アコーディオン
アコーディオン | ||||||||||
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別称:手風琴(てふうきん) | ||||||||||
各言語での名称 | ||||||||||
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アコーディオン | ||||||||||
分類 | ||||||||||
音域 | ||||||||||
F3〜A6程度※機種によって異なる。 | ||||||||||
関連項目 | ||||||||||
特長[編集]
全てのキーに対して独立した発振器︵リード︶が備わっているため理論上全てのキーを同時に押した場合に割り当てられた全ての音が出る。そのため同時に複数の音を鳴らすのが容易であり、一台で主旋律と和音伴奏を同時にこなすこともできる。一人で持ち運べるサイズで取り扱いやすく、慣れれば立奏や歩奏も可能で、屋外での演奏にも適している。鍵盤ハーモニカのように息を必要としないので、弾き語りもできる。 合奏用アコーディオンは左手のボタンが無いため、通常のアコーディオンのように主旋律と和音を一人で同時に演奏することはできない。電子アコーディオンは一般的な電子楽器と同様に同時発音数が制限されているので、全てのキーを同時に押した場合に鳴らない音があるが、人間の指で演奏する場合は十分な余裕率で設計されている。アコーディオンの構造[編集]
基本形状[編集]
左右非相称 | 左右相称 | |
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押引異音式 | ダイアトニック・ボタン・アコーディオン | アングロ・コンサーティーナ ジャーマン・コンサーティーナ ケムニッツァ・コンサーティーナ バンドネオン |
押引同音式 | クロマティック・ボタン・アコーディオン ピアノ・アコーディオン |
イングリッシュ・コンサーティーナ デュエット・コンサーティーナ クロマティック・バンドネオン |
音が鳴るしくみ[編集]
両手で左右の筐体を保持する。それぞれの手で、筐体上の鍵盤やボタンを押すと、シャフトでつながった対応する空気弁が開くようになっている。蛇腹を伸縮することで送られた空気が開かれた弁を通り、リードを通り抜けるときにこれを振動させて音を鳴らす。リードはフリーリードと呼ばれるもので、薄い金属の板であり、共鳴管によらずリード自身の長さや厚さで音高が決定される。フリーリードの1枚のリードは一方からの通気でしか発音しないため、通常アコーディオンの場合は蛇腹を押した時にも引いた時にも発音するように一つのリード枠に表裏2枚のリードがセットされている。この発音原理はハーモニウムやハーモニカによく似ている。
押し引きで違うリードが発音するため、押し引きで同音の出るクロマティックタイプのアコーディオンと、押し引きで違う音の出るダイアトニックタイプのアコーディオンがある。
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フリーリードと空気の流れを示した図(英語)。左から、鍵から指を離して空気が流れない時、鍵を押して蛇腹を引いた時、鍵を押して蛇腹を押した時。
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アコーディオンの中身。フリーリードと、空気の逆流を防止する「サブタ皮」が並んでいる。
音色切り替えスイッチについて[編集]
音色切り替えスイッチの表示の例 アイコン 俗称 鳴るリードの組み合わせ 音色(トーン)の風格 ピッコロ H 細くて高い クラリネット M おとなしめ バスーン L 太くて低い オーボエ H + M 明るい ヴァイオリン M + M ゆらめく感じ ミュゼット (ミュゼット風) H + M + M ミュゼット風だが、本当のミュゼットではない ミュゼット (本物) M + M + M ミュゼット仕様の、専用のアコーディオンの音色 オルガン H + L パイプオルガン風 ハーモニウム H + M + L リードオルガン風 バンドネオン M + L バンドネオン風 アコーディオン M + M + L 一般的なイメージのアコーディオンの音色 マスター H + M + M + L 全部のリードを同時に鳴らす
同じMのリードを表す●は、その位置によりチューニングの微妙なピッチの違いを表す場合がある。
表示 | 意味 |
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正確な音高(ピッチ)にチューニングしたMのリード | |
本来の音高より高めにチューニングしたMのリード | |
