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主語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

: subjectum: subject

κατηγορούμενονkatēgorūmenonποκείμενονhypokeimenon[1]17[1]西

[]


2 



西

2[] + 

[]


西18501930[2]3psychological subjectgrammatical subjectlogical subject

[]




( Taro is running.) (Taro) (is running) 

(Taro is running.) (Taro) (is running) 


[]




=


[]




 ( Taro beat Jiro.) (Taro)  (Jiro was beaten by Taro.) (Taro) 


[]


3

[]




[]


[ 1]



使[ 2]

 Chemehuevi [ 3]

 Longgu [ 4]

Chemehuevi [ 5]

Chemehuevi Longgu  711 調[3]
代名詞主語の表現の仕方の違い
主語位置の代名詞によって、通常義務的に明示される(英語タイプ) 82
動詞の接辞によって表現される(イタリア語タイプ) 437
様々な語に付属する接語で表現される(Chemehuevi 語タイプ) 32
名詞句の主語とは別の位置に置かれる代名詞で表現される(Longgu 語タイプ) 67
主語位置の代名詞で表現可能だが、通常明示されない(日本語タイプ) 61
上記の二つ以上の手段で表現されるが、いずれかが基本的ということがない 32
計 711

また、それぞれのタイプに属する主な言語は次の通り。

代名詞主語の表現の仕方の違いによる各タイプの主な例
英語タイプ アイスランド語インドネシア語オランダ語デンマーク語ドイツ語ハイダ語フランス語マダガスカル語ロシア語など
イタリア語タイプ アイヌ語アヴェスター語アムハラ語アラビア語アルバニア語アルメニア語印欧祖語[4]イテリメン語エストニア語カタルーニャ語カンナダ語キクユ語ギリシア語グアラニー語グリーンランド語コーンウォール語サンスクリット(ヴェーダ語)、チェコ語チュクチ語ナバホ語ナワトル語ハンガリー語パンジャーブ語パーリ語バスク語ブルガリア語ブルシャスキー語ブルトン語ベルベル語ラテン語など
Chemehuevi 語タイプ オジブワ語ブラックフット語ポーランド語ムンダリ語など
Longgu 語タイプ イボ語グルジア語コサ語ソマリ語ハウサ語フィジー語など
日本語タイプ グーグ・イミディル語官話中国語)、朝鮮語ハワイ語ビルマ語マラヤーラム語モンゴル語ハルハ方言、レズギ語など


例文一覧[編集]

  1. ^ 英語の例。代名詞主語を省略した (b) のような文は通常許容されない。
    a. I was singing.
    b. * Was singing.
  2. ^ イタリア語の例。動詞によって主語が一人称単数(私)であることが明示されている。
    Non volev-o mangiare
    否定 欲する.半過去-主語 食べる.不定詞
    私は食べたくなかった (cf. I didn't want to eat.)
  3. ^ ユト・アステカ語族 Chemehuevi 語の例。(b) では文頭の語に後接する接語で主語が一人称単数(私)であることが示されている。
    a. Ann waha-k tɨmpi punikai-vɨ
    アン 二つ-目的語 見る-過去
    アンは石を二つ見た
    b. puusi-a=n maga-vɨ
    猫-目的語=主語 与える.過去
    私は猫を(誰かに)あげた
  4. ^ 大洋州諸語 Longgu 語の例。動詞によって主語が一人称単数(私)であることが明示されている。
    a. mwela-geni e vusi angi
    子供-女 ほとんど 泣く
    少女はほとんど泣いている
    b. e zudu
    座る
    彼/彼女は座っている

    ^ (b) 
    a. 私は歌っていました。
    b. 歌っていました。

主語優勢・主題優勢[編集]




[5]

[]



[]






[6]

 # It1970[ 1]



  



   




[]


it / il  It rains Il pleut 



Cogito, ergo sum.Pro-drop languageNull-subject language

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 以上のようなすれ違いを解説するのではなく、すれ違いを利用した「主語はいらない・なかった」といったような煽動的な題名と内容の啓蒙書等もある。

出典[編集]

  1. ^ a b 松本克己 (1991). “主語について”. 言語研究 100 (1991): 1-41. 
  2. ^ Seuren, P.A.M. (1998). Western Linguistics: An Historical Introduction. Oxford: Blackwell.
  3. ^ Dryer 2011.
  4. ^ 文法の項目を参照
  5. ^ Shibatani, Masayoshi (1990). The languages of Japan. Cambridge: Cambridge University Press.
  6. ^ 庵功雄『新しい日本語学入門—ことばのしくみを考える』スリーエーネットワーク、2001年。

参考文献[編集]

関連項目[編集]