルフォント登場以前のフォントは基本的には拡大と縮小のみであったため、フォントの太さ、幅、傾斜などが異なるスタイルのフォントを個別に用意しなければならなかったのに対して、バリアブルフォントではそれらが可変であるため単一のフォントファイルで複数のスタイルに対応できフォントのファイルサイズを小さくできる。ファイル形式︵または利用できるシステム︶による分類[編集]
フォントコレクション形式[編集]
●TrueType Collection (TTC) / OpenType Collection (OTC) ●前者は複数のTrueTypeフォントを、後者は複数のOpenTypeフォントを一つにまとめたフォントコレクション形式。コレクション内のフォント間でグリフを共有することも可能となっている。ただしOTCは対応OSが限られる。アウトライン形式[編集]
ビットマップの埋め込みができる形式も多い。 TrueTypeフォント︵TTF︶ Windows、Macintosh共通で利用できることを想定したフォント。LinuxおよびFreeBSDでも利用可能。macOSでも、そのままWindows用TrueTypeを扱うことができる。2次B-スプライン曲線で字形を制御する。ビットマップフォントを内蔵できる。TrueTypeフォントをPostScriptプリンタで処理するための形式をType42という。 TrueType GX QuickDraw GX向けのフォント形式であった。フォントバリエーションのための仕様を含んでいた[59]。 PostScriptフォント Macintoshで普及し使われるフォントで、三次ベジェ曲線で字形を制御する。 Type1フォント ●1バイト言語用のフォントで、256文字まで格納できる。 ●一般にType1と呼ばれていても、実際にはType3や5のものなどがあるので注意が必要。詳しくはPostScriptフォントを参照。 Type 1 GX QuickDraw GX向けのフォント形式であった。Multiple master fonts - フォントバリエーションのための仕様を含んでいた。 OCFフォント 2バイト言語用のフォントで、Type1フォントを多数積み重ねた構造をしている。PostScriptのタイプ別でいうと、Type0︵Type1や3を組み合わせた形式︶に当たる。 CIDフォント OCFフォントを改良し、CIDコードとCMap/cmapなど、2バイト言語用に簡素化した構造を採用したフォント。異体字切り替え機能を有する。一部仕様が変わった拡張CID︵sfntCID︶という規格もあり、モリサワのNewCIDフォントはこれに当たる。PostScriptのタイプ別でいうと、Type9に当たるものが多い︵TrueTypeベースのCIDフォントなどは例外︶。 OpenTypeフォント ●Windows、Macintoshでの互換性を実現したフォントで、TrueType︵OpenType/TTF︶とPostScript︵OpenType/CFF︶の二つの形式がある。CIDよりも強力な異体字切り替え機能や、フォントレベルでのダイナミックダウンロード対応︵= プリンタフォントが不要︶などが特徴。PostScriptのタイプ別でいうと、Type2︵データサイズを抑えることのできる形式︶に当たる。 ●OpenType形式はOFF︵Open Font Format︶としてISOで標準化されている︵ISO/IEC 14496-22:2019︶。 ●グリフ数は他の形式と同程度の65535個までとなっているが、その制限を超えるためのBoring Expansion (BE) が2022年現在HarfBuzzのチームによって開発中となっている[117]。 EOT︵Embedded OpenType︶フォント 無圧縮のEOT Liteと圧縮版のEOT compressedが存在する。Microsoftがウェブフォントとして採用しており、W3Cで仕様が公開されている[133]。 METAFONT 組版システムのTeXとともにドナルド・クヌースが開発したフォント用のプログラミング言語。Computer Modernのデザインに使われた。 WIFEフォント Windows上で日本語などの2バイトフォントを扱うための機構の一つである、WIFE︵Windows Intelligent Font Environment︶の仕様に基づいて作られたフォント。Windowsにはラスタライザは付属せず、サードパーティー各社から発売されたラスタライザを入手する必要があった。各ラスタライザ間の互換性はなく、それぞれのラスタライザに対応するフォントしか使用できなかった。Windows 3.0時代に普及したが、Windows 3.1で標準装備されたTrueTypeの普及などにより、次第に利用されなくなった。 書体倶楽部形式 Web Open Font Format︵WOFF︶ 多くのブラウザで使われているWebフォント形式。 SFD︵Spline Font Database File Format︶ FontForgeで使われるフォントの保存形式。全てがASCIIで表現されるためサイズは大きいが、diffを取りやすいなどの理由により開発に使われることが多い。 SVGフォント SVGではフォントを定義することができ、そのフォントをSVGフォントと呼ぶ。しかしながら、仕様にはシステムフォントへの変換はしてはならないとある。 ベンダー独自 写研のCフォント、モリサワのKeiTypeなどのベンダーで閉じた独自形式のものが存在する。ストローク形式[編集]
