ラテン文字
ラテン文字 | |
---|---|
類型: | アルファベット |
言語: | ロマンス諸語、西ゲルマン語群、西欧・中欧の諸言語、ほか世界各地の言語 |
時期: | 紀元前7世紀から現在 |
親の文字体系: | |
姉妹の文字体系: |
キリル文字 コプト文字 ルーン文字 |
ISO 15924 コード: | Latn |
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メロエ 前3世紀 |
カナダ先住民 1840年 |
注音 1913年 |
概要[編集]
ラテン文字は一般に表音文字、特に音素文字のアルファベットとして用いる。また、表記法はたとえば英語では、文字を右書きで横に並べ、単語と単語の間にスペース︵space︶と称される空白をはさむことで分かち書きをし、その単語を並べて文を構成する。また、文の終わりにピリオドやフル・ストップ︵米: period、英: full stop、終止符︶などと呼ばれる終止符などの役物を打つことで文の終了を示す。このほかの多くの言語でも同様に、横に右書きし、空白で分かち書きをするなどし、言語によってはさらにリガチャ︵英: ligature︶などと称される合字やダイアクリティカルマーク︵英: diacritical mark︶などと称される発音記号などのついた文字を併せて用いる。 古来、ラテン文字は、西ヨーロッパや中央ヨーロッパの諸言語︵例えばイタリア語やスペイン語、ポルトガル語、フランス語、英語、ドイツ語、ポーランド語など︶で使われていたが、近代以降はこれら以外にも使用言語が多い︵詳細は後述の#19世紀以降のラテン文字化を参照されたい︶。たとえばトルコ共和国においては1928年以降、トルコ語の表記を﹁近代化﹂するため、従前のアラビア文字に替えてラテン文字を用いたトルコ語アルファベットが使われる[1]。 ラテン文字は表音文字であるが、広くさまざまな言語で用いられた結果、発音の文字への表記方法自体は各言語ごとに異なっており、同じ綴りでも言語によって異なる発音をすることが珍しくない。他方、広い時代で用いられ続けた結果、英語など、古い時代から表記法を受け継ぐ言語においては、表記と発音の間の乖離も大きなものとなってきている[2]。日本語における呼称[編集]
日本語における﹁ローマ字﹂という呼称は、ラテン文字の別名であるが、日本語のラテン文字を用いた音訳や翻字による表記法﹁ローマ字﹂の呼称でもあるため、どちらの意味なのかやや紛らわしく、前者を指してローマ文字と呼び分けることもある。 漢字で表記する場合は、日本産業規格 (JIS) の規格票において、﹁欧字︵おうじ︶﹂という表現が見られる。このほか特に、ラテン文字のうち基本26文字︵英: basic Latin alphabet、ベーシックラテン・アルファベット︶は英語の表記に用いることから﹁英字︵えいじ︶﹂と呼び、よく﹁英字新聞﹂などの語において用いる[注 1]。 また、ラテン文字の基本26文字については﹁アルファベット﹂と呼ぶことも一般的であるが、これは英語のalphabetを片仮名で音訳したものであり、イギリス人やアメリカ人をはじめとする英語圏の人々と同じく、日本人や日本の英語教育の場などにおいては、英語の表記のための文字、つまり結果として基本ラテン文字を指すことが多い。 他方、日本語における呼称として一般でないが、ドイツ人をはじめとするドイツ語圏の人々と同じく、日本人のドイツ語学習者の間では、ドイツ語の発音にならう﹁アルファベート﹂と呼ぶことで、基本26文字にウムラウトと呼ばれるダイアクリティカルマークのついた文字やエスツェットと称されるリガチャなども加えた﹁ドイツ語アルファベット﹂を指す。また、フランス人をはじめとするフランス語圏の人々と同じく、日本人のフランス語学習者の間では、フランス語の発音にならう﹁アルファベ﹂と呼ぶことで、フランス語の表記に用いるアクサンテギュやアクサングラーヴ、セディーユなどのアクセント記号などをつけた文字やその他のリガチャなどを加えた﹁フランス語アルファベット﹂を指す。使用言語[編集]
古代から中世まで[編集]
古代のラテン文字は、最初期の古ラテン語から共和制ローマ以降の古典ラテン語において用いられた。また、中世のラテン文字は、ローマ帝国の東西分裂以降もゲルマン人の言語やキリスト教の典礼言語の表記に用いられることで、さらに広まっていった。
