Blu-ray Disc[1][発表 1][発表 2][発表 3][発表 4] BD |
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メディアの種類 |
光ディスク
- カバー層:0.1mm
- 記録膜
- BD-RE/-R(HTL):相変化膜
- BD-R(LTH):有機膜
- BD-ROM:アルミ反射膜
- 記録方式
- BD-RE/-R:グルーブ記録
- BD-ROM:ピット記録
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記録容量 |
120mmディスク
- 23.3GB(1層:BD-RE V1.0)
- 25GB(1層)
- 50GB(2層)
- 100GB(3層:BDXL)
- 128GB(4層:BDXL)
80mmディスク
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フォーマット |
物理フォーマット
- レーザー波長:405nm(青紫)
- 対物レンズ開口数(NA):0.85
- トラックピッチ:320nm
- 線速度:4.917m/s(25GB/Layer、1倍速、CLV)
- チャネル周波数:66MHz(1倍速)
- 変調方式:1-7PP
- 誤り訂正:64kB LDC+BIS
- アドレス方式(BD-RE/-R):グルーブアドレス(MSK+STW)
ファイルシステム:UDF (BD-RE Ver.1.0はBDFS)
アプリケーション・フォーマット
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コーデック |
映像
音声
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読み込み速度 |
BD-RE/-R:36Mbps(標準1倍速)
BD-ROM:54Mbps(標準1.5倍速)
BD-ROM(3D):72Mbps(標準2倍速) |
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読み取り方法 |
トラッキング方式
- BD-RE/-R:プッシュプル法
- BD-ROM:位相差検出法
データ検出方式:PRML |
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書き込み方法 |
パルストレイン方式ライトストラテジ |
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回転制御方式 |
CLV |
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策定 |
Blu-ray Disc Association[発表 5] |
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主な用途 |
映像、音楽、データ、PlayStation 3、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X用ゲームソフト等 |
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ディスクの直径 |
120mm、80mm |
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大きさ |
Φ120mm(12cmディスク)/t=1.2mm |
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上位規格 |
UHD BD HVD |
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下位規格 |
DVD |
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関連規格 |
PFD(XDCAMに採用) HD DVD(かつての対抗規格) |
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概要
波長405nmの青紫色半導体レーザーと、0.1mmのカバー層の光ディスクを使うことでレンズのNA値を0.65から0.85に上げ、DVDの5倍以上の記録容量︵1層式ディスクで25GB、2層式ディスクの場合は50GB、ほか︶を実現した。青紫色は可視光線の中で最も波長が短いことから、ソニーはBDを﹁家庭用光ディスクの最終形﹂とホームページ上でうたっている[発表6]。
1層のディスク︵25GB︶でも日本の地上デジタル放送︵ISDB-T、1440×1080i、約16.8Mbps︶なら3時間強、日本のBS2Kデジタル放送︵ISDB-S、1920×1080i、約24Mbps︶で2時間強のハイビジョン映像を収録可能。現在、23.3GB/25GB/50GB/100GB[注3]/128GB[注3]のディスクが規格・製品化されているほか、研究レベルではTDKが2009年に10層320GB、2010年には16層512GBの試作に成功するなど、記録容量の拡張が進められている。
BDでは記録層の数に応じて1層︵単層︶をSL︵Single Layer︶、2層︵複層︶[注4]をDL︵Dual Layer[発表7]︶、BDXL[注5]︵多層︶[注4]規格の3層をTL︵Triple Layer︶、同じくBDXL[注5]︵多層︶[注4]規格の4層をQL︵Quad Layer︶と表記することがある。例えばBD-RであればそれぞれBD-R SL、BD-R DL、BD-R TL︵BDXL-R TLとも︶、BD-R QL︵BDXL-R QLとも︶となる。
ディスクの大きさ︵直径12cm、厚さ1.2mm︶はCDならびにDVDと共通だが、BD規格はCD規格やDVD規格と独立しているため、BD対応機器におけるCD/DVDの記録・再生機能は必須ではない。しかし商品企画の段階において現行のCDやDVDも使用できる製品として商品化が進められたため、ほとんどのBD対応機器やBDドライブでは光ピックアップが3波長化され、CDやDVDも利用可能となっている。現在の民生用のBDプレーヤー / レコーダー製品では、CD・DVD・BDの記録フォーマットであるCD-DA・DVD-Video・BDMVの再生が基本機能としてサポートされており、ユニバーサルプレーヤーとなっている[注6]。
なお、DVDなどと同様、すべてのメディアに﹁データ用︵for DATA︶﹂と﹁ビデオ録画用︵for VIDEO︶﹂の2種類があるが、違いはないため、データ用ディスクで映像を録画することも可能である[注7][発表8]。ビデオ録画用ディスクは日本の地上デジタルテレビ放送移行前は私的録音録画補償金制度によりデジタルコピーに対する補償金が上乗せされていたが、デジタルテレビ完全移行後はコピー・ワンスやダビング10の﹁デジタルコピーガードがある﹂という理由より補償金を上乗せせずに販売されている[注8]。
仕様
ファイルフォーマット
ファイルフォーマットはBD-RE Ver.1.0のみBDFSを採用し、それ以降はすべてのメディアでUDF 2.50以降が採用された[注 9]。
これによりBD-Rでも擬似的に(BD-REやDVD-RAMのように)リライタブルメディアとして手軽に扱え、PCとの親和性が高まることや、書き込み時のファイナライズ処理を必要としないことといったメリットがある。
転送速度
等速は36Mbpsすなわち4.5MB/s。これはDVDの転送速度を1倍速︵1.4MB/s︶として、約3倍速に相当する。BD-ROMは1.5倍速の54Mbpsすなわち6.75MB/sが標準転送速度である。追記型ディスクであるBD-Rは現在6倍速の216Mbpsすなわち27MB/s、書き換え型のBD-REは2倍速の72Mbpsすなわち9MB/sまで規格化され、BD-R/REディスク、BDドライブが商品化されている。なお、6倍速記録に対応したBD-Rに、12倍速で書き込み可能なBDドライブも発表されている。
保護層
BDの最大の特徴として、保護層(カバー層)が0.1mmであることが挙げられる。DVD、HD DVDは0.6mmでCDは1.2mmである。
拡張性
Blu-ray Discは、1枚のディスクの多層化により大幅な容量の拡張が可能である。BD-ROMに関しては8層構造までが学会発表済みであり、実用可能であると考えられる。これが実現すれば1枚のディスク︵25GB×8層︶で容量が200GBを超える光ディスクメディアが誕生することになる。BD-RE/BD-Rの記録型光ディスクについては片面4層︵128GB︶構造までがBDXLとして開発済みである。
TDKは2006年4月26日、﹁33.3GB×6層﹂の200GBの追記型Blu-ray Discを光ディスク関連技術の国際会議﹁ODS 2006﹂で試作品として発表した[3]。1枚のディスクにHD映像を約18時間分格納できる。信号処理技術の進歩で1層あたりの記憶容量が拡大したため、各層あたり33.3GBのデータが格納できるようになったという。
2008年1月24日のソニー発表によれば、BD用などの記録・再生光ディスクドライブの薄型化・低コスト化できる光集積デバイス︵レーザカプラ︶を日亜化学工業と共同開発した。高効率の1ビーム光学系を採用し、さらに独自の小型パッケージング技術を活用したことで厚み3mm未満、面積14mm×7.4mmと小型・薄型化を実現。BDなどの2層メディアでの信号読み出しを最適化し、安定的な記録・再生を可能にするドライブや光学ピックアップが設計できるようになるという。BDドライブの薄型化とコスト低減に向け、2008年内に量産化を目指すとした。
2008年7月7日、パイオニアはBDと互換性を有する400GB光ディスク技術を開発したと発表[発表9]。BDと同じ25GBの記録層を16層に積層した再生専用光ディスクだが、記録型ディスクにも応用可能という。また、対物レンズの光学的仕様がBD規格と同一で、互換性維持が可能。
また、パイオニアのロードマップによれば2008年から2010年にかけて再生専用ディスクを開発し、さらに2010年から2012年にかけて書き込み・書き換え可能ディスクの開発を行うとし、2013年には記録層が40層で記録容量1TBの再生専用ディスクが登場する予定となっていたが[4]、商品化はされていない。
2010年、TDK︵イメーション[5]︶は片面16層で容量512GBの光ディスクを開発したと発表した。両面記録では容量1,024GB︵1TB︶となり、世界初の1TB級の光ディスクを実現した[6]。
2014年5月13日、パイオニアとメモリーテックは片面256GB/両面512GBの﹁データアーカイブ用 次世代大容量光ディスク﹂を発表した[7]。
小型メディア
12cmディスクのほかにビデオカメラ向けの用途での使用などを目的とした8cm光ディスク(BD-R/BD-RE)が規格策定済み。容量は1層で7.5GB、2層で15GBとなる。現在1層7.5GBのみが商品化されている。
環境への配慮
ProFile
BD-ROMでは、ビデオデコードやBD-Jを必要としないオーディオのみのプレーヤープロファイル(BD-Audio)を含む4つのBlu-rayディスクプレーヤープロファイルが策定されている。なお、ビデオベースのプレーヤープロファイル(BD-Video)においてはBD-Jが必須である。
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BD-Audio |
BD-Video
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Grace Period |
Bonus View |
BD-Live |
Blu-ray 3D
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Profile 3.0 |
Profile 1.0 |
Profile 1.1 |
Profile 2.0 |
Profile 5.0
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内蔵メモリ要件 |
不要 |
64KB |
64KB |
64KB |
64KB
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内蔵ストレージ |
不要 |
オプション |
256MB以上 |
1GB以上 |
1GB以上
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二次ビデオデコーダー (ピクチャ・イン・ピクチャ) |
- |
オプション |
必須 |
必須 |
必須
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二次音声デコーダー |
オプション |
オプション |
必須 |
必須 |
必須
|
仮想ファイルシステム |
不要 |
オプション |
必須 |
必須 |
必須
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インターネット接続機能 |
なし |
なし |
なし |
必須 |
必須
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BD-Live
インターネットから追加コンテンツやゲームなどを行える機能である︵BD-ROMプロファイル2.0︶。BD-Liveに対応したソフトとBD-Liveに対応したBD再生可能機器︵PlayStation 3など︶が必要である。追加データの記録は再生機器のハードディスクに記録される。BD再生専用機などハードディスクを持たないプレーヤーではUSBメモリなどの外部記録媒体を用いる必要がある。
規格・フォーマット
DVDでは読み出し専用規格︵ROM型︶を先に策定したために、書き込み型フォーマットの策定では規格が乱立した。また、CDやDVDでは初期の再生専用ドライブでは書き換えメディアは反射率が低いため、読み込めないという問題があった。これらの反省からBDでは書き換えメディアフォーマットを先に策定して、共通の仕様にて読み出し専用メディアにも対応する方向で開発が進められた。したがってBDでは反射率の問題は発生しない。また、現行メディアとの併用も考慮し、波長や基板厚の異なるCD/DVD/BDに1つの光ヘッドで対応するための、いわゆるユニバーサルプレーヤー向けの技術開発も当初の段階から行われた。
BD-RE Ver.1.0以外はベアディスク︵bare disk, カートリッジに入っていないむき出しディスク︶でカートリッジはオプション。ベアディスクタイプの容量は25GB︵1層︶と50GB︵2層︶のほか、後発のBDXL規格で100GBと128GBが製品化されている。しかし、それ以上の容量の商品化はいまだにされておらず、Ultra HD Blu-rayでも同様。
ディスクの規格
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BD-RE Ver.1.0 |
BD-RE Ver.2.0以降 |
BD-R |
BD-ROM
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単層ディスクの容量
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23.3GBまたは25GB |
25GB
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カートリッジ
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必須 |
オプション
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ファイルフォーマット
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BDFS |
UDF
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アプリケーションフォーマット
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BDAV |
BDMV
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著作権保護技術
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BD-CPS |
AACS
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記録速度
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1x |
1 - 2x |
6x |
1.5x(再生速度)
