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'''朝食'''︵ちょうしょく︶とは、[[朝]]に摂る[[食事]]のことである。'''朝餉'''︵あさげ︶、'''朝飯'''︵あさめし︶、'''朝御飯'''︵あさごはん︶とも。[[英語]]風に'''ブレックファスト'''︵{{lang-en-short|breakfast}}<ref>[http://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/breakfast_1?q=breakfast breakfast] - {{en icon}} [[2021年]]︵[[令和]]3年︶1月23日[[閲覧]]。 (Oxford Learner's Dictionaries)</ref>、[[断食]]を破るの意味︶ とも言う。
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2021年1月31日 (日) 01:48時点における版
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食事 |
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習慣食 |
朝食 ブランチ イレブンジズ 昼食 アフタヌーン・ティー 夕食 夜食 |
要素 |
アミューズブーシュ オードブル チーズ カクテル デザート 飲料 アントレ アントルメ 果実 主菜 ナッツ サラダ 副食 |
関連項目 |
宴会 食べ放題 料理 摂食 テーブルマナー 食品 各国の料理 料理の概要 間食 |
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朝食︵ちょうしょく︶とは、朝に摂る食事のことである。朝餉︵あさげ︶、朝飯︵あさめし︶、朝御飯︵あさごはん︶とも。英語風にブレックファスト︵英: breakfast[1]、断食を破るの意味︶ とも言う。
概要
朝食は、朝起きて最初に食べる食事である。 1日の食事の中では比較的軽食である場合が多い︵ただし英国など一部地域ではしっかりと摂る︶。 朝起きてから実際に活動に適した体温に上がるまでに、若干の間があり、この体温上昇を促し、午前中~日中の活動に必要なカロリーを摂取する必要もあるが、まだ消化器官が活発に活動していない時間帯ともあって、消化しやすい炭水化物が中心となる傾向が強い。 起床して朝食を摂ることで一日が始まるが、その朝食を摂るまでもなく簡単に済ませられるぐらい容易なことを﹁朝飯前﹂と呼んだりする[2]。ヨーロッパ
フランス
パン︵バゲットまたはクロワッサン︶や、シリアル、 飲み物にカフェ・オ・レ、コーヒーなど。パンにはジャムやバターを添えることがある。ドイツ
パン︵多くライ麦の入った酸味のあるものが好まれる︶・コーヒー・ヴルスト(ソーセージ)・ハム。果物を摂ることもある。コーヒーでなく、紅茶や野菜ないし果物ジュース・麦芽を溶いたミルクを好むものもある。火を使わないものを並べる。これをカルトエッセンと呼ぶ。 ドイツ料理には、Bauernfrühstück バウエルンフリュシュトューク[注 1] ︵﹁農夫の朝食﹂︶と呼ばれるボリュームのあるジャガイモ料理があるが、これが朝食に食べられることはない。農夫のように肉体労働をする人なら、朝食に食べるかもしれないが、という意味合いで、実際にはブランチ、もしくは昼食に食べられるものである。イギリス・アイルランド
産業革命の時代より、伝統的にたっぷりの食事を時間を掛けて食べるものとされ、炭水化物以外にも脂肪分や動物性蛋白質の豊富なメニューが並ぶ。 サマセット・モームが﹁イングランドでおいしいものを食べようと思うなら朝食を3回食べよ﹂と言ったように、評判の良くないことが多いイギリス料理のなかで朝食の評価はおしなべて高い。ただし量がとても多いので、旅行者の評判は微妙な傾向も見られる。英語では、イングリッシュ・ブレックファスト[注 2]︵イングランド風朝食︶やアメリカン・ブレックファストと呼び、大陸の簡素な食事をコンチネンタル・ブレックファスト[注 3]︵大陸風朝食︶と呼ぶ。 18世紀以前は他の大陸諸国と同じく簡素な食事だったが、産業革命期に現在の英国風朝食のスタイルが生じてきた。 ベーコン、卵料理(通常は目玉焼き)を基本とし、英国風ソーセージ、マッシュルームのソテー、焼きトマト、 ブラック・プディング(豚の血で作った黒ソーセージ)、ベイクド・ビーンズ︵豆の煮物︶などにバターやジャムを塗ったトーストや揚げパンとミルクを添えた紅茶を添える。イギリス人はこのボリュームのあるFull English Breakfast を週末の朝などに食べている。通常は簡素なシリアルやトーストなどで済ませる者が多い。イギリス国内ではイングランド以外でも同様の朝食をとる食習慣があるが、スコットランドではこのような朝食を﹁スコティッシュ・ブレックファスト﹂[注 4]と呼ぶ。 イギリス国外でも、その影響の強いアイルランドではそのような朝食をとるが、これを﹁アイリッシュ・ブレックファスト﹂[注 5]と呼ぶ。アジア