古代[編集]
中世[編集]
西ローマ帝国は、ゲルマン民族の大移動などにより衰退してゆくことで476年に事実上の滅亡を迎えたとされるが、この地域に侵入したゲルマン人たちはラテン語とラテン文字を行政言語として使用するようになり、やがて彼らの祖語であるゲルマン諸語もラテン文字によって表記するようになっていった。また、このころから力を強めていったローマ教会は中世ラテン語を教会ラテン語と称して典礼言語にしており、それを表記するためのラテン文字も西方教会圏全域に広まっていき、西方教会圏の諸言語を表記するためにラテン文字が転用されるようになった。 こうして中世以降は、俗ラテン語に由来するロマンス諸語のみならず、西ヨーロッパや中央ヨーロッパのカトリックやプロテスタントを含む西方教会地域のほぼ全ての言語でラテン文字が使われるようになった。具体的にはゲルマン語派とスラヴ語派の一部、バルト語派やケルト語派、加えてバスク語やウラル語族の一部などである。系統 | 言語 |
---|---|
ロマンス諸語 | |
ゲルマン語派 | |
スラヴ語派 | |
バルト語派 | |
ケルト語派 |
|
ウラル語族 |
近代以降のラテン文字化[編集]
この例外はトルコ語であり、オスマン帝国は植民地化を受けていなかったものの、これに代わってトルコ共和国を建国したケマル・アタチュルクがトルコの近代化を目指して使用文字の変更を決定し、1928年にアラビア文字から置き換えられたものである[5][6]。
またそれとは別の例外として、すべての植民地において必ずしも宗主国がラテン文字化を推進したり、あるいはラテン文字化を完了したりしたわけではなく、南アジアのインド地域やキリスト教化できなかったイスラム世界にあるアラブ圏の各国などのように植民地支配を受けたが、用いる文字を変更しなかった地域も多い。
植民地となった地域がラテン文字を用いるようになるのとは別に、ヨーロッパにおいても18世紀以降、西方教会地域でない地域においてもラテン文字化が一部で進められるようになった。ルーマニア語はルーマニア正教会のもとで正教会圏であったため文語においてキリル文字を使用していたが、16世紀ごろには一部地域でハンガリーの言語であるマジャル語をまねた筆記法が用いられ、18世紀には民族主義の高まりによりロマンス諸語であることが強く意識され、ラテン文字化運動が広がっていき、1859年から1860年にかけて正式にラテン文字が採用されることとなった[7]。アルバニア語においてはラテン文字をはじめギリシア文字やアラビア文字など各種表記法が混在していたが、1908年にラテン文字による表記が正式に決定した[8]。
旧ソビエト連邦地域におけるラテン文字化[編集]
旧ソビエト連邦の諸言語の表記は、当初ラテン文字を採用していたものの、1940年にキリル文字が採用され、ソビエト連邦内の多くの言語でキリル文字化が進められた。しかしソビエト連邦の崩壊後、これら諸言語のいくつかにおいてふたたびラテン文字を再導入する動きが活発になった。元来、アラビア文字を用いていた地域においてはウズベク語やトルクメン語、アゼルバイジャン語が、初期のソビエト連邦にラテン文字に切り替えられ、その後1940年に連邦政府の言語政策の変化によりキリル文字に再び切り替えられた[9]が、ソビエト連邦の崩壊後、ウズベク語とトルクメン語とにおいてラテン文字表記の導入が決定され、以前定められたものとは異なるものの、再びラテン文字への切り替えが行われることとなった。
このほか、ロマンス諸語に属し、ルーマニア語[注 3]ときわめて似ている関係にあるモルドバ語においては、従前のラテン文字から1940年にキリル文字化されたものの、1989年には再度表記をラテン文字に改めることが決定され、ふたたびラテン文字を用いる国となった[7][注 4]。
日本におけるローマ字論[編集]
他文字使用言語のラテン文字表記法の成立[編集]