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物理フォーマットは以下の各節の通りである。
BD-R
BD-R︵Blu-ray Disc Recordable︶は、ライトワンスディスクである。BD-Rでは記録層に﹁無機系記録材料﹂または﹁有機系記録材料﹂を使用する。無機系は経年劣化に強いが高価である一方、有機系は従来のDVD-Rなどと同じものであり、製造コストが安いが経年劣化しやすい。当初は無機系ディスクの価格が高かったが、現在では価格にほとんど差がなくなったため、有機系記録ディスクはしだいに販売されなくなった。
BD-R Ver.1.1
物理規格はハードコート技術を前提とした表面の強度の規定が追加されたため、ベアディスクが基本となっている。
記録速度は1 - 2倍速に対応。
ファイルシステムはUDF 2.6。
アプリ規格はBD-RE Ver.1.0と同じBDAV規格。
著作権保護技術はAACSを使用。
BD-R Ver.1.2
物理規格はVer.1.1と互換性を保ったままであるが、無機系記録材料の場合は4倍速記録対応になり、有機(色素)系記録材料のディスクの規定(1 - 2倍速)が追加された。
BD-R Ver.1.3
物理規格はVer.1.1と互換性を保ったままであるが、無機系記録材料の場合は6倍速記録に対応。
BD-R Ver.2.0
物理規格、ファイルシステム、著作権保護技術はVer.1.2と同じ。
アプリ規格はBD-ROMのアプリ規格であるBDMVを使用し、PCで編集したコンテンツやカムコーダで録画したコンテンツを格納することが可能。
BD-R LTH
BD-R LTHのLTHはLow To Highを指す。
有機色素タイプと呼ばれるもので、従来の無機素材タイプとは異なり記録面に有機色素を用いており、化学変化により反射率を低から高にするという記録方式である。BD-R Ver.1.2から制定された。
メリットとして、従来のDVD-Rディスクの製造法と近いことによる低価格化がある。デメリットとして、書き込み速度の低下や保存性耐久性の低下が考えられる。
IFA2007においてBD-R LTHの試作品が展示されたが、Ver.1.2未対応の機器との互換性はない[注10]。
概ね2007年末商戦以降のBD機器はLTH対応だが、それより前のBD機器はLTH非対応である。しかし非対応の場合であっても、ファームウェアの更新によりLTH対応になる場合がある[注11]。
BD-R LTHディスクは太陽誘電と三菱化学メディアが2008年2月26日から、マクセルが3月上旬から、日本ビクター︵現‥ビクターアドバンストメディア︶が3月下旬から発売した。
素材の関係からしばらくの間は2倍速止まりが続いたが、2009年4月に三菱化学の子会社である三菱化学メディアが6倍速メディアの規格認定を受け夏頃に生産・出荷する予定であった[発表10]。アゾ色素を採用したものがVerbatimブランドで発売された[発表11]。
BD-RE
BD-RE︵Blu-ray Disc Rewritable︶は、書換え型ディスクである。相変化記録技術方式を採用し、上書き可能回数は理論上、1万回以上とされている[注12]。
BD-RE Ver.1.0
メディアはカートリッジ付きのみ。記録速度は1倍速のみ。
メディアの記憶容量は、23.3GBまたは25GB(Single Layer) / 50GB(Dual Layer)
ファイルシステムはBDFS。
アプリケーション規格はデジタル放送録画用のBDAV規格。
著作権保護技術はBD-CPSを使用。
BD-RE Ver.2.0
ハードコート技術を前提とした表面の強度の規定が追加されたため、ベアディスクが基本となる[注13]。
記録速度は1 - 2倍速に対応。
ファイルシステムはUDF 2.5に変更。
アプリ規格はVer.1.0と同じBDAV規格。
著作権保護技術はAACSに変更。
BD-RE Ver.2.1
物理規格、ファイルシステム、著作権保護技術はVer.2.0と同じ。
アプリ規格はVer.2.0と同じBDAV規格に、録画時間を延長するためMPEG-4 AVC High Profileのビデオ圧縮技術が追加されたもの。
BD-RE Ver. 3.0
物理規格、ファイルシステム、著作権保護技術はVer.2.0と同じ。
アプリ規格はBD-ROMのアプリ規格であるBDMVを使用して、PCで編集したコンテンツやカムコーダで録画したコンテンツを格納することが可能。
BD-RE Ver. 3.0対応のBlu-ray DiscプレーヤではBlu-rayカムコーダで録画したBlu-ray Discの再生が可能。
BD-ROM
BD-ROM(Blu-ray Disc Read Only Memory)は、読み出し専用ディスクである。
BD-ROM Ver.1.0
物理規格はベアディスクが基本。再生速度は1.5倍速。
ファイルシステムは、UDF 2.5。
アプリ規格は映画コンテンツを格納するためのBDMV規格。
著作権保護技術にはAACSを使用。
2006年3月に失効した。
BD-ROM Ver.2.0
RPC︵Region Playback Control︶を採用。
アプリ規格はBDMVに加え、BD-J規格がともに採用される。
ファイルシステムは引き続きUDF 2.5である。
派生規格
BD・DVDコンビネーションROMディスク
BD・DVDコンビネーションROMディスクとは、日本ビクターが開発した、BD1層+DVD2層の計3層構造のディスク[発表12]。BDドライブ、DVDドライブどちらでも読み込みが可能。
日本ビクターの技術をもとに、共同テレビジョンとインフィニティ・ストレージ・メディアが開発した、BD1層・DVD2層ディスクが、2009年2月に製品化される[11]。光の波長によって透過率が異なる半透明の金属膜を使用し、BDドライブで再生するとDVD層は認識されない。このため、既存のBD機器で特別な対処をすることなく再生できるとしている。
AVCREC
AVCRECは、BDAVを応用してDVDにハイビジョン規格映像を記録する技術規格。直接にはBD9とはまったく無関係だが、技術的なコンセプトやアプローチは、BD9と同じ軸上にある。関連する規格としてAVCHDも存在する。
Blu-ray 3D
Blu-ray 3Dは、2009年12月に発表された、3D映像をBDに収録するためのハードウェアとソフトウェアの双方の規格である。Blu-ray Disc Associationにより策定された[発表13]。
規格としてH.264/MVC︵マルチビュー符号化︶を採用する。従来のサイド・バイ・サイド方式などとの互換性がないため、Blu-ray 3D 方式に対応したプレーヤー/レコーダーが必要である。テレビとの間はフレームパッキング方式により伝送するため、その方式に対応した3D対応テレビ、そして伝送帯域が従来より広がるため、HDMI1.4a以降対応︵いわゆるHDMI 3D対応︶のケーブルが必要になる。
2010年4月23日にはパナソニックから対応BDレコーダー︵DMR-BWT1000・2000・3000︶[12]、BDプレーヤー︵DMP-BDT900︶[発表14]が発売された。
他社もこれに追従し、シャープは2010年7月30日にBD-HDW70/700を発売し[13]、ソニーは2010年9月25日︵BDZ-AX2000のみで、ほかのモデルは10月22日︶にBDZ-AX1000/2000、BDZ-AT300S/500/700/900を発売した[14]︵ソニーは全モデル3D対応︶。東芝からは2010年8月下旬にBDプレーヤーのSD-BDT1、2010年11月下旬にレコーダーのRD-X10︵RD-BR600・BZ700・BZ800はバージョンアップで対応︶が発売された[15]。
ブルーレイ録画、再生、Blu-ray 3D対応テレビでは、2010年8月27日にパナソニックがTH-P42/46RT2Bを発売した[16]。三菱電機はLCD-40/46/55MDR1を2010年10月21日に発売した[17]。ソニーはKDL-40/46/55HX80Rを2010年12月5日に発売した[18]。
ソニー・コンピュータエンタテインメントは2010年9月21日にPlayStation 3をシステムソフトウェアの更新にてBlu-ray 3Dに対応させた[注14]。
2017年、販売の低迷から3Dモニターおよび3Dテレビの新規製造を各社中止[19][20]。2018年現在販売されている3D対応機種は在庫品のみ。また、そのほとんどが4K対応テレビであり20万円から100万円という実売価格である。そのため、新規にBlu-ray 3D視聴環境を整える事が困難となっている。なお、Oculus Rift、HTC Vive、Windows Mixed Realityに代表されるバーチャルリアリティ用ヘッドマウントディスプレイではBlu-ray 3Dの映像を直接視聴することができない。
