沖縄本島
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沖縄本島︵おきなわほんとう︶は、東シナ海と太平洋の間に位置する南西諸島最大の島で、沖縄県の政治、経済の中心地。面積1206.49km²であり、本土4島を除く面積3位の島。沖縄県の41の市町村のうち県庁所在地の那覇市を含む26の市町村があり、同県の人口約136万人のうち約123万人が集中している。
島の正式名称は、沖縄島︵おきなわ・じま︶だが、通称である﹁沖縄本島﹂が一般的に使われており、官公庁︵気象庁の天気予報等︶の広報・情報発信等でもこの表記を使用していることが多い。
琉球語︵琉球方言︶のウチナー︵ウチナン︶・ウチナーチュ︵ウチナンチュ︶は、本来沖縄本島及びその出身者を指す言葉だが、明治期の沖縄県設置後に沖縄県全域及びその出身者を示す様になってきた。
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残波岬の航空写真。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サー ビスの空中写真を基に作成
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地域区分・市町村
沖縄本島は基本的に琉球王国成立以前の小国である北山、中山、南山に由来する北部・中部・南部 ︵国頭・中頭・島尻︶の三つの地域に区分される。また、都市圏の繋がりから中部と南部は一纏めに中南部と区分する事が多い。その他、交通などの視点から那覇市より北を中北部と称する事もある。沖縄本島北部
国頭︵くにがみ︶地区、または山原︵やんばる︶とも。面積764km²、人口12万。豊かな自然が残る。 ●名護市 ●国頭郡 ●国頭村 - 大宜味村 - 東村 - 本部町 - 今帰仁村 - 恩納村 - 宜野座村 - 金武町沖縄本島中部
中頭︵なかがみ︶地区とも。面積280km²、人口58万。最も米軍施設が集中する地区である。西原町は南部地区廃棄物処理施設整備推進協議会︵南廃協︶に所属するなど、南部市町村との繋がりも強い。 ●沖縄市 ●浦添市 ●宜野湾市 ●うるま市 ●中頭郡 ●読谷村 - 嘉手納町 - 北谷町 - 北中城村 - 中城村 - 西原町沖縄本島南部
島尻︵しまじり︶地区とも。面積197km²、人口53万。県都那覇市を有する。単に﹁南部﹂という場合は那覇市以外の市や町、とりわけ南城市や八重瀬町をさす事が多い。 ●那覇市 ●豊見城市 ●糸満市 ●南城市 ●島尻郡 ●南風原町 - 与那原町 - 八重瀬町山原
山原︵やんばる︶とは狭義には沖縄本島北部の国頭村・大宜味村・東村に広がる森林または国頭村・大宜味村・東村の地域自体をさし、広義には沖縄本島北部に広がる森林または沖縄本島北部地域自体をさす。中南部都市圏
中南部都市圏︵ちゅうなんぶとしけん︶とは那覇市を主な中心とし、沖縄市を副次的な中心とする都市圏である。面積約470km²︵県土面積の5分の1︶に112万人︵県人口の8割︶が暮らす。 中部とは沖縄市を、南部とは那覇市を中心とした地域だが、那覇市の求心力は中部にまで及ぶ一方、沖縄市の求心力は中部全体には及んでいない。そのうえ、中部・南部は面積が全国平均を下回る小規模多数の市町村からなり、両地区を合わせても面積が北部に及ばないため、一纏めに中南部と区分する事が多い。ちなみに、中南部には面積100km²以上の市町村がなく、最大のうるま市で86.01km²である。 中南部都市圏の人口密度は政令指定都市である北九州市をわずかに超える︵面積は本島中南部の方がやや小さく、人口はやや多い︶。 なお那覇市や浦添市、宜野湾市などの近隣自治体に限っては三大都市圏並みの人口密度を誇る︵那覇都市圏も参照︶。その上、2003年に沖縄都市モノレール︵ゆいレール︶が開通するまで軌道系の公共交通機関が存在しなかったため[1]、本土より自動車への依存度が高く、強度の車社会のせいで中南部の道路は慢性的に渋滞気味である︵沖縄問題参照︶。しかし歴史的・地理的背景が異なる為、経済・産業の規模は人口規模より小さい。 なお、余談だが中南部の電話市外局番は098で統一されている︵那覇MA。国頭郡恩納村・宜野座村・金武町と周辺離島の久米島町・渡嘉敷村・座間味村・粟国村・渡名喜村も含む。つまり本島中部、本島南部。慶良間・粟国諸島、久米島、恩納・金武地区が該当︶。0988、0989X、0989XXに分かれていた市外局番が、1990年に桁ずらしにより統一された。これらの地域では広告︵テレビ・ラジオのCMも含む︶やお知らせ等で電話番号を紹介するとき市外局番の098を省略する場合が多い︵沖縄県内の固定電話の加入世帯の大半がこのエリアであるのと、あとの市外局番が実質0980のみであるため︶。地勢
