いすゞ・エルガ
いすゞ・エルガ
QRG-LV290Q1 東京モーターショー2015展示車
概要[編集]
登場時[編集]
メーカー標準仕様﹁ERGA-VP﹂の設定[編集]
2002年にコスト削減を目的として、メーカー標準仕様である﹁ERGA-VP﹂が設定された。﹁ERGA VALUABLE PACKAGE﹂の略で、どの運行事業者でも使いやすいように仕様を統一し、部品の共通化を図ることでコスト削減を行い、排出ガス規制強化に伴うコスト増大の影響を最小限にとどめることを目的としている。 これに伴い、リーフサスペンション車の製造が中止となったほか、ツーステップ路線バスは標準ラインアップからは除外されオプション扱いとなったため、カタログ上にも記載されなくなった。ツーステップ路線バスに関しては、後に交通バリアフリー法の制定に伴い、高速路線用や山岳路線用などを除き、原則として低床バスの購入を事業者側に対し義務付けることを見越してのものとされる。いすゞバス製造からジェイ・バスへ[編集]
モデルチェンジ[編集]
2015年に入り日野自動車とともにモデルチェンジが実施され、エルガは2代目となった。︵日野では同時にブルーリボン︵2代目︶に改称︶ MTの廃止とノンステップバスへの統一、エンジンの直列4気筒化が最大の特徴といえる。 自家用ツーステップ・CNGならびにハイブリッドはモデルチェンジ後も旧モデルのまま併売されていたが、これらは2017年までにすべて発売終了している。 なお、現在は自家用仕様として現行エルガのトップドアノンステップが発売されている[3]。エルガ︵ディーゼル車︶[編集]
初代・2代目とも型式はLV系を名乗っている。初代[編集]
初代の車種に関しては、ノンステップtype-A︵部分超低床車︶・ワンステップバス・ツーステップバスは型式名称が同一である一方、ノンステップバスtype-B︵フルフラット超低床車︶に関しては大きく異なるので、前者を先に掲載し、後者に関しては別記とする。ツーステップバス/ワンステップバス/前中ノンステップバス︵type-A︶[編集]
KL-LV280/380系[編集]
エルガ ワンステップ KL-LV280L1 国際興業バス 2000年6月20日発売[4]、長期規制︵平成11年排出ガス規制︶適合車。前述のように路線バスとしては、ノンステップバス (type-A) ・ワンステップバス・ツーステップバスが設定され、自家用バスも製造された。型式はエアサス車がKL-LV280系、リーフサス車がKL-LV380系である。 エンジンは路線バスでは珍しいキュービックKC-代のV型8気筒の8PE1型で、キュービックと同型︵出力は177 kW(240 PS)および210 kW (285 PS)を搭載するが、トルク値が変更された。変速機はOD付き5速マニュアルシフト (ACT) が標準設定された[注釈 1]。屋上の冷房装置はゼクセルが標準、デンソーがオプションとなる。 エアサスペンションを標準仕様とし、リーフサスはオプション仕様︵ノンステップには未設定︶であった[5][6]。ニーリング機構は、ノンステップ[2]では標準装備、エアサスツーステップ[5]とエアサスワンステップ[6]はオプションとなっている。 ワンステップバス・ツーステップバスに関しては3種類の尺がある一方、ノンステップバスは床下の骨格構造が異なる関係上、L・Nの2種類のみである。WB 5.8 mのQ尺車︵LV280Q1︶の納入事業者は、新潟交通・じょうてつ・東京ベイシティ交通・奈良交通・国際興業バスなど数えるほどしかない。ツーステップ路線車の実際の納入事業者は多くはないものの、他メーカーと異なりいすゞでは標準仕様の一つとしてラインナップしており[5]、前後扉仕様も標準設定されている[5]。 その他、中国ジェイアールバスがクレアライン等の近距離高速路線︵社内では﹁準高速バス﹂と称する︶用として﹁SE︵Semi Express‥準高速︶仕様﹂を導入した。準高速仕様車はカタログ上では前扉のみを装備したツーステップバスとなっているが、国際興業バスや南海バスなど、一部の事業者には前中扉・ワンステップ仕様の車両も存在する。 