独自の文字を使用する言語でも、ほとんどはラテン文字による表記法が確立されており、借用語や略語などでもラテン文字を用いることが多い。日本語においては、1867年にアメリカ人のジェームス・カーティス・ヘボンがヘボン式ローマ字の表記法を考案し、さらに1885年に田中舘愛橘が日本式ローマ字を考案、さらにこれを発展させて1937年に発表された訓令式ローマ字があり、実際には訓令式とヘボン式の2つの表記法が並立している形となっている。 訓令式は1字または2字で多くの音を表記できるため使用はしやすい一方、英語の発音からやや離れた表記となっており、よく﹁普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語を母語とする欧米人からは正しく発音されにくいことが欠点だ﹂と指摘される。対して﹁ヘボン式はその逆で、実際の発音に沿った表記[要出典]となっており、普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語西欧系各言語を母語とする欧米人からも正しく発音されやすい﹂などとみなされる半面、表記が長くやや使用しにくい面がある。 もっとも読みに関しては、ヘボン式で書いたところでそもそも、ラテン文字の読みがしばしば言語間で異なり、つまりフランス人が読めばフランス語読みになる。したがってヘボン式ローマ字は、アメリカ人や英語圏の人々から正しく発音されるかどうかはさておき、ヨーロッパの人々およびラテン文字を用いるあまねく人々に正しく発音される保証はなく、それはほかのどのローマ字にもいえることである[注 5]。また、ある言語で用いる文字とその表記法については、特に使用する文字を完全に改めるような場合において、その言語をよくとらえているかどうかが論点のひとつとなる。この点について現代の日本語は、その発音を五十音表のようにとらえている話者が多く、したがって日本語話者にとってヘボン式は、タ行のように同じ行でも子音の文字が変わり、拗音の﹁シャ﹂などの﹁小さいヤ段﹂の表記が揺れるなど、日本語話者にとって変則的な表記が多い、日本語をよくとらえていない表記となる。この意味では、ヘボン式ローマ字は、外国人に向けて用いる場合はさておき、日本人の書く日本語のラテン文字化には向かないといえる。 文部省は1954年に訓令式に基づいた﹁ローマ字のつづり方﹂を定め、事情がある場合に限りヘボン式での表記を認めるという立場を取った[16][17]。これに沿って、日本の教育現場においては訓令式での表記を教えている。しかし、実際のローマ字表記は、特に公共の場などにおいて一般に外国人に向けて用いられるため﹁普段からラテン文字で書かれる西欧系各言語を母語とする欧米人にわかりやすい﹂というねらいから、ヘボン式での表記が圧倒的であり、統一を求める声も上がっている[注 6]。成立[編集]
個々のラテン文字の成立について詳細は、該当する文字ごとの記事も参照されたい。
ラテン文字を表すため、様々な書体が流行したが、3世紀ごろにはアンシャル体と呼ばれる書体が広く使用されるようになり、さらにそれから半アンシャル体と呼ばれる書体ができた。これらの書体は、元となったの大文字からはやや離れた形をしていたが、各地で広く使用されるなかで書体の乖離が激しくなったため、あらためて相互に通じる統一された書体を制定する必要になっていた。そこで8世紀頃にカロリング朝のフランク王国でカール大帝の庇護を受けたカロリング小文字体が普及した。このカロリング小文字体は、フランク王国のみならずラテン文字圏全体で広く使用されるようになったが、一方で従来の大文字もそのまま残存しており、これが大文字のほかに小文字が新しく成立する起源となった[21]。
使用される文字[編集]
ラテン文字は、大きく分けて基本字と追加字に分類される。
基本字[編集]
大文字 | A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K | L | M | N | O | P | Q | R | S | T | U | V | W | X | Y | Z |
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小文字 | a | b | c | d | e | f | g | h | i | j | k | l | m | n | o | p | q | r | s | t | u | v | w | x | y | z |
追加字[編集]
ラテン文字はもともとラテン語を表すための文字であり、他の言語に用いるには表記できない発音も存在していた。こうした状況を解決するために、現在の基本字にはいくつかの文字が付け加えられたものの、それでも表記できない発音に対しては、こうした音を表記するために基本字に発音を区別する符号を付けたり、2つ以上の文字を結合したり、さらに文字を追加したりする言語が多く表れるようになった。