中国大陸・香港・台湾
地域によって異なるが、概ね粥や麺、饅頭︵マントウ︶など。粥には油条と呼ばれる揚げパンが供される場合がある。点心などで済ませる者も多い。 香港では港式早餐と呼ばれる卵料理、ハムまたはソーセージ、トーストとマカロニ、ビーフン、あるいはインスタントラーメンが入ったスープを組み合わせたものが茶餐廳で提供されている。日本
江戸時代、庶民の間にも米食が広く普及するにつれ、地方により朝食における米食のスタイルの違いが見られるようになった。江戸では朝に炊飯したものを朝食として食し、夕食には湯漬けや茶漬け等にすることが多かったが[3]、京阪などでは夕食に炊飯した残りを翌朝に粥として食すことが多かった。 和風の場合にはそれ相応に手間の掛かる傾向が強く、家庭の主婦の重労働とされる仕事の一つにも挙げられていたが、現在では様々な調理器具や調理済み食品が出回り省力化が進んでいる。 朝食といっても、前近代では身分によって食す時間帯が定まっていて、平安時代の天皇であれば、巳の刻︵﹃寛平御遺誡﹄︶、南北朝時代では午の刻︵﹃建武年中行事﹄︶、江戸時代では卯の刻に身を清め神仏を拝んだ後、辰の刻朝五ツ半︵9時頃︶に朝食を摂った[4]。一方、近世の征夷大将軍は辰の刻朝五ツ︵8時頃︶に朝食を摂っており[5]、天皇より早めの朝食を摂っていた。 現代では、和風ならば、ごはん、味噌汁、納豆、生卵、焼き魚、漬物、海苔加工品など。茶粥を食べるところもある。洋風ならばパン、目玉焼き、コーヒーやスープなど。 家庭によってはカレーや麻婆豆腐など、前日の夕食の残り物を利用する場合も多い。鍋料理の場合も同じく、おでんは惣菜の1品として、水炊き、すき焼きの場合は雑炊などに調理して食べる。北アメリカ
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国は移民の国であるので、様々な形態の朝食が並立している。各移民が出身国の伝統を持ち込んでおり、また米国の地で生み出された新たな選択肢も加えられている。現在でもルーツにあたる国の朝食を摂っている家庭も相当数ある。イギリス系の人々はイギリス風の、ドイツ系の人々はドイツ風の、中国系の人々は中国風の朝食を摂る。総数としてはイギリス系の人口が多いので日本のメディア等ではそれが紹介されることが比較的多い。 トースト、 シリアル、 卵料理(例‥エッグスベネディクト) 、ベーコン、 ハム、 ソーセージ、 パンケーキ、 ワッフル、 フレンチトースト、 ドーナツ、 マフィン、 ベーグル、 果物、ハッシュドポテト、コーンビーフハッシュなど。 これらを、好みによって選択する。また、ブレックファスト・ステーキというものもある。ギャラリー
宿泊施設の朝食
ホテル等で提供される、コンチネンタルブレックファストは、基本的に温かい食べ物がない。たとえば、ロールパン、バター、サラダ、フルーツ等である。飲み物に関しては、紅茶やコーヒーなどが付くことがある。
一方、アメリカンブレックファストは温かい食べ物が提供される。たとえば、トースト、スクランブルエッグ等である。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/68/Kyoto_Breakfast.jpg/160px-Kyoto_Breakfast.jpg)
京都の旅館での朝食。﹁部屋食﹂
日本の旅館では和風朝食の標準的な献立を中心に、客間で客それぞれに配膳する、いわゆる﹁部屋食﹂が正式な給仕法である。
しかし、平成初期頃から効率化のため高級な施設以外では、食堂でビュッフェ形式の朝食を提供することが多くなった。これは﹁朝食バイキング﹂と呼ばれる。また、食堂で客に配膳する形式も存在する。
低料金で食事をつけない素泊まり中心のホテルでは、ごく簡単なパン、飲み物程度をサービスとして提供することもある。
日本のホテルでは高級な施設ではルーム・サービスのアメリカンブレックファストと、食堂でのビュッフェ形式を選択出来る。
この辺りは世界的にも朝食の内容に関して、お国柄や個人差が大きく出る部分もあり、先に上げた英国でも、外国人観光客が泊まるようなホテルでは、少なくともコンチネンタルとブリティッシュ︵アメリカン︶のどちらかのスタイルが選べる様式が見られる。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/68/Kyoto_Breakfast.jpg/160px-Kyoto_Breakfast.jpg)