本来の音高より低めにチューニングしたMのリード | |
正確な音高のMのリードと、ほんのわずか高めにチューニングしたMのリードをならべ、わざとうなりが生じるようにした組み合わせ | |
正確な音高のリードと、それよりちょっとだけ高め、ちょっとだけ低めの3枚のMのリードの組み合わせ |
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﹁HMML﹂のリードをもつアコーディオンの﹁音色(ねいろ)切り替えスイッチ﹂。数字の4、8、16はそれぞれH(高音)、M(中音)、L(低音)のリードを表す。それぞれのスイッチには音色の﹁俗称﹂(下記の説明を参照)が書いてある。
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「MML」のリードをもつアコーディオンの音色切り替えスイッチ。それぞれの音色の「俗称」が微妙に違うことに注意。
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「HMML」のリードをもつアコーディオンの音色切り替えスイッチ。アイコンのみによる表示。
リードのチューニングについて[編集]
右手側の鍵盤について[編集]
ピアノ式鍵盤とボタン式鍵盤の二種類がある。詳しくはアコーディオンの種類の項を参照。-
ピアノ式鍵盤の白鍵と黒鍵の配列に似せたボタン式鍵盤。過渡期の方式。1847年。
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1885年ごろのピアノ・アコーディオン。鍵盤は現代のタイプに比べると寸詰まりである。
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1920年ごろの湾曲型ピアノ鍵盤式アコーディオン。
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左手側のベース・システムについて[編集]
アコーディオンの多くは、右手の高音部でメロディを弾き、左手の低音部で和音伴奏を弾きやすいように作られている。左手側で低音の伴奏をつけるためのベースシステムについては、さまざまな方式がある。
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ダイアトニック・アコーディオンのベースボタンの数は比較的少なく、鳴らせる和音の種類は限られる。
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「120ベース」のストラデラ・ベース。
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フリー・ベースの例。この機種は、8列の「クイント・システム」5度音階方式を採用している。
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ストラデラ・ベースとフリー・ベースをスイッチ1つで切り替え可能な「コンバーター・システム」のアコーディオン。ヴィクトリア社製、96ベース。
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「120ベース」のストラデラ・ベースのアコーディオンと、ヴァイオリンの路上演奏。蛇腹とベース部分におしゃれな模様が描かれている。
ダイアトニック・アコーディオンのベースシステム[編集]
ストラデラ・ベース[編集]
ストラデラ・ベース・システム(The Stradella Bass System)という呼称は、楽器生産で有名なイタリアのストラデッラで開発されたことにちなむ。クロマティック・ボタン鍵盤式アコーディオンおよびピアノ鍵盤式アコーディオンの左手部分のベースの機構として最も普通に見られるため﹁スタンダード・ベース﹂(﹁標準ベース﹂の意)とも呼ばれる。以下にベース・ボタンの並べ方を示す(これは96ベースの例。120ベースは両側にさらに拡張する)。フレンチ3/3ベース[編集]
フレンチ3/3ベース・システムは、ストラデラ・ベース・システムの改良型である。以下にベース・ボタンの並べ方を示す(これは96ベースの例。120ベースは両側にさらに拡張する)。フリー・ベース[編集]
左手側の低音部でもメロディーと和音をピアノのように自由に弾けるようにした、改良型のベースシステムで、半音階も網羅した1鍵1音のクロマティック式のボタン鍵盤をびっしり並べている。ボタン配列の方式はさまざまである。クロマティック式フリー・ベース(クロマティック・システム)[編集]
