「閂 (相撲)」の版間の差分
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'''閂'''︵かんぬき︶は、[[相撲]]の取り組み及び[[アマチュアレスリング|レスリング]]、[[プロレス]]、[[総合格闘技]]、さらには[[合気道]]や[[少林寺拳法]]などの[[武道]]、[[武術]]において用いられる技術である。いわゆる[[極技]]の一種である。
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== 相撲における概要 == |
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本来は相撲における技術である。相手が[[両差し]]︵もろさし︶にきたとき、その両腕を自身の両腕で外側から抱え込むように捕らえて相手の動きを封じる技。肘の関節を締め付ける場合もある。片腕のみを閂を極めることもあり、これを'''片閂'''︵かたかんぬき︶と呼ぶ。
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相撲では[[タップアウト|降参]]による勝利がないため、この体勢から別の技に移行したり、あるいは閂のまま[[押し出し (相撲)|押し出し]]たり[[押し倒し]]たりする。閂状態での押し出しは'''[[極め出し]]'''、押し倒したときは'''[[極め倒し]]'''という。かつて[[魁皇博之|魁皇]]がよく使っていたように片閂から[[小手投げ]]に行くこともあったが、この場合で相手がこらえたりすると相手の腕がきわめて危険な状態となる。 |
大柄な体格と強い筋力が必要とされる技で相撲では[[タップアウト|降参]]による勝利がないため、この体勢から別の技に移行したり、あるいは閂のまま[[押し出し (相撲)|押し出し]]たり[[押し倒し]]たりする。[[決まり手]]としては閂状態での押し出しは'''[[極め出し]]'''、押し倒したときは'''[[極め倒し]]'''という。かつて、[[魁皇博之|魁皇]]がよく使っていたように片閂から[[小手投げ]]に行くこともあったが、この場合で相手がこらえたりすると相手の腕がきわめて危険な状態となる。
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なお、閂をかけることを「閂を極める」「腕(かいな)を極める」といい、俗に「極める」と略される場合もある。 |
なお、閂をかけることを「閂を極める」、「腕(かいな)を極める」といい、俗に「極める」と略される場合もある。 |
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閂を使う力士は相手に両差しを許しているわけであるため、その力士は脇が甘いともいえる。[[貴ノ浪貞博|貴ノ浪]]は相手に両差しを許しても、その体勢から抱え込んで相撲を取ることが自分の型であったものの、これは貴ノ浪の並外れた懐の深さと足腰の強さ故に可能となった取り口であった。
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小学校、中学校の相撲では禁じ手となっている。 |
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==他競技における概要== |
== 他競技における概要 == |
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[[File:Antonio Thomas with armbar.jpg|thumb|250px|[[プロレス]]における[[アントニオ・トーマス]]による'''片閂'''を用いて腕を伸ばして極める[[柔道]]で言うところの[[腕挫腋固]]の一種'''崩上四方緘''']] |
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⚫ | さらには閂状態から相手を後方へと反り投げる'''[[フロント・スープレックス#|閂スープレックス]]'''('''ダブルアームサルト'''、'''極め反り投げ''')、片閂の状態のときもう片腕で相手の胴を抱え込んで後方へと反り投げる'''[[フロント・スープレックス#派生技|スロイダー]]'''という投げ技がある。 |
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閂スープレックスは[[田上明]]や[[ゲーリー・オブライト]]、スロイダーは[[諏訪魔]]などが代表的な使い手である。 |
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=== 柔道 === |
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[[ファイル:Jud-kanuki-gatame.svg|サムネイル|柔道における立ち姿勢での[[腕挫腋固]]の一種'''閂固''']] |
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[[柔道]]では片閂がよく用いられる。 |
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片閂を主要的に用いる技は[[腕挫腋固#崩上四方緘|崩上四方緘]]、[[腕挫腋固#閂固|閂固]]など変形の[[腕挫腋固]]である。片閂で相手の肘関節を極める関節技である。相手の腕を伸ばして極める場合が多いが捻って極める[[腕挫腋固#インサイド・ショルダー・ロック|インサイド・ショルダー・ロック]]も片閂を用いた腕挫腋固である。
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*[[決まり手]] |
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*[[極め出し]] |
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*[[極め倒し]] |
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*[[極技]] |
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片閂を補助的に用いる技としては[[ガードポジション]]からの[[片十字絞]]、[[逆十字絞]]、[[突込絞]]、[[崩袈裟固]]からの[[片羽絞]]である[[片羽絞#羽交絞|羽交絞]]などの絞技がある。補助的に用いる場合は相撲と異なり相手の襟をつかんで片腕で片閂を行いもう一方の手で逆の襟を掴み絞める。 |
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==参考文献== |
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*金指基著 『相撲大事典』2002年 |
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[[小室宏二]]がうまく試合でよく用いている。別名'''コムロック'''。 |
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=== 武道、武術 === |
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⚫ | 合気道や少林寺拳法などの武道、武術においても使用されて合気道では'''閂固め'''、少林寺拳法では'''押閂投げ'''、'''閂内天秤'''などの応用技も存在している。 |
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== 脚注 == |
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2023年8月24日 (木) 09:07時点における最新版
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相撲における概要[編集]
本来は相撲における技術である。相手が両差し︵もろさし︶にきたとき、その両腕を自身の両腕で外側から抱え込むように捕らえて相手の動きを封じる技。肘の関節を締め付ける場合もある。片腕のみを閂を極めることもあり、これを片閂︵かたかんぬき︶と呼ぶ。 大柄な体格と強い筋力が必要とされる技で相撲では降参による勝利がないため、この体勢から別の技に移行したり、あるいは閂のまま押し出したり押し倒したりする。決まり手としては閂状態での押し出しは極め出し、押し倒したときは極め倒しという。かつて、魁皇がよく使っていたように片閂から小手投げに行くこともあったが、この場合で相手がこらえたりすると相手の腕がきわめて危険な状態となる。 なお、閂をかけることを﹁閂を極める﹂、﹁腕︵かいな︶を極める﹂といい、俗に﹁極める﹂と略される場合もある。 閂を使う力士は相手に両差しを許しているわけであるため、その力士は脇が甘いともいえる。貴ノ浪は相手に両差しを許しても、その体勢から抱え込んで相撲を取ることが自分の型であったものの、これは貴ノ浪の並外れた懐の深さと足腰の強さ故に可能となった取り口であった。 小学校、中学校の相撲では禁じ手となっている。他競技における概要[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6b/Antonio_Thomas_with_armbar.jpg/250px-Antonio_Thomas_with_armbar.jpg)
格闘技[編集]
レスリング、プロレス、総合格闘技では閂もしくはダブルオーバーフックの名称で使用している。組み合った状態から相手の腕を閂または片閂に極めて相手の動きを封じる。そこから別の攻撃に移行していく。 さらには閂状態から相手を後方へと反り投げる閂スープレックス︵ダブルアームサルト、極め反り投げ︶、片閂の状態のときもう片腕で相手の胴を抱え込んで後方へと反り投げるスロイダーという投げ技がある。柔道[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/99/Jud-kanuki-gatame.svg/220px-Jud-kanuki-gatame.svg.png)
武道、武術[編集]
合気道や少林寺拳法などの武道、武術においても使用されて合気道では閂固め、少林寺拳法では押閂投げ、閂内天秤などの応用技も存在している。脚注[編集]
関連項目[編集]