ダイアクリティカルマーク[編集]
ラテン文字の発音区別符号は、総称してダイアクリティカルマークなどと呼ばれる。ドイツ語やスウェーデン語などではウムラウト、フランス語やポルトガル語、トルコ語などではセディーユ、スペイン語やポルトガル語ではティルデが多く使用されるなど、ダイアクリティカルマークを採用しているラテン文字使用国は多数存在する。日本語のローマ字表記においては、サーカムフレックスやマクロンが長音の表記に使用される場合がある。
合字[編集]
ラテン文字において、2つ以上の文字の合字は、リガチャーとも呼ばれる。代表的な合字としては、ドイツ語の「ß(エスツェット)」や、アイスランド語・デンマーク語・ノルウェー語の「Æ」、デンマーク語やノルウェー語の「Ø」などが挙げられる。なお、現在では基本字のひとつとなっているが、本来「W」も合字であり、多くの言語において「ダブルのU」、または「ダブルのV」を意味する名称で呼ばれる。
その他[編集]
また、現代では消滅したが、アングロ・サクソン語の「Ƿ」のようにルーン文字など、基本字にさらに他の文字から取り入れられた文字も、一部では用いられる[注 8]。
アキュート アクセント |
グレイヴ アクセント |
サーカムフレックス | ウムラウト /トレマ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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大文字 | Á | Ć | É | Ǵ | Í | Ḱ | Ĺ | Ḿ | Ń | Ó | Ṕ | Ŕ | Ś | Ú | Ẃ | Ý | Ź | À | È | Ì | Ǹ | Ò | Ù | Ẁ | Ỳ | Â | Ĉ | Ê | Ĝ | Ĥ | Î | Ĵ | Ô | Ŝ | Û | Ŵ | Ŷ | Ẑ | Ä | Ë | Ḧ | Ï | Ö | T̈ | Ü | Ẅ | Ẍ | Ÿ |
小文字 | á | ć | é | ǵ | í | ḱ | ĺ | ḿ | ń | ó | ṕ | ŕ | ś | ú | ẃ | ý | ź | à | è | ì | ǹ | ò | ù | ẁ | ỳ | â | ĉ | ê | ĝ | ĥ | î | ĵ | ô | ŝ | û | ŵ | ŷ | ẑ | ä | ë | ḧ | ï | ö | ẗ | ü | ẅ | ẍ | ÿ |
セディーユ | ティルデ | オゴネク | 合字 | ルーン文字由来 | |||||||||||||||||||||||||
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大文字 | Ç | Ḑ | Ę | Ģ | Ḩ | Ķ | Ļ | Ņ | Ŗ | Ş | Ţ | à | Ẽ | Ĩ | Ñ | Õ | Ũ | Ṽ | Ỹ | Ą | Ę | Į | Ǫ | Ų | Æ | Œ | ẞ | Ð | Þ |
小文字 | ç | ḑ | ȩ | ģ | ḩ | ķ | ļ | ņ | ŗ | ş | ţ | ã | ẽ | ĩ | ñ | õ | ũ | ṽ | ỹ | ą | ę | į | ǫ | ų | æ | œ | ß | ð | þ |
併用される記号の例[編集]
約物 | 記号 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
. | , | : | ; | ? | ! | & | @ | # |
文字の名称[編集]
主な言語での文字の名を以下に示す。
文字 | ラテン語 | 英語 | フランス語 | ドイツ語 | イタリア語 | スペイン語 | ポルトガル語 | エスペラント | 日本語[22] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A | a [aː] | a [eɪ] | a [a] | a [aː] | a [a] | a [a] | a [a] | a [aː] | エー |