左手側のベースボタンも、クロマティック・ボタン鍵盤式アコーディオンの右手側と同様に並べる方式。クイント式フリー・ベース(クイント・システム)[編集]
ストラデラ・ベースの﹁基本ベース﹂﹁対位ベース﹂の並びかた(五度音階=﹁quint﹂=クイント)をベース部分全体に拡張した方式。ピアノ式フリー・ベース[編集]
左手側のベース部のボタン鍵盤(まれにベース部もピアノ式鍵盤を採用する場合もある)の配列をピアノの白鍵と黒鍵のように並べたタイプ。コーカサスの民族楽器的な﹁東方アコーディオン﹂等で普通に見られる方式。ベースレス[編集]
日本の小学校等で教育楽器として使用される﹁合奏用アコーディオン﹂では、左手側のベースボタンを省略したタイプが多用される。そのぶん軽量で安価になるだけでなく、演奏性の面でもリードの音の立ち上がり(レスポンス)が良くなるというメリットがある[2]。アコーディオンの歴史[編集]
起源[編集]
世界への広がり[編集]
アコーディオンは一種の器械であり、デミアン以降も多くの楽器製作者が改良を重ね、自分が開発した新しいタイプのアコーディオンに関する技術を次々に特許登録した。19世紀のヨーロッパでは様々な物品や資料を集めて展示する博覧会がよく開催された。アコーディオンやコンサーティーナなど当時としては新しい器械技術を盛り込んだ蛇腹楽器の新製品も、ウィーンやミュンヘンなど大都市で開催された国際的な工業博覧会に出品された[3]。特許制度による知的財産保護と、博覧会など新時代の情報公開も追い風となり、アコーディオンの製作技術はヨーロッパ各地に広まった。 アコーディオンという楽器の設計思想そのものも、この楽器の普及を後押しした。発明者のシリル・デミアンの特許申請書にもあるとおり、彼は、音楽の知識をもたない素人でも簡単に旋律や和音伴奏を弾ける簡便な楽器として、アコーディオンを発明した[注 3]。デミアンが意図したとおり、プロの音楽家だけではなく、船乗りや移民、行商人、宣教師、軍人、旅芸人など、多くの人々がアコーディオンを持参して各地を旅し、この楽器を世界に広めた。-
ダイアトニック・アコーディオンを持つ「一人楽団」の大道芸人を描いたManuel Lopes Rodriguesの絵画作品「歩くオーケストラ」(Orquestra ambulante)。1898年。
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ピアノ式アコーディオンを立奏する女性。マンザナー強制収容所、1942年。
変遷[編集]
日本での歴史[編集]
江戸時代から現在まで[編集]
日本へは江戸時代の末に伝来した。美保神社には、嘉永2年(1849)に奉納された﹁日本渡来最古のアコーディオン﹂(1841年頃、ウィーンで製作された小型の1列ボタンのダイアトニック・アコーディオン)が現存している[6]。五雲亭貞秀の幕末の錦絵にも、アコーディオン(現在と左右が逆の古いタイプ)を弾く米国女性が描かれている。西南戦争で最後まで西郷隆盛と行動を共にした村田新八がアコーディオンを好んで弾いたことは有名である[注 4]。ダイアトニックからピアノ式へ[編集]
教育楽器[編集]
日本では、昭和33年(1958)の第2次﹁学習指導要領﹂改訂ののち、小学校など一般的な音楽教育の現場でも教育楽器としてアコーディオンが採用され、馴染みは深い。 日本の小学校などで用いられる﹁合奏用アコーディオン﹂は、左手のボタンを省略したピアノ式アコーディオンで、機種の音域ごとにアルト、ソプラノ、テナー、バスと分担化されており、器楽合奏や鼓笛パレードで組み合わせて用いられる場合が多い。クロマティック式の伝来[編集]
日本国内にあるクロマティック・ボタン式アコーディオンは、本格的な国産品は2021年現在まで作られたことはなく、全て外国製の輸入品である。個人の購入などは別として、日本国内での楽器店での正規の輸入・販売は、1957年、アコーディオニストの金子元孝が、桜井徳二をうながして正規にクロマティック式を輸入してもらったのが最初である[9]。これ以降、日本でもクロマチック式のプロ奏者は少しずつ増えた。金子元孝も含め、当初はピアノ式を弾いていたプロ奏者がクロマチック式に転向する例も少なくない。ギャラリー[編集]
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五雲亭貞秀「生写異国人物 亜墨利加女官翫板遂之図」万延元年(1860)。古いタイプのアコーディオンを弾く米国人女性秘書の絵。
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明治時代のアコーディオン(手風琴)の独習用教則本。右端の和服の女性はダイアトニック式アコーディオンを、中央と左の女性はそれぞれ紙腔琴とオルガンを合奏している。