2019年現在、もっとも安価なBlu-ray 3D視聴環境は、3Dプロジェクター、もしくはPlaystation 4[注15]とPlaystation VRの組み合わせだけである。前者は映像を投影する壁やスクリーンが必要であり、後者はヘッドマウントディスプレイをかぶることにより複数人で視聴できないというデメリットがある。そのため、3D対応テレビのような手軽さはない。
4K ULTRA HD Blu-ray
4K ULTRA HD Blu-ray︵Ultra HD Blu-ray、UHD BD︶は4Kに対応する、BDの上位規格。BD-ROMとディスクの外見が全く同じであるが、書き込み規格が変更された。また、ウルトラHDブルーレイにはR/RE規格が存在しない。
BDXL
BDXL︵Blu-ray Disc Extra Large︶はBDの一種ではあるが、記録層が3層や4層となっている[発表15][21]。BDXL対応でないBD対応機器では動作しない[発表15]。2010年6月に規格が策定され、3層で100GBのBD-R TL・BD-RE TLと4層で128GBのBD-R QLが製品化されている[22]。
未製品化規格
BD9
BD9はワーナー・ブラザースが提案したDVDメディアにBDのアプリケーションフォーマットで圧縮映像を入れる規格。同様のコンセプトでHD DVD側に策定されたHD DVD9とともに3x DVDという総称でも呼ばれる。
この規格は、DVD-Videoの3倍の帯域幅を持ち、MPEG-2の代わりにVC-1やH.264といったより高圧縮のコーデックを用いることで、ハイビジョン規格の映像をDVDメディアに保存することを可能とするものである。DVDメディアであるため、記録容量がBDに比べ少なく、記録時間や画質の面ではBDに劣る。また、一般的なDVD-Video規格とはまったく異なるため、DVDプレイヤーで再生することはできず、再生にはBDプレイヤーが必要である。
当初にワーナー・ブラザースが想定していたものは、片面2層8.5GBのDVDへ平均ビットレート8Mbpsで120分のハイビジョン映像を収録することにより、3x DVDに対応した青紫色半導体レーザーを用いないDVDプレーヤーで再生可能にすることであった。
BD9は製品化がなされていない。なお、AVCRECが類似したコンセプトで開発されている。
Total Hi Def
2007年1月、ワーナー・ブラザースは片面にHD DVD、もう片面にBDを収めた両面ディスク﹁Total Hi Def﹂を発表した。この時点では2007年後半発売予定とし、2規格が店頭に並び混乱を生じることへの解決策として製品化が進められたが2007年秋に開発中止され、さらに2008年1月のワーナーのBD一本化発表により必要性がなくなったため、結局製品化はなされなかった。
用途
ホームシアターなど映像フォーマットとしての用途
BDMV 採用コーデック
BDMVは読み出し専用型BD︵BD-ROM︶で採用されている記録フォーマットである。解像度は最大1080i/60、720p/60である。
動画圧縮/伸張技術
●MPEG-2︵Moving Picture Experts Group︶
●H.264/MPEG-4 AVC High Profile
●VC-1 Advanced Profile
H.264/MPEG-4 AVCとVC-1などの新圧縮技術は一般的な既存のDVD︵DVD-VideoおよびDVD-VR︶や現状の日本で行われているデジタル放送︵地上デジタル放送およびBSデジタル放送︶で使われているMPEG-2よりも圧縮能力に優れているが、H.264/MPEG-4 AVCはもともと携帯電話などの小さな画面を主体に開発された技術のため、そのままではHD映画の画質再現に問題があり、当初ハリウッド企業は新コーデックの採用に積極的ではない会社も多かった。そのため、最初に発売されたBDビデオソフトはDVDと同じMPEG-2をコーデックに採用せざるをえなかったが、そのことから初期に発売されたBDビデオソフトは画質が必ずしも満足できるものではないとの指摘もあった[注16]。その後、HD映像用に新たにパナソニックハリウッド研究所︵PHL︶[23][24]により開発されたMPEG-4 AVC High Profileが制定され、このHigh Profileを使えばHD映画の画質をMPEG-2以上に向上させられることがハリウッド企業でも確認された。このためMPEG-2に加えMPEG-4 AVC High ProfileやVC-1もBD-Videoの映画タイトルに採用されるようになり、現在ではほとんどのソフトにMPEG-4 AVC、VC-1のどちらかが採用されている。
字幕はDVDに比べ鮮明になっている。大画面表示を前提として制作されているため、小さい画面で観ると読みづらくなることがある。
音声圧縮/伸張技術
●PCM︵Pulse Code Modulation︶
●ドルビーデジタル︵Dolby Digital︶︵AC-3︶
●DTS︵Digital Theater Systems︶ デジタルサラウンド
●ドルビーデジタルプラス︵DD+︶︵*︶
●ドルビーTrueHD︵*︶
●DTS-HDマスターオーディオ︵*︶
︵*︶ Blu-rayプレーヤーではオプション扱い。
BDAV 採用コーデック
BDAVはBDレコーダーで書き込み型BD(BD-R、BD-RE)に録画したときに使われる記録フォーマットである。
- 動画圧縮/伸張技術
- MPEG-2(Moving Picture Experts Group)
- H.264/MPEG-4 AVC High Profile
- 音声圧縮/伸張技術
- AAC(Advanced Audio Coding)
- ドルビーデジタル(Dolby Digital)(AC-3)
インタラクティブ技術
高度なメニューやネットワーク機能などを実現する技術として、Javaの一種であるBlu-ray Disc Java︵略称‥BD-J︶が採用された。BD-JはすべてのBDプレーヤに搭載されているため映像を使った対戦ゲーム、シューティングゲーム、インベーダー型ゲームなどを附録に入れたBDタイトルが発売されている。また、2007年11月以後に発売されるBDプレーヤーには、追加のJavaインタラクティブ機能︵ピクチャインピクチャ機能など︶の搭載が義務づけられる。ネットワーク機能としては﹁BD-Live︵Blu-ray Disc Live︶﹂[25]と呼ばれるプロファイルが標準化されている。
HD DVDではマイクロソフトが中心となって開発した﹁iHD︵現‥HDi︶﹂が採用され、マイクロソフトがHD DVDを支持する要因のひとつとなっていた。BDでもHDiを採用する提案がなされたが採用は見送られた。
コンテンツ管理システム(著作権保護技術)
4つの技術を使用し、コンテンツの著作権保護を図る。コピーガードを大幅に強化、DVDに比べ海賊版作製とその視聴がより困難と言われている。これにより、ブルーレイプレイヤーの一部︵PlayStation 3など︶は定期的なハードウェアのバージョンアップを要求される事がある。
●AACS
●ROM Mark
●BD+
●Cinavia
なお、BD-RE Ver.1.0ではAACSではなくBD-CPSが採用された。
BD-CPS
BD-CPSはBD-RE Ver.1.0で採用されたコピーガードシステム。BD-RE Ver.2.0以降やBD-R、BD-ROMではBD-CPSではなくAACSが採用された。
AACS
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AACS︵Advanced Access Content System︶により、コピー管理も含め、ネットワーク機能やインターネット接続に関連して公認されたセキュアな方法でコンテンツを保護する。
AACSのカバー範囲はTV放送およびインターネットを利用したコンテンツ配信、家庭内のネットワーク配信など、現在想定できる使用用途のほぼすべてと広範囲にわたる。また、再生専用メディアだけではなく記録型メディアにも対応し、コンテンツのムーブやDRMによって認められたコンテンツの複製をセキュアに管理する。
●暗号方式に﹁Advanced Encryption Standard︵AES︶﹂を採用
●暗号鍵の長さは128ビット。
