未成線
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未成線︵みせいせん︶とは、本来の意味においては鉄道路線において未だ完成していない路線のことを指す[1]。ただし、鉄道愛好家などの間では、完成を目指して建設工事が行われていたものの途中で工事が打ち切られた路線を指して用いられることもある[1]。廃線跡めぐりに類するものに未成線めぐりがある[1]。
概要[編集]
狭義の意味で鉄道関係者と一部の趣味人の間でのみ使われた言葉であり、さほど知られていなかったが、1990年代に宮脇俊三﹃鉄道廃線跡を歩く﹄シリーズなどの書籍で誤用して使用されたのを受けて、鉄道趣味人の間に認知されるようになった。
●鉄道事業者が敷設許可を受けていながら完成させていない路線︵本来の意味︶
●免許線と特許線 - この段階では何も施行されていない
●工施線︵工事施行認可線︶ - 工事の認可が下りた路線。用地買収や施行を始めた路線も含む
●かつて鉄道事業者が免許・特許を持っていながらも失効させ、かつ完成させていない路線
●政府、地方自治体や鉄道会社などが構想を立てながら免許や特許を受けるに至っていない構想路線
●却下線 - 申請を却下された路線
●構想路線 - 書面の上で検討されただけの路線[2]
●改正鉄道敷設法別表で定められ国や国鉄が建設されることが期待された予定線
●予定線 - 法律で定められた予定路線。後に追加されたものも含めて最終的に150線200区間に膨れあがる。
●予定線の中で日本鉄道建設公団の手で工事線として敷設されながらも実現しなかった公団線
●工事線 - 日本鉄道建設公団が工事をしている路線。後に日本国有鉄道清算事業団に継承された。勘違いされやすいが、これはあくまでも﹁公団線﹂であって国鉄や﹁国鉄線﹂とは無関係である。
1980年︵昭和55年︶に制定された日本国有鉄道経営再建促進特別措置法により全国各地で多くの工事が中止となったが、その後、第三セクター鉄道として開業した例もある。例えば、工事が長期間中止になっていた国鉄阿佐線︵阿佐西線︶を引き継いで建設を進め、2002年︵平成14年︶に開業した阿佐線︵ごめん・なはり線︶がその一例である。
このうち建設中に計画が中止された鉄道路線の場合、その建設地に買収済の用地や跨線橋・橋台などの遺構が残っていることがある︵中には根北線越川橋梁のように文化財指定を受けたものも存在する︶。道路に転用された場合でも鉄道路線独特の線形が保たれる場合が多い。そのため、廃線跡や廃墟と同様に、未成線跡を探訪する鉄道ファンも存在する。
未成線の例[編集]
構想段階[編集]
責任主体による机上計画が信頼できる情報源により確認されるが、具体的な事業の出願および認可︵請願、陳情に留まるものを除く︶や事業免許取得などが無く、構想のみに留まっているもの。