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明治時代の「アツコルジヲン」の解説書。ドレミファ…を工尺譜で標記している。
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戦時中、ダイアトニック・アコーディオンを弾く日本兵。
アコーディオンの種類[編集]
ピアノ・アコーディオン[編集]
ピアノ・アコーディオン(﹁ピアノ鍵盤アコーディオン﹂もしくは単に﹁鍵盤アコーディオン﹂と呼ばれることもある)は19世紀にヨーロッパで開発されたタイプで、日本では最も一般的なタイプのアコーディオンである。 右手部はピアノの鍵盤と同形状の﹁手鍵盤﹂になっており、ピアノよりは鍵盤のサイズは小さめであることが多いが、ピアノ奏者でも演奏することができる。 左手のベース・ボタンは和音伴奏のためのもので、上述のとおり、ボタン配列の方式は標準的な﹁ストラデラ・ベース﹂や、旋律も自由に弾ける﹁フリー・ベース﹂など複数ある。鍵盤数は楽器のサイズによってまちまちだが、プロ奏者が使う大型のアコーディオンでは41鍵120ベース(右手の手鍵盤は41個、左手の和音伴奏用のベースボタンは120個)が標準であり[注 5]、中型や小型の機種では鍵盤数はこれより少なくなる。ボタン・アコーディオン[編集]
ボタン式鍵盤を備えたアコーディオンには、押し引き異音式のダイアトニック・アコーディオンと、押し引き同音式のクロマティック・アコーディオンの2系統がある。蛇腹操作の特性上、ダイアトニックは小型の、クロマティックは大型のアコーディオンに多い。ダイアトニック・アコーディオン[編集]
ダイアトニック・アコーディオンはもっとも初期に開発されたシンプルなアコーディオンである。 ダイアトニック(diatonic)とは﹁全音階﹂を意味し、単一のキー(調)のみが演奏でき、ピアノの黒鍵にあたる半音は出せない(半音を出すためのアクシデンタル・キーを追加したタイプもある)。蛇腹(じゃばら)を伸ばすときと縮めるときで違う音がでる﹁押引異音式﹂になっている。ピアノ・アコーディオンなどに比べると構造が単純で軽量である。右手は主旋律を演奏し、左手は2~3のベース音とトニックとデミナントのシンプルな和音を演奏する。ダイアトニックの項目も参照。 ダイアトニック・アコーディオンは、各地の民族音楽と結びついて相互に発展して、種類が多い。メロディオン[編集]
ダイアトニック・アコーディオンに対する英語の異称。 英語圏での﹁メロディオン﹂という語の意味用法は地域ごとの差が大きいので、要注意である[10]。なお、日本で﹁メロディオン﹂と言うと、鈴木楽器製作所の鍵盤ハーモニカの登録商標﹁メロディオン﹂(melodion)を指す。アコーディオンの﹁メロディオン﹂は日本語では同音になってしまうが、原語の綴りはmelodeonであり、鍵盤ハーモニカとは全く違う楽器である。- 1列ボタン鍵盤(ワン・ロー)で全音階のみ弾けるタイプ
- アイルランド英語ではこのタイプだけを「メロディオン」と呼び、2列以上のダイアトニック式ボタンアコーディオンは単に「アコーディオン」と呼ぶ(アイルランドの伝統音楽では、ピアノ・アコーディオンは少数派である)。
- 2列以上のボタン鍵盤をもち半音もあるていど弾けるタイプ
- アイルランドと隣接するイングランドの英語では、2列以上のダイアトニック式ボタンアコーディオンも含めて全てメロディオンと呼ぶ。異なるキーのボタン鍵盤を複数並べることで、蛇腹の押し引きの向きの融通性を広げ、半音も(あるていど)弾けるよう改良したタイプ。例えば2列の「CG調」タイプであれば、ドレミファ…という全音階の他、半音はファ♯(F♯)も鳴らせる。半音違いのキーのボタン鍵盤列を並べたタイプ、例えば2列の「BC調」であれば、全ての半音も網羅できる。半音階を網羅しているという理屈から言えばもはや「ダイアトニック」(全音階)という呼称は不適切だが、蛇腹楽器関係の用語の歴史的な慣習上、押引異音式の蛇腹楽器はクロマティック音階を弾ける機種も含めて「ダイアトニック」に分類される(詳細は「ダイアトニック」を参照)。
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1列(ワン・ロー)のダイアトニック・アコーディオン。アイルランドではこのタイプのみを「メロディオン」(melodeon)と呼ぶ。
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2列(ツー・ロー)のダイアトニック・アコーディオン。イングランドその他の地域ではこれも「メロディオン」と呼ぶ。
