ノーガード戦法

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ノーガード戦法(ノーガードせんぽう、英:No_Guard Opening)とは、将棋の戦法のひとつ。

相掛かりで角道が相互に開いている形で、▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩と横歩取りの出だしから、飛車先を受けずに角交換してカウンターを狙う奇襲戦法である。

戦法の名前は、本来防御を行う左金(△3二金)の上がりを省略した後手の戦術、守備の金が欠けていると、後手は「ガード」を欠いている、という陣に由来している。代わりに、角を手にした際のクイックアタックライン攻撃を開始するために、早くの角交換を選択し、乱戦に持ち込む。基本的には後手番用の戦法であるが、先手番用もある。

一般に序盤戦術は先手が主導権を握ると考えられている。しかしプロの棋士が棋戦で使用しないため、これは奇襲戦術的な側面が強い。またこの戦術はすぐに中終盤に入る。そのため、一部のアマチュア愛好者がこれをうまく防御するのは困難な側面がある。正確に受けられれば確かに成立しないともされる戦法とみられているが、いざ対処するとなるととