Z
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Zz Zz | |||||||||||||||||||||||||||||||
ラテン文字 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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Zは、ラテン文字︵ラテンアルファベット︶の26番目で最後の文字。小文字は z。
ギリシア文字の Ζ︵ゼータ︶に由来し、キリル文字の З︵ゼー︶と同系の文字である。はじめラテン語には不要なためラテンアルファベットに採用されず、新たに作られた Gが Ζ の位置に代わりに置かれたが、後代ギリシア語の Ζ︵ゼータ︶を音写する必要が生じてアルファベットの最後に加えられた。
字形
Zz Ʒʒ Ƶƶ
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/31/CHE_Bad_Zurzach_COA.svg/100px-CHE_Bad_Zurzach_COA.svg.png)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/24/Z-small-VA-64x88.svg/100px-Z-small-VA-64x88.svg.png)
2本の横線と、それをつなぐ左下がりの斜線である。しばしば下の横線が右下がりに書かれ、ベースラインを越える。さらに左に曲げられてƷとなった文字をエッジュ (ezh) と言う。この右上の部分をさらに丸め、さらに終筆から自然に右上に伸ばして交差した形が筆記体で多く用いられる。
フラクトゥールは
。
2と区別するために斜線に短い線を交わらせることもあり、ヨーロッパでは一般的にこれで書かれる。
呼称
●ラテン語: zeta ゼータ ●アメリカ以外の英語: zed [zɛd] ゼッド ●アメリカ英語: zee [ziː] ズィー ●ドイツ語‥zett [tsɛt] ツェット ●オランダ語‥zet [zɛt] ゼット ●スラヴ語︵チェコ語 他︶‥ゼト ●インドネシア語‥ゼッ ●イタリア語: zeta ツェータまたはヅェータ ●フランス語‥zède ゼド ●スペイン語: zeta セタ ●ポルトガル語‥ゼー ●エスペラント‥ゾー ●日本語‥ズィー、ゼッド[1] 、ゼット。ゼットと呼ぶことが多い[1]。 ●中国語では﹁ズィー﹂と呼ぶ、香港‥zed [zɛd] ゼッド。音素
この文字が表す音素・音声は、
●IPAでは有声歯茎摩擦音を表す。また、[dz] で有声歯茎破擦音を表す。
●フランス語、エスペラントでは、音素は /z/・音声は [z] である。
●英語では、基本的に [z] だが、azure(群青色) など極一部の単語では [zj] が融合同化し [ʒ] となる。
●ラテン語では、古典期には [dz] を表した。俗ラテン語ではさまざまな音に変化し、現在のロマンス語の音につながる。
●日本語のローマ字表記では、/z/︵ざ行子音︶に用いられる︵ただしヘボン式では /i/ /y/ の前以外︶。音は、[z]︵母音の後で /a/ /e/ /o/ /u/ の前︶・[dz]︵母音の後以外で /a/ /e/ /o/ /u/ の前︶・[ʑ]︵母音の後で /i/ /y/ の前︶・[dʑ]︵母音の後以外で /i/ /y/ の前︶という異音に変化する。
●インドネシア語では、[z] のほかに [ʒ] = [Z] を表すことがある。
●フランス語では、zが動詞二人称複数の語尾部分"-ez"を中心に多く使用されている。︵例‥"vous aimez"︶ 同部分を含めた語尾のzは殆んどの場合、黙字となる。但し、そのあとに母音が続く場合はリエゾンして[z] を発音する。
●スペイン語では、原則として [θ] = [T] を表す (ceceo)。中南米では [s] である (seseo)。
●イタリア語では、[dz] または [ts] である。
●ドイツ語、スオミ語、中国語の拼音では [ts] である。
で表す。
●群や環などの中心
●︵コ︶サイクルのなす部分加群
●協定世界時。たとえば日本時間 (+9) で15:00は 1500+9 と表すが、世界協定時で15:00は 1500Z と表す。time zone の zone の略とも、経度0度の zero の略とも言われる。
●将棋の終盤の局面や詰将棋で﹁どれだけ駒があっても絶対 (zettai) に詰まない形﹂になっていること。普通は﹁ゼ﹂という。
●Zパラメータ、Z行列。二端子対回路︵電気回路︶における表現手法。
●分子構造ではシス-トランス異性体のシス体 (zusammen)。
●アミノ基の保護基であるベンジルオキシカルボニル基の略号。3文字では Cbz とも。
●国際信号旗のZ旗 ![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/30/Zulu_flag.svg/24px-Zulu_flag.svg.png)
。本来はアルファベット各文字を表す旗の1つ。
●原子番号。より一般には、陽子数。
●Z粒子。ウィークボソンの中で唯一電荷が0 (zero) であることから。
●Z項。
●Z縒りはロープのより方の一種。逆方向の種類のものはS縒りと称する。
●日本語で、かつてジェット機は﹁ゼット機﹂と呼ばれ、﹁Z機﹂と書かれることがあった。
●COBOL式の型・書式表現では、スペース詰めの数字1桁︵ゼロサプレス︶。たとえば﹁ZZ9﹂はスペース詰めの数字3桁で、10なら﹁␣10﹂と整形される︵﹁ZZZ﹂では0が﹁␣␣␣﹂になるので、通常は1の位を﹁ゼロ詰めの数字1桁﹂を表す﹁9﹂にする︶。
●ペントミノの駒の1つ
。
●複素インピーダンス。
●歴史
●ザイール︵現 コンゴ民主共和国︶の通貨ザイール (Zaïre)。
●Z飛行機 - 日本の重爆撃機計画。
●Z計画 - ドイツの建艦計画。
●地理
●津 (Tsu) のローマ字表記をZに変更するという案がかつてあり、ギネスブックにもっとも短い地名として載っている。
