「ミニディスク」の版間の差分
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カーオーディオについては[[ISO 7736|1DIN]]規格のMDチューナー、各メーカー専用品(1DINカセット、CDチューナーなどと組み合わせて利用する方式)のMDプレーヤーは[[2010年代]]以降、2013年(平成25年)中頃に三菱電機が特定車種向け1DINCD/MDチューナーを、2014年(平成26年)内にパイオニアと三菱電機がそれぞれCD-RW対応1DINCD/MDメインユニットの生産・販売をそれぞれ終了したことで市場から姿を消した。一方2DIN規格の[[MP3]]対応CD/MDチューナーやUSBメモリーに対応した製品は2017年(平成29年)2月現在、パイオニアのFH-P530MD-B/-S(及び同機種の品番を変更した三菱自動車のディーラーオプション品)のみ生産・販売が継続されているが、それ以外のメーカーでは各自動車メーカーの標準装備品・メーカーオプションにディーラーオプション、社外品共に全て生産・販売が終了している。加え、AVカーナビゲーションの分野からも2005年(平成17年)以降MDは段階的に淘汰され、代わりにDVDビデオ、CD-Rや機種によってはDVD-R、[[SDカード]]、[[メモリースティック]]、[[USBメモリ]]に記録されたMP3などの再生機能がより充実するようになる。これらの再生機能はUSBを除くとMD時代にも一部存在していた。 |
カーオーディオについては[[ISO 7736|1DIN]]規格のMDチューナー、各メーカー専用品(1DINカセット、CDチューナーなどと組み合わせて利用する方式)のMDプレーヤーは[[2010年代]]以降、2013年(平成25年)中頃に三菱電機が特定車種向け1DINCD/MDチューナーを、2014年(平成26年)内にパイオニアと三菱電機がそれぞれCD-RW対応1DINCD/MDメインユニットの生産・販売をそれぞれ終了したことで市場から姿を消した。一方2DIN規格の[[MP3]]対応CD/MDチューナーやUSBメモリーに対応した製品は2017年(平成29年)2月現在、パイオニアのFH-P530MD-B/-S(及び同機種の品番を変更した三菱自動車のディーラーオプション品)のみ生産・販売が継続されているが、それ以外のメーカーでは各自動車メーカーの標準装備品・メーカーオプションにディーラーオプション、社外品共に全て生産・販売が終了している。加え、AVカーナビゲーションの分野からも2005年(平成17年)以降MDは段階的に淘汰され、代わりにDVDビデオ、CD-Rや機種によってはDVD-R、[[SDカード]]、[[メモリースティック]]、[[USBメモリ]]に記録されたMP3などの再生機能がより充実するようになる。これらの再生機能はUSBを除くとMD時代にも一部存在していた。 |
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このように、2019年︵令和元年︶9月現在は、据え置き型はTASCAMブランドを含む一部のティアック製CDプレーヤー/MDレコーダーのコンビネーションデッキを除き、MDに対応したミニコンポ並びにラジカセ型のパーソナルシステム、ポータブル機器、カーオーディオなどMD機器がほぼ全て生産終了となっており、ミニディスクという規格自体が事実上ほぼ終焉した状態である。ただし、現在流通している音声記録メディアでは[[CDレコーダー]]や[[DAT]]とともに、パソコンを使用せずにCDなどからの音源をデジタル録音できる数少ないメディアであるため、[[情報格差|パソコンやスマホを持たない、あるいは持っていても十分に使用することが困難なユーザー]]など、[[ニッチ市場|一部では未だに根強い需要がある]]。そのためミニディスクそのものは、スーパーマーケットなどでも大抵は5巻パックなどが揃っている場合が多い。ただし、ビクターアドバンストメディア︵Victorブランド︶製﹁MD-80RX5/MD-80RX10﹂とパナソニック︵AY-MD74D、2001年1月発売︶がそれぞれ生産・販売終了となった為、2018年︵平成30年︶10月現在の時点における国内メーカーでは唯一、ソニー︵MDW80T、2015年11月発売︶だけがディスクを生産・販売している状況である。その他の単品ディスクは[[大創産業]]からも発売しているが、徐々に取り扱う店舗が減ってきている。
