「朝食」の版間の差分
編集の要約なし |
|||
(6人の利用者による、間の9版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
{{出典の明記|date= 2021年1月23日 (土) 06:25 (UTC)}} |
{{出典の明記|date= 2021年1月23日 (土) 06:25 (UTC)}} |
||
[[File:Full English breakfast.jpg|thumb|full English breakfast]] |
|||
{{食事}} |
{{食事}} |
||
{{読み仮名|'''朝食'''|ちょうしょく}}とは、[[睡眠]]から目覚めたのち、[[朝]]に取る最初の[[食事]]<ref>{{Cite web|url = http://www.thefreedictionary.com/breakfast |title = Breakfast – definition of breakfast|publisher=Free Online Dictionary, Thesaurus and Encyclopedia |date = 2012 |access-date = 28 March 2012 }}</ref>。{{読み仮名|朝餉|あさげ}}、{{読み仮名|朝飯|あさめし}}、{{読み仮名|朝御飯|あさごはん}}とも。
|
{{読み仮名|'''朝食'''|ちょうしょく}}とは、[[睡眠]]から目覚めたのち、[[朝]]に取る最初の[[食事]]<ref>{{Cite web|url = http://www.thefreedictionary.com/breakfast |title = Breakfast – definition of breakfast|publisher=Free Online Dictionary, Thesaurus and Encyclopedia |date = 2012 |access-date = 28 March 2012 }}</ref>。{{読み仮名|朝餉|あさげ}}、{{読み仮名|朝飯|あさめし}}、{{読み仮名|朝御飯|あさごはん}}とも。
|
||
[[英語]]の「''Breakfast''」は「朝食」と訳されることが多いが、これは「夜間の[[断食]]期間を破る」という意味である<ref name = "Anderson1-2013" >Anderson, Heather Arndt (2013). [https://books.google.com/books?id=5LghYCqDJw8C&printsec=frontcover#v=onepage&q&f=false ''Breakfast: A History'']. AltaMira Press. {{ISBN2|0759121656}}</ref>。 |
[[英語]]の「''Breakfast''」(ブレックファスト)は「朝食」と訳されることが多いが、これは「夜間の[[断食]](fast)期間を破る」という意味である<ref name = "Anderson1-2013" >Anderson, Heather Arndt (2013). [https://books.google.com/books?id=5LghYCqDJw8C&printsec=frontcover#v=onepage&q&f=false ''Breakfast: A History'']. AltaMira Press. {{ISBN2|0759121656}}</ref>。 |
||
朝食を摂るまでもなく簡単に済ませられるぐらい容易なことを﹁朝飯前﹂と呼んだりする。起床してから朝食を摂るまでの時間が比較的短いことから、﹁その間に済ませられるぐらい容易なこと﹂という意味である<ref>{{Cite book|和書|title=広辞苑 第四版|editor=新村出|publisher=[[岩波書店]]|page=38|year=1991|isbn=4000801015}}</ref>。
|
朝食を摂るまでもなく簡単に済ませられるぐらい容易なことを﹁朝飯前﹂と呼んだりする。起床してから朝食を摂るまでの時間が比較的短いことから、﹁その間に済ませられるぐらい容易なこと﹂という意味である<ref>{{Cite book|和書|title=広辞苑 第四版|editor=新村出|publisher=[[岩波書店]]|page=38|year=1991|isbn=4000801015}}</ref>。
|
||
== 英語圏における「''Breakfast''」の意味と変遷 == |
== 英語圏における「''Breakfast''」の意味と変遷 == |
||
英語の「''Dinner''」は[[古フランス語]]「''Disner''」(「ディーニー」)からの借用であり、これはもともと「[[断食]]すること」の意味であった。[[13世紀]]半ばにその意味が変わるまでは、「その日(の朝)に取る最初の食事」を意味していた<ref>{{Cite book |last= Albala |first= Ken |title = Hunting for Breakfast in Medieval and Early Modern Europe |year = 2002 |location = Devon, UK }}</ref>。 |
