クリュタイムネーストラー
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クリュタイムネーストラー︵古希: Κλυταιμνήστρα, Klytaimnēstrā, ラテン語: Clytaemnestra, 英語: Clytemnestra, Clytemestra︶は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してクリュタイムネストラとも表記される。
ミュケーナイ王アガメムノーンの后。父親はスパルタ王テュンダレオースで母親はレーダー、兄弟は英雄カストール、異父兄弟︵父はゼウス︶に英雄ポリュデウケースとスパルタ王妃ヘレネーという名家の出。
娘にイーピゲネイアとエーレクトラー[注 1]、息子にオレステースがいる。また、姉妹のヘレネーがパリスに誘惑されトロイアへ逃げた間に、置き去りにされたヘレネーとメネラーオスの娘ヘルミオネーを養育した。
本来の夫はアガメムノーンの従弟タンタロスで、死別後︵実際には謀殺︶アガメムノーンと再婚、トロイア戦争中にアガメムノーンの従弟で先夫タンタロスの実弟アイギストスを情夫とした。父アガメムノーンを彼女に殺された息子オレステースが彼女を殺害する。
クリュテムネストラは、息子がアポロンによって浄化されている間に復 讐の女神を目覚めさせようとするが、アプーリアの赤い彫像のクラテル, 480–470 BC, Louvre (Cp 710)
オレステースが自らの死を偽って報告したことに安堵した後、エーレクトラーの手引きによって城内に侵入したオレステースに情夫のアイギストスもろとも殺害される。
母殺しの罪によってオレステースは復讐の女神に追われて放浪するが、アポロンに罪を清められ、共にクリュタイムネストラーに養育されたかつての許婚ヘルミオネーの夫を殺害、奪還して妻とする。