日野自動車へのOEM供給は2004年8月に開始され、日野側に存在しなかった前中ノンステップバス︵部分超低床車︶であるKL-KV280系がブルーリボンIIとして供給された。ステアリングホイールや車体の内外装に記載されているメーカーロゴ以外は、KL-LV280系とほぼ同一仕様となっており、外観からの識別は非常に困難である。 リーフサスのKL-LV380系は、2000年から2001年までとごく短期間の製造期間にとどまった[7]。2000年代は路線バスでもバリアフリー対応が進み、ノンステップバスが床を下げ乗降を容易にするニーリング機構とセットで普及していった時期であり、エルガもそうした時代を担うモデルとして登場した車種であった[7]。しかし収容力や道路事情の面でワンステップ車を求める事業者では導入コストの安いリーフサスへの需要も残り[7]、相鉄バス[注釈 2]、京成バス[注釈 3]、立川バス[注釈 4]、箱根登山バスでは、リーフサスのKL-LV380L1を導入していた[7]。これらの事業者でもノンステップ・エアサスのエルガと並行導入する場合が多かった[7]。 エアサスのKL-LV280系は、PJ-LV234系の発売後も、2005年8月31日まで販売されていた。 型式は以下のとおり。ノンステップバスはエアサスのみ。WB 4.8 m | WB 5.3 m | WB 5.8 m | |
---|---|---|---|
エアサスワンステップ エアサスツーステップ |
KL-LV280L1 | KL-LV280N1 | KL-LV280Q1 |
リーフサスワンステップ リーフサスツーステップ |
KL-LV380L1 | KL-LV380N1 | KL-LV380Q1 |
エアサスノンステップ |
KL-LV280L1改 | KL-LV280N1改 |
PJ-LV234系[編集]
WB 4.8 m | WB 5.3 m | WB 5.8 m | |
---|---|---|---|
ノンステップ | PJ-LV234L1 | PJ-LV234N1 | |
ワンステップ ツーステップ |
PJ-LV234L1 | PJ-LV234N1 | PJ-LV234Q1 |
-
ワンステップバス(高速仕様)
PJ-LV234Q1
国際興業バス
PKG-/PDG-LV234系[編集]
WB 4.8 m | WB 5.3 m | WB 5.8 m | |
---|---|---|---|
ノンステップ | PKG-LV234L2 PDG-LV234L2 |
PKG-LV234N2 PDG-LV234N2 |
|
ワンステップ ツーステップ |
PKG-LV234L2 PDG-LV234L2 |
PKG-LV234N2 PDG-LV234N2 |
PKG-LV234Q2 PDG-LV234Q2 |
-
ツーステップバス(高速仕様)
PKG-LV234Q2
芸陽バス
LKG-/LDG-LV234系[編集]
WB 4.8 m | WB 5.3 m | WB 5.8 m | |
---|---|---|---|
ノンステップ | LKG-LV234L3 LDG-LV234L3 |
LKG-LV234N3 LDG-LV234N3 |
|
ワンステップ ツーステップ |
LKG-LV234L3 LDG-LV234L3 |
LKG-LV234N3 LDG-LV234N3 |
LKG-LV234Q3 LDG-LV234Q3 |
QPG-/QKG-/QDG-LV234系[編集]
WB 4.8 m | WB 5.3 m | WB 5.8 m | |
---|---|---|---|
ノンステップ | QPG-LV234L3 QKG-LV234L3 QDG-LV234L3 |
QPG-LV234N3 QKG-LV234N3 QDG-LV234N3 |
|
ワンステップ ツーステップ |
QPG-LV234L3 QKG-LV234L3 QDG-LV234L3 |
QPG-LV234N3 QKG-LV234N3 QDG-LV234N3 |
QPG-LV234Q3 QKG-LV234Q3 QDG-LV234Q3 |
フルノンステップバス(type-B)[編集]
WB 4.8 m | WB 5.3 m |
---|---|
KL-LV834L1 | KL-LV834N1 |
-
KL-LV834N1
遠州鉄道
2代目[編集]
QRG-/QPG-/QKG-/QDG-LV290*1[編集]
エルガ QDG-LV290N1 神姫バス 2015年8月18日発売。新たに2ステージターボ付きの直列4気筒、排気量5.2 Lの4HK1-TCS型エンジン (184 kW (250 PS)) を搭載し、トランスミッションは6速AMTと6速AT︵アリソン製︶が設定され、14t以上のAMT車が平成27年燃費基準+10 %を達成した。 型式は以下の通り。AMT・ATとも上段は14t超、下段は12 t超14 t以下に分類されている。WB 5.3 m (10.43 m) | WB 6.0 m (11.13 m) | |
---|---|---|
AMT | QRG-LV290N1 QKG-LV290N1 |
QRG-LV290Q1 QKG-LV290Q1 |
AT | QPG-LV290N1 QDG-LV290N1 |
QPG-LV290Q1 QDG-LV290Q1 |
重量車燃費基準ランク
- QRG-:+10 %達成
- QPG-:+5 %達成
- QKG-:達成
- QDG-:非達成
-
QPG-LV290Q1
西日本ジェイアールバス -
QKG-LV290N1
関東自動車 (栃木県) -
QDG-LV290N1
東野交通(復刻カラー) -
MZW6型機械式オートマチックトランスミッション(オプションの永久磁石式リターダ装着状態)
-
4HK1-TCSエンジン
-
AMT車の運転席
-
客室
2TG-/2PG-/2KG-/2DG-LV290*2[編集]
WB 5.3 m (10.43 m) | WB 6.0 m (11.13m) | |
---|---|---|
AMT | 2TG-LV290N2 2KG-LV290N2 |
2TG-LV290Q2 2KG-LV290Q2 |
AT | 2PG-LV290N2 2DG-LV290N2 |
2PG-LV290Q2 2DG-LV290Q2 |
重量車燃費基準ランク
- 2TG-:+15 %達成
- 2PG-:+5 %達成
- 2KG-:達成
- 2DG-:非達成
2TG-/2PG-/2KG-/2DG-LV290*3[編集]
2019年6月11日、マイナーチェンジを行い新発売[21]。型式はLV290*3となる[21]。 ドライバー異常時対応システム (EDSS) を全車標準装備した[21]。ストップランプとテールランプにLEDを採用し、EDSS作動時には点滅して周囲に異常を知らせる[21]。また、アクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏むとエンジン出力を制御してブレーキ操作を優先する﹁ブレーキ・オーバーライド・アクセラレーター (BOA) ﹂を全車標準搭載した[21]。そのほか、AMTの性能向上、排出ガス性能に関わる装置の故障診断要件強化︵高度OBD︶対応といった改良が行われている[21]。 型式は以下の通り。AMT・ATとも上段は14 t超、下段は12 t超14 t以下に分類されている。WB 5.3 m (10.43 m) | WB 6.0 m (11.13m) | |
---|---|---|
AMT | 2TG-LV290N3 2KG-LV290N3 |
2TG-LV290Q3 2KG-LV290Q3 |
AT | 2PG-LV290N3 2DG-LV290N3 |
2PG-LV290Q3 2DG-LV290Q3 |
2TG-/2RG-/2KG-LV290*3[編集]
WB5.3 m (10.43 m) | WB6.0 m (11.13 m) | |
---|---|---|
AMT | 2TG-LV290N3 2KG-LV290N3 |
2TG-LV290Q3 2KG-LV290Q3 |
AT | 2RG-LV290N3 2KG-LV290N3 |
2RG-LV290Q3 2KG-LV290Q3 |
-
2KG-LV290N3
和歌山バス
2TG-/2RG-/2KG-LV290*4(現行車種)[編集]
WB5.3 m (10.43 m) | WB6.0 m (11.13 m) | |
---|---|---|
AMT | 2TG-LV290N4 2KG-LV290N4 |
2TG-LV290Q4 2KG-LV290Q4 |
AT | 2RG-LV290N4 2KG-LV290N4 |
2RG-LV290Q4 2KG-LV290Q4 |
エルガ(CNG車)[編集]
KL-LV834*1改[編集]
WB 4.8 m | WB 5.3 m |
---|---|
KL-LV834L1改 | KL-LV834N1改 |
-
CNGノンステップバス(type-B)
KL-LV834L1改
東京都交通局
KL-LV280*1改[編集]
WB 4.8 m | WB 5.3 m |
---|---|
KL-LV280L1改 | KL-LV280N1改 |
-
CNGノンステップバス(type-A)
KL-LV280L1改
横浜市交通局
PJ-LV234*1改[編集]
WB 4.8 m | WB 5.3 m |
---|---|
PJ-LV234L1改 | PJ-LV234N1改 |
PDG-LV234*2改[編集]
ディーゼル車(PKG/PDG-LV234系)に遅れること2007年11月30日に新長期規制(平成17年排出ガス規制)に適合。エンジンは新開発された直列6気筒エンジンの6HF1-TCS型 (180 kW (245 PS)) を搭載し、トランスミッションはアリソン製5速トルコンATのみ。エルガのCNG車としてはKL-LV834*1改以来久々に直列6気筒・トルコンATの設定となった。直列燃料システムMPI(マルチポイントインジェクション)の採用やPMを全く排出しない点、CNG車で初めてアイドリングストップシステムを標準搭載したことが特徴である。外観も同世代のディーゼル車に近いものとなった。
型式は以下の通り。
WB 4.8 m | WB 5.3 m |
---|---|
PDG-LV234L2改 | PDG-LV234N2改 |
-
CNGノンステップバス(type-A)
PDG-LV234L2改
東武バスセントラル
LDG-LV234*3改[編集]
ディーゼル車(LKG-/LDG-LV234系)に遅れること2010年10月5日に発売開始。エンジンの変更はなく引き続き6HF1-TCS型 (180 kW (245 PS))だが、ディーゼル車のポスト新長期規制に相当する「圧縮天然ガス自動車の排出ガス技術指針(2008)」に適合しているほか、トランスミッションは引き続きアリソン製トルコンATを採用するが6速化された。車内外の基本的な仕様も同世代のディーゼル車と同等のマイナーチェンジが施された。
型式は以下の通り。
WB 4.8 m | WB 5.3 m |
---|---|
LDG-LV234L3改 | LDG-LV234N3改 |
-
CNGノンステップバス(type-A)
LDG-LV234L3改
横浜市交通局
QDG-LV234*3改[編集]
WB 4.8 m | WB 5.3 m |
---|---|
QDG-LV234L3改 | QDG-LV234N3改 |
エルガハイブリッド[編集]
エルガハイブリッドは初代と2代目ではLV系とHL系と型式が異なるほか、システムも初代がイートン製であるのに対し2代目は日野製となっており、バッテリーは初代がリチウムイオン電池[27]で2代目がニッケル水素電池[28]である。
初代(LV系)[編集]
エルガ ハイブリッドノンステップ
QQG-LV234L3 阪急バス(市販第1号車)
QQG-LV234系[編集]
2012年8月9日、エルガハイブリッドが東京モーターショー2011参考出品車とほぼ同等の仕様で発売開始された[27]。平成21年排出ガス規制に適合。NOx・PM10 %低減を達成、平成27年度重量車燃費基準達成+10 %を達成している。 従来のハイブリッドノンステップバスでは、ハイブリッドシステム用バッテリーが屋根上設置だったが、エルガハイブリッドはモーターショー出展車同様、車内最後部の非公式側の2席分にリチウムイオンバッテリー︵346 V︶を搭載した。このため従来車と比較し、L尺、N尺ともに座席が各3席減少している。バッテリーが室内設置となったことから、ディーゼル車との外観上の相違点はバッテリーによる非公式側最後部の窓の閉塞以外ほとんどなく、車高も従来のディーゼル車と同一のため、ディーゼル車で運用されてきた路線にも車高を気にせず投入できるメリットがある[30]。 ハイブリッドシステムは、米・イートン・コーポレーション製のパラレルハイブリッドシステム[31]を搭載しており、ディーゼル車と同形式の6HK1-TCC型 (191 kW (260 PS)) エンジンとHB1型モータ (44 kW (60 PS)) が組み合わされた。トランスミッションは、同じくイートン社製の6速AMT︵自動変速式マニュアルトランスミッション︶を採用している[31][30]。モーター駆動のみでのEV走行中も、エンジンはアイドリング状態で回転している。それ以外の基本的な仕様は、ディーゼル車と同様となっている。 2012年9月、市販1号車が阪急バスに納入された[32]。これを皮切りに、様々な事業者に導入されている。 2015年1月29日に改良が施され、車両の軽量化により定員が1名増加するなどの仕様変更があった。 型式は以下の通り。WB 4.8 m | WB 5.3 m |
---|---|
QQG-LV234L3 | QQG-LV234N3 |
-
QQG-LV234L3
京浜急行バス -
QQG-LV234N3
JR東日本
QSG-LV234系[編集]
2015年4月、平成27年度重量車燃費基準達成+15 %を達成し、排出ガス規制記号がQSG-に移行した。
型式は以下の通り。
WB 4.8 m | WB 5.3 m |
---|---|
QSG-LV234L3 | QSG-LV234N3 |
-
QSG-LV234N3
関東鉄道
2代目(HL系)[編集]
エルガ ハイブリッド 2代目(HL系)
2SG-HL2ANBD 川崎市交通局
2SG-HL2A*BD (前期型)[編集]
2017年度に日野製のA05C-K1エンジン︵191 kW (260 PS)、排気量5,123 cc︶[28]を搭載したエルガハイブリッド︵HL系︶の型式を取得[33]し、翌年度・2018年4月13日の正式発表と同時に販売が開始された[34]。型式取得時に国土交通省標準仕様ノンステップバスにも認定されている[35]。型式は、WB 5.3 mが2SG-HL2ANBD、WB6.0mが2SG-HL2ASBD[33]。 平成28年排出ガス規制に適合し、平成27年度燃費基準+15 %を達成した。日野製の6速AMT︵ハイブリッド用︶を採用している[34]。 型式は以下の通り。WB 5.3 m(10.555m) | WB 6.0 m(11.255m) |
---|---|
2SG-HL2ANBD | 2SG-HL2ASBD |
2SG-HL2A*BD (後期型)(現行車種)[編集]
WB 5.3 m(10.555m) | WB 6.0 m(11.255m) |
---|---|
2SG-HL2ANBD | 2SG-HL2ASBD |
エルガデュオ[編集]
エルガEV[編集]
教習車[編集]
エルガ 教習車 KL-LV280N1改 土浦自動車学校 エルガ/ブルーリボンIIからは、乗合や貸切用途のほかに大型第二種免許向けの教習車のラインナップが設定されている。それまでは全長9 mのバス︵いすゞ・エルガLT・いすゞ・キュービックLTなど︶が用いられてきたが、中型免許新設に伴って各地の教習所の車両が全長11 mの車両に代替されることになったことによるものであり、2003年に先行導入された神奈川県警察運転免許センターを皮切りに発売を開始した。 ラインナップはこれまでの乗合車種同様、排出ガス規制ごとにあわせたラインナップになっており、PDG-KV系からはヘッドランプが2灯式に変更された︵日野へはPJ-車から供給開始︶。すべて全長11 m・N尺のツーステップバスとなり、改造扱いとなる。