●リボークシステムによる不正な機器、メディアによる使用をガードする排除機能を搭載
●固有ID情報‥メディアに﹁ユニークID﹂と﹁MKB︵Media Key Block︶﹂が書き込まれる。ドライブ側にも機器ごとに固有の鍵を導入︵検討中︶[いつ?]。
●ウォーターマークによるコンテンツプロテクションの導入︵検討中︶[いつ?]。
●HDMIは推奨、ハイビジョン画質でのアナログ映像出力を映画会社が望めばダウングレードする機能︵ICT︶あり。
●HDDからリムーバブル媒体、リムーバブル媒体からHDDへのコンテンツ移動︵ムーブ︶をする機能を持つ機種もある。
ROM Mark
ROM Markは、BD-ROM原盤の偽造を困難にする技術である。
映画や音楽、ゲームなどBD-ROMメディアに収録されるコンテンツの中に検出できない一意の識別子を埋め込む。ライセンスを受けたBD-ROMメーカーに提供される機器でしか扱えず、スタンパーを入手しただけではこの識別子は書き込めない。そのため、ディスク原盤の非正規の作製はきわめて困難とされている。
BD+
BD独自の機能であるBD+はBDプレイヤーのコンテンツ保護プログラムが破られた際にも、新たなコンテンツ保護プログラムをBDプレイヤーに導入できる機能である。
破られたコンテンツ保護プログラムをコンテンツ企業が後から自動的に更新できるため、非正規に複製されたディスクの視聴は実質的に不可能になると考えられている。なお、BD+はキーが改変されたプレイヤーのみに影響する。
Cinavia
BDのコピーガード規格の一つとしてCinavia(シナビア)が採用された。
リージョンコード
ブルーレイディスクには再生できる地域を制限することを目的としたリージョンコードが指定されている。これは地域の区分けこそ異なるものの原則として従来のDVDリージョンコードと同様のものであり、ある一定の地域で販売されたプレーヤーではそれと同じ地域で発売されたソフトしか再生できない。このシステムは当初ブルーレイにはなかったものであるが、映画会社の強い要望により3つの地域に分割された方式が採用された。
これにより映画会社は特に販売価格、日付、内容を地域によって制御することが可能になる。また、地域の制限を設けないリージョンフリーでも作成できるため、すべての地域で再生可能なソフトを作成することもできる。そのため2008年上半期の時点で発売されたソフトのおよそ3分の2のソフトはリージョンフリーで作成されている。
韓国、マレーシアなどほかのブルーレイ生産国と同様、日本はアメリカと同じリージョンに属するためDVD-Videoとは異なりアメリカ製ソフトの輸入版を再生することが可能である。
ネットワーク用途の考慮
ネットワークを利用した用途も考慮されており、ネットからダウンロードした字幕データをディスクに追記するようなことが可能となっている。もちろん再生専用のROMディスクには追記できないため、プレーヤーに記憶装置を内蔵するなどの対応が必要になる。
IT用途
パソコン向けの記録・再生ドライブ、およびBDドライブを内蔵したパソコンが2006年6月に発売された。日本国内では11月までBD-Video対応機器はパソコンのみという状況であった。
H.264/MPEG-4 AVCやVC-1の映像コーデックを採用したBD・HD DVDソフトは再生時のCPU負荷が非常に高く、高スペックのパソコンでも滑らかに再生するのが困難と言われてきた。GPUの再生支援機能やCPUの高性能化などにより次第に解決されつつある。
また、ディスプレイへの出力にも問題が大きい。AACSの仕様によりデジタル出力にはHDMI接続、またはHDCPに対応したDVI-D接続が必須となり、通常のDVI-D接続では表示できない[注17]。さらにディスプレイ自体の解像度がフルハイビジョン規格︵1920×1080ピクセル︶に満たない場合、BDをはじめとする第3世代光ディスクの映像を完全な形で再生することはできない。
記録型BDドライブ内蔵PCでデジタルテレビチューナー搭載モデルは、デジタル放送をHD映像のままBD-R/REに保存できる[注18]。
マイクロソフトはWindows Vistaの発売前、同OSでHD DVDのみを標準サポートすると表明していた。しかし、サードパーティによるおもな再生アプリケーションやDVDライティングソフトはすでにBDに対応しており、実際の使用でBDに不利益が生じることはない[注19]。また、製品版VistaではHD DVDサポートが当初の予定より縮小された。2008年1月には同社幹部が﹁OSにおけるサポートは中立である﹂と言明している。
コンテンツ制作用途
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アーカイブ用途
動画圧縮/伸張用にMPEG-4 AVC/H.264エンコーダを搭載したBD/HDDレコーダーが発売されており片面2層ディスク︵50GB︶を用意することでXPモード︵S-VHS標準モード並みの画質︶で約10時間30分、SPモード︵S-VHS3倍モード並みの画質︶で約21時間録画可能とされている[発表17]。自宅などにS-VHSやED Beta、Hi8などの大量のエアチェックコレクションなどがある場合、その高解像度・高画質を保ったままで大幅な省スペース化が可能。また、BDレコーダにi.LINK端子が搭載されていれば、D-VHSデッキの﹁LS3モード﹂で24時間記録した映像をテープ1本分丸ごと移し変えることもできる。DVDの場合、もっともよく使われるSPモードでも2時間しか記録できない︵片面1層ディスクの場合︶ためアーカイブ用途には不向きである。
セキュリティー用途
BDでは、SDTV映像であればS-VHS方式3倍モード並の画質で長時間記録をすることが可能である。そのメリットを活かして、フルモーションのカラー映像で監視カメラの映像記録に活用することも可能となる。
防災・防犯を目的とした監視カメラの映像の収録には、連日膨大な量のストレージメディアを必要とする。BDならこれまでのCDやDVDと同一のサイズなので、メディアの収納性には優れていると言える。
耐久性
以下の理由により、BDはDVD用などのBD非対応の不織布ケースに入れると記録面が破損するおそれがあるため、繊維をきめ細かくしたBD対応の不織布ケースが販売されている[発表 18]。
初期製品
BD規格の機器や、対応ディスクが発表された当時の技術では、対応メディアの表面に些細な汚れや傷がついただけで、そのメディアが使用不能状態に陥るほどの脆弱性に悩まされ、対策として、カートリッジ内にディスクを密閉する方式を採用した。
カートリッジ入りのため、メディア全体の容積が増え、取り扱い性の悪さや、ノートパソコン向けドライブの小型化が難しいという点で、BD普及の大きな障害となっていた。
また、DVDはハードコーティング製品を除き傷のついた部分を均一に研磨すれば使用できるが、BDは保護層が0.1mmと非常に薄いため、初期のメディアでは表面研磨をすると再生できなくなる。
耐久性の向上
BD-ROMやBD-Rは、規格制定当初からHD DVDと同様、カートリッジを必要としないベアディスクであり、BD-REものちにバージョン2.0で﹁ベアディスク﹂に対応させることになった。それぞれの物理フォーマットには、メディアの表面硬度に関する規定が追加された。このベアディスク化を実現するため、ハードコート技術の開発が急務となった。
これに対応する技術として、TDKがディスクの耐久性向上技術﹁DURABIS︵デュラビス︶﹂を開発。このDURABISをはじめとする各種ハードコート技術により、傷や汚れなどによる問題や、小型ドライブの問題も解決のめどが立ち、HD DVDに対して対等、もしくはそれ以上の条件が揃った。
初期のBDドライブは、ピックアップレンズとディスク表面までの距離[注20]が0.3mm程度であり、HD DVDの1mm程度と比較すると3分の1しかなく、表面カバー層も0.1mmと非常に薄いため、振動でピックアップレンズとディスクが衝突しやすかった。そこで車載などの用途への仕様を満たすため、接近検知時間がDVDの3分の1以下のより高精度な接近検知システムを搭載することとなった。接近検知時間は0.8msとなっている[注21]。
DURABIS
DURABIS︵デュラビス︶は、TDKのハードコート技術の名称である[26]。英: DURABILITY︵耐久性︶と英: SHIELD︵盾/保護物︶からの造語で、優れた耐久性を表現するよう命名された。傷に強くスチールウールで100〜200回擦ったぐらいでは影響がほとんどないほどの耐久性を持つ。また、指紋汚れやチリ・ほこりがつきにくい[注22]。
