ストックホルム
表示
ストックホルム Stockholm ![]() | |||||
---|---|---|---|---|---|
![]() | |||||
| |||||
位置 | |||||
![]() ストックホルムの位置 | |||||
位置 | |||||
![]() | |||||
座標 : 北緯59度20分 東経18度3分 / 北緯59.333度 東経18.050度 | |||||
歴史 | |||||
成立 | 1252年 | ||||
行政 | |||||
国 | ![]() | ||||
地方 | ウップランド地方 | ||||
県 | ![]() | ||||
市 | ストックホルム | ||||
市長 | アンナ・ケーニグヤールミル[1][2] (穏健党) | ||||
地理 | |||||
面積 | |||||
市域 | 209 km2 (80.7 mi2) | ||||
市街地 | 377.30 km2 (145.7 mi2) | ||||
都市圏 | 6,519 km2 (2,517 mi2) | ||||
人口 | |||||
人口 | (2011年12月31日現在) | ||||
市域 | 871,952人 | ||||
人口密度 | 4,600人/km2(12,000人/mi2) | ||||
市街地 | 1,372,565人 | ||||
市街地人口密度 | 3,597人/km2(9,320人/mi2) | ||||
都市圏 | 2,119,760人 | ||||
都市圏人口密度 | 330人/km2(840人/mi2) | ||||
その他 | |||||
等時帯 | 中央ヨーロッパ時間 (UTC+1) | ||||
夏時間 | 中央ヨーロッパ夏時間 (UTC+2) | ||||
公式ウェブサイト : http://www.stockholm.se/ |
ストックホルム︵Stockholm
[stɔkːɔlm]︶は、スウェーデンの首都で、スウェーデン最大の都市である。北欧を代表する世界都市であり、2014年、アメリカのシンクタンクが公表したビジネス・人材・文化・政治などを対象とした総合的な世界都市ランキングにおいて、世界第33位の都市と評価された[3]。ストックホルム県︵Stockholms län︶に属す。2016年時点の市の人口は約92万人[4]。﹁水の都﹂、﹁北欧のヴェネツィア﹂ともいわれ、水の上に浮いているような都市景観をもつ。北欧で最大の人口を誇り、バルト海沿岸では、サンクトペテルブルクに次いで第2位。1912年に第5回夏季オリンピックが開催された。漢字表記は士篤恒, 須篤保留武.
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/89/Stockholm_panorama_1868.jpg/180px-Stockholm_panorama_1868.jpg)
1868年頃に熱気球から描かれたストックホルムの光景
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/20/Stockholm_Kungstr%C3%A4dg%C3%A5rden_%281890-1900%29.jpg/180px-Stockholm_Kungstr%C3%A4dg%C3%A5rden_%281890-1900%29.jpg)
1890–1900年頃のストックホルムの王立公園
13世紀の半ばにスウェーデン東部のメーラレン湖東にある小島スタツホルメン島に砦として築かれたのが最初である。1250年代に即位したとされるフォルクンガ王朝初代国王ビルイェル・ヤールによる。砦としてだけでなく、都市としての機能も形成されて行く。戦闘に備えて、島を囲むように丸太の柵が巡らされていた為に、﹁丸太の小島﹂と呼ばれるようになった。これはスウェーデン語で﹁ストックホルム﹂と言う。
都市は次第に拡大し、近郊の小島などに広がって行き、都市の名も﹁ストックホルム﹂として落ち着いた。都市の始まりとして築かれたスタツホルメン島は、﹁ガムラスタン︵旧市街︶﹂と呼ばれ、昔ながらの中世の建物が建ち並んでいる。
13世紀中葉以降、バルト海沿岸のハンザ同盟都市との交易で、成長。カルマル同盟下で、デンマーク王家にとって重要な都市となっていく。スウェーデンの都市は、他のヨーロッパの都市と比べると小規模で、ストックホルム以外の都市化は遅々として進んでいなかった。1520年、クリスチャン2世がストックホルムの血浴と呼ばれる独立派の処刑を行う。結果として、独立運動が高揚、1523年にスウェーデンは、グスタフ1世の下でスウェーデン王国として独立、その首都として人口が増加、1600年には1万人に達する。17世紀は、スウェーデンが列強の一つに成長した時期であり、ストックホルムの人口も1610年から1680年の間に6倍に膨れ上がった。しかし、他国のような人口爆発は、スウェーデンにおいては小規模にしか発生せず、都市と言えるような街は、他には海港イェーテボリ位しか無かった。スカンジナビアの諸都市と国内の諸都市を結ぶ交易を、ストックホルムが独占していく。1710年、この地でもペストが猛威を振るう。さらに大北方戦争の敗北で、都市の発展に翳りが見えたが、﹁自由の時代﹂を経てグスタフ3世の治世で文化面で﹁ロココの時代﹂を迎える。19世紀後半には、再び産業の中心都市として復興し、人口も移民の流入で増加する。ストックホルム生まれは市の人口の4割にも達せず、商業などを通じドイツ人やオランダ人などが大量に入植、ストックホルムの都市化が進んだ。この時期、カロリンスカ研究所など多くの研究機関・大学が創設された。