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このように、2019年︵令和元年︶9月︵﹁平成﹂は4月で終了した︶現在は、据え置き型はTASCAMブランドを含む一部のティアック製CDプレーヤー/MDレコーダーのコンビネーションデッキを除き、MDに対応したミニコンポ並びにラジカセ型のパーソナルシステム、ポータブル機器、カーオーディオなどMD機器がほぼ全て生産終了となっており、ミニディスクという規格自体が事実上ほぼ終焉した状態である。ただし、現在流通している音声記録メディアでは[[CDレコーダー]]や[[DAT]]とともに、パソコンを使用せずにCDなどからの音源をデジタル録音できる数少ないメディアであるため、[[情報格差|パソコンやスマホを持たない、あるいは持っていても十分に使用することが困難なユーザー]]など、[[ニッチ市場|一部では未だに根強い需要がある]]。そのためミニディスクそのものは、スーパーマーケットなどでも大抵は5巻パックなどが揃っている場合が多い。ただし、ビクターアドバンストメディア︵Victorブランド︶製﹁MD-80RX5/MD-80RX10﹂とパナソニック︵AY-MD74D、2001年1月発売︶がそれぞれ生産・販売終了となった為、2018年︵平成30年︶10月現在の時点における国内メーカーでは唯一、ソニー︵MDW80T、2015年11月発売︶だけがディスクを生産・販売している状況である。その他の単品ディスクは[[大創産業]]からも発売しているが、徐々に取り扱う店舗が減ってきている。
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尚、普及当時は莫大なライセンス料の支払いという意味での敗者になることを避けるため、競合規格のDCC共々ソニー・[[フィリップス]]・松下電器産業(現:[[パナソニック]])の3社で共同ライセンスしていた<ref>{{Citation|和書 |
尚、普及当時は莫大なライセンス料の支払いという意味での敗者になることを避けるため、競合規格のDCC共々ソニー・[[フィリップス]]・松下電器産業(現:[[パナソニック]])の3社で共同ライセンスしていた<ref>{{Citation|和書 |
2020年5月29日 (金) 00:58時点における版
MiniDisc MD | |
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メディアの種類 | 光学ディスク (カートリッジ:あり) |
記録容量 | 60/74/80 分 |
コーデック | ATRAC |
回転速度 | 1.4 m/s (60 分) ほか |
策定 | ソニー |
主な用途 | 音声 |
ディスクの直径 | 64 mm |
大きさ | H 68 * W 72 * D 5 mm |
音楽MD
初期の音楽MDの規格書は "Rainbow Book"と呼ばれている。メディア
MDソフト
●1992年の発売当初から1998年にかけて、ソニーミュージックを筆頭に各社から順次MDソフトが発売されていたが、その後は発売タイトル数の減少や廃盤タイトルも出始めた。2001年までモーニング娘。の新譜は、CDと同時発売されていた。 ●CDと合わせて新譜発売していたソニーミュージック︵販売受託レーベルも含む︶以外のレーベルは人気作品のMD化が中心で、発売タイトルは少なかったもののメーカー合同による販促キャンペーンとして対象ソフトを購入するとスリーブケースが特典として貰える施策もあった。[1] ●ソニーに製造委託をしていたレーベル[2]からMDタイトルが多く発売されていたが、ライバルのDCC陣営の当時松下電器傘下のビクターとテイチクからもMDソフトが供給されていた。[3] ●1990年代後半ソニーマガジンズが発行していた﹃WHAT's IN?﹄の年末号に、MDソフトの総カタログが別冊付録として添付されていた。 ●タワーレコードやHMVでは、マイケル・ジャクソンやマライヤ・キャリー・セリーヌ・ディオンなどソニーミュージック所属アーティストのアメリカから輸入されたMDソフトも取り扱われており、日本盤MDとはケースの形態が異なっていた。[4] ●2019年現在、MDタイトルで最後に発売された作品は、2009年に発売された倉木麻衣の﹃ALL MY BEST﹄︵品番‥VNYM-9001-2︶である。製造設備の関係からか、再生専用の光ディスクではなく録音用光磁気ディスクを使用し、出荷時に誤消去防止用のツメを開けて固定した状態としていた。MDソフトを発売していたレーベル