[[英語]]の﹁''Dinner''﹂︵ディナー︶は[[古フランス語]]﹁''Disner''﹂︵﹁ディーニー﹂︶からの借用であり、これはもともと﹁[[断食]]すること﹂の意味であった。[[13世紀]]半ばにその意味が変わるまでは、﹁その[[日]]︵の[[朝]]︶に取る最初の[[食事]]﹂を意味していた<ref>{{Cite book |last= Albala |first= Ken |title = Hunting for Breakfast in Medieval and Early Modern Europe |year = 2002 |location = Devon, UK }}</ref>。
|
||
「''Breakfast''」が「朝に取る食事」を意味する「''Dinner''」からの翻訳借用の言葉として英語で使われるようになったのは[[15世紀]]以降のことであり、これは「夜間の断食期間を破る」という意味であった<ref name = "Anderson1-2013" />{{rp|6}}。 |
「''Breakfast''」が「朝に取る食事」を意味する「''Dinner''」からの翻訳借用の言葉として英語で使われるようになったのは[[15世紀]]以降のことであり、これは「夜間の断食期間を破る」という意味であった<ref name = "Anderson1-2013" />{{rp|6}}。 |
||
21行目: | 22行目: | ||
==== ドイツ ==== |
==== ドイツ ==== |
||
[[パン]](多く[[ライ麦]]の入った酸味のあるものが好まれる)・[[コーヒー]]・[[ヴルスト]]([[ソーセージ]])・[[ハム]]。果物を摂ることもある。コーヒーでなく、紅茶や[[野菜]]ないし果物[[ジュース]]・[[麦芽]]を溶いたミルクを好むものもある。火を使わないものを並べる。これを「カルトエッセン」と呼 |
[[パン]](多く[[ライ麦]]の入った酸味のあるものが好まれる)・[[コーヒー]]・[[ヴルスト]]([[ソーセージ]])・[[ハム]]。果物を摂ることもある。コーヒーでなく、紅茶や[[野菜]]ないし果物[[ジュース]]・[[麦芽]]を溶いたミルクを好むものもある。火を使わないものを並べる。これを「カルトエッセン」と呼び、夕食にも食される。 |
||
[[ドイツ料理]]には、「バウエルンフリュシュトゥーク」(''Bauernfrühstück'') (「[[農夫の朝食]]」)と呼ばれる[[ジャガイモ]]料理があるが、これが朝食に食べられることはない。「農夫のように肉体労働をする人なら、朝食に食べるかもしれないが」という意味合いで、実際にはブランチ、もしくは昼食に食べられるものである。 |
[[ドイツ料理]]には、「バウエルンフリュシュトゥーク」(''Bauernfrühstück'') (「[[農夫の朝食]]」)と呼ばれる[[ジャガイモ]]料理があるが、これが朝食に食べられることはない。「農夫のように肉体労働をする人なら、朝食に食べるかもしれないが」という意味合いで、実際にはブランチ、もしくは昼食に食べられるものである。 |
||
31行目: | 32行目: | ||
[[18世紀]]以前は他の大陸諸国と同じく簡素な食事だったが、産業革命期に現在の英国風朝食のスタイルが生じてきた。 |
[[18世紀]]以前は他の大陸諸国と同じく簡素な食事だったが、産業革命期に現在の英国風朝食のスタイルが生じてきた。 |
||
[[ベーコン]]、[[卵料理]](通常は[[目玉焼き]])を基本とし、英国風[[ソーセージ]]、[[マッシュルーム]]の[[ソテー]]、焼き[[トマト]]、 ブラック・プディング([[ブラッドソーセージ|豚の血で作った黒ソーセージ]])、ベイクド・ビーンズ([[豆]]の煮物)にバターやジャムを塗った[[トースト]]、揚げパンと[[牛乳|ミルク]]付きの[[紅茶]]を添えるが、簡素な加工穀類やトーストで済ませる者もいる。連合王国全体においては、[[イングランド]]以外でも同様の朝食をとる食習慣があるが、[[スコットランド]]ではこのような朝食を「スコティッシュ・ブレックファスト」(''Scottish Breakfast'')と呼ぶ。 |
[[ベーコン]]、[[卵料理]](通常は[[目玉焼き]])を基本とし、英国風[[ソーセージ]]、[[マッシュルーム]]の[[ソテー]]、焼き[[トマト]]、 ブラック・プディング([[ブラッドソーセージ|豚の血で作った黒ソーセージ]])、ベイクド・ビーンズ([[豆]]の煮物)にバターやジャムを塗った[[トースト]]、揚げパンと[[牛乳|ミルク]]付きの[[紅茶]]を添えるが、飲み物として紅茶ではなくコーヒーを合わせたり、簡素な加工穀類やトーストで済ませる者もいる。連合王国全体においては、[[イングランド]]以外でも同様の朝食をとる食習慣があるが、[[スコットランド]]ではこのような朝食を「スコティッシュ・ブレックファスト」(''Scottish Breakfast'')と呼ぶ。 |
||
隣国の[[アイルランド]]でもそのような朝食をとるが、これは「アイリッシュ・ブレックファスト」(''Irish Breakfast'')と呼ばれる。 |
隣国の[[アイルランド]]でもそのような朝食をとるが、これは「アイリッシュ・ブレックファスト」(''Irish Breakfast'')と呼ばれる。 |
||
62行目: | 63行目: | ||
== 宿泊施設での朝食 == |
== 宿泊施設での朝食 == |
||
[[ホテル]]で提供される朝食においては、パン、ベーコン、 ハム、 ソーセージ、各種卵料理が多い。
|
[[ホテル]]で提供される朝食においては、[[パン]]、[[ベーコン]]、 [[ハム]]、 [[ソーセージ]]、各種卵料理が多い。
|
||
[[画像:Kyoto Breakfast.jpg|thumb|160px|right|[[京都]]の旅館での朝食。﹁部屋食﹂と呼ばれる]]
|
[[画像:Kyoto Breakfast.jpg|thumb|160px|right|[[京都]]の旅館での朝食。﹁部屋食﹂と呼ばれる]]
|
||
日本の[[旅館]]では、和風朝食の標準的な献立を中心に、客間で客それぞれに配膳する、いわゆる「部屋食」が正式な給仕法であるが、食堂で[[ビュッフェ]]形式の朝食を提供する機会が多くなった。 |
[[日本]]の[[旅館]]では、和風朝食の標準的な献立を中心に、客間で客それぞれに[[配膳]]する、いわゆる﹁部屋食﹂が正式な給仕法であるが、食堂で[[ビュッフェ]]形式の朝食を提供する機会が多くなった。
|
||
ホテルにおいては、洋風と日本風の料理が混在している場合が多い<ref name = "FCJ" >{{Cite book|url=https://books.google.com/books?id=Ley_r5VldNUC&q=breakfast+japan&pg=PA119|title=Food culture in Japan|last1=Ashkenazi|first1=Michael|last2=Jacob|first2=Jeanne|year=2003|isbn=9780313324383|pages=119–20}}</ref>。食事無し・素泊まりの宿泊を提供するホテルでも、簡素なパンや飲み物をサービスとして提供するホテルもある。 |
ホテルにおいては、洋風と日本風の料理が混在している場合が多い<ref name = "FCJ" >{{Cite book|url=https://books.google.com/books?id=Ley_r5VldNUC&q=breakfast+japan&pg=PA119|title=Food culture in Japan|last1=Ashkenazi|first1=Michael|last2=Jacob|first2=Jeanne|year=2003|isbn=9780313324383|pages=119–20}}</ref>。食事無し・素泊まりの宿泊を提供するホテルでも、簡素なパンや飲み物をサービスとして提供するホテルもある。 |
||
イギリスにおいては、イギリス式とアメリカ式、いずれかの様式が選べるホテルもある。 |
[[イギリス]]においては、イギリス式とアメリカ式、いずれかの様式が選べるホテルもある。 |
||
== 日本の飲食店や各種施設等での朝食提供 == |
== 日本の飲食店や各種施設等での朝食提供 == |
||
[[ファイル:Café na fazenda (1), N.ELAC.jpg|サムネイル|ブラジルの朝食]] |
|||
; 飲食店 |
; 飲食店 |
||
日本国内の[[飲食店]]においては、早朝から営業開始し、朝食を提供している店もある。典型例として、喫茶店で提供される[[モーニングサービス]]([[和製英語]]。「モーニングセット」「モーニング」と呼ばれることもある)が挙げられる。[[ファーストフード]]店や[[ファミリーレストラン]]が時間限定でのメニューを提供しており、[[マクドナルド]]の[[朝マック]]や[[牛丼]]屋のチェーン店が提供しているものもこれにあたる。 |
日本国内の[[飲食店]]においては、早朝から営業開始し、朝食を提供している店もある。典型例として、喫茶店で提供される[[モーニングサービス]]([[和製英語]]。「モーニングセット」「モーニング」と呼ばれることもある)が挙げられる。[[ファーストフード]]店や[[ファミリーレストラン]]が時間限定でのメニューを提供しており、[[マクドナルド]]の[[朝マック]]や[[牛丼]]屋のチェーン店が提供しているものもこれにあたる。 |
||
82行目: | 84行目: | ||
; 特定地域の珍しい習慣 |
; 特定地域の珍しい習慣 |
||
[[福島県]][[喜多方市]]においては朝食に[[ラーメン]]を食べる習慣があり、﹁[[朝ラー]]﹂という言葉で新聞にもとりあげられた<ref>{{Cite news|url= |