18世紀以降、ストックホルムは、直接戦火に巻き込まれなかったため、20世紀以降は、現代的な多民族都市へと成長、クララ地区など古い歴史的町並みは、現代建築に建て替えられていった。ストックホルムの人口は、現在も増加し続けているが、それは自然増ではなく、移民によって構築されている。最近になって移民が独自のコミュニティーを形成し始めている。
![sv-Stockholm.ogg](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8a/Loudspeaker.svg/12px-Loudspeaker.svg.png)
歴史
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/89/Stockholm_panorama_1868.jpg/180px-Stockholm_panorama_1868.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/20/Stockholm_Kungstr%C3%A4dg%C3%A5rden_%281890-1900%29.jpg/180px-Stockholm_Kungstr%C3%A4dg%C3%A5rden_%281890-1900%29.jpg)
経済
購買平価説に基づき、2020年のストックホルムの一人当たり実質国民総所得は80,120ドルと予測される[5][6]。 重化学工業は市内には事実上存在しない。市の雇用を吸収しているのはハイテク産業である。IT産業のセンターは市の北部に形成されている。 ストックホルム最大の企業(従業員数)は、ストックホルムに本社を置く移動体通信メーカーのエリクソンで、およそ8,500人を雇用している。 金融業も発展しており、2020年に英国のシンクタンクにより、ストックホルムは世界第28位の金融センターと評価されている[7]。地理
メーラレン湖がバルト海に達する場所に位置し、市の中心部はストックホルム諸島(Stockholm archipelago)を構成する島々の内、14の小島を含む。市の地勢上の中心はリッダー湾に沿っている。市の面積の30%は運河が占め、公園や緑地帯も30%を占めている。交通
●ストックホルム・アーランダ空港 ●ストックホルム・ブロンマ空港 ●国鉄 ●SL(Storstockholms Lokaltrafik) ●郊外電車(Pendeltåg) ●Bålsta - Kungsängen/Märsta- Sollentuna - Karlberg - Stockholm City (T-Centralen) - Älvsjö - Nynäshamn/ - Södertälje hamn - Gnesta/Södertälje Centrum ●Roslagsbanan ●Saltsjöbanan ●地下鉄(Tunnelbanan) ●﹁Röda linjen﹂︵赤線︶ - Mörby centrum - Tekniska Högskolan/Ropsten - Östermalmstorg - T-Centralen - Liljeholmen - Sätra - Norsborg/- Telefonplan - Fruängen ●﹁Gröna linjen﹂︵緑線︶- Hässelby strand - Alvik - T-Centralen - Gullmarsplan - Högdalen - Hagsätra/- Skärmarbrink - Skarpnäck/- Hökarängen - Farsta strand ●﹁Blå linjen﹂︵青線︶ - Akalla/Hjulsta - Västra skogen - T-Centralen - Kungsträdgården ●トラム(Spårvagnstrafik) ●Spårväg City ●Djurgårdslinjen ●Nockebybanan ●Lidingöbanan ●Tvärbanan ●ストックホルム中央駅 国際列車 ●バルト海クルーズ 国際航路 (シリヤライン、タリンク、ヴァイキングラインなど)気候
西岸海洋性気候に属するが、最寒月(2月)の平均気温は-3.0℃のため限りなく亜寒帯湿潤気候に近い。高緯度地方のため、1日の日照時間は夏の18時間から12月下旬の6時間まで差が激しい。メキシコ湾流の影響で、緯度の割には温暖で、年間の日照時間は、1,981時間に達する。年間の降水量は、539 mm。地球温暖化で近年は冬季の降雪がない年もある。Stockholm, 1961−1990の気候 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 11.0 (51.8) |
12.2 (54) |
17.8 (64) |
26.1 (79) |
29.0 (84.2) |
32.2 (90) |
36.0 (96.8) |
35.4 (95.7) |
27.9 (82.2) |
20.2 (68.4) |