B | be [beː] | bee [biː] | bé [be] | be [beː] | bi [bi] | be [be] | bê [be] | bo [boː] | ビー |
C | ce [keː] | cee [siː] | cé [se] | ce [tseː] | ci [tʃi] | ce [θe], [se] | cê [se] | co [tsoː] | シー |
D | de [deː] | dee [diː] | dé [de] | de [deː] | di [di] | de [de] | dê [de] | do [doː] | ディー |
E | e [eː] | e [iː] | e [ə] | e [eː] | e [e] | e [e] | e [ɛ], [e] | e [eː] | イー |
F | ef [ɛf] | ef [ɛf] | effe [ɛf] | ef [ɛf] | effe [ˈɛffe] | efe [ˈefe] | éfe [ˈɛfɨ], [ˈɛfi] | fo [foː] | エフ |
G | ge [ɡeː] | gee [dʒiː] | gé [ʒe] | ge [ɡeː] | gi [dʒi] | ge [xe] | gê [ʒe] guê [ɡe] |
go [ɡoː] | ジー |
H | ha [haː] | aitch [eɪtʃ] | ache [aʃ] | ha [haː] | acca [ˈakka] | hache [ˈatʃe] | agá [ɐˈɡa], [aˈɡa] | ho [hoː] | エイチ、 エッチ |
I | i [iː] | i [aɪ] | i [i] | i [iː] | i [i] | i [i] | i [i] | i [iː] | アイ |
J | jay [dʒeɪ] | ji [ʒi] | jot [jɔt] | i lunga [ilˈluŋga] iota [ˈjota] |
jota [ˈxota] | jota [ˈʒɔtɐ] | jo [joː] | ジェー | |
K | ka [kaː] | kay [keɪ] | ka [ka] | ka [kaː] | kappa [ˈkappa] | ka [ka] | capa [ˈkapɐ] cá [ka] |
ko [koː] | ケー |
L | el [ɛl] | el [ɛl] | elle [ɛl] | el [ɛl] | elle [ˈɛlle] | ele [ˈele] | ele [ˈɛlɨ], [ˈɛli] | lo [loː] | エル |
M | em [ɛm] | em [ɛm] | emme [ɛm] | em [ɛm] | emme [ˈɛmme] | eme [ˈeme] | éme [ˈɛmɨ], [ˈẽmi] | mo [moː] | エム |
N | en [ɛn] | en [ɛn] | enne [ɛn] | en [ɛn] | enne [ˈɛnne] | ene [ˈene] | éne [ˈɛnɨ], [ˈẽni] | no [noː] | エヌ |
O | o [oː] | o [oʊ] | o [o] | o [oː] | o [o] | o [o] | ó [ɔ] | o [oː] | オー |
P | pe [peː] | pee [piː] | pé [pe] | pe [peː] | pi [pi] | pe [pe] | pê [pe] | po [poː] | ピー |
Q | qu [kuː] | cue [kjuː] | qu [ky] | qu [kuː] | cu [ku] | cu [ku] | quê [ke] | kuo [ˈkuːo] | キュー |
R | er [ɛr] | ar [ɑː], [ɑɹ] | erre [ɛʁ] | er [ɛʀ] | erre [ˈɛrre] | ere [ˈeɾe] erre [ˈere] |
erre [ˈɛʁɨ], [ˈɛxi] rê [ʁe] |
ro [roː] | アール |
S | es [ɛs] | ess [ɛs] | esse [ɛs] | es [ɛs] | esse [ˈɛsse] | ese [ˈese] | ésse [ˈɛsɨ], [ˈɛsi] | so [soː] | エス |