●ソニー・ミュージックエンタテインメント︵以下SMEJ、現‥ソニー・ミュージックレーベルズ︶。 ●ソニー・ミュージックレコーズ。 ●EPIC・ソニー︵現‥エピックレコードジャパン︶。 ●キューンミュージック - 前身のキューン・ソニーレコード → キューンレコード時代。 ●アリオラジャパン - 前身のBMGビクター・ファンハウス時代。 ●日本コロムビア - 観月ありさやTHE YELLOW MONKEYらの一部作品をMD化。 ●ビクターエンタテインメント︵現‥JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント︶ - DCCソフトも発売。サザンオールスターズや小泉今日子などの一部タイトルをMD化。 ●テイチク︵現‥テイチクエンタテインメント︶ - DCCソフトも発売。PERSONZなど一部タイトルをMD化。 ●キングレコード - DCCソフトも発売。森口博子などの一部タイトルをMD化。 ●東芝EMI︵現‥ユニバーサル ミュージックLLC︶ - 初期に数作発売した以外は、早々と撤退。中原めいこなどの一部タイトルをMD化。 ●徳間ジャパンコミュニケーションズ - BOOWYの﹃INSTANT LOVE﹄をMD化。 ●ポニーキャニオン - 中島みゆき・工藤静香・前川清などのベストアルバムを中心とした展開。 ●フォーライフミュージックエンタテインメント - 1998年に販売委託先がポニーキャニオンからSMEJに移管したのに伴い、杏里等のタイトルをMD化。 ●エイベックス︵現‥エイベックス・エンタテインメント︶ - 1997年にglobeの2タイトルを発売したのみ。 ●ゼティマ︵現‥アップフロントワークス︶ - 1998年に販売委託先がワーナーミュージック・ジャパン︵ゼティマの前身にあたるワン・アップ・ミュージック時代のみ︶からSMEJに移管したのに伴い、森高千里やモーニング娘。の作品をMD化。 ●NORTHERN MUSIC(現‥ビーイング) - 倉木麻衣の﹃ALL MY BEST﹄1タイトルのみ。フォーマット
曲情報はTOC (Table Of Contents) 領域に書き込まれる。トラックの移動・分割・結合・消去といった編集を行うこともできる。最大255トラックまで作成できるが、条件次第ではもっと少ないトラック数しか作れないケースもある。音楽データ以外に曲名などの文字情報の記録や編集、録音日時の記録などが可能である。漢字対応のレコーダーも存在している。TOCは0から31までの32セクタが存在するが、実際に使用されているのは0から4までの5セクタのみである。 なおセクタ3は再生専用ディスクでのみ使用され、CDと同じようにディスクのバーコードやISRC︵International Standard Recording Code、曲ごとの固有データ︶が記録される。録音モード
録音モードにはステレオとモノラルの2種類がある。モノラル録音モードではディスク額面表記の2倍の長時間録音ができるため、会議やラジオ番組の録音などに利用される。どちらのモードで録音した場合も、ソニーが開発したATRAC (Adaptive Transform Acoustic Coding) 符号化方式で音声の非可逆圧縮が行われる。ビットレートは通常ステレオ録音時で292kbps、モノラル録音時で146kbpsであり、これにより記憶容量が小さいMDメディアでCDと同等の録音時間を実現している。 黎明︵最初︶期のMD機器での録音ではエラー制御に容量を割いていたため、音声記録には現在の半分しか割り当てられていなかった。そのため後継モデルのMDや先述の通りMDとほぼ同期に登場した競合規格のDCCに比較してあまり音質が良くなく、特にピュアオーディオファンからはネガティブイメージを持たれていた。 なおATRACはスケールファクタが独立しているため、録音後に音量の調整などが可能である。この特徴は一部機器が﹁S.F.エディット﹂機能として利用している。 また、MDLP対応機種ではディスク表示時間のおよそ2倍、4倍と録音が可能。編集
著作権保護
MD機器には、SCMSおよびHCMSによるコピー制限が適用される。詳細は各項目を参照。 据え置き型のMD機器にはMDドライブを2つ備えたものがあり、これらは2枚のミニディスク間でデジタルのまま音楽データの移動︵ムーブ︶を行えることが多い。いずれもSCMSによる制限内の機能である。 例として1998年にソニーから発売されたMDS-W1はMDからMDへの曲の移動のみの対応で、デジタルでのコピーはできず移動元の曲は消える仕組み︵アナログならばコピーは可能︶。また日本ビクター︵現・JVCケンウッド︶のダブルMDミニコンポはコピーが可能だが、機器内ではアナログ接続されている。シャープのダブル機器も全く同様でありMD倍速録音もCDからMDへの倍速録音ともども1999年8月にいち早く搭載していた。なおケンウッド︵現・JVCケンウッド︶のALLORAではCDを同時に2枚のMDにダビングできる機種も存在した。編集機能