14.0 (57.2) |
12.2 (54) |
36.0 (96.8) |
平均最高気温 °C (°F) | −0.7 (30.7) |
−0.6 (30.9) |
3.0 (37.4) |
8.6 (47.5) |
15.7 (60.3) |
20.7 (69.3) |
21.9 (71.4) |
20.4 (68.7) |
15.1 (59.2) |
9.9 (49.8) |
4.5 (40.1) |
1.1 (34) |
10.0 (50) |
日平均気温 °C (°F) | −2.8 (27) |
−3.0 (26.6) |
0.1 (32.2) |
4.6 (40.3) |
10.7 (51.3) |
15.6 (60.1) |
17.2 (63) |
16.2 (61.2) |
11.9 (53.4) |
7.5 (45.5) |
2.6 (36.7) |
−1.0 (30.2) |
6.6 (43.9) |
平均最低気温 °C (°F) | −5 (23) |
−5.3 (22.5) |
−2.7 (27.1) |
1.1 (34) |
6.3 (43.3) |
11.3 (52.3) |
13.4 (56.1) |
12.7 (54.9) |
9.0 (48.2) |
5.3 (41.5) |
0.7 (33.3) |
−3.2 (26.2) |
3.6 (38.5) |
最低気温記録 °C (°F) | −32 (−26) |
−30 (−22) |
−25.5 (−13.9) |
−22.0 (−7.6) |
−6.5 (20.3) |
0.0 (32) |
4.3 (39.7) |
2.0 (35.6) |
−3.5 (25.7) |
−9.0 (15.8) |
−18 (0) |
−22.5 (−8.5) |
−32.0 (−25.6) |
降水量 mm (inch) | 39 (1.54) |
27 (1.06) |
26 (1.02) |
30 (1.18) |
30 (1.18) |
45 (1.77) |
72 (2.83) |
66 (2.6) |
55 (2.17) |
50 (1.97) |
53 (2.09) |
46 (1.81) |
539 (21.22) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 10 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 10 | 10 | 10 | 9 | 11 | 10 | 105 |
平均月間日照時間 | 40 | 72 | 135 | 185 | 276 | 292 | 260 | 221 | 154 | 99 | 54 | 33 | 1,821 |
出典1:NOAA[8] | |||||||||||||
出典2:SMHI[9] |
治安
EU諸国では一般的に、大都市に住む人は人口の少ない地域に住む人の3倍もの問題を経験しているが、スウェーデンでは2倍以下である[10]。2021年の世界平和指数で、経済平和研究所が﹁犯罪動向と刑事司法制度の運用に関する国連研究﹂に基づき、意図的殺人の項目でスウェーデンを1.55︵5段階評価︶とし、日本の1.15より高いが、少なくともEUではフィンランドの1.8より低く、オランダの1.3やドイツの1.45やデンマークの1.5とほとんど変わらず、米国の2.75よりはるかに低い。暴力犯罪カテゴリーではレベル2︵1〜5段階︶、安全・安心への取り組み不足カテゴリーでは1.46を獲得した[11]。まとめると、暴力犯罪のカテゴリーレベル2であるスウェーデンの人口の少ない地域の2倍弱の治安問題を抱える大都市ストックホルムの治安状況は、日本より悪いがアメリカより良いということである。そして、それがEUの大都市の平均と同じであること[10]。
文化
ストックホルムを舞台にした作品
●シューヴァル&ヴァールー夫妻による﹁警部マルティン・ベックシリーズ﹂全10巻の舞台。初めから10作限定で、スウェーデン社会の10年を描くという構想で書かれたものであり、ストックホルムの町やその周辺の町のあちこちが登場する。 ●宮崎駿監督のアニメ﹁魔女の宅急便﹂の舞台となる街﹁コリコ﹂のモデルの1つである︵おもにモデルとなったのはゴットランド島のヴィスビー。他にポルトガルやアイルランドなども使われている︶。 ●佐々木譲による小説﹃ストックホルムの密使﹄︵日本冒険小説協会大賞受賞作︶ ●リンドグレーンによる﹃名探偵カッレくん﹄、﹃カッレくんの冒険﹄、﹃名探偵カッレとスパイ団﹄ストックホルム出身の人物
●ユーハン・ヘルミク・ルーマン ︵後期バロック音楽の作曲家︶ ●アルフレッド・ノーベル︵ダイナマイトの発明者︶建築
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/de/Katarina_kyrka_utsikt_Gamla_stan_2012a.jpg/220px-Katarina_kyrka_utsikt_Gamla_stan_2012a.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/bc/Kungliga_slottet_19_juni_2010.jpg/220px-Kungliga_slottet_19_juni_2010.jpg)
博物館
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/dd/Nationalmuseum_2012.jpg/220px-Nationalmuseum_2012.jpg)
劇場
●オペラ劇場(Kungliga Operan) ●スウェーデン王立歌劇場 ●スウェーデン王立バレエ団郊外
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/07/Drottningholm.jpg/220px-Drottningholm.jpg)
スポーツ
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/71/Zinkensdamms_IP_during_winter.jpg/220px-Zinkensdamms_IP_during_winter.jpg)
対外関係
姉妹都市
ストックホルムはどの都市とも正式に姉妹都市提携をしていないが、世界中の首都と協力関係にある。提携都市
ラパス(ボリビア多民族国 ラパス県)
サラエヴォ(ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦)
カリ(コロンビア共和国 バジェ・デル・カウカ県)
コペンハーゲン(デンマーク王国 首都地域)
タリン(エストニア共和国 ハリュ県)
トースハウン(デンマーク王国 フェロー諸島国 ストレイモイ島)
ヘルシンキ(フィンランド共和国 ウーシマー州 ウーシマー県)
アディスアベバ(エチオピア連邦民主共和国 アディスアベバ自治区)
ヌーク(デンマーク王国 グリーンランド国 セルメルソーク地区)
レイキャヴィーク(アイスランド共和国 大レイキャヴィーク地方)
バッサーノ・デル・グラッパ(イタリア共和国 ヴェネト州 ヴィチェンツァ県)
シラクサ(イタリア共和国 シチリア州 シラクーザ県)
リガ(ラトビア共和国 直轄市)
ヴィリニュス(リトアニア共和国 ズーキヤ地方 ヴィリニュス郡)
ポドゴリツァ(モンテネグロ国 首都地域)
ケミセット(モロッコ王国 ラバト・サレ・ケニトラ地方 ケミセット州)
アムステルダム(オランダ王国 北ホラント州)
サンクトペテルブルク(ロシア連邦 連邦市)
ティラナ(アルバニア共和国 ティラナ州 ティラナ県)
ベオグラード(セルビア共和国 特別市)
イスタンブール(トルコ共和国 イスタンブール県)
キエフ(ウクライナ共和国 特別市)
関連項目
脚注
(一)^ “市長の﹁ABBA﹂の歌届かず スウェーデン﹁8連敗﹂”. 朝日新聞DIGITAL (2019年6月25日). 2020年1月13日閲覧。
(二)^ “Political Organisation” (英語). City of Stockholm. 2020年1月13日閲覧。
(三)^ 2014 Global Cities Index and Emerging Cities Outlook (2014年4月公表)
(四)^ “Kvartal 1 2016”. web.archive.org (2016年8月9日). 2020年2月9日閲覧。
(五)^ “OECD Statistics”. stats.oecd.org. 2022年3月10日閲覧。
(六)^ “GNI per capita, PPP (current international $) | Data”. data.worldbank.org. 2022年3月10日閲覧。
(七)^ “GFCI 27 Rank - Long Finance”. www.longfinance.net. 2020年7月14日閲覧。
(八)^ “Stockholm Climate Normals 1961−1990”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2013年11月27日閲覧。
(九)^
“Sunshine Hours of Stockholm”. Sveriges Meteorologiska och Hydrologiska Institut. 2012年3月19日閲覧。
(十)^ ab“Fler upplever brottslighet och vandalisering i sitt bostadsområde” (スウェーデン語). Statistiska Centralbyrån. 2022年2月10日閲覧。
(11)^ “Global Peace Index Map » The Most & Least Peaceful Countries” (英語). Vision of Humanity. 2022年2月11日閲覧。
(12)^ Japanese Tea House Etnografiska Museet
(13)^ アルヴァ・アールト ヴィラ・マイレアと﹁床の間﹂ 金顯燮、SADI NEWS 29, THE SCANDINAVIAN ARCHITECTURE AND DESIGN INSTITUTE OF JAPAN 2008
外部リンク
- 公式
- 日本政府
- 観光
- Letsgo-sweden.com - ストックホルム スウェーデン大使館公認 観光情報サイト
- スウェーデン政府観光局 - ストックホルム