SHXフォント CADで使われるストロークフォント形式。 LCフォント シャープの組み込み向けフォント[134]。ビットマップ形式[編集]
BDF UNIXで標準的に使用されたビットマップフォント用の形式。 丸漢フォント Macintoshで標準的に使用されたビットマップフォント用の形式。 SNF︵Server Natural Format︶ PCF︵Portable Compiled Format︶ HBF︵Hanzi Bitmap Font︶合成フォント形式[編集]
Windowsで合成フォント︵フォントリンク機能︶を使うためにはOSのレジストリに登録する必要があり、レジストリへの登録を自動化した.regファイルが付属するフォントもある。LinuxではFontconfigの.confファイルを使ってフォント合成が可能。- Composite Font Representation(CFR)
- ISOで標準化されているXMLベースの合成フォント形式(ISO/IEC 14496-28:2012)。拡張子は.sfont。Mac OS X 10.8以降で使用可能[135]。
フォントが持つデータ構造[編集]
グリフデータ[編集]
組版のためのデータ[編集]
法的保護[編集]
最高裁判所判例 | |
---|---|
事件名 | 著作権侵害差止等請求本訴、同反訴事件 |
事件番号 | 平成10(受)332 |
平成12年09月07日 | |
判例集 | 民集 第54巻7号2481頁 |
裁判要旨 | |
印刷用書体が著作権法二条一項一号にいう著作物に該当するためには、従来の印刷用書体に比して顕著な特徴を有するといった独創性及びそれ自体が美術鑑賞の対象となり得る美的特性を備えていなければならない。 | |
最高裁判所第一小法廷 | |
裁判長 | 井嶋一友 |
陪席裁判官 | 遠藤光男 藤井正雄 大出峻郎 町田顯 |
意見 | |
意見 | 全員一致 |
参照法条 |
一 著作権法二条一項一号は、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」を著作物と定めるところ、印刷用書体がここにいう著作物に該当するというためには、それが従来の印刷用書体に比して顕著な特徴を有するといった独創性を備えることが必要であり、かつ、それ自体が美術鑑賞の対象となり得る美的特性を備えていなければならないと解するのが相当である。この点につき、印刷用書体について右の独創性を緩和し、又は実用的機能の観点から見た美しさがあれば足りるとすると、この印刷用書体を用いた小説、論文等の印刷物を出版するためには印刷用書体の著作者の氏名の表示及び著作権者の許諾が必要となり、これを複製する際にも著作権者の許諾が必要となり、既存の印刷用書体に依拠して類似の印刷用書体を制作し又はこれを改良することができなくなるなどのおそれがあり(著作権法一九条ないし二一条、二七条)、著作物の公正な利用に留意しつつ、著作者の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与しようとする著作権法の目的に反することになる。印刷用書体は、文字の有する情報伝達機能を発揮する必要があるために、必然的にその形態には一定の制約を受けるものであるところ、これが一般的に著作物として保護されるものとすると、著作権の成立に審査及び登録を要せず、著作権の対外的な表示も要求しない我が国の著作権制度の下においては、わずかな差異を有する無数の印刷用書体について著作権が成立することとなり、権利関係が複雑となり、混乱を招くことが予想される。
—民集 第54巻7号2481頁
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代表的なフォントベンダー[編集]
多言語[編集]
和文[編集]
中文[編集]
- 森澤(モリサワ)
- 文鼎科技(アーフィック)
- 蒙納公司(モノタイプ・イメージング)
- Monotype Hong Kong(旧中國字體設計[注 14])
- 常州華文印刷新技術(サイノタイプ)
- 威鋒數位(ダイナコムウェア、旧名華康科技)
- 漢儀科印(ハンイ)
- 方正電子(ファウンダー)
欧文[編集]
- エミグレ
- モノタイプ・イメージング - 2022年にはBerthold Type Foundryの書体も買収した[138]。
- インターナショナル・タイプフェイス・コーポレーション(ITC)
- ライノタイプ・ライブラリ
- ビットストリーム
- アセンダー・コーポレーション
- FontShop International
- Fontsmith
- URW Type Foundry(旧URW++ Design & Development)
- Hoefler & Co.
- Parachute Type foundry
- Dalton Maag
- House Industries
- Klim Type Foundry
- Typotheque
- Font Bureau
- Rosetta Type Foundry
- モリサワ
- Occupant[139]