DURABISは、当初青紫色半導体レーザー方式の第3世代光ディスク︵BDやHD DVD︶向けに開発された技術であり、のちにDVD・BD用途へと採用された[発表19]。従前、TDKではDVDにおいては﹁超硬︵スーパーハードコート︶﹂︵欧‥Scratch Proof Disc、米‥Armor Plated Disc︶としてハードコート技術を展開しており[26]、すでにDVD-Rで﹁超硬﹂﹁UV超硬﹂ブランドを掲げた製品を発売していたが、BDへのハードコート技術の展開を期にブランド名を﹁DURABIS﹂に統一した[26]。DVDに最適化したものを﹁DURABIS1﹂、BD用を﹁DURABIS2﹂、放送用を﹁DURABIS PRO﹂としている。
2006年︵平成18年︶4月18日に、﹁DURABIS2﹂を採用したBD-R/REディスクを発売した。なお、同社は2007年︵平成19年︶には8年後の2015年︵平成27年︶12月末以降の光ディスク︵グループ企業のイメーション製品のBlu-ray DiscメディアとDVDメディアを含む︶の新製品の開発と製造終了とともに全面撤退することを発表しており、すでに撤退している。
Blu-ray Disc規格の採用例
ビデオカメラ
●2007年
●日立製作所は7月20日、撮像から記録まで1920×1080画素のフルハイビジョンで一貫して処理するための民生用ビデオカメラ向け基幹技術を新開発したと発表[発表20]。﹁高品位映像音声コーデックLSI︵民生用︶﹂﹁高画質カメラ画像処理LSI﹂﹁8cmBD/DVDドライブ︵世界初︶﹂﹁約530万画素CMOS撮像素子﹂などにより、フルハイビジョンBDビデオカメラとして製品化する。
●日立製作所は8月2日、世界初のフルハイビジョンBDビデオカメラ﹁BDカムWooo﹂[発表21]として﹁DZ-BD7H﹂﹁DZ-BD70﹂を発売すると発表し[発表22]8月30日に発売された。﹁DZ-BD7H﹂は30GBのHDDとBDドライブのハイブリッドで﹁DZ-BD70﹂はBDドライブのみとなる。8cmで7.5GBのBD-R、REメディアは8月10日に日立マクセル[発表23]・三菱化学メディア[発表24]・TDKより発売された。
●2008年1月、日立がBDカムWoooの第2世代製品を発表。60GBのHDDとBDドライブのハイブリッドでBD単独記録︵HDD非搭載︶モデルはラインナップから外れている。
パソコン用ソフトウェア
パソコン上でBDを再生するソフトは、2006年春ごろから販売が始まった。当初は他の機器やサービス同様HD DVDとBDの両方をサポートするソフトウェアが多かったが、2008年春に東芝がHD DVDから撤退して以降同機能を削減して発売をするソフトウェアが増えた。また、編集ソフトなどの中にはBDへの出力をサポートするソフトも増えている。
レンタル店舗
2006年6月に最初の映画ソフトとなる7作品がBlu-ray化されている[28]。
北アメリカでは2007年6月18日、全米に7,000以上の店舗を展開している米ビデオレンタルチェーン最大手のブロックバスターはBD規格のビデオタイトル取り扱い店舗を7月半ばまでに1,700店まで増やすと発表した。同社では2006年末から250店舗で実験的にBDとHD DVDでビデオタイトルをレンタルしてきたが、割以上の顧客がBDタイトルを選択していたため、BDタイトルの拡充を決定した。実験時の250店舗およびオンラインではHD DVDも取り扱いを続けた[29][30]。
また、同様に北アメリカレンタル店舗大手のNetflixも、Blu-rayのみ取り扱うことを2月12日に発表している。
一方で日本では試験レンタルを開始する際、レンタルの動向などを調べる目的でTSUTAYAやゲオ、SPEや20世紀 フォックス ホームエンターテイメント ジャパンなどの22社により﹁Blu-ray研究会﹂が設立される[31]。
●ゲオ
●2007年12月4日、22社26店舗が2007年12月 - 2008年2月に限られた店舗で試験レンタルを実施する[32]。
●2008年4月12日より全国800余店舗にてブルーレイ48タイトルのレンタルを開始した[発表25]。
●TSUTAYA
●2008年3月19日より主要都市10店舗で45タイトルのレンタルを開始した。
●2008年夏までに全国1,300余店舗で導入を目指すと発表している[発表26]。
沿革
BD規格策定前
BDに採用された技術等を挙げる。
●1999年7月、ISOM/ODS'99でソニー、フィリップスがDVR-Blue規格発表。カバー層0.1mm、NA=0.85、変調方式1-7pp、誤り訂正方式LDC/BISなどBlu-ray Discに採用された技術が開発された。
●2001年10月、CEATEC JAPAN 2001時点でのDVR-Blue方式と2層相変化RAM方式のそれぞれのメンバーは、DVR-Blue方式がソニー︵初代法人、現‥ソニーグループ︶、フィリップス、パイオニア、シャープで、2層相変化RAM方式が松下電器産業︵現‥パナソニックホールディングス、以下パナソニック︶、日立製作所、東芝︵映像機器事業部、現‥TVS REGZA︶、日本ビクター︵現‥JVCケンウッド︶である。
●2001年10月15日、松下電器産業が2層相変化記録方式の容量50GBの書き換えディスクを発表。質疑応答で﹁フォーマットが二分されるのは好ましくない、統一するよう努力する﹂と述べた。のちに2層技術、アドレス検出方式STWなどがBlu-ray Discに採用された。
BD規格策定から規格争い終結まで
2005年CEATECの模様
●2002年
●2月19日、日立製作所、LG電子、パナソニック、パイオニア、フィリップス、サムスン電子、シャープ、ソニー、トムソンの9社がBlu-ray Disc︵BD︶の規格を策定したことが発表される。その中にDVDフォーラム中核企業である東芝は含まれていなかった。
●5月20日、上記の9社によりBlu-ray Discの規格策定を行うBlu-ray Disc Foundersが設立される。
●2003年
●4月10日、ソニーは世界初のブルーレイディスクレコーダー・BDZ-S77を発売。
●5月28日、三菱電機がBlu-ray Disc Foundersに加盟。以後Blu-ray Disc Associationへの移行︵後述︶までにデル、ヒューレット・パッカード︵HP︶、TDKが加盟する。
●録画機器と録画用書き換えメディアの製品化が始まる。
●ソニーはBD規格をカスタマイズした容量23.3GB︵片面1層︶の﹁プロフェッショナルディスク﹂を開発し、業務用のハイビジョン録画・編集機器とコンピュータ補助記憶装置に採用した。
●2004年
●5月18日、規格策定団体﹁Blu-ray Disc Founders﹂を﹁Blu-ray Disc Association﹂と改称し、多くの企業が参加できるオープン団体に移行すると発表。10月4日に正式に発足した。これにより多くの会社︵発足時点で73社、2006年6月時点で170社以上︶がBlu-ray Disc Associationに参加した。
●7月、松下電器産業は世界初の片面2層ディスクの記録に対応したブルーレイディスクレコーダー、﹁real﹂DMR-E700BDを発売。
●9月21日、ソニー・コンピュータエンタテインメントが次世代ゲーム機﹁PlayStation 3﹂にBD-ROM採用を発表。ゲーム機としての仕様がほとんど発表されていない中での採用メディアの発表であった。
●2005年5月、松下電器産業が、アメリカロサンゼルス近郊にスピンコート技術を使ったBD量産工場[33]を稼動させたことを発表。BD-ROMディスクがDVDに近いコストで製造できることを証明した。ソニーはシート方式を用いて製造していたが、コストや2層ディスクの製造効率が悪いことなどから、2006年までにスピンコート方式に転換[34]した。
●2006年
●6月10日、松下電器産業はBDドライブ︵内蔵型の記録ドライブ単体︶および片面2層構成、記憶容量50GBのBDを発売。同ドライブを内蔵したPCも6月から発売した。
●6月、サムスンはBD-ROMプレーヤをアメリカで発売。同時期にソニーピクチャーズは、LionsgateからBD-ROM映画ディスクを発売。日本でもアメリカのソフトを再生できるため[注25]、BD搭載PCを用意すればソフトが再生できる状況となった。
●8月29日、国内のソフトウェアメーカー14社とハードウェアメーカー5社が合同発表会を開催し、11月以降に75タイトル以上を発売することを発表した。国内第1号ソフトとして11月3日にワーナーやソニー・ピクチャーズ等から7タイトルが発売された。
