コンテンツにスキップ

二条院讃岐

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。すたすた坊主 (会話 | 投稿記録) による 2011年12月3日 (土) 17:26個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (wikify)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。


1141 - 12175
 - 


1190





   世にふるは苦しきものを槙の屋にやすくも過ぐる初時雨かな

[* 1]

綿使[1][2]  
   まぱらなる槙の板屋に音はして漏らぬ時雨や木の葉なるらん - 藤原俊成『千載集』
   さゆる夜の槙の板屋のひとり寝に心くだけと霰ふるなり - 九条良経『千載集』


   世々ふるもさらに時雨のやどり哉 - 後村上院
   雲はなほ定めある世のしぐれかな - 心敬
   世にふるもさらに時雨のやどりかな - 宗祇
   時雨の身いはゞ髭ある宗祇かな - 素堂
   世にふるも更に宗祇のやどり哉 - 芭蕉
   世にふるもさらに祇空のやどりかな - 淡々
   世にふるはさらにはせをの時雨哉 - 井上士朗
   時雨るゝや吾も古人の夜に似たる - 蕪村

作品

勅撰集
歌集名 作者名表記 歌数 歌集名 作者名表記 歌数 歌集名 作者名表記 歌数
千載和歌集 二条院讃岐  3 新古今和歌集 二条院讃岐 16 新勅撰和歌集 二条院讃岐 12
続後撰和歌集 二条院讃岐  3 続古今和歌集 二条院讃岐  6 続拾遺和歌集 二条院讃岐  2
新後撰和歌集 二条院讃岐  3 玉葉和歌集 二条院讃岐  8 続千載和歌集 二条院讃岐  4
続後拾遺和歌集 二条院讃岐  3 風雅和歌集 新千載和歌集
新拾遺和歌集 二条院讃岐  3 新後拾遺和歌集 二条院讃岐  1 新続古今和歌集 二条院讃岐  3
百首歌・歌合
名称 時期 備考
民部卿家歌合 1195年(建久6年)3月3日
正治初度百首 1200年(正治2年)
新宮撰歌合 1201年(建仁元年)3月
千五百番歌合 1202年(建仁2年)
内裏百番歌合 1216年(建保4年)
私家集
  • 『二条院讃岐集』

百人一首

  • 92番

  寄石恋といへる心を                  二条院讃岐
わか袖は塩干に見えぬ沖の石の 人こそしらねかはくまもなき

— 『千載和歌集』 巻第十二 恋歌二

「沖の石の讃岐」はこの歌[3]によりつけられた異名である。

脚注

注釈

  1. ^ 歌意は「世の中を、人と関わり合いながら生きてゆくのは、苦しいものだわ。そんな思いで冬の夜を過ごしていたら、槙で葺いた屋根を叩いて初時雨が通り過ぎていった。辛い思いをしている人の家の上を、なんとまあやすやすと過ぎてゆく雨だこと。」という意味である。

出典

  1. ^ 『岩波古典大系』の注
  2. ^ 水垣久『千人万首』より
  3. ^ 『千載和歌集』 巻第十二 恋歌二 00759