MDは、録音後に編集が行える。アナログコンパクトカセットと違うのは、もう1台のデッキが要らないことである。 編集モードは曲をつなげるコンバイン (Combine)、曲を分けるディバイド (Divide)、曲順を入れ替えるムーブ (Move)、曲を消すイレース (Erase) の4つがある。なおイレースには、1曲を消すトラックイレース (Track Erase) と全内容を消すオールイレース (All Erase) がある。また、後述の文字入力も厳密には編集機能の1つである。またコンバインはつなげる曲どうしが同じ録音モードである必要がある。同じ録音モードであっても、アナログ録音されたトラックとデジタル録音されたトラックはコンバインできない機種もある。 コンバインについては日本ビクターではジョイン (Join) と呼ばれた。TOCを更新するタイミング
機器メーカー・個々の製品によって、TOCを更新するタイミングは異なる。 例として、同一ディスク上で任意の編集作業を数回行う場合に、すべての編集作業が終了してディスクをイジェクトする、あるいは電源を切る、MD搭載ワンボディシステム等ではソース切換を行う等の操作をすると、それまでメモリーに蓄積されていたTOC更新情報をまとめてディスクに書き込んで "Complete" 表示を行うものもあれば、一方、個々の編集を行うたびに逐一TOCを更新し "Complete" 表示を行う機種もある。 TOCの書き込み時間自体は数秒だが、書き込み中は実質的に操作不能でありユーザーにとっては待ち時間となるため、特に編集行程が多い場合、後者のシステムでは、前者よりも編集完了までに要する時間が長くなる傾向にある。 編集作業中は﹁編集作業の結果をメモリーに蓄積中だがディスクにはまだ書き込まれていない状態﹂を表す "TOC" 表示が目安となるが、例外もある。日本ビクターのMD搭載ワンボディシステムには "TOC" 表示部がなく、タイトル︵ディスク/トラック/グループ︶入力後のTOC更新情報に限り、即時書き込みされない。ティアックの製品には "TOC" 表示部は存在するものの、タイトル︵ディスク/トラック/グループ︶入力後のTOC更新情報については、ユーザーが能動的にディスクイジェクトする、あるいは別の編集作業を行いその更新情報と合わせて即時書き込みされるよう意図しない限り、ディスクに書き込まれない。"TOC" 表示部が点灯するのは実質的にタイトル関連の編集後だけである。また "TOC" 表示中に電源を切るとその直前の編集内容︵=未書込のタイトル︶が書き込まれないため、やり直す必要がある。︵非推奨ではあるが、意図的に"TOC" 表示中に電池を抜く・電源プラグを抜くといった電源供給を無くす行為をすると、ディスクには情報が書き込まれないため、イレースした曲をディスク上ではなかったことに出来る=曲を取り戻せる︶。クイック編集機能関連
ケンウッドのMD機器では、一時期クイックムーブ (Quick Move) とクイックイレース (Quick Erase) 機能があった。クイックムーブは20曲までの複数曲を1回の操作で移動できるモード、クイックイレースは1度の操作で複数曲を消去できるモードである。 普通のムーブやイレースでは、移動または消去により曲順と曲名がずれるが、このモードはそういった計算をしなくてすむため、便利だった。 シャープのMD機器にも同様の機能が搭載されており、それぞれプログラムムーブ (PRGM MOVE) 、プログラムイレース (PRGM ERASE) と呼称していた。文字入力
MDでは文字入力が可能である。これはコンパクトカセットでは不可能な機能であり、MDユーザーを増やした一因とも言われている。 MDには文字領域が2つあり、半角カタカナと英数字を記録するセクタ1と漢字やひらがなも入力可能なセクタ4がある。それぞれセクタ1はJIS X 0201で、セクタ4はシフトJISで記録される。セクタ1はほとんどの機器で扱えるが、最初期はカタカナを扱えない機種もあり、全盛期の機種でもチューナーがアナログ式の廉価MDシステムや一部のカーオーディオなど液晶や蛍光画面でドット表示が出来ない機種に存在した。アルファベット・カナ入力は当初は他の編集作業ともども本体でしか作業出来なかったが、1998年にリモコンで操作できる機能が付いたほか、キーボードそっくりなやや大きなリモコンがパナソニック︵この当時の社名は松下電器産業︶やアイワ︵現‥ソニーマーケティング︶から登場した。その後ソニーからは普通サイズのリモコンで携帯電話のようなテンキーに50音を割り振ったものが登場、さらに時間短縮にも貢献できる録音中文字入力も可能となりその後のMD機器のリモコンの定番機能となった。セクタ4は対応機器が限られる。 セクタ4の入力は1997年以降、コンポーネントステレオやシステムステレオの上級機種で対応した。