教習車らしい特徴的な仕様が設定され、前扉がカットされてその部分に助手席が設定されているほか、当然ながら補助ブレーキや教官用のメーター類なども整備されている。また一部には2ステップトップドアのエルガから、方向幕をうめた教習用バスも存在する︵エルガの前型式であるキュービックにも存在する︶。なお、2012年7月1日をもって製造中止となったが、ブルーリボンIIには引き続きツーステップ製造終了するまで、設定されていた。メーカーによる路線車から教習車への改造メニューもある[41]。 型式は以下の通り。すべてホイールベース5.3 m、ツーステップ中扉仕様 、エアサス車である。エンジン | いすゞ・エルガ | 日野・ブルーリボンII | |
---|---|---|---|
2003年 - 2005年 | 8PE1-N | KL-LV280N1改 | |
2005年 - 2007年8月 | 6HK1-TCC | PJ-LV234N1改 | PJ-KV234N1改 |
2007年8月 - 2010年8月 | 6HK1-TCC | PDG-LV234N2改 | PDG-KV234N2改 |
2010年8月 - 2012年7月 | 6HK1-TCC | LDG-LV234N3改 | LDG-KV234N3改 |
2012年7月 - 2017年8月 | 6HK1-TCC | 設定無し | QDG-KV234N3改 |
-
神奈川県警察運転免許センターの車両
KL-LV280N1改 -
三重県運転免許センターの車両
PJ-LV234N1改 -
ところざわ自動車学校の車両
PJ-KV234N1改 -
教官用メーター
非純正車体架装車[編集]
富士重工製ボディ[編集]
富士重工業製車体は、2000年にモデルチェンジした新7Eとなる。主に首都圏で富士重工製車体を好んで導入していた事業者で採用され、相鉄バス[7][注釈 2]、東武バス[注釈 5]、神奈川中央交通[42]がまとまった数を導入したほか、京成バスや千葉中央バス[注釈 3]でも採用例がある[7]。 富士重工製車体の多くはKL-LV280/380系だが、京成バス、東武バスではKL-LV834系フルノンステップバス︵type-B︶でも富士重工新7E車体と純正車体で導入していた。 富士重工製車体での架装は、2003年3月に同社がバスボディ製造から撤退するまで継続された。除籍後に地方の事業者やグループ会社へ移籍した車両もある[42]。- ワンステップバス
- ノンステップバス
-
KL-LV280L1
東武バスイースト
ノンステップ・type-A -
KL-LV834L1
東武バスセントラル
ノンステップ・type-B -
KL-LV834L1
京成バス
ノンステップ・type-B
西日本車体工業製ボディ[編集]
- 西日本車体工業架装車
-
ワンステップ
PJ-LV234L1
阪神バス(阪神線塗装)
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
参考文献[編集]
●﹃バスラマエクスプレス08 いすゞ路線バスシリーズ ERGA-VP﹄ぽると出版、2002年。ISBN 978-4899800040。 ●﹃年鑑バスラマ 2006→2007﹄ぽると出版、2006年。ISBN 978-4899800118。 ●﹃年鑑バスラマ 2007→2008﹄ぽると出版、2007年。ISBN 978-4899800132。 ●﹃バスラマインターナショナル 101 2007年4月号﹁いすゞエルガ/日野ブルーリボンII 新長期排出ガス規制をクリア﹂﹄ぽると出版、2007年、8頁。ISBN 978-4899801016。 ●﹃バスグラフィック Vol.19 ﹁希少型式のススメ﹂﹄ネコ・パブリッシング、2013年9月30日。ISBN 978-4-7770-1483-5。 ●いすゞエルガカタログ関連項目[編集]
- いすゞ・エルガLT(9 m大型バス)
- いすゞ・エルガミオ(中型バス)
- いすゞ・キュービック(前身の車種)
- 日野・ブルーリボン(統合車種)
- いすゞ・エルガJ(中型バス・OEM車種)
- いすゞ・ガーラ(初代は本車種と同じ「LV」の車両型式を持つ)
- いすゞ・スーパークルーザー(同上)