●10月14日、ソニーから世界初のBDドライブ搭載のノートPC、VAIO type Aが発売。
●11月10日、20世紀FOXは世界初の2層50GBソフト、﹁キングダム・オブ・ヘブン﹂を日本で発売。
●11月11日、ソニー・コンピュータエンタテインメント︵現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント︶はBDプレイヤーを兼ねた家庭用ゲーム機﹁PlayStation 3﹂を日本で発売[注26]。
●11月15日、松下電器産業は、民生用BDレコーダーとして初めてBD-Videoの再生に対応した﹁ブルーレイDIGA﹂DMR-BW200/BR100を発売。
●2007年
●4月23日、業界最大の青紫色半導体レーザー月産170万個体制を確立[発表27]、外販強化、コストダウンも進む。
●8月30日、中国の大手AV機器メーカである華録集団︵CHLG︶と台湾のPCメーカであるエイサーがBDAに加盟。華録集団は中国国内にオーサリングセンターを設立予定。エイサーはBDドライブ搭載ノートPCを製品化予定[35]。
●11月27日、Blu-ray Disc Associationは声明文で業界の販売データを引き合いに出しBlu-ray映画ディスクの販売本数が100万本を超えたこと、欧州向けに製造されたBlu-rayゲームディスクが2,100万本を突破したことを報告したとロイターが報道した[36]。
●12月4日、TSUTAYA等のビデオレンタル事業者、松下電器産業などのAV機器メーカー、20世紀フォックスなどの映像ソフトメーカー、合計22社が﹁ブルーレイレンタル研究会﹂を設立。ゲオなどのビデオレンタル店13社︵合計26店舗︶で2008年2月29日まで試験的にBlu-ray Discビデオのレンタルを開始。レンタル価格はDVDビデオの新作と同額[37]。なお最大手のTSUTAYAはこの試験に参加していない。
●10月にはエイベックス、11月にアスミック・エース、ジェネオン[注27]がBD参入を発表している。
●2008年
●1月、BD-ROMビデオのProfile 1.1︵ピクチャーインピクチャーなどのインタラクティブ機能を実装︶に準拠した初のタイトルとして﹃バイオハザード﹄が北アメリカで発売された。
●1月8日、アメリカで世界最大級の家電展示会﹁2008 International CES﹂が開催される。
●International CESではBD-ROMのProfile 2.0に実装されるBD-Live︵ネットワーク機能など︶のデモが展示された。2008年内にソフトが発売され、対応プレーヤーの発売やPlayStation 3の対応ファームウェアも予定されている。
●1月30日、EMIミュージック・ジャパンはBD参入を発表。
●3月19日、TSUTAYAが全国の主要都市10店舗でBDソフトレンタル開始。
規格争い終結後
●2008年
●4月12日、ゲオが全国約800店舗でBDソフトのレンタル開始[発表28]。
●6月11日、歌手のT.M.Revolutionが世界初となるBlu-ray DiscつきのCDシングル﹁resonance﹂を発売した。BDの内容映像は同曲のビデオクリップである。
●7月15日、TSUTAYAが7月19日から1,339店舗全店︵2008年7月15日当時︶でBlu-ray Discレンタルサービスを開始すると発表[38]。
●2009年
●6月25日、東芝社長西田厚聰が今後のBlu-ray Discの展開に触れた発言を行う。株主総会にて﹁規格争いに負けたから一切やらないということではない﹂と発言[39]。
●7月18日、東芝は、BD﹁再生専用機﹂の発売︵2009年内︶を発表した。再生専用機発売の理由は、海外では録画習慣が日本に比べて少ないこと、テレビ番組のインターネット配信が日本よりも普及し、日本で主流の録画再生機の需要増大が見込めないためとしていた。その一方で、﹁録画再生機﹂の発売も需要状況検討するとの姿勢も示していた。
●8月10日、東芝はブルーレイディスクアソシエーションへの加盟を正式に申請した。今後は、BD対応の録画再生専用機﹁VARDIA﹂やBD対応のノートパソコン﹁dynabook﹂/﹁Qosmio﹂の発売を目指す予定とした。
●9月5日、東芝はBD再生機の欧米での発売を発表した。アメリカは11月、欧州は12月から。希望小売価格は、アメリカで249.99ドル︵約2万3,000円︶欧州では未定。日本を含むその他の地域での発売は未定であった。
●10月30日、民生機として業界初のHDD・BDレコーダー一体型液晶テレビを三菱電機が発売した。﹁REAL﹂2機種︵LCD-37BHR300・32BHR300︶。
●12月17日、Blu-ray Disc Associationが、Blu-ray 3D規格であるMPEG-4 MVCを規格策定した。
●2010年
●2月中旬、東芝が船井電機のOEMでD-B1005K、D-BW1005K、D-B305Kの3機種を発売した。東芝のそれまでの製品構成は、HD DVD、DVDレコーダーのみであった。
●4月23日、Panasonicは、Blu-ray 3D再生対応機種、4機種︵DMR-BWT1000・2000・3000、DMP-BDT900︶を発売した。3D再生対応として民生機業界初。
●6月25日、ブルーレイディスクアソシエーションが、記録容量を最大128Gバイトに拡大したBlu-ray Discの新フォーマット﹁BDXL﹂の最終仕様を決定した。BDXLは3層で100GバイトのRE︵最大2倍速︶およびR︵最大4倍速︶、4層128GバイトのR︵最大4倍速︶が規定された。現行Blu-ray Discの仕様を延長した規格のため、25Gバイト / 50Gバイトの従来規格のディスクも再生可能。
●7月30日、シャープが﹁BDXL﹂規格に対応させた録画機﹁AQUOSブルーレイ﹂2機種と100GバイトのBD-R XL録画用ディスクの発売を開始。業界初の民生機。Panasonicも追従して9月に発売を開始した。これは既存発売機種への機能追加の製品であった。3D非対応機が2月発売済み機種、3D対応機が4月に発売済み機種、それぞれにブルーレイドライブをBDXL対応化させたものであった。
●2011年11月、大手メーカーが従来型DVDレコーダーの生産終了。
●2013年11月22日、マイクロソフトがBlu-ray Disc対応のゲーム機﹁Xbox One﹂を発売。マイクロソフトはXbox Oneの前モデルである﹁Xbox 360﹂にてHD DVDドライブユニットを発売していた。
●2015年
●5月11日、Ultra HD Blu-rayの規格︵最大解像度3840x2160ピクセル、HDR、Digital Bridge、片面2層で66GB、片面3層で100GB︶策定完了を発表[発表29]。
●光ディスク市場の急速な縮小により、太陽誘電が本年をもって撤退。
●12月末、TDKがBlu-rayディスクメディア︵イメーションブランドと同社のLife On RecordブランドのBlu-ray Discを含むその他のディスクメディア全製品︶からの完全撤退を発表[注28]した[発表30]。
●2016年8月2日、マイクロソフトがUltra HD Blu-ray対応のゲーム機﹁Xbox One S﹂を発売。
●2018年11月10日、ソニーが世界初、4層128GBのBD-R XLメディアを開発・発売[40]。
●2020年11月12日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントがUHD BD対応のゲーム機﹁PlayStation 5﹂[注29]を発売。
●2023年1月23日、パナソニックが同年2月末をもって、2006年に開始した録画用Blu-rayディスクの生産・出荷を完了すると発表[41][42]。
備考
●ほぼすべての規格のブルーレイから流れる映像はAACSによって保護されているが、︵ハードウェア上の︶ブルーレイプレイヤーのHDMI以外のアナログ映像出力端子を使用した場合はコピーガードを無視して映像をキャプチャできるリスクが存在した。そのため、AACSの規定変更により2011年ごろから発売されたブルーレイプレイヤーの新規モデルではHDMI以外でブルーレイを視聴する際に強制的に画質が480iになり、2013年6月以降に発売された新規モデルではHDMIによる映像出力以外でブルーレイを視聴できなくなった。