漢字入力は、パナソニックの機種はデッキにPC/AT用のキーボードを接続して行った。ソニーのピクシー・システムステレオではPCのシリアルポート・USBに接続するデバイス﹁PCリンクキット﹂の付属ソフト﹃Media Communicator﹄︵NetMDの音楽転送機能を省いたもの︶上やタッチパネル式リモコンで入力したタイトル情報を転送する。ただし、コンポでは本体画面にセクタ1表示のみの機種が多い。2000年10月に発売されたMDデッキ搭載の﹁バイオMXシリーズ﹂では、PCリンクキット相当の機能が内蔵されている。NetMD・Hi-MD機種ではセクタ4の編集・タイトル表示が標準化されている。ポータブルMDでは、1999年8月にシャープから発売された﹁MT-832﹂に初めて、PCリンクと同等の﹁パソコン・ザウルス接続対応﹂と、﹁漢字表示対応リモコン﹂が装備された。パソコンにインストールするためのソフトはシャープから無料でダウンロードできた。ソニーでは2001年10月にMDウォークマン﹁MZ-E909﹂以降の再生専用上位機種やNetMD対応の録再機種が発売されるまでセクタ4表示機能がなかった。漢字表示自体は1997年9月以降のモデルで対応。 データ領域はそれぞれ2332バイトあるものの、一部領域がトラック管理などで利用されるため半角約1700文字、全角約800文字に制限される。なお、半角カタカナも約800文字に制限される。これは、カタカナは内部でローマ字入力されているためで、それと一緒にカタカナ開始・終了のコードを打ち込むことで、カタカナ対応機器ではカタカナに変換されて表示され、カタカナ非対応機種ではローマ字とコードが表示される。録音日時の記録
MDには録音日時を記録する機能もある。日時情報はセクタ2に記録される。セクタ2の対応機器は主に生録が可能なもの、特にポータブルMDレコーダーに多い。MDLP
2000年以降より導入されたMDLP (MiniDisc Long-Play mode) は従来の音楽MD規格に2倍、4倍の長時間録音モードを追加する上位規格である。 MDLPはメーカー・ユーザーのいずれからも歓迎され、登場から数年で、市場で従来型の音楽MD機器を置き換えた。現在では、MD機器には欠かせないモードとなっている。録音モード
追加録音モードはそれぞれLP2モード、LP4モードとよばれ従来のステレオモード︵MDLP対応機器ではSPあるいはSTモードと呼ばれる︶のそれぞれ2倍、4倍の時間、録音できる。モード名 | 符号化方式など | CH | 80分ディスク | 74分ディスク | 60分ディスク | 表記時間比 | 適した用途 |
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SP-STEREO | ATRAC 292kbps | ステレオ | 80分 | 74分 | 60分 | 1.0倍 | CDからの録音、音楽演奏の収音など |
SP-MONO | ATRAC 146kbps | モノラル | 160分 | 148分 | 120分 | 2.0倍 | モノラル音源(ナレーション等)の録音など |
LP2 | ATRAC3 132kbps | ステレオ | 160分 | 148分 | 120分 | 2.0倍 | 楽器の練習など |
LP4 | ATRAC3 66kbps | ステレオ | 320分 | 296分 | 240分 | 4.0倍 | 会議やラジオの録音など |
互換性
MDLP規格で録音されたディスクはMDLP非対応機器でも認識が可能で、そのうちSPモードで記録されたトラックは正常に再生できる。ただし、LP2・LP4モードで記録したトラックを再生すると曲名欄の先頭に﹁LP:﹂と表示され、音声が流れない。なお、録音機の設定によりトラック名に﹁LP:﹂を付加せずに記録されたトラックの再生時には﹁LP:﹂の表示もされない。 一方、MDLP対応機器は従来型音楽MDとの上位互換性を確保しているため、従来機器で記録されたディスク・トラックの再生及びSPモードでの録音が問題なく行える。なお曲名欄の先頭に﹁LP:﹂を付加して記録されたトラックを再生した場合は、﹁LP:﹂は表示されない。 このように、MDLPは従来仕様との互換性が比較的高いのが特徴である。これはMDLPが録音モードの追加を目的としているため、ディスク・ファイルフォーマットなどが従来のまま引き継がれたことが大きい。しかしこのことで、ディスクあたりに記録できるトラック数は最大255トラックまで、および入力できる文字数は最大半角約1700文字・全角約800文字という従来の制約も引き継いだ。そのため、使用法によっては、残記録可能時間に余裕があるのに録音できない、条件次第では全曲に曲名をつけられないなど、せっかくの長時間録音を活かせない。 