長野新幹線車両センター
長野新幹線車両センター | |
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基本情報 | |
鉄道事業者 | 東日本旅客鉄道 |
帰属組織 | 新幹線統括本部 |
所属略号 | 幹ナシ[1] |
車両基地概要 | |
敷地面積 | 165,301 m2 |
配置両数 | |
電車 | 228両 |
合計 | 228両 |
備考 |
2021年4月1日現在のデータ[2] 敷地面積は有価証券報告書の値[3] 鉄道建設・運輸施設整備支援機構より賃借中 |
長野新幹線車両センター︵ながのしんかんせんしゃりょうセンター︶は、長野県長野市赤沼にある東日本旅客鉄道︵JR東日本︶新幹線統括本部が管轄する新幹線の車両基地である。
概要[編集]
本車両基地は北陸新幹線長野駅の金沢駅寄りにあり、本線からは同駅から約8 km北東の地点で分岐している。整備新幹線である北陸新幹線の施設として建設されたため、JR東日本が鉄道建設・運輸施設整備支援機構から賃借している[3]。 令和元年東日本台風︵台風19号︶によって壊滅的な浸水被害を受け、車両検修機能をほぼ喪失したが、2020年時点では2021年︵令和3年︶を目処に暫定復旧を目指すとしていた[4][5]。2021年10月までには車両検修機能はほぼ復旧しており、一般向けの基地公開等の行事も行っているが[6]、同年9月の国土交通省資料では﹁復旧が完了していない﹂と記されている[7]。構内[編集]
●長野駅の北東約10 kmに位置し、最寄り駅はしなの鉄道北しなの線豊野駅である[8]。 ●敷地は長さ約1.7 km、最大幅約100 mあり、敷地面積は約11万3,000m2︵1998年 - 2015年当時︶[9][8][10]。 ●構内には着発収容線が11線、仕業・交番検査線︵仕業交番検査庫︶が3線︵いずれも12両編成に対応︶、臨時修繕線︵臨修庫︶1線、車輪研削線︵研削庫︶1線がある[9][10]。仕業交番検査庫の手前には車両洗浄機を1台設置する[9]。 ●過去には金沢延伸開業に伴い、検修設備をE2系の8両編成からE7系の12両編成へ対応させるため、着発収容線の停止目標と車両昇降台の追加、仕交検庫を約100m延伸するなどの改良工事が行われた[8][11]。 ●主な業務は仕業検査、交番検査、ATC特性検査、列車無線検査、臨時検査など[8]。構内入換など業務の一部はJR長野鉄道サービスに委託している[8]。 ●車両基地の西側には保線車両の基地があり、保守用車留置線2線、バラスト積込線、ロングレール運搬車留置線、検修線・確認車留置線などがある[10]。歴史[編集]
●1996年︵平成8年︶ ●12月1日 - 長野新幹線運転所発足[9]。当時、現地は建設中のため、長野新幹線運輸区を仮事務所として使用した[9]。 ●1997年︵平成9年︶ ●2月18日 - 一部完成した車両基地内に仮事務所を設置[9]。開業に向けて本格的な準備作業が始まる[9]。 ●5月8日 - 総合監査で入線した925形︵旧・ドクターイエロー︶S1編成で、初めての仕業検査を実施[9]。 ●1997年︵平成9年︶ ●6月9日 - E2系N3編成で、初めての交番検査を実施[9]。 ●2004年︵平成16年︶4月1日 - 長野新幹線車両センターに改称。 ●2019年︵平成31年︶4月1日 - 新幹線統括本部発足に伴い、長野支社から同本部へ移管。 ●2019年︵令和元年︶ ●10月13日 - 令和元年東日本台風︵台風19号︶に伴う大雨で氾濫した千曲川の水が流入し、北陸新幹線車両10編成120両が冠水する[12][13][14]︵うち、2編成は西日本所属車[15]︶。 ●11月8日 - 被災車両の廃車に向けた準備が始まる[16][17]。長野 - 金沢間開業前、2010年当時の車両センター(国土地理院)
2019年10月13日、台風19号の影響で冠水した車両センター(同)
台風19号による浸水後、解体を待つ車両
配置車両[編集]
車体に記される所属略号は﹁幹ナシ﹂[1]で、新幹線を意味する﹁幹﹂、長野を意味する﹁ナ﹂、新幹線を意味する﹁シ﹂から構成される。新幹線統括本部発足までは長野支社管轄であったため、﹁長ナシ﹂であった。なお、長野新幹線運転所時代に使用していた﹁長ナノ﹂は、現在は長野総合車両センターが使用している。
2022年︵令和4年︶8月1日時点の配置車両は下記のとおりである[18]。
E7系電車︵228両︶
12両編成19本︵F3 - F6・F9・F11 - F13・F15・F17・F19・F25 - F27・F40 - F44編成︶が配置されている。
2015年︵平成27年︶の北陸新幹線金沢駅延伸開業に合わせて導入された新型車両で2014年︵平成26年︶3月15日のダイヤ改正より、﹁あさま﹂として営業運転が開始された。
北陸新幹線﹁かがやき﹂﹁はくたか﹂﹁あさま﹂﹁つるぎ﹂の全列車で使用され、JR西日本白山総合車両所配置のW7系電車と一体的に運用されている。また、上越新幹線﹁とき﹂・﹁たにがわ﹂にも使用される。
2019年の東日本台風により、8編成96両︵F1・F2・F7・F8・F10・F14・F16・F18編成︶が車両床下の電気系統などが浸水の被害を受け[19]廃車となった。廃車車両のフルカラーLED式行先表示器など一部の部品については再利用される予定である[20]。
