公務員職権濫用罪
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![]() | この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
公務員職権濫用罪 | |
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法律・条文 | 刑法193条 |
保護法益 | 公務の公正(個人の身体・自由) |
主体 | 国家公務員・地方公務員・特別職公務員・みなし公務員(真正身分犯) |
客体 | 人 |
実行行為 | 職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害する行為 |
主観 | 故意犯 |
結果 | 結果犯、侵害犯 |
実行の着手 | - |
既遂時期 | 人が義務のないことを行わされ、又は権利の行使が妨害された時点 |
法定刑 | 2年以下の懲役又は禁錮 |
未遂・予備 | なし |
日本の刑法 |
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刑事法 |
刑法 |
刑法学 ・ 犯罪 ・ 刑罰 |
罪刑法定主義 |
犯罪論 |
構成要件 ・ 実行行為 ・ 不作為犯 |
間接正犯 ・ 未遂 ・ 既遂 ・ 中止犯 |
不能犯 ・ 因果関係 |
違法性 ・ 違法性阻却事由 |
正当行為 ・ 正当防衛 ・ 緊急避難 |
責任 ・ 責任主義 |
責任能力 ・ 心神喪失 ・ 心神耗弱 |
故意 ・ 故意犯 ・ 錯誤 |
過失 ・ 過失犯 |
期待可能性 |
誤想防衛 ・ 過剰防衛 |
共犯 ・ 正犯 ・ 共同正犯 |
共謀共同正犯 ・ 教唆犯 ・ 幇助犯 |
罪数 |
観念的競合 ・ 牽連犯 ・ 併合罪 |
刑罰論 |
死刑 ・ 懲役 ・ 禁錮 |
罰金 ・ 拘留 ・ 科料 ・ 没収 |
法定刑 ・ 処断刑 ・ 宣告刑 |
自首 ・ 酌量減軽 ・ 執行猶予 |
刑事訴訟法 ・ 刑事政策 |
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公務員職権濫用罪︵こうむいんしょっけんらんようざい︶は、刑法193条に規定されている﹁汚職の罪﹂︵刑法25章︶に含まれる犯罪類型であり、公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害する行為を内容とする。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5a/Reason_for_non-prosecution_statement_%28Yoshimitsu_Yamauchi%29.jpg/220px-Reason_for_non-prosecution_statement_%28Yoshimitsu_Yamauchi%29.jpg)
弁護士の綱紀の乱れに関する弁護士会綱紀委員会委員︵刑法における公 務員︶への処分。
公務員の職権濫用行為を内容とする犯罪は、刑法193条の公務員職権濫用罪以外にも刑法その他の法律に規定されている。
概要[編集]
本罪は、刑法193条以下に規定されている、公務員が職権を濫用して職務を行う際に、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したとき︵不作為によるものを含む︶に問われる事になる犯罪である︵※公務員の職権濫用であっても、これらの権利侵害が伴わない場合はこの罪には該当しない︶。公務員職権濫用の罪の保護法益には、公務の公正さに対する信用という国家的法益と、権利侵害をされた相手方の権利という個人的法益との両面があるとされているが、刑法学界においては、個人的法益の側面が重視される傾向にある。 また、公務員職権濫用の罪は、犯罪の性質上、検察官が起訴を不当に怠る場合が生じる可能性が高いため、検察官の起訴独占主義の例外として、裁判所の決定により審判に付する手続である準起訴手続が適用される︵刑事訴訟法262条︶。ただし、被疑者の身分が警察職員や検察職員の様な刑事行政関係者である必要はなく、該当する権利侵害が公務員該当者︵みなし公務員として職務を行っている者を含む︶により行われているために問われた本罪が不起訴処分となった場合は、全てが付審判の手続きを適用されうる。 なお、﹁人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害﹂する事が行われていない公務員による職権の濫用については、他の罪により責任を問われうる︵例えば地方公務員法や国家公務員法における罰則等。また刑事罰とは別にこれらの法による懲戒処分もある事に留意︶。﹁職権濫用﹂の意義[編集]
﹁職権の濫用﹂とは、公務員が、その一般的職務権限︵職権︶に属する事項につき、職権の行使に仮託して﹁実質的、具体的に違法、不当な行為﹂をすることをいう。 ここで、本罪における﹁職権﹂は、必ずしも法律上の強制力を伴うものであることを要せず、それが濫用された場合、実態として、職権行使の相手方に義務のないことを行わせたり、又は行うべき権利を妨害するに足りる権限であれば十分であるとされる[1]。︵※ただし、本罪は、具体的な権利侵害についてを罰する罪であるので、単に違法・不当というだけでは成立しない事に注意。︶ 一般的職務権限に属さない事項につき人に義務のないことを行わせた場合等は、強要罪の問題となる。﹁正当行為﹂との関係[編集]
刑法35条︵正当行為︶では﹁法令又は正当な業務による行為は、罰しない。﹂という記述があるが、公務員職権濫用となる行為は、その全てが、国家公務員法及び地方公務員法を基本として、行政機関において取り扱われる法令や訓令・通達及び通知等に違反するものとなるものである。 逆に、それらの法令に基づいての正当行為として保護可能な範疇に入るのに相当する妥当適切な行為であれば、公務員職権濫用罪の成立は無い︵ただし、法令等が法律・日本国憲法に反している場合については成立が無いとは言えない。︶。法定刑[編集]
法定刑は、2年以下の懲役又は禁錮である。特殊な類型[編集]
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