LP4で長時間録音したタイトルをディバイド︵分割︶する時は、MDLP非対応機種でディバイドした方が早い。LP4で録音したタイトルをMDLP非対応機種にかけると音は出ないが時間表示は半分で表示されディバイドなどは可能なため、非対応機種で30分ごとでディバイドしたのを対応機種にかけると1時間ごとにディバイドされている。早送りに必要な時間が半分になるのでMDLP対応機種でやるより短時間で済む。これは、ラジオ番組などをLP4で5時間録音したのを手早くディバイドする時に有効な手段である。ただし、音が流れないため分割ポイントの確認はできない。 MDLP録音したタイトルを、SONYのW1にてディスク間ムーブで他のMDに移動すると、モノラル録音の無音タイトルになる。グループ機能
2001年にはMDLPグループという、ディスク内の各曲を幾つかのグループに振り分けることで簡易的なフォルダ分けを行う機能が登場した。これは、前年のMDLPの導入で1ディスクあたりの録音可能曲数が増えたことがトラックの閲覧性の低下を招いており、グループ機能の導入はこの問題に対する解決策となった。 なお、この機能には以下のような制約がある。 ●作成できるグループの数は最大で99である。各グループ名の長さによってはこれより短くなることもある。 ●複数の曲をひとつのグループに入れる場合、それらのトラック番号は必ず連続していなければならない。もし散在している場合はグループ化する前にトラックの並べ替えを行い、連番に直す必要がある。 ●グループ非対応機ではグループ機能は利用できず、ディスクタイトルに管理用の文字列がそのまま表示される。 実際に記録されるグループ情報は、従来から存在するディスクタイトル領域に一定の書式に従って入力された文字列である。したがって、グループ機能に対応していないレコーダーでもタイトル入力機能があれば手動でグループ情報を入力することができる。 グループ機能の書式の例 0;WikiMD//1-5;J_Pops//6-11;World// この例の場合、ディスクタイトルはWikiMDとなり1曲目から5曲目までがJ_Popsグループ、6曲目から11曲目までがWorldグループに振り分けられる。Net MD
Hi-MD
メディアとフォーマット
Hi-MD AUDIO
録音モード
Hi-MD AUDIOでは多くの録音モードがサポートされ、幅広い用途に対応できるようになった。しかし録音操作の複雑化を避けるためか録音モードの多くはPCからの転送のみの扱いであり、Hi-MD機器本体のみで録音できるモードは3モードに絞られている。 また、MD創生期から利用されていたATRACの両モード (292kbps、146kbps) は廃止となった。このため、Hi-MD機器でこれらのモードを利用したい場合には従来フォーマットでディスクを使う必要がある。 Hi-MD AUDIOが対応する録音モードは以下のとおり。モード名 | 符号化方式など | 録音手段 | 1GBディスク | 80分ディスク | 74分ディスク | 60分ディスク | 備考 |
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PCM | リニアPCM 1.4Mbps | 本体・PC | 約1時間34分 | 約28分 | 約26分 | 約21分 | MD初の無圧縮モード。 |
Hi-SP | ATRAC3plus 256kbps | 本体・PC | 約7時間55分 | 約2時間20分 | 約2時間10分 | 約1時間45分 | |
Hi-LP | ATRAC3plus 64kbps | 本体・PC | 約34時間00分 | 約10時間10分 | 約9時間25分 | 約7時間40分 | |
名称なし | ATRAC3plus 48kbps | PCのみ | 約45時間00分 | 約13時間30分 | 約12時間30分 | 約1時間45分 | |
(旧・LP2) | ATRAC3 132kbps | PCのみ | 約16時間30分 | 約4時間50分 | 約4時間30分 | 約3時間40分 | |
名称なし | ATRAC3 105kbps | PCのみ | 約20時間50分 | 約6時間10分 | 約5時間40分 | 約4時間40分 | |
(旧・LP4) | ATRAC3 66kbps | PCのみ | 約32時間50分 | 約9時間50分 | 約9時間00分 | 約7時間20分 | |
名称なし | MP3 128kbps | PCのみ | 約17時間00分 | 約5時間00分 | 約4時間30分 | MP3対応機種のみ再生可能。 これ以外にも多くのレートが利用できる。 |