[[福島県]][[喜多方市]]においては朝食に[[ラーメン]]を食べる習慣があり、﹁[[朝ラー]]﹂という言葉で新聞にもとりあげられた<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/komimi/TKY200708290069.html|title=﹁朝ラー﹂大入り 喜多方|newspaper=[[朝日新聞]]|date=2007-09-09|accessdate=2021-01-23}} {{ja icon}}</ref>。
|
||
{{main|朝ラーメン}} |
{{main|朝ラーメン}} |
||
== 朝食の有無と健康への影響 == |
== 朝食の有無と健康への影響 == |
||
[[日本人の食事摂取基準]]では行動学的な視点から、1日の中での食事回数(頻度)、特に朝食を抜くことが[[肥満]]や[[循環器疾患]]、[[2型糖尿病]]などの発生率増加に関与している可能性について触れているが、この領域における知見は食事摂取基準に取り入れるにはさらなる研究や概念整理が必要であるとしている<ref name="食事摂取基準2020年版"> |
|||
[[肥満]]や[[糖尿病]]に悩む人に向けて開設された『ダイエット・ドクター』(''Diet Doctor'')の最高経営責任者で[[スウェーデン]]の医師、[[アンドゥリーアス・イーエンフェルト]](''Andreas Eenfeldt'')は「空腹で、何かを食べたくてたまらないのであれば、朝食を取ればいい。空腹でないのなら、朝食を取る必要は無い。朝食を取らずとも何の弊害も起こらない。朝食を取らないことで体重が増える心配は無い」「絶食すると、[[インスリン]](''Insulin'')の濃度が上がる、という主張もあるが、これは明らかに間違っている。空腹時のヒトのインスリンの濃度は極めて低い」「[[断食]]は血圧を上昇させる、という主張があるが、実際には、眠りから目覚めたあとに何も食べずにいると、血圧は低いままである」と述べ、「朝食を取るべきか否か、ではなく、空腹のときに食べなさい」と奨めている<ref>{{Cite web |url = https://www.dietdoctor.com/skipping-breakfast-deadly |title = Is Skipping Breakfast Deadly? |author = Dr. Andreas Eenfeldt, MD |date = 29 December 2013 |website = dietdoctor.com |archive-url = https://web.archive.org/web/20140101003307/https://www.dietdoctor.com/skipping-breakfast-deadly |archive-date = 1 January 2014 |accessdate = 7 March 2021 }}</ref>。 |
|||
{{Cite report|和書 |
|||
| author = 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会 |
|||
空腹時や絶食状態の時は、血漿[[遊離脂肪酸]]の比率が増加し、脂肪分解率の上昇が確認されている<ref>[https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3152802/ Adipose Triglyceride Lipase and Hormone-Sensitive Lipase Are Involved in Fat Loss in JunB-Deficient Mice] Montserrat Pinent, Andreas Prokesch, Hubert Hackl, Peter J. Voshol, Ariane Klatzer, Evelyn Walenta, Ute Panzenboeck, Lukas Kenner, Zlatko Trajanoski, Gerald Hoefler, and Juliane G. Bogner-Strauss. Endocrinology. 2011 Jul; 152(7): 2678–2689. Published online 2011 May 3. {{PMID|21540289}} {{doi|10.1210/en.2010-1477}}</ref>。
|
|||
| title = 日本人の食事摂取基準(2020年版) |
|||
| date = 2019-12-01 |
|||
| url = https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html |
|||
}}</ref>{{Rp|17}}。 |
|||
== 出典 == |
== 出典 == |
||
100行目: | 106行目: | ||
* [[昼食]] |
* [[昼食]] |
||
* [[夕食]] |
* [[夕食]] |
||
* {{ill2|早餐店|zh|早餐店}} ‐ アジアにみられる朝食専門屋台・レストラン。 |
|||
{{料理}} |
{{料理}} |