●中南部は主として隆起した珊瑚礁から構成され、地形は平坦で、100mを越える丘陵地はほとんどない。また、河川が非常に少ない。北部は火成岩が中心で、恩納岳、名護岳、与那覇岳など400m程度の低山が続く。やや大きな河川があるのも北部の特徴である。 ●侵食されやすい石灰岩の南部にはカルスト地形が発達し、亜熱帯であるので浸食が速く、ドリーネやウバーレが多い。多くの鍾乳洞があり、那覇の南東の南城市玉城の全長5km︵一般公開部分890m︶の玉泉洞が最も有名である。生物的自然
●北部は沖縄県全面積の約3分の1で、山原︵やんばる︶と呼ばれる森林が広がっている地域である。森林の型としては照葉樹林であり、高木の主体はイタジイである。ノグチゲラ、ヤンバルクイナ、ヤンバルテナガコガネなどの固有種が数多く生息している。 ●中南部の隆起珊瑚礁の上には、イスノキやアカギなどを構成要素とする森林があり、より熱帯的な要素が強い。ただしよく保存されている森林は少ない。 ●最北端は辺戸岬で、鹿児島県に属する与論島とは22kmしか離れていない。 ●海岸線はサンゴ礁に囲まれるが、サンゴそのものは死滅しているものが多い地域が多く、生きたサンゴが一面にあるようなところは少ない。 ●ラムサール条約登録湿地である漫湖や、渡り鳥の渡来地として知られる泡瀬干潟、ジュゴンが生息する辺野古沖、慶佐次湾のマングローブ林など、貴重な塩性の湿地・藻場・浅海域も存在する。これらのなかには開発計画が持ち上がっているものもある。なお、日本の環境省が指定する日本の重要湿地500のうち、54ヶ所が沖縄県内にある。これは、北海道︵61ヶ所︶に次いで全国で2番目に多い。気候
●島の気候は亜熱帯で、冬季にも霜や氷が見られることはない。ごくまれにあられが降るのみ。5月頃に梅雨入りをし、6月後半には梅雨明けする。天気予報での﹁沖縄本島地方﹂
天気予報で沖縄本島︵地方︶をさすときは、沖縄本島だけでなく本島周辺の離島︵本島から100km以内︶も含まれる。 1985年にこれまで一地域だったのが本島中南部、本島北部、久米島︵現在の一次細分区域︶に3地域に分かれたが、予報は3つとも同じ予報であることが多く、電話﹁177﹂による天気予報では3地域別々ではなく﹁098-177﹂のみであるため、3つとも同じ予報であるときはいちいち3地域に分けずにまとめて1回で発表することが多い︵3地域別々の場合はそれぞれ地域ごとに発表する︶。さらに2002年には注意報・警報を発表する際に二次細分区域として本島中南部は南部、中部、慶良間・粟国諸島の3地区、本島北部は恩納・金武、名護、国頭、伊平屋・伊是名の4地区に分かれた︵久米島は細分化なし︶。 天気予報の予報区分 ●沖縄本島中南部‥うるま市・読谷村以南の本島中南部、慶良間諸島、粟国島︵注︶、渡名喜島 ●本島南部‥那覇市・浦添市・糸満市・豊見城市・南城市・西原町・南風原町・八重瀬町・与那原町 ●本島中部‥沖縄市・うるま市・宜野湾市・北谷町・嘉手納町・中城村・北中城村・読谷村 ●慶良間・粟国諸島‥渡嘉敷村・座間味村・粟国村・渡名喜村 ●沖縄本島北部‥恩納村・金武町以北の本島北部、伊江島、伊平屋島、伊是名島 ●恩納・金武地区‥金武町・恩納村・宜野座村 ●名護地区‥名護市・本部町・今帰仁村・伊江村 ●国頭地区‥国頭村・大宜味村・東村 ●伊平屋・伊是名‥伊平屋村・伊是名村 ●久米島‥久米島町 ︵注︶粟国村は二次細分化区域が新設されるまで本島北部のエリアだった︵天気予報のみ︶。観光
北部
豊かな自然が残り、リゾート観光が盛んな地区である。 ●海洋博公園 ●今帰仁城 ●万座毛 ●ムーンビーチ中部
中小の都市が集まっている。アメリカ軍の基地が多く、アメリカ的文化の発信地でもある。 ●中城城 ●勝連城南部
県都那覇︵古都首里︶・南部戦跡などを有し、文化・史跡観光の中心地区である。 ●首里城 ●国際通り ●ひめゆりの塔 ●平和祈念公園 ●玉泉洞基地
沖縄本島は米軍戦略上、日本国防上からも極めて重要であると位置づけられている。米軍施設
沖縄本島には28の米軍施設があり、島の面積の約20%を占める。特に中部に集中しており、中部10市町村のうち8市町村が施設を抱える。海兵隊普天間飛行場は中南部都市圏の中心に位置し交通の要衝である宜野湾市の中心部を占めている。
陸軍
●慶佐次通信所
●トリイ通信施設
●那覇港湾施設
●陸軍貯油施設
海軍
●楚辺通信所︵通称﹁象のオリ﹂︶
●天願桟橋
●キャンプ・シールズ
●泡瀬通信施設
●ホワイト・ビーチ地区
空軍
●奥間レスト・センター
●八重岳通信所
●瀬名波通信施設
●嘉手納弾薬庫地区
●嘉手納飛行場︵Kadena Air Base︶ 通称﹁嘉手納基地﹂
海兵隊
●北部訓練場
●キャンプ・シュワブ
●辺野古弾薬庫
●キャンプ・ハンセン
●ギンバル訓練場
●金武レッド・ビーチ訓練場
●金武ブルー・ビーチ訓練場
●読谷補助飛行場
●キャンプ・コートニー
●キャンプ・マクトリアス
●キャンプ桑江︵Camp Lester︶
●キャンプ瑞慶覧︵Camp Foster︶
●普天間飛行場︵Marine Corps Air Station Futenma︶ 通称﹁普天間基地﹂
●牧港補給地区︵Camp Kinser︶