ディオスクーロイ
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ディオスクーロイ︵古希: Διόσκουροι, Dioskūroi, ラテン語: Dioscuri︶は、ギリシア神話に登場する双子の兄弟カストールとポリュデウケースのことである。長母音を省略してディオスクロイとも表記され、ローマ神話ではジェミニ︵Gemini、ラテン語の発音はゲミニー、双子の意︶と呼ばれる。また、ポリュデウケースは、ラテン語読みでポルックスと呼ばれることが多い。母親はレーダーで、姉妹にヘレネーとクリュタイムネーストラーがいる。
﹁ディオスクーロイ﹂は﹁ゼウスの息子たち﹂の意味である。白鳥に化けたゼウスがレーダーを誘惑し、レーダーが卵を産んだという話はよく知られている。レーダーの夫はテュンダレオースで、生まれた子供には父親がゼウスの者︵神であり不死︶と、テュンダレオースの者︵人間であり死の運命がある︶がいるとされる。カストールとポリュデウケースは、両方とも神だとされたり、人間だとされたりする。どちらか一方が神とされる場合は、ポリュデウケースのほうが神とされる。
ディオスクーロイはふたご座の名前の由来となった。エラトステネースによれば彼らは兄弟愛に関してほかの誰にもまさっており、兄弟のどちらが上であるかについてもその他の何事についても争うことがなかった。そしてこの絆に感心したゼウスによってふたご座の星々とされたという[1]。
性別[編集]
オズヴァルド・ヴィルトによると、ふたご座はタロットの太陽にあたり、通常同性とされるカストールとポリュデウケースは、タロットにおいては男女であるという[2][3]。系図[編集]
出典[編集]
(一)^ “伝エラトステネス﹃星座論﹄(4) おとめ座・ふたご座・かに座”. 2022年8月31日閲覧。
(二)^ Wirth, Oswald 著、今野喜和人 訳﹃中世絵師たちのタロット﹄国書刊行会、2019年、232頁。ISBN 9784336063465。
(三)^ オズヴァルド・ヴィルト. “Tarot Of The Magicians By Oswald Wirth”. インターネットアーカイブ. 2020年4月19日閲覧。
関連項目[編集]
- ふたご座
- カストルとポルックス神殿
- アシュヴィン双神
- ヘーラクレースとイーピクレース - こちらも神ゼウスと人間の異父兄弟(双子)である。当時の双子の認識として、神の介入による奇跡と考えられていたことが背景にある。