T | te [teː] | tee [tiː] | té [te] | te [teː] | ti [ti] | te [te] | tê [te] | to [toː] | ティー |
U | ū [uː] | u [juː] | u [y] | u [uː] | u [u] | u [u] | u [u] | u [uː] | ユー |
V | vee [viː] | vé [ve] | vau [faʊ] | vu [vu] | uve [ˈuβe] | vê [ve] | vo [voː] | ブイ、 ヴィー | |
W | N/A | double-u [ˈdʌbljuː] | double vé [dubləve] | we [veː] | doppia vu [doppja vu] | uve doble [uβe ˈdoβle] | dâblio [ˈdɐ̃bliu] dáblio [ˈdabliu] |
duobla vo [duˈobla voː] | ダブリュー |
X | ex [ɛks] ix [iks] |
ex [ɛks] | ixe [iks] | ix [iks] | ics [iks] | equis [ˈekis] | chis [ʃiʃ] xis [ʃis] |
ikso [ikso] | エックス |
Y | y [yː] ī Graeca [iː ˈɡrajka] |
wye [waɪ] | i grec [iɡʁɛk] | ypsilon [ˈʏpsɪlɔn] | i greca [iɡˈɡrɛka] ipsilon [ˈipsilon] |
ye [ʝe] i griega [i ˈɡɾjeɣa] |
ípsilon [ˈipsɨlɔn], [ˈipsilõ] | ipsilono [ipsiˈloːno] | ワイ |
Z | zeta [ˈzeːta] | zed [zɛd] zee [ziː] |
zède [zɛd] | zet [tsɛt] | zeta [ˈzɛta] | zeta [ˈθeta], [ˈseta] | zê [ze] | zo [zoː] | ゼット |
他言語の文字のラテン文字表記[編集]
ラテン 文字 |
ギリシア文字 | キリル文字 | ヘブライ文字 | アラビア文字 | ペルシア文字 | カタカナ | ハングル |
---|---|---|---|---|---|---|---|
A | Α | А | א | آ ا | ア | ㅏ | |
AE | ㅐ | ||||||
AI | י ַ | ||||||
B | ΜΠ, Β | Б | בּ | ﺏ ﺑ ﺒ ﺐ | ﺏ ﺑ | ㅂ | |
C | Ξ | ||||||
CH | ΤΣ̈ | Ч | צ׳ | چ | ㅊ | ||
CHI | チ | ||||||
D | ΝΤ, Δ | Д | ד | ﺩ —ﺪ / ﺽ ﺿ ﻀ ﺾ | د | ㄷ | |
DH | Δ | דֿ | ﺫ — ﺬ | ||||
DZ | ΤΖ | Ѕ | |||||
E | Ε, ΑΙ | Э | , ֱ, י ֵֶ, ֵ, י ֶ | エ | ㅔ | ||
EO | ㅓ | ||||||
EU | ㅡ | ||||||
EUI | ㅢ | ||||||
F | Φ | Ф | פ(語尾 ף) | ﻑ ﻓ ﻔ ﻒ | ﻑ | ||
FU | フ | ||||||
G | ΓΓ, ΓΚ, Γ | Г | ג | گ | ㄱ | ||
GH | Γ | Ғ | גֿ, עֿ | ﻍ ﻏ ﻐ ﻎ | ق غ | ||
H | Η | Һ | ח, ה | ﻩ ﻫ ﻬ ﻪ, ﺡ ﺣ ﺤ ﺢ | ه ح ﻫ | ㅎ | |
HA | ハ | ||||||
HE | ヘ | ||||||
HI | ヒ | ||||||
HO | ホ | ||||||
I | Η, Ι, Υ, ΕΙ, ΟΙ | И | ִ, י ִ | دِ | イ | ㅣ | |
IY | دِي | ||||||
J | TZ̈ | ДЖ, Џ | ג׳ | ﺝ ﺟ ﺠ ﺞ | ج | ㅈ | |
JJ | ㅉ | ||||||
K | Κ | К | כּ(語尾 ךּ ) | ﻙ ﻛ ﻜ ﻚ | ک | ㅋ | |
KA | カ | ||||||
KE | ケ | ||||||
KH | X | Х | כ,חֿ(語尾 ך) | ﺥ ﺧ ﺨ ﺦ | خ | ||
