ナイジェリア
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- ナイジェリア連邦共和国
- Federal Republic of Nigeria
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(国旗) (国章) - 国の標語:Unity and Faith, Peace and Progress
(英語: 統一と信頼、平和と前進) - 国歌:Arise, O Compatriots(英語)
起て同胞、ナイジェリアの呼び出しに遵って -
公用語 英語 首都 アブジャ 最大の都市 ラゴス 独立
- 日付イギリスより
1960年10月1日通貨 ナイラ (₦)(NGN) 時間帯 UTC+1 (DST:なし) ISO 3166-1 NG / NGA ccTLD .ng 国際電話番号 234
概要[編集]
ナイジェリアは西アフリカに存在する国家である。人口は2022年現在で2億1,140万人[4]で世界第7位であり、アフリカ州最大の規模でもある。さらに民主的な世俗国家であることが憲法上で規定されている[5]。イギリス連邦加盟国の1国でもある。行政区分は、36の州および首都アブジャ市を擁する連邦首都地区からなる。 ナイジェリアの地には過去数千年間に多数の王国や部族国家が存在してきた。現在のナイジェリア連邦共和国の源流は、19世紀以来の英国による植民地支配と、1914年の南部ナイジェリア保護領と北部ナイジェリア保護領の合併にもとめられる。英国は行政システムと法制度を設置した上で伝統的な首長制を通じた間接統治を行った。ナイジェリアは1960年に正式に独立し、1967年から1970年にかけて内戦に陥った。以来、選挙に基づく民主政権と軍事独裁政権が交互に続いたが、1999年に安定した民主政権が成立し、2011年の大統領選挙は同国では初めて比較的自由かつ公平に行われた選挙であるとされる[6]。 若年人口は世界でも非常に多い[7][8]。同国は多民族国家とみなされており、500を超えるエスニック・グループを擁する。そのうち3大エスニック・グループがハウサ人、イボ人、ヨルバ人である。同国のエスニック・グループが用いる言語は500を超え、文化の違いも多岐にわたり、それにより互いに区別される[9][10]。ナイジェリア連邦共和国の公用語は英語である。宗教はおおまかに南部のキリスト教と北部のイスラム教に二分される。少数はナイジェリア土着の宗教を信奉しており、たとえばイボ人やヨルバ人の伝統宗教などがこれにあたる。 ナイジェリアは人口と経済規模から﹁アフリカの巨人﹂と称されることが多い[11]。2015年時点でナイジェリアの経済規模は世界第20位であり、名目GDPは5,000億ドル、購買力平価は1兆ドルをそれぞれ上回る。2014年には南アフリカを抜きアフリカ最大の経済大国となった[12][13]。また、GDPに対する国債の割合は2013年で11パーセントに過ぎず、2012年にくらべても8ポイント低い[14][15]。 ナイジェリアは世界銀行からエマージング・マーケットとみなされているほか[16]、アフリカ大陸における地域大国[15][17][18]、国際政治におけるミドルパワー[19][20][21][22]、世界規模でのエマージング・パワーともみなされている[23][24][25]。ナイジェリアは、広く第2のBRICsと目されるMINTの1か国であり、世界最大クラスの経済大国になると考えられているネクスト11にも含まれる。ナイジェリアは英連邦創設当初からの加盟国であるほか、アフリカ連合、OPEC、国際連合といった国際機関のメンバーでもある。 2014年に西アフリカでエボラ出血熱が流行した際には、この伝染病はナイジェリア以外の3つの国では猛威を振るったが、ナイジェリアでは各国に先駆けて効果的に封じ込めと除去が行われた。また同国独自の保菌容疑者の追跡法は有効性を買われ、のちに各国で用いられることになった。たとえばアメリカでエボラ出血熱の感染が確認された際にもこの方法が採用されている[26][27][28]。国名[編集]
同国の正式名称は英語のFederal Republic of Nigeriaで、通称はNigeria [naɪˈdʒɪərɪə; naɪˈdʒiːərɪə]である。日本語での表記はナイジェリア連邦共和国であり、通称はナイジェリアである。 ナイジェリア︵Nigeria︶という名は同国を流れるニジェール川︵Niger River︶から採られている。ナイジェリアという名前は19世紀後半に英国のジャーナリストであるフローラ・ショーによって使い始められたともいわれるが、真偽は定かではない。Nigerという言葉は、もとはニジェール川の中流域のみを指したが、語源は不詳である。おそらく、19世紀に欧州植民地主義が入り込む以前にトンブクトゥ周辺のニジェール川中流域に沿って暮らしていた遊牧民のトゥアレグ人がこの川を指して呼んだegerew n-igerewenの変化したものらしい。また、民間語源としてラテン語のniger ︵黒︶に結びつけられることがままあるが、これは正しくない。ただし、綴りには影響を与えている可能性がある[29][30]。 また、ニジェール川の名前の由来は、トゥアレグ人がこの川を指して呼んだ、﹁川﹂を意味する﹁ニエジーレン︵n'egiren︶﹂ないし﹁エジーレン︵egiren︶﹂という言葉であるという説もある。この名がフランス人に伝わり、﹁黒﹂を意味するラテン語のnigerとの連想からNigerないしNigeriaが生じたという。 なお、ニジェール︵Niger︶とナイジェリア︵Nigeria︶は本来同じ地域を指すが、宗主国を異にする両地域が別々に独立したため、現在のように別の国を指すことになった。歴史[編集]
植民地時代[編集]
自治領[編集]
留学生たちを中心に第二次世界大戦前から独立への動きはあったが、第二次大戦後ナショナリズムが高まり、自治領︵1954年 - 1960年︶となった。1956年、シェルはオゴニ︵ポートハーコートを中心とするニジェール・デルタにある︶で原油採掘を開始した。独立・第一共和政[編集]
第一次軍政[編集]
第二共和政[編集]
第二次軍政[編集]
1983年の次回選挙でオバフェミ・アウォロウォが勝ったにもかかわらず、ムハンマド・ブハリ将軍ら軍政派によるクーデターで再び軍政に戻る。彼は経済再生を約束したが、強圧的な体制を敷いたため、経済はかえって悪化した。1985年に再度クーデターが起き、イブラヒム・ババンギダ将軍が実権を掌握。彼は最初人権を重視すると約束したが、次第に圧制に移行した。また、為替自由化などの経済改革はナイジェリアの通貨暴落を招き、何度もクーデター未遂を引き起こした。第三共和政[編集]
第三次軍政[編集]
その3か月後の1993年11月、1980年代の2回のクーデターにも関わったとみられるサニ・アバチャ将軍が実権を掌握した。サニ・アバチャは1998年の民政移管を約束したが、その一方で政党や集会・出版を弾圧し、多くの政治家や民主運動家や政敵を牢獄に送り、ナイジェリアに圧政を敷き、新憲法制定を延ばし続けた。彼はアフリカ随一の地域大国らしく振る舞うべく、リベリアの長い内戦を終わらせ民政移管するプロセスに参加し、軍によるクーデターが起こった際はただちにリベリアに軍を派遣し、文民政権を守った。これによって、アバチャにナイジェリアの民政移管を期待した者もいたが、1998年やっと約束どおり告示された大統領選挙では、候補者はアバチャ1人だけであった。しかし、選挙直前の6月8日にアバチャが心臓麻痺で死去し、7月7日にモシュード・アビオラが死去した。後を継いだアブドゥルサラミ・アブバカールの政権のもと、1999年に新憲法が制定され、民政へ移行した。第四共和政[編集]
政治[編集]
政府[編集]
元首[編集]
大統領を国家元首とする連邦共和制国家である。行政[編集]
大統領は行政府の長として実権を有する。大統領は民選で任期4年。三選禁止。立法[編集]
立法府である国民議会は、二院制。上院である元老院は全109議席。各州3議席、連邦首都地域から1議席。下院である代議院は、小選挙区制で346議席。任期はいずれも4年で、両院同日選挙。政党[編集]
司法[編集]
司法権は最高裁判所に属している。
法律[編集]
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国際関係[編集]
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日本との関係[編集]
国家安全保障[編集]
サハラ砂漠以南のブラックアフリカの中では南アフリカ共和国に並ぶ軍事大国であり、現在では平和維持軍などの活躍に期待が寄せられている。
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地理[編集]
地方行政区分[編集]
ナイジェリアは連邦制を採用しており、36の州(state)と連邦首都地区(Federal Capital Territory)によって構成される。州はさらに774の地方行政区域に分割されている。独立時は北部州、東部州、西部州の3州体制であったが、民族対立の先鋭化を招いたため、徐々に細分化されていった。
- 1.アビア州 (Abia)
- 2.アダマワ州 (Adamawa)
- 3.アクワ・イボム州(Akwa Ibom)
- 4.アナンブラ州(Anambra)
- 5.バウチ州 (Bauchi)
- 6.バイエルサ州 (Bayelsa)
- 7.ベヌエ州 (Benue)
- 8.ボルノ州(Borno)
- 9.クロスリバー州 (Cross River)
- 10.デルタ州 (Delta)
- 11.エボニ州(Ebonyi)
- 12.エド州(Edo)
- 13.エキティ州 (Ekiti)
- 14.エヌグ州 (Enugu)
- 15.ゴンベ州 (Gombe)
- 16.イモ州(Imo)
- 17.ジガワ州 (Jigawa)
- 18.カドゥナ州 (Kaduna)
- 19.カノ州 (Kano)
- 20.カツィナ州 (Katsina)
- 21.ケビ州 (Kebbi)
- 22.コギ州 (Kogi)
- 23.クワラ州(Kwara)
- 24.ラゴス州 (Lagos)
- 25.ナサラワ州 (Nassarawa)
- 26.ナイジャ州 (Niger)
- 27.オグン州 (Ogun)
- 28.オンド州 (Ondo)
- 29.オシュン州 (Osun)
- 30.オヨ州 (Oyo)
- 31.プラトー州 (Plateau)
- 32.リヴァーズ州 (Rivers)
- 33.ソコト州 (Sokoto)
- 34.タラバ州 (Taraba)
- 35.ヨベ州 (Yobe)
- 36.ザムファラ州 (Zamfara)
- 37.連邦首都地区 (Federal Capital Territory)
主要都市[編集]
経済[編集]
交通[編集]
最大都市であるラゴスはアフリカ最大級の大都市だが、集まる人口に既存の都市機能が追いつかず、渋滞によりバス・タクシーなど交通機能は麻痺寸前になっている。
地方との交通網は、1980年代以前は、かつての宗主国であるイギリスが敷設した鉄道網(ナイジェリアの鉄道)が機能していたが、インフラの維持に手が回らず荒廃し、多くは自動車やトラック輸送に転換されている。こうした傾向はラゴスをはじめとした都市の渋滞に拍車をかけることから、政府は鉄道の近代化プロジェクトに着手した。
中国からの借款により資金を融通し、中国企業との協力で、ラゴス州レッキー半島にレッキー自由貿易区を設置、現在建設を行っている。2006年からは、ラゴスやポートハーコートから各都市への鉄道網の再整備に乗り出している。
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国民[編集]
民族[編集]
言語[編集]
婚姻[編集]
伝統的には結婚時に女性が改姓するが、法的にはどのような姓に改姓することも︵しないことも︶可能で、改姓しない夫婦別姓や複合姓も近年増えている[50][51]。宗教[編集]
教育[編集]
保健[編集]
衛生状態が宜しくない現状が続いている。ナイジェリアでは、人口の約4分の1に当たる約4600万人が屋外排泄を余儀なくされている。政府は2019年より、屋外での排便の撲滅キャンペーンを宣言し、公共の場へのトイレ設置を進めている[58]。
医療[編集]
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治安[編集]
2002年以降、ナイジェリア北東部では、世俗の統治機構を廃しシャリーア法の設立を目指すイスラム教の過激派組織ボコ・ハラムによる暴力に見舞われている[59][60]。
アフリカにおける汚職が続く国家の一つに数えられるほど、不正行為が全域に蔓延している状態となっている。
警察[編集]
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人権[編集]
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人身売買が常態化している。中絶が違法であることや不妊に悩む夫婦の需要などから、望まない妊娠をした女性が出産した新生児を売却する犯罪ビジネスがある為で、これが人身売買に拍車を掛けてしまっている[61]。
マスコミ[編集]
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文化[編集]
食文化[編集]
ナイジェリアの料理は、同国を構成する何百もの民族集団の伝統料理(または伝統食品)で形成されている面を持っている。
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文学[編集]
音楽[編集]
映画[編集]
ビデオ機材の大衆的普及により1990年代からビデオ文化が盛んになり、2010年ころにはビデオ映画の年間製作数は2,400本を数え、インドに続き世界2位である[69]。人口10億人以上のインドとほぼ同数の作品が製作されていることから、人口比あたりの映画制作数では間違いなく世界1位である。ナイジェリア全土で作られる映画は「ノリウッド」とも総称され、ナイジェリアの3大言語であるヨルバ語、ハウサ語、イボ語、そして英語で作られている[69]。製作される映画は英語のものと現地語のものがほぼ半分ずつと言われている。
世界遺産[編集]
ナイジェリア国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が2件存在する。
-
スクルの文化的景観 - (1999年、文化遺産)
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オシュン=オショグボの聖なる木立 - (2005年、文化遺産)
祝祭日[編集]
日付 | 祝日 | 内容 |
---|---|---|
1月1日 | 元日 | |
3月8日 | 女性の日 | |
5月1日 | 労働者の日 | |
5月27日 | 子供の日 | |
5月29日 | 民主の日 | 1999年、オルシェグン・オバサンジョの大統領就任により民主主義がナイジェリアで再び施行されることを記念する。 |
10月1日 | 独立記念日 | イギリスからの独立を記念する。 |
12月25日 | クリスマス | |
12月26日 | ボクシング・デー |
※この他には、イスラム教における移動祝日が存在している。
スポーツ[編集]
サッカー[編集]
著名な出身者[編集]
- ハウワ・イブラヒム - 弁護士(サハロフ賞受賞)
- イブラヒム・アッボーラ・ガンバリ - 国際連合事務次長
- ンゴジ・オコンジョ・イウェアラ - 世界貿易機関事務局長
- フェラ・クティ - ミュージシャン、黒人解放運動家
- キザイア・ジョーンズ - シンガーソングライター兼ギタリスト
- シャーデー・アデュ - シンガーソングライター
- ジェイ=ジェイ・オコチャ - 元サッカー選手
- ヌワンコ・カヌ - 元サッカー選手
- オバフェミ・マルティンス - 元サッカー選手
- アーメド・ムサ - サッカー選手
- ヴィクター・オシムヘン - サッカー選手
- アキーム・オラジュワン - 元バスケットボール選手
- ホーガン・バッセイ - 元プロボクサー
- ディック・タイガー - 元プロボクサー
- サミュエル・ピーター - 元プロボクサー
- イスラエル・アデサンヤ - 総合格闘家(UFC・元ミドル級王者)
- カマル・ウスマン - 総合格闘家(UFC・元ウェルター級王者)
脚注[編集]
参考文献[編集]
執筆者名順 ●﹃ハンドブック現代アフリカ﹄岡倉登志 (編)、明石書店、2002年12月。ISBN 4750316547。 NCID BA60148499。 ●Cooper, Andrew F.; Antkiewicz, Agata; Shaw, Timothy M. (2007-12-01). “Lessons from/for BRICSAM about South-North Relations at the Start of the 21st Century: Economic Size Trumps All Else?” (英語). International Studies Review 9 (4). ISSN 1521-9488. OCLC 7831301450. ●戸田真紀子﹃アフリカと政治 : 紛争と貧困とジェンダー﹄御茶の水書房、2008年。ISBN 9784275005892。 NCID BA87239529。 ●﹃世界地名ルーツ辞典 : 歴史があり物語がある﹄創拓社、1989年12月。ISBN 4871380769。 NCID BN04237765。 ●ヴィジャイ・マハジャン (Mahajan, Vijay)﹃アフリカ 動き出す9億人市場﹄松本裕 (訳)、英治出版、2009年7月20日。ISBN 978-4-86276-053-1。全国書誌番号:21631531。 原題﹃Africa rising﹄ ●松本仁一﹃カラシニコフ﹄ I、朝日新聞出版、2008年7月30日。ISBN 9784022615749。 NCID BA86746634。 ●Müftüler, Meltem; Yüksel, Müberra (1997). Andrew F. Cooper (ed). “Turkey: A Middle Power in the New Order”. Niche Diplomacy: Middle Powers After the Cold War (London: マクミラン). doi:10.1007/978-1-349-25902-1_10. ISBN 978-1-349-25904-5. OCLC 6685155821. ●﹃新書アフリカ史﹄宮本正興・松田素二 (編)︵8版︶︿講談社現代新書﹀、2003年2月20日。ISBN 4061493663。 NCID BA3133791X。 ●ロバート・ゲスト﹃アフリカ 苦悩する大陸﹄伊藤真 (訳)、東洋経済新報社、2008年5月15日。ISBN 9784492211779。 NCID BA85746242。関連項目[編集]
●ナイジェリア関係記事の一覧 ●キスラー伝説 - ナイジェリアとベナンとカメルーンの3ヶ国において共有されている伝説の一つで、移民に関連する内容のものとして知られている。 ●バティーン王 ●バカシ半島領有権問題 ●ナイジェリアの手紙 ●ポング語 ●ニジェール・デルタ解放運動 ●国務会議 (ナイジェリア) ●ナイジェリアの石油産業 ●ナイジェリアにおける遊牧民と農耕民の争い ‐ イスラム教徒が多い遊牧民のフラニ族とキリスト教系農耕民の間で起きた民族や宗教、政治、土地、資源などをめぐる武力衝突。 ●2023年プラトー州虐殺 ●2023年マング暴動外部リンク[編集]
- 政府
- ナイジェリア連邦共和国政府 (英語)
- 在日ナイジェリア大使館 (日本語)(英語)
- 日本政府
- 日本外務省 - ナイジェリア (日本語)
- 観光その他
- ナイジェリア:ラゴス,ノリウッド,マココ,ファッション,等:コーディネーターのロケ現場からの写真
- ナイジェリア政府観光局 (英語)
- JETRO - ナイジェリア
- 『ナイジェリア』 - コトバンク
- ナイジェリアのウィキメディア地図 (英語)
- ナイジェリアに関連する地理データ - オープンストリートマップ