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左右両側の筐体にピアノ式鍵盤をしつらえた蛇腹楽器「ベルカンデオン」
ケイジャン・アコーディオン[編集]
シュランメル・ハーモニカ[編集]
オーストリアのシュランメル音楽で使われるアコーディオン。シュタイリッシェ・ハーモニカ[編集]
シュタイリシェ・ハーモニカ(Steirische Harmonika=シュタイアーマルク式ハーモニカとも。︶その名から誤解されがちだが、シュタイアーマルクではなくウィーンが発祥で、アルプス民俗音楽と相性の良い音楽から、当時田舎の代名詞でありウィーンにおいてこのジャンルの音楽の呼称として使われたシュタイアーマルクの名が用いられた。オーストリア、ドイツ、スイス、スロベニア、南チロルなどのアルプス地域を中心に民族音楽やそれに由来するポピュラーミュージックの主力楽器の一つとして現在でも多く使われており、ダイアトニックアコーディオンの中では最も普及している種類の一つでもある。メロディが3~5列、ベースはシングルとダブルのヘリコンベース︵通常のベースより1オクターブ低音である︶でボタンが2列15個前後と比較的多めであるほか、ベースボタンの両側にはラッパのような開口部が設けられている。またデザインも多くのアコーディオンがトラディッショナルなデザインを抜け出せないことと対称的に、シュトラッサー社︵シュタイアーマルク州グラーツに本社を置く大手メーカー︶の﹁クリエイティブ﹂のように現代的に進化したデザインのものも生産されており、そのことが若いアーティストが抵抗なく手にすることのできる土壌の一つとなっている。画像[編集]
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ケイジャン・アコーディオン
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シュランメル・ハーモニカ
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シュタイリッシェ・ハーモニカ
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クロマティック・アコーディオン
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ロシアのバヤン
クロマティック・アコーディオン[編集]
クロマティック・ボタン・アコーディオンのこと。
蛇腹楽器の用語で「クロマチック」(クロマティック)と言えば「押し引き同音式で半音階も網羅している蛇腹楽器」を意味するので、語義上はピアノ・アコーディオンも広義のクロマティック・アコーディオンに含まれる[11]。ただし、ピアノ・アコーディオンが「クロマティック」であることは自明であるため、単に「クロマティック・アコーディオン」と言えば、通常、右手の高音部がボタン式鍵盤になっているクロマティック・ボタン・アコーディオンを指す。
全音階でしか演奏できない押し引き異音式のダイアトニック・アコーディオン(ダイアトニック・ボタン・アコーディオン)を改良したもので、1850年ごろにウイーンのフランツ・ワルターによって作られた。
右手側のボタン式鍵盤のキー配列には
- Cシステム(イタリア式)
- Bシステム(ベルギー式)
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Cシステム(イタリア式)
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Bシステム(ベルギー式)
バヤン[編集]
ロシアあるいはウクライナ音楽に特化したクロマティック・アコーディオン。本来は独自の鍵盤配列を持った民族楽器の一つで、1907年にピョートル・ステリゴフによって開発された。後に、イタリア式クロマティック・アコーディオンを参照して、西洋伝統音楽に耐える構造に徹底的に作り変えられ、レジスターや列数が強化された。バヤンは右手のボタン配列が通常のアコーディオンと若干異なる。音域は同一でも、音色はリード形状のせいで微妙なレヴェルで異なる。AKKO社[16]は右の8フィートのリードを二種から三種に増やし、重さは16.5kgを越え音栓数は31に及ぶモデルを生産している。これだけの重さに耐えなおかつ余裕で使いこなすロシア人の体力がよく解る楽器の歴史が見える。現在も、発祥時のピリオドモデルと改良されたモダンモデルどちらも生産されているものの、ロシア語圏で一般に広く出回っているのはすでに改良されたモダンモデルである。ロシアとウクライナでは路上やコンサートホールで頻繁に見かけることができる。詳しくはバヤンを参照。ガルモン[編集]