KI | キ | ||||||
KK | ㄲ | ||||||
KO | コ | ||||||
KU | ク | ||||||
L | Λ | Л | ל | ﻝ ﻟ ﻠ ﻞ | ل | ||
M | Μ | М | מ(語尾 ם) | ﻡ ﻣ ﻤ ﻢ | م | ㅁ | |
MA | マ | ||||||
ME | メ | ||||||
MI | ミ | ||||||
MO | モ | ||||||
MU | ム | ||||||
N | Ν | Н | נ(語尾 ן) | ﻥ ﻧ ﻨ ﻦ | ن | ン | ㄴ |
NA | ナ | ||||||
NE | ネ | ||||||
NI | ニ | ||||||
NO | ノ | ||||||
NU | ヌ | ||||||
O | Ο, Ω | О | , ֳ, וֹֹ | ا ُ | オ | ㅗ,ㅓ | |
OI | ㅚ | ||||||
P | Π | П | פּ(語尾 ףּ ) | پ | ㅍ | ||
PP | ㅃ | ||||||
PS | Ψ | ||||||
Q | Ϙ | ק | ﻕ ﻗ ﻘ ﻖ | ق | |||
R | Ρ | Р | ר | ﺭ — ﺮ | ر | ㄹ | |
RA | ラ | ||||||
RE | レ | ||||||
RI | リ | ||||||
RO | ロ | ||||||
RU | ル | ||||||
S | Σ | С | ס, שׂ | ﺱ ﺳ ﺴ ﺲ, ﺹ ﺻ ﺼ ﺺ | س ص | ㅅ | |
SA | サ | ||||||
SE | セ | ||||||
SH | Σ̈ | Ш | שׁ | ﺵ ﺷ ﺸ ﺶ | ش | ||
SHCH | Щ | ||||||
SHI | シ | ||||||
SO | ソ | ||||||
SS | ㅆ | ||||||
SU | ス | ||||||
T | Τ | Т | ט, תּ, ת | ﺕ ﺗ ﺘ ﺖ, ﻁ ﻃ ﻄ ﻂ | ت ط | ㅌ | |
TA | タ | ||||||
TE | テ | ||||||
TH | Θ | תֿ | ﺙ ﺛ ﺜ ﺚ | ||||
TO | ト | ||||||
TS | ΤΣ | Ц | צ(語尾 ץ) | ||||
TSU | ツ | ||||||
TT | ㄸ | ||||||
U | ΟΥ, Υ | У | , וֻּ | دُ | ウ | ㅜ | |
UW | دُو | ||||||
V | B | В | ב | و | |||
W | Ω | ו, וו | ﻭ — ﻮ | و | |||
WA | ワ | ㅘ | |||||
WE | ヱ | ||||||
WI | ヰ | ㅟ | |||||
WO | ヲ | ㅝ | |||||
X | Ξ, Χ | ||||||
Y | Ψ | Й, Ы, Ј | י | ﻱ ﻳ ﻴ ﻲ | ی | ||
YA | Я | ヤ | ㅑ | ||||
YE | Е, Є | 𛄡 | |||||
YEO | ㅕ | ||||||
YI | Ї | 𛄠 | |||||
YO | Ё | ヨ | ㅛ | ||||
YU | Ю | ユ | ㅠ | ||||
Z | Ζ | З | ז | ﺯ — ﺰ, ﻅ ﻇ ﻈ ﻆ | ز | ||
ZH | Ζ̈ | Ж | ז׳ | ژ |
他の文字との関係[編集]
ラテン文字はギリシア文字から派生した文字であり、ラテン文字が新たな字を追加し大きく変化した現代においてもいくつかの文字は共通する。また、同じくギリシア文字を祖とするキリル文字ともいくつかの文字が共通している。
ラテン文字は他言語に適用される場合は綴りを工夫したり文字に記号を加えるなどしたうえでそのまま導入されることが多く、ラテン文字から派生した文字はそれほど多くはないが、アイルランド島などで5世紀から8世紀にかけて用いられたオガム文字はおそらくラテン文字から影響を受けて作られたと考えられている[23]。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
関連項目[編集]
- カルメンタ - 神話上ラテン文字を考案したとされている女神
- アラビア数字とラテン文字のアルファベットによる二文字組み合わせの一覧
- ラテン文字一覧
- ラテン文字化