2021年1月1日付で5編成60両が新潟新幹線車両センターから転属した[21]。
過去配置車両[編集]
E2系電車 N1 - N13およびN21編成の全14編成が配置されていたが、E7系電車の導入に伴い廃車が進み、2017年︵平成29年︶3月31日をもって運用が終了した。 1997年︵平成9年︶の北陸新幹線長野暫定開業に合わせて導入された車両で北陸新幹線﹁あさま﹂で運用されていた。 かつてはJ編成と共通で運用されたが、2016年時点では他路線での運用は行われていなかった。脚注[編集]
(一)^ abジェー・アール・アール編﹃JR電車編成表﹄2021夏 交通新聞社、2021年、p.13。ISBN 9784330025216。
(二)^ ジェー・アール・アール編﹃JR電車編成表﹄2021夏 交通新聞社、2021年、p.16。ISBN 9784330025216。
(三)^ ab第36期有価証券報告書48頁 (PDF) - 東日本旅客鉄道
(四)^ “JR東、浸水の新幹線車両センター 1年後復旧へ”. 日本経済新聞. (2020年5月27日). オリジナルの2020年5月28日時点におけるアーカイブ。 2021年4月6日閲覧。
(五)^ “新幹線長野基地、1年めどに復旧 変電所かさ上げも―JR東”. 時事通信. (2020年5月27日). オリジナルの2020年6月5日時点におけるアーカイブ。 2020年8月26日閲覧。
(六)^ “JR東日本、長野新幹線車両センター見学ツアー - E7系の床下見学も”. マイナビニュース. (2021年10月22日) 2022年7月20日閲覧。
(七)^ JR河川橋梁対策検討会 (PDF) - 国土交通省︵2021年9月28日、4スライド目の﹁豪雨による鉄道施設の被害額の推移︵過去10年間︶﹂にある注記参照︶2022年7月20日閲覧。
(八)^ abcde日本鉄道車両機械技術協会﹃ROLLINGSTOCK&MACHINRY﹄2015年4月号特集北陸新幹線金沢延伸開業﹁長野新幹線車両センターの職場紹介﹂pp.10 - 14。
(九)^ abcdefghi日本鉄道車両機械技術協会﹃ROLLINGSTOCK&MACHINRY﹄1998年3月号職場紹介﹁JR東日本長野新幹線運転所 - 最新技術で活力ある職場と安全安定した新幹線輸送を実現しよう - ﹂pp.42 - 44。
(十)^ abc交友社﹃鉄道ファン﹄1997年11月号﹁北陸新幹線高崎 - 長野間路線と施設の概要﹂p.69 。
(11)^ 日本鉄道車両機械技術協会﹃ROLLINGSTOCK&MACHINRY﹄2015年5月号特集北陸新幹線金沢延伸開業﹁北陸新幹線延伸に伴う車両検修整備の概要 - JR東日本長野新幹線車両センター、えちごトキめき鉄道直江津車両基地 - ﹂pp.10 - 14。
(12)^ “台風19号によるJR東日本管内の設備等の主な被害状況について”. 東日本旅客鉄道株式会社 (2019年10月13日). 2019年10月13日閲覧。
(13)^ “台風19号による北陸新幹線の設備等の主な被害状況について”. 東日本旅客鉄道株式会社 (2019年10月18日). 2020年8月26日閲覧。
(14)^ “北陸新幹線の車両基地水没、長野 堤防決壊、10編成が被害”. 共同通信. (2019年10月13日) 2019年10月13日閲覧。
(15)^ “北陸新幹線ダイヤ3月14日全復旧 長野車両センターの機能回復で”. 福井新聞. (2019年12月2日) 2020年8月26日閲覧。
(16)^ “浸水の北陸新幹線、車両撤去開始 JR東日本が廃車へ”. 日本経済新聞. (2019年11月8日) 2020年8月26日閲覧。
(17)^ “北陸新幹線の浸水車両 解体作業始まる”. 信濃毎日新聞. (2019年11月9日). オリジナルの2019年11月12日時点におけるアーカイブ。 2020年8月26日閲覧。
(18)^ ジェー・アール・アール編﹃JR電車編成表﹄2022夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2022年、p.16。ISBN 9784330028224。
(19)^ “JR東日本が北陸新幹線を調査 ﹁電気系統被害で使用困難﹂”. 東京新聞. (2019年10月18日) 2020年8月26日閲覧。
(20)^ “北陸新幹線の浸水脱線車両、解体向け線路に戻す作業開始”. 朝日新聞. (2019年11月19日) 2020年8月26日閲覧。
(21)^ ジェー・アール・アール編﹃JR電車編成表﹄2021夏 交通新聞社、2021年、p.356-360。ISBN 9784330025216。
参考文献[編集]
- 日本鉄道車両機械技術協会『ROLLINGSTOCK&MACHINRY』
- 1998年3月号職場紹介「JR東日本長野新幹線運転所 - 最新技術で活力ある職場と安全安定した新幹線輸送を実現しよう - 」(JR東日本 長野新幹線運転所 前橋 秀昭)
- 2015年4月号特集北陸新幹線金沢延伸開業「長野新幹線車両センターの職場紹介」(JR東日本 長野支社長野新幹線車両センター 近藤 秀樹)
- 2015年5月号特集北陸新幹線金沢延伸開業「北陸新幹線延伸に伴う車両検修整備の概要 - JR東日本長野新幹線車両センター、えちごトキめき鉄道直江津車両基地 - 」(JR東日本 上信越工事事務所新潟工事区 八木 剛一ほか)