北条時敬

日本の政治家北条時敬ほうじょうときゆき
生年月日	1858年5月6日（安政5年3月23日）
出生地	加賀国金沢（現・石川県金沢市）
没年月日	1929年4月27日（70歳没）
出身校	東京大学理学部
所属政党	同和会
称号	正三位勲二等
貴族院議員
選挙区	（勅選議員）
在任期間	1920年6月2日 - 1929年4月27日
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北条時敬
北條時敬

北条時敬︵ほうじょうときゆき、1858年 5月6日︵安政5年3月23日︶ - 1929年︵昭和4年︶4月27日︶は明治時代から大正時代にかけての日本の教育者。号は廓堂。旧制山口高等学校、旧制第四高等学校、広島高等師範学校校長、東北帝国大学総長、学習院長、貴族院議員を歴任した。

経歴[編集]

加賀国金沢︵現・石川県金沢市池田町︶に金沢藩士の次男として生まれる。幼名は粂次郎︵くめじろう︶。鎌倉北条氏の末裔と称する。石川県専門学校の教師を経て、山口高等学校、第四高等学校、広島高等師範学校の各校長を歴任の後、東北帝国大学総長、学習院長に就任。大正9年︵1920年︶には宮中顧問官になり、貴族院議員にも選出された。昭和4年︵1929年︶4月27日、肝臓癌で死去。享年71。

エピソード[編集]

●石川県専門学校で、当時学生だった西田幾多郎を教え、彼の才能を見込んで数学者になるよう強く勧めた。結局西田はこれを断ったものの、その後も恩師として慕われ、両者の良好な関係は続いた。木村榮も同校での教え子。 ●ボーイスカウト運動の日本への普及にも功績があり、明治41年︵1908年︶の万国道徳教育会議︵ロンドン︶に日本代表として参加する際に牧野伸顕文部大臣から、英国のボーイスカウト運動を研究してくるよう委嘱され、スカウト運動に関する参考文献やスカウトの制服などを日本へ持ち帰った。 ●一刀正伝無刀流剣道の理念に賛意を表し、赴任先の学校の剣道部に一刀正伝無刀流の剣道家を師範として招聘した。第四高等学校 (旧制)に石川龍三を、広島高等師範学校に中島春海、香川善治郎及び藤里新吉を、東北帝国大学に柳多元治郎を迎えた。 ●東北帝国大学総長として前任の澤柳政太郎が打ち出した門戸開放路線を継承し、1913年︵大正2年︶の入学試験で3人の女子に入学許可を出した^[2]。この3人は日本初の女子大学生となり、入学許可が官報に掲載された8月21日は後に女子大生の日となった^[3]。

略歴[編集]

●明治18年︵1885年︶:東京帝国大学理学部数学科卒業し、石川県専門学校︵後の第四高等学校︶の教師となる ●明治21年︵1888年︶:東京帝国大学大学院に入学 ●明治24年︵1891年︶:第一高等中学校教諭 ●明治27年︵1894年︶:山口高等学校教頭 ●明治29年︵1896年︶:同校第二代校長︵山口高等中学校以来第三代︶ ●明治31年︵1898年︶:金沢の第四高等学校第三代校長︵第四高等中学校以来第五代︶ ●明治35年︵1902年︶:広島高等師範学校初代校長 ●明治41年︵1908年︶:ロンドンでの万国道徳教育会議に出席。イギリスのボーイスカウト運動を調査し日本に紹介 ●大正2年︵1913年︶5月9日^[4]:東北帝国大学総長 ●大正6年︵1917年︶:学習院長 ●大正9年︵1920年︶:宮中顧問官貴族院議員に選ばれる ●昭和4年︵1929年︶:肝臓がんにより死去

親族[編集]

●娘婿に丸山鶴吉、草鹿任一

栄典[編集]

北条時敬

位階 ●1891年︵明治24年︶12月21日 - 従七位^[5] ●1909年︵明治42年︶9月20日 - 従四位^[6] ●1914年︵大正3年︶10月20日 - 正四位^[7] 勲章等 ●1904年︵明治37年︶12月27日 - 勲五等瑞宝章^[8] ●1906年︵明治39年︶6月30日 - 勲四等瑞宝章^[9] ●1910年︵明治43年︶6月24日 - 勲三等瑞宝章^[10] ●1915年︵大正4年︶11月10日 - 大礼記念章^[11] ●1919年︵大正8年︶5月24日 - 旭日重光章^[12]

著作[編集]

●﹃廓堂片影﹄西田幾多郎編、教育研究会、1931年6月編書 ●﹃蒼竜窟年譜﹄大倉保五郎、1894年4月

脚注[編集]

(一)^ ﹃官報﹄第2350号、大正9年6月3日。 (二)^ 冨士原雅弘﹁旧制大学における女性受講者の受容とその展開 : 戦前大学教育の一側面﹂﹃教育學雑誌﹄第32巻、日本大学教育学会、1998年、76-91頁、doi:10.20554/nihondaigakukyouikugakkai.32.0_76、ISSN 0288-4038、NAID 110009898967。 (三)^ “﹁女子大生の日﹂は8月21日東北大が16日説を修正”. 河北新報 (2020年8月5日). 2020年8月16日閲覧。 (四)^ ﹃官報﹄第232号、大正2年5月10日。 (五)^ ﹃官報﹄第2545号﹁叙任及辞令﹂1891年12月22日。 (六)^ ﹃官報﹄第7874号﹁叙任及辞令﹂1909年9月21日。 (七)^ ﹃官報﹄第667号﹁叙任及辞令﹂1914年10月21日。 (八)^ ﹃官報﹄第6450号﹁叙任及辞令﹂1904年12月28日。 (九)^ ﹃官報﹄第6902号﹁叙任及辞令﹂1906年7月3日。 (十)^ ﹃官報﹄第8105号﹁叙任及辞令﹂1910年6月29日。 (11)^ ﹃官報﹄第1310号・付録﹁辞令﹂1916年12月13日。 (12)^ ﹃官報﹄第2041号﹁叙任及辞令﹂1919年5月26日。

外部リンク[編集]

帝国議会会議録検索システム - 国立国会図書館
旧制武蔵高等学校創立者文献目録北条時敬人物文献目録 - ウェイバックマシン（2019年2月25日アーカイブ分） - 武蔵学園記念室支援サイト
石川県関係人物文献検索 - 石川県立図書館
文庫・コレクション紹介 - 金沢大学附属図書館
東北大学関係写真データベース - 東北大学史料館
近代日本人の肖像北条時敬 - 国立国会図書館

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脚注[編集]

関連文献[編集]

関連項目[編集]

関連人物[編集]

外部リンク[編集]