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アメリカ合衆国憲法

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アメリカ合衆国憲法
United States Constitution
アメリカ合衆国憲法の原本(1ページ目)
施行区域 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
効力 現行法
成立 1787年9月28日
公布 1788年6月21日
施行 1789年5月4日 (235年前) (1789-05-04)
政体 連邦制共和制大統領制
権力分立 三権分立
(立法・行政・司法)
元首 大統領
立法 議会
行政 大統領
司法 最高裁判所
改正 27
最終改正 1992年
旧憲法 連合規約
作成 フィラデルフィア憲法制定会議
テンプレートを表示
アメリカ合衆国憲法への署名(ハワード・チャンドラー・クリスティー英語版・画)

: United States Constitution7762[1]

17879171788[2]1787


沿革[編集]

連合規約での行き詰まり[編集]


177613[ 1]1313 (the United States of America)  (Congress) 

1786951787221[3]125[3][4]139[4][5]

[]


FederalistAnti-federalist

[5]

[5]





使

[6]調[7]53

批准[編集]

憲法の批准
  日付 投票
賛成 反対
1 1787年12月7日 デラウエア邦 30 0
2 1787年12月12日 ペンシルベニア邦 46 23
3 1787年12月18日 ニュージャージー邦 38 0
4 1788年1月2日 ジョージア邦 26 0
5 1788年1月9日 コネチカット邦 128 40
6 1788年2月6日 マサチューセッツ邦 187 168
7 1788年4月28日 メリーランド邦 63 11
8 1788年5月23日 サウスカロライナ邦 149 73
9 1788年6月21日 ニューハンプシャー邦 57 47
10 1788年6月25日 バージニア邦 89 79
11 1788年7月26日 ニューヨーク邦 30 27
12 1789年11月21日 ノースカロライナ邦 194 77
13 1790年5月29日 ロードアイランド邦 34 32

178791791391313

7

17886219[8]178934

17891 (Bill of Rights) 1101791

[]


131215[8]

使調2

1776

[]


[9]

[]


3
  • 本文は7条からなる。ここでいう「条 (Article)」は、日本の法律でいうところの「章」に相当し、多くの条は、いくつかの「節 (Section)」に分かれている。
  • 憲法修正条項は27条ある。アメリカ合衆国憲法の改正は、元の規定を憲法改正し条文を直接変更・改廃するのではなく、従来の規定文章を残したまま、修正内容を修正条項として、それまでの憲法典の末尾に付け足していく方法を採る。修正条項は、順次「第1修正 (Amendment I)」「第2修正 (Amendment II)」と番号が付されていく。

内容[編集]

前文 (Preamble)[編集]

We the People of the United States, in Order to form a more perfect Union, establish Justice, insure domestic Tranquility, provide for the common defense, promote the general Welfare, and secure the Blessings of Liberty to ourselves and our Posterity, do ordain and establish this Constitution for the United States of America.
(われら合衆国の人民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のうえに自由のもたらす恵沢を確保する目的をもって、アメリカ合衆国のために、この憲法を制定する。)

前文ではアメリカ合衆国憲法が13邦の主権を制限し、アメリカ合衆国が13邦の連合体で無く、それらを合邦した統一国家であることを宣言する。

また、国民の安全や防衛など、当該憲法を制定する目的が列挙されている。

第1条 (Article I)[編集]


1



181819

14161720

62[10]

第2条 (Article II)[編集]


2



252

第3条 (Article III)[編集]

第3条は最高裁判所を含む司法制度について定義している。

合衆国最高裁判所と呼ばれる裁判所があるべきとしているが、議会はその裁量の中で下級裁判所を創出することができ、その判決と命令は最高裁によって審査されることができるとしている。あらゆる刑法事件では陪審制裁判を要求し、反逆罪を定義し、議会にはその罰則を決めるよう求めている。また連邦裁判所で審理される事件の種類を定め、そのような場合は最高裁判所が最初に審理すること(第一審管轄権)および最高裁判所によって審理される他の事件は上告によることが定められている。

第4条 (Article IV)[編集]

第4条は州と連邦政府の関係および州の間の関係について定義している。

例えば、各州は他の州の公的な行動・記録および裁判の進行について十分な信頼と信用を置くことを要求している。議会はそのような行動・記録および進行の証拠が受け入れられる方法を立法化することが認められている。

「特権と免除権」条項では州政府がその州の住人のために他の州の市民を差別することを禁じている(例えば、ミシガン州内で犯罪を犯して有罪とされたオハイオ州の住人により重い罰則を科すこと)。また州間の犯罪者の引渡しについて定め、州間の自由な移動と通行について法的な根拠を与えるよう定めている。

今日、この条項は特に州境に近く住む市民によって当然のことと取られているが、連合規約の時代は州境を越える事が大変難儀な(また金の要る)行動であった。第4条ではまた、新しい州の創設と合衆国への加盟の方法を定めている。領土条項は議会に連邦の財産を処分する規則を作る権限を与え、まだ州になっていないアメリカ合衆国の領土を統治する権限を与えている。第4条第4節では、アメリカ合衆国が各州に共和政体を保障し、各州を侵略や暴力から守ることを求めている。

第5条 (Article V)[編集]


5

323220071

43

215

[]


2

使2118

490





1803




第6条 (Article VI)[編集]

第6条は憲法と憲法に基づいて作られるアメリカ合衆国の法律と条約を国内の最高法と定義し、「各州での判断はそれらに基づいて行われ、各州の法や憲法に含まれる如何なるものもそれらと矛盾してはならない」としている。