●東京の地下鉄の駅番号では、東京メトロ半蔵門線 (hanZomon)をあらわす (
)。なおHは日比谷線。
●ヨーロッパのナンバープレートで、スペインの都市、サラゴサ︵Zaragoza‥スペインでのナンバー地域表記は2000年9月まで︶。
●自動車の国際識別記号で、ザンビア。
●航空機の機体記号で、ジンバブエ。
●団体
●Z会。通信教育出版社。旧 増進会出版社。
●日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派︵革マル︶を指す隠語。ヘルメットにZと書いてあることから。
●作品
●Z (映画)。1969年のフランス・アルジェリア合作の映画。
●Z (ZONEのアルバム)。2002年に発売されたZONEのアルバム。
●Z (Zweiのアルバム)。2005年に発売されたZweiのアルバム。﹁ゼータ﹂と読む。
●Z (ユニコーンのアルバム)。2011年に発売されたユニコーンのアルバム。
●Z〜ゼット〜。相原コージの漫画作品。
●商品
●ゲームゼータ。マルカ株式会社より発売されている様々なゲームが内蔵された携帯ゲーム機。
●ザイログ製のICの型番。Z80、Z8000など。
●自動車・バイク
●川崎重工業のオートバイのスポーツモデルに付けられる愛称。カワサキ・Z。
●日産自動車のクーペ、日産・フェアレディZ。後述の、海軍のZ旗にちなんだ命名だとされる。
●ホンダの軽自動車、ホンダ・Z。
●BMWのスポーツカー、BMW・Z4
●トヨタ車の形式名
●ソアラ/レクサス・SCを意味する車両識別記号︵例‥GZ20、UZZ40︶。
●エンジン形式においては、スーパーチャージャー仕様であることを意味する︵例‥4A-GZE︶。→トヨタのエンジン型式命名規則
●日産車の形式名
●日産・フェアレディZ。日産・フェアレディシリーズの第二弾である事も意味している。
●日産・Z型エンジン。ツインプラグと大量EGRの組み合わせで昭和53年排出ガス規制をクリアし、NAPS-Zの名称が与えられた。その構成の簡素さが社団法人自動車技術会が選定する﹁日本の自動車技術240選﹂でも評価されている。
●情報通信
●ZTE︵中興通訊︶製SoftBank携帯電話端末︵一部Y!mobile向けも含む︶を示す符号。
Zの意味
大文字
●アルファベットの最後であることから、これより上位のものは存在しない・最終・最高・究極、などの意味を込められる。(具体例‥日産・フェアレディZ、スバル・BRZ) ●逆にZ級、Zクラスのようにこれより酷いものはない最低最悪のという意味で使われることもある。 ●第3の座標軸Z軸。Z軸方向の位置はzで表す。上下方向、視線方向などに使う。 ●Zゲージ。縮尺1/220、軌間6.5mmの鉄道模型。 ●CEROレーティングで﹃18歳以上のみ﹄の対象︵2006年3月以降︶。 ●数学︵特に代数学︶において、整数の集合を太字の Zあるいは黒板太字の![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/30/Zulu_flag.svg/24px-Zulu_flag.svg.png)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/c6/ICS_Zulu.svg/16px-ICS_Zulu.svg.png)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/77/PentenomeZ.jpg/20px-PentenomeZ.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/71/Subway_TokyoHanzomon.png/16px-Subway_TokyoHanzomon.png)
小文字
●数学では第3の未知数に使われる。x を最初に使ったことに由来する。 ●複素数変数によく使われる。実数変数での xにあたる。 ●物理学では赤方偏移 z= Δλ/λ に使われる。 ●Unix系OSのシェルzsh︵z shell の意味︶。 ●イオンの電荷を単位に素電荷eを使って表した値。 ●デジタル回路では、z-n で nサンプルの遅延を表す。大文字・小文字
●SI接頭辞 ●ゼタ (zeta)。Z = 1021。 ●ゼプト (zepto)。z = 10−21。 ●いびきのオノマトペ。zzzなどと数文字続けて使うことが多い。 ●Z変換︵z-変換︶。符号位置
大文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 小文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Z | U+005A
|
1-3-58
|
Z Z
|
z | U+007A
|
1-3-90
|
z z
|
|
Ƶ | U+01B5
|
‐
|
Ƶ Ƶ
|
ƶ | U+01B6
|
‐
|
ƶ ƶ
|
ストロークつき |
Ʒ | U+01B7
|
‐
|
Ʒ Ʒ
|
ʒ | U+0292
|
1-10-73
|
ʒ ʒ
|
エッジュ |
Z | U+FF3A
|
1-3-58
|
Z Z
|
z | U+FF5A
|
1-3-90
|
z z
|
全角 |
Ⓩ | U+24CF
|
‐
|
Ⓩ Ⓩ
|
ⓩ | U+24E9
|
1-12-58
|
ⓩ ⓩ
|
丸囲み |
🄩 | U+1F129
|
‐
|
🄩 🄩
|
⒵ | U+24B5
|
‐
|
⒵ ⒵
|
括弧付き |
他の表現法
関連項目
- Ź ź - アキュート・アクセント
- Ż ż - ドット符号
- Ž ž - ハーチェク
- Ẑ ẑ - サーカムフレックス
- Ƶ ƶ - ストローク符号
- Ȥ ȥ - フックつき文字
- Ⱬ ⱬ
- Ω - ギリシャ文字の最後であることからZ同様に最終・究極の意味で使われることがある。
脚注
- ^ 『広辞苑 第六版』『大辞林 第三版』『大辞泉 第二版』『日本国語大辞典 精選版』などでの見出しは「ゼット」のみである。