日本の飲食店や各種施設等での朝食提供
飲食店 日本では、飲食店の中には早朝から営業開始し、朝食を提供するものもある。典型例として、中京圏の喫茶店が行っているモーニングサービス︵和製英語。﹁モーニングセット﹂や、単に﹁モーニング﹂と呼ぶこともある︶が挙げられる。また、ファーストフード店やファミリーレストランが朝間限定のメニューを提供している︵例えば、マクドナルドの朝マックや、いくつかの牛丼屋チェーンが提供する﹁朝定食﹂など︶。詳細は「モーニングサービス」を参照
- 教育施設
近年では、大学などが、学生の食習慣や生活習慣を改善することを狙って学生食堂でたっぷりとした朝食を格安や無料で提供する例もある︵東北大学や宮城教育大学など︶[注 6]。
交通機関
交通機関においても朝食が提供されていることがある。宿泊設備を備えた船舶や列車︵寝台列車や長距離フェリーなど︶で提供されているのはある意味当然で一般的であるが、他にも例えば一般の通勤用鉄道列車でも、朝の通勤時などに列車内で食べられるような朝食用の駅弁が販売されているものがある︵高崎駅の上州の朝がゆなど︶。また東海道新幹線では、朝8時30分までに東京駅、名古屋駅、新大阪駅を発車する列車内において、サンドイッチとコーヒーをセットにしたモーニングセットが車内販売されている。航空では、国際線の機内食で朝食︵﹁リフレッシュメント﹂と呼ぶこともある︶を提供する場合もあり、その内容は航空会社ごとに様々である。
特定地域の珍しい習慣
喜多方ラーメンで有名な福島県喜多方市では、朝食にラーメンを食べる習慣があり︵朝ラーメン︶、﹁朝ラー﹂という言葉で新聞にもとりあげられた[6]。
詳細は「朝ラーメン」を参照
朝食の有無と健康への影響
日本では、20歳代の男性では3人に1人、女性では5人に1人が朝食抜きと言われている[7]。原因は夜更かしの結果やダイエット目的が多いとされる。
朝食を抜くことについては、健康面において、しばしば次のような悪影響があると指摘されている[7]。
●体力や集中力の低下を招き、生体リズムが乱れる結果、午前中の仕事や学業に集中できなくなるとされる。全寮制の大学での調査で、朝食を摂ったグループがそうでないグループより学業成績が優れ、欠席時間も少ないとの報告も出ている。
●昼食と夕食の2食だけでは栄養素の補給が不十分であり、夕食の比重が高くなる。すると、肥満につながり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を誘発する。この点については同じ食事量にもかかわらず食べる回数が少なくなると、肥満、心臓疾患、糖尿病のリスクが高くなるというデータがある[8]。
ダイエットのために朝食をとらないことは科学的には疑問視される。実際、相撲の力士には昔から体重を増やすために朝食をとらない風習がある。これにはヒトの体は空腹時間が長くなると防衛本能が働き、エネルギーをなるべく消費せずに体内に蓄積するようになるという科学的根拠がある[8]。また、名古屋大大学院の研究グループは、朝食を抜くと体内時計に狂いが生じエネルギー消費が減少し、太りやすくなるというメカニズムの実証実験を行い、米科学誌プロス・ワン電子版に掲載された[9]。
東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太らによると、朝食を毎朝摂っている人ほど幸福を感じているというアンケート結果が出ている[10]。
脚注
注釈
出典
(一)^ breakfast - ︵英語︶ 2021年︵令和3年︶1月23日閲覧。 (Oxford Learner's Dictionaries)
(二)^ 新村出 編﹃広辞苑 第四版﹄岩波書店、1991年、38頁。ISBN 4000801015。あるいは起床してから朝食を摂るまでの時間が比較的短いため、その間に済ませられるぐらい容易なこととの意味もある。
(三)^ 一例として、﹃石城日記﹄に当時の食習慣の記述が見られる。
(四)^ ﹃図解!江戸時代﹄ ︵三笠書房、2015年︵平成27年︶︶ p.130.
(五)^ ﹃図解!江戸時代﹄︵三笠書房、2015年︵平成27年︶︶ p.133.
(六)^ “﹁朝ラー﹂大入り 喜多方”. 朝日新聞. (2007年9月9日) 2021年1月23日閲覧。 ︵日本語︶
(七)^ abあなたの健康百科 - 朝食抜きの弊害 [リンク切れ]
(八)^ ab落合敏監修 ﹃食べ物と健康おもしろ雑学﹄ p.186 ︵梧桐書院、1991年︵平成3年︶︶
(九)^ ﹁朝食抜きは太る﹂解明=体内時計狂いが原因-名古屋大 [リンク切れ] - 時事通信、2018年︵平成30年︶11月1日
(十)^ “毎日朝食取る人は﹁幸福﹂実感…健康や家族重視”. 読売新聞. (2010年9月17日) 2021年1月13日閲覧。 [リンク切れ]