2024年6月16日 (日) 08:24時点における最新版
![]() |
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/28/Full_English_breakfast.jpg/220px-Full_English_breakfast.jpg)
食事 |
---|
![]() |
習慣食 |
朝食 ブランチ イレブンジズ 昼食 アフタヌーン・ティー 夕食 夜食 |
要素 |
アミューズブーシュ オードブル チーズ カクテル デザート 飲料 アントレ アントルメ 果実 主菜 ナッツ サラダ 副食 |
関連項目 |
宴会 食べ放題 料理 摂食 テーブルマナー 食品 各国の料理 料理の概要 間食 |
![]() |
英語圏における﹁Breakfast﹂の意味と変遷[編集]
英語の﹁Dinner﹂︵ディナー︶は古フランス語﹁Disner﹂︵﹁ディーニー﹂︶からの借用であり、これはもともと﹁断食すること﹂の意味であった。13世紀半ばにその意味が変わるまでは、﹁その日︵の朝︶に取る最初の食事﹂を意味していた[4]。 ﹁Breakfast﹂が﹁朝に取る食事﹂を意味する﹁Dinner﹂からの翻訳借用の言葉として英語で使われるようになったのは15世紀以降のことであり、これは﹁夜間の断食期間を破る﹂という意味であった[2]:6。 古英語においては、この単語は﹁Morgenmete﹂︵﹁モルゲンメーテ﹂︶、すなわち﹁朝に食べる食べ物﹂を意味していた[5]。各地域における朝食[編集]
朝食の一覧も併せて参照されたい。ヨーロッパ[編集]
フランス[編集]
パン︵バゲットまたはクロワッサン︶や、加工穀類、 飲み物やカフェ・オ・レ、コーヒー。パンにはジャムやバターを添えることがある。ドイツ[編集]
パン︵多くライ麦の入った酸味のあるものが好まれる︶・コーヒー・ヴルスト(ソーセージ)・ハム。果物を摂ることもある。コーヒーでなく、紅茶や野菜ないし果物ジュース・麦芽を溶いたミルクを好むものもある。火を使わないものを並べる。これを﹁カルトエッセン﹂と呼び、夕食にも食される。 ドイツ料理には、﹁バウエルンフリュシュトゥーク﹂(Bauernfrühstück) ︵﹁農夫の朝食﹂︶と呼ばれるジャガイモ料理があるが、これが朝食に食べられることはない。﹁農夫のように肉体労働をする人なら、朝食に食べるかもしれないが﹂という意味合いで、実際にはブランチ、もしくは昼食に食べられるものである。イギリス・アイルランド[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/28/British_breakfast.jpg/200px-British_breakfast.jpg)
アジア[編集]
中国大陸・香港・台湾[編集]
地域によって異なるが、概ね粥、麺、饅頭︵マントウ︶が多い。粥には﹁油条﹂︵揚げパンの一種︶が供される場合がある。香港では﹁港式早餐﹂と呼ばれる卵料理、ハムやソーセージ、トーストとマカロニ、ビーフン、あるいはインスタントラーメンが入ったスープを組み合わせたものが茶餐廳で提供されている。日本[編集]
平安時代の天皇は、巳の刻︵﹃寛平御遺誡﹄︶、南北朝時代では午の刻︵﹃建武年中行事﹄︶、江戸時代では卯の刻に身を清め神仏を拝んだ後、辰の刻朝五ツ半︵9時頃︶に朝食を摂った[6]。一方、近世の征夷大将軍は辰の刻朝五ツ︵8時頃︶に朝食を摂っており[7]、天皇より早めの朝食を摂っていた。北アメリカ[編集]
アメリカ合衆国[編集]
アメリカ合衆国においては様々な形態の朝食が並立している。移民たちがそれぞれの出身国の伝統を持ち込んでいることに加え、アメリカの大地で生み出された新たな選択肢も加わる。出身国で見られる朝食を取る家庭も相当数ある。イギリス系の人々はイギリス風の、ドイツ系の人々はドイツ風の、中国系の人々は中国風の朝食を摂る。 トースト、 シリアル、 卵料理 、ベーコン、 ハム、 ソーセージ、 パンケーキ、 ワッフル、 フレンチトースト、 ドーナツ、 マフィン、 ベーグル、 果物、ハッシュドポテト、コーンビーフハッシュ、これらを好みで選択する。ギャラリー[編集]
宿泊施設での朝食[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/68/Kyoto_Breakfast.jpg/160px-Kyoto_Breakfast.jpg)
日本の飲食店や各種施設等での朝食提供[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/02/Caf%C3%A9_na_fazenda_%281%29%2C_N.ELAC.jpg/220px-Caf%C3%A9_na_fazenda_%281%29%2C_N.ELAC.jpg)
- 教育施設
朝食の有無と健康への影響[編集]
日本人の食事摂取基準では行動学的な視点から、1日の中での食事回数(頻度)、特に朝食を抜くことが肥満や循環器疾患、2型糖尿病などの発生率増加に関与している可能性について触れているが、この領域における知見は食事摂取基準に取り入れるにはさらなる研究や概念整理が必要であるとしている[10]:17。