また連合規約の下で作られた国債を有効とし、あらゆる議員・政府の役人および判事は憲法を支持する誓約または確認をすべきこととしている。これは州の憲法や法律が連邦憲法と矛盾してはならないことを意味し、もし論争になった場合は、州の判事が州の憲法や法律に対して連邦の憲法や法律を上位に置いて判断することを法的に強制したものである。

第6条はまた、「アメリカ合衆国では如何なる役職もまた公的な信託もその資格付けのために宗教的な審問を要求してはならない」としている。

第7条 (Article VII)[編集]

第7条は憲法の批准に関する要求事項を定めている。

この憲法は少なくとも9つの邦(当時は13邦のみが存在)が特に批准の目的のために招集された各邦の会議で批准されるまでは有効にならないとした。

署名 (Signatures)[編集]

各邦代表の署名

修正条項[編集]

修正条項は修正第1条から修正第27条まである。第1修正から第27修正と訳する人もいる。最初の10か条は権利章典と呼ばれ、同時に修正が成立した。その後の17か条はそれぞれ異なる機会に修正が成立した。

権利章典(修正第1条-第10条)[編集]

アメリカ国立公文書記録管理局に保管されている権利章典

101788使17891217911010

1114186814



1414 (fundamental right) 1960 (fundamental) 14 (whole and intact)  (selective incorporation interpretation) [11]

2357[12]6 (vicinage) 8[13] (free-standing due process) [14]

178912101222199227110調調1792

その後の修正条項(第11条-第27条)[編集]

修正第11条以降の条項は多くの主題をカバーしている。その中でも個人の公民としての自由や政治的な自由を拡大したものが多く、いくつかは基本的な政府の構造を変えるものがある修正第18条は、修正第21条により廃止されたため、27か条の修正条項のうち、26か条のみが現在有効である。( )内は批准完了すなわち成立年を示す。


111795

121804

131865

141868

151870

161913

171913

181919

191920

201933

21181933

2221951

231961

241964

251967

26181971

271992

[]


178911002005211960197019802

3327643418

ERAen:Equal Rights Amendment192319721982435038

[]


452017-202120202021[15][16][17]

 

2022SNS[ 2][18][19]

特徴[編集]

立憲連邦共和国[編集]


6






[]


21181

展開[編集]

連邦政府の権限拡大[編集]

連邦政府は憲法で制限列挙された権限のみを行使し、その他の権限は州と国民に留保されている(第10修正)。これを「例挙権限の原理」という。しかし、連邦議会に各州間の通商を規制する権限を与える州際通商条項(1編8節3項)などを根拠にして、連邦政府の権限は拡大している。

司法裁判所による違憲審査制[編集]

アメリカ合衆国の裁判所には、連邦議会が制定した法律の憲法適合性を審査する権限(違憲立法審査権)があるとされる。この権限は憲法の明文上定められたものではなく、合衆国最高裁判所1803年に出したマーベリー対マディソン事件判決 (Marbury v. Madison, 5 U.S. 137 (1803)) により、判例法上確立されたものである。合衆国最高裁判所は、この違憲立法審査権によって、アメリカ政治史上重要な憲法判断を行ってきた。

連邦最高裁判所による著名な判例[編集]


 (Marbury v. Madison, 5 U.S. 137 (1803)) - 1803

 (Plessy v. Ferguson, 163 U.S. 537 (1896)) - 1896 (Separate, but Equal)

 (Schenck v. United States, 249 U.S. 47 (1919)) - 1919 (clear and present danger)

Brown v. Board of Education of Topeka, Kansas, 347 U.S. 483 (1954), 349 U.S. 294 (1955) - 1954195514

Miranda v. Arizona, 384 U.S. 436 (1966) - 1966

 (Lemon v. Kurtzman, 403 U.S. 602 (1971)) - 1971

 (Roe v. Wade, 410 U.S. 113 (1973)) - 197314

 (Lawrence v. Texas, 539 U.S. 558 (2003)) - 200314


[]

注釈[編集]

  1. ^ 以下"state"の訳についてアメリカ合衆国憲法の発効までは「邦」、発効後は「州」とする。
  2. ^ アメリカ合衆国憲法の活動を破棄または停止させる事。

出典[編集]



(一)^ Constitution Rankings (). Comparative Constitutions Project. 2022910

(二)^ 2002015

(三)^ abNARA. National Archives Article on the Constitutional Convention. 20071216

(四)^ abNARA. National Archives Article on the Constitution. 20071216

(五)^ abcNARA. National Archives Article on James Madison. 20071216

(六)^ NARA. National Archives Article on William Patterson. 20071216

(七)^ NARA. National Archives Article on Roger Sherman. 20071216

(八)^ abNARA. National Archives Article on the Entire Constitutional Convention. 20071216

(九)^ NARA. National Archives Article on the Bill of Rights. 20071216

(十)^ AFPBB News2008124

(11)^ Israel, Jerold H., LaFave, "Criminal Procedure Constitutional Limitations". 7th ed., West, 2006, pp10-23.

(12)^ 2002270 (incorporation doctrine)

(13)^ Israel, Jerold H., LaFave, "Criminal Procedure Constitutional Limitations". 7th ed., West, 2006, pp18-19.

(14)^ Israel, Jerold H., LaFave, "Criminal Procedure Constitutional Limitations". 7th ed., West, 2006, p11, p18, pp24-26.

(15)^ 200 . (202117). 2024315

(16)^  4. . 2024315

(17)^  4 TOKYO Web.  TOKYO Web. 2024315

(18)^  . (2022126). 2024315

(19)^  . BBC (2022125). 2024315

関連項目[編集]

外部リンク[編集]