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ガルモンの右手側のボタン鍵盤配列の一例。
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ガルモンの左手側のベースボタンの配列の一例。
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押し引き異音式の古いガルモンが描かれた旧ソ連の切手。
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押し引き同音式の改良型ガルモン。
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アゼルバイジャンの東方風アコーディオン。右手のピアノ風鍵盤は寸詰まりで、鍵どうしも隙間をあけてある。左手はピアノ的配列のフリー・ベース・ボタン鍵盤である。
電子アコーディオン[編集]
広義のアコーディオン属の楽器[編集]
コンサーティーナやバンドネオン等のコンサーティーナ族の楽器は、狭義の﹁アコーディオン属﹂(アコーディオン族)には含めず、アコーディオンとは別の楽器と見なされる。例えば、バンドネオン奏者は自分の楽器を﹁アコーディオン﹂と呼ばれることを嫌う[注 7]。これは、﹁ヴァイオリン属﹂の楽器であるヴィオラやチェロの演奏者が、自分の楽器を﹁ヴァイオリン﹂と呼ばないのと同様である。しかし歴史をさかのぼれば、バンドネオンの発明者であるバンド自身が自分の楽器を当初は﹁アコーディオン﹂と呼んだように、コンサーティーナ属も広義のアコーディオン属に含める場合があるため、ここでも簡単に解説しておく。詳しくは蛇腹楽器を参照。コンサーティーナ[編集]
イギリスの物理学者、チャールズ・ホイートストンが発明した蛇腹楽器。詳しくは﹁コンサーティーナ﹂を参照。バンドネオン[編集]
ドイツのハインリヒ・バンドが発明した蛇腹楽器。狭義のコンサーティーナとは別種の楽器であるが、コンサーティーナ属に含まれる。詳しくはバンドネオンを参照。メロフォン[編集]
金管楽器のメロフォンとは全く別の楽器である。外見はギターに似る。右手で蛇腹につながったハンドルを操作して空気を送り、左手で︵ギターで言うところの︶ネックに備えられたボタンを操作して音高を変えて演奏する。-
コンサーティーナ(左)とバンドネオン(右)。(東京・谷口楽器の商品棚で撮影)
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博物館のフリーリード楽器コーナーに展示されているメロフォン(右上のすみ、鍵盤ハーモニカの向かって右側の、輪郭がギターに似た楽器)。
楽器以外に付けられたアコーディオン[編集]
世界の代表的なアコーディオン奏者[編集]
Category:各国のアコーディオン奏者も参照のこと。 ●リシャール・ガリアーノ ●イタロ・サリッツァート ●フランク・マロッコ ●バックウィート・ザディコ ●クリフトン・シェニエ ●スティーブ・ジョーダン︵エステバン・ジョーダン︶ ●アミディ・アルドワン ●イスラエル・ロメロ ●フアンチョ・ロワ ●ロッキン・ドゥプシー ●ロッキン・シドニー ●C・J・シェニエ ●ボー・ジョック ●ロージー・レデット ●クリス・アルドワン ●ジノ・デラフォース ●シャロン・シャノン ●クセーニャ・シドロワ日本の代表的なアコーディオン奏者[編集]
Category:日本のアコーディオン奏者も参照のこと。- 横森良造
- 御喜美江
- coba(小林靖宏)
- 桑山哲也
- かとうかなこ
- 金子元孝
- 高島雄次郎
- 小春(チャラン・ポ・ランタン)
- 佐藤芳明
- 清水信治
- 角谷精三
- 都丸智栄
- 三上繁
- 柳原陽一郎
- 横山マコト(横山ホットブラザーズ、本名:横山誠)
世界のアコーディオンメーカー[編集]
- Cavagnolo (キャバニョロ)
- VICTORIA(ヴィクトリア)
- Hohner (ホーナー)
- Mengascini(メンガシーニ)
- Ballone Burini (バロン・ブリーニ)
- EXCELSIOR (エキセルシァー)
- GUERRINI(ゲリーニ)
- Dallape (ダラッペ)
- BUGARI(ブガリ)
- Castelfidardo(カステルフィダルド)
- Weltmeister(ベルトマイスター)
- Paolo Soprani (パオロ・ソプラーニ)
日本のアコーディオンメーカー[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
参考文献[編集]
- 渡辺芳也「アコーディオンの本」ISBN 4-393-93422-9