●AACSの都合から、すべてのブルーレイプレイヤーにはインターネット接続とディスクドライブ内部の記録媒体を必要とする。PlayStation3以降のプレイステーションシリーズは本体OSのバージョンアップ、XBOXは﹁Blu-ray Disc﹂アプリケーションの更新でAACSの暗号鍵を更新する。暗号鍵の更新により、将来に発売されるすべてのBD-ROMとの互換性を確保できる。なお、DVDプレイヤーにもリージョンコードを記録するためにドライブに記録媒体を入れる必要がある。
●BD-ROMをPlayStation 3~PlayStation 5のPlayStationシリーズに挿入すると、専用のジャケット画面が再生前のメニュー画面の項目に表示されることがある。ジャケットでは二枚組のディスクでない場合でも﹁DISC 1﹂の表記が付与されていることが多い。ジャケットの画像サイズはPS3のXMBに基づいたものが多い。
●BD-ROMのレジューム再生はディスクによって対応が異なる。DVDと異なり、すべてのディスクにレジューム機能が実装された︵実装できる︶とは限らない。
●DVDと異なり、規格上はブルーレイ再生中のメニュー画面でテレビの色ボタン、番号ボタンも使用が可能。
●BD-ROM再生直後は画面がかならず暗転し、ディスクごとに異なる専用のローディングアイコンが表示される。その後、プレイヤー上で再生アイコンが表示され、版権表示が行われる。
●2023年時点でBD-LIVEを使ってボーナスコンテンツを遊べるBD-ROM作品は絶滅した。ただし、BD-LIVE用のサーバーはソニーではなく会社ごとに各自で管理する。
●ただし、現在でもBD-LIVE規格がごくわずかに使用されているためPlayStation 5やXbox Series XでもBD-LIVE規格はいまだ実装されている。例としては20世紀フォックス製のブルーレイのうち2016年以降に製造されたものがあり、通常のAACSによる暗号化解除に加え、本来の発売日より先にブルーレイの映像を見ることを防ぐためにオンライン認証が一度だけ行われる。この時にオンライン環境にブルーレイを再生するソフトウェアが接続できなかった場合やPC上のソフトウェアを使用してブルーレイを視聴する場合は、アクセスコードを手動で入力するよう求められることがある。[43]バージョンアップを正しく行ったゲーム機では、日付設定を変更してもこの処理が省略されることがある。
●BD-LIVEはUltra HD Blu-rayには存在しない規格。また、3D-Blurayに3D映像と通常の映像を同時に入れることができない。
●リージョンコードはDVD同様に存在する。PS3、PS4ゲームディスクもリージョンロックがソフトごとに異なる場合があってもリージョンコードは付与されている。しかし、Ultra HD Blu-rayやXbox One(Xbox Series X)規格のブルーレイにはリージョンコードが存在しない。
●ゲーム機におけるブルーレイディスクの対応は、まず2006年に誕生したPlayStation 3から始まり、Xboxは2013年に登場したXbox Oneより対応。その後、PS5用ゲームのディスク規格はUltra HD Blu-rayに変更されたものの、Xbox Series X専用のディスクは引き続きブルーレイである。ゲーム用ブルーレイは最大容量が二層100GBである。Wii Uのゲーム用ディスクは独自規格である。
●PS3用BD-ROMはゲーム中も読み込みが続くため、よりゲームディスクが傷に弱い傾向にあり、Gran Turismo 6やGrand Theft Auto Vではディスクに目に見えないほど小さい傷がディスクにつくだけでデータインストールに失敗することが多い。PS4用BD-ROMでも同様にデータインストールに失敗するリスクがあるが、Xbox︵Xbox One以降︶のディスクの場合はオンライン上からもすべてのゲームデータをインストールできることからこのリスクは低い。
●ディスクケースはDVDのようにメーカーごとに自由な色を使用する傾向がなく、青いケースに﹁Blu-ray disc﹂のロゴが描かれ、サイズもDVD用ケースよりも小さい専用のものを使用する傾向にある。Ultra HD Blu-rayではケースが黒色になる傾向にある。ディスケースはDVD用のケースよりも薄いものを使用する傾向にあるが、
●BD-ROMは裏面が透明な青色であることから、﹁Blu-ray Disc﹂の名称と相性があり、知名度を広げることにつながった。しかし、現在のBD-RやBD-REの裏面は黄金色になる傾向にある。BD-RやBD-REに書き込みを行ったディスクの面は黒色になる。BD-REはよりディスクが黒い傾向にある。Ultra HD Blu-rayも同様に同じ青色であるが、ブルーレイと異なり三層ディスクも製造可能であり、製造工程を流用しやすいことから、本来一層で容量が収まるBD-ROMも二層で製造される傾向にある。︵逆に、一層のUltra HD Blu-rayディスクは存在しない。︶
●2023年現在では、CD,DVD,Blu-ray Disc,Ultra HD Blu-rayすべてに対応するゲーム機はXBOX Series Xのみである。PCではUltra HD Blu-rayに対応することが難しくなっていることから、4k対応のレコーダーかゲーム機を選ぶことが最も好ましい。ただし、Xbox Series XではDVD-R、DVD-RW、BD-R、BD-REはすべて再生が保証されていない。
脚注
注釈
(一)^ BDの普及を目的とする団体である。前身はBlu-ray Disc Founders︵ブルーレイディスクファウンダーズ、略称BDF︶。
(二)^ なお、bluはイタリア語では﹁青い﹂を指す形容詞である。
(三)^ abBDXL規格。
(四)^ abc広義にはBDXLも複層に含まれる。
(五)^ abXLはExtra Largeを指す。
(六)^ ただし、SACDには対応する機種と非対応の機種が混在する。
(七)^ 録画用ディスクにデータを記録することもDVDなどと同様に可能。
(八)^ 私的録音録画補償金制度#デジタル放送専用レコーダーの私的録画補償金に対する訴訟を参照。
(九)^ DVDはUDF 2.0を採用。
(十)^ アップデートにより読み取り / 再生できる場合はある。
(11)^ BD-R Ver.1.1非対応のBDレコーダー以外は、殆どの機種がファームウェアの更新で対応されている。
(12)^ CD-RWとDVD-RWは1,000回以上、DVD-RAMは10万回以上、光磁気ディスク方式は100万回以上。
(13)^ カートリッジはオプションである。
(14)^ システムソフトウェア バージョン3.50より。
(15)^ 後継機種のPlaystation 5ではBlu-ray 3Dには非対応となった。
(16)^ MPEG-2とH.264/MPEG-4 AVCとの単純比較では概算として圧縮効率に約2倍程度の能力差があるとされている。従ってMPEG-2からH.264/MPEG-4 AVCに変えることで記録時間の観点からは同じ画質なら2倍の記録時間が期待でき、画質の観点からは同じ記録時間なら画質の記録・再現に2倍のデータ量を割り当てることが期待できる。なお、映像などの記録・再現に2倍のデータ量を割り当てた結果が、﹁画質が2倍良くなる﹂という評価に必ずしもならない点に注意。
(17)^ RCAなどによるアナログ接続は禁止されていない。
(18)^ 各機種の機能やソフトウェアに依存する。
(19)^ 現にマイクロソフトはDVD自体を公式に認めていないが、DVDがメディアの主体となったように今回のHD DVD支持も規格争いへの直接的な影響は事実上およぼさなかった。
(20)^ 作動距離。
(21)^ DVDは3msである。
(22)^ ﹃ネットランナー﹄で実験が行われた[27]。
(23)^ Macと名前こそついているものの、macOS版の他にWindows版も存在している。
(24)^ 再生用の解読キーをダウンロードするのにインターネットを使用する為、使用にはインターネット接続を必要とする。
(25)^ リージョンコードが同じであるため。
(26)^ 後継のPlayStation 4もBD対応。
(27)^ 販売提携を結んでいるワーナーホームビデオ向けには先行供給している。
(28)^ 完全撤退に伴いBlu-rayディスクなどの記録メディアに関する新製品の開発と既存製品の追加製造自体は終了するが、TDKブランド製品のアフターサービスのみに関しては2020年12月末まで継続すると発表。
(29)^ PlayStation 5 デジタル・エディションを除く。
出典
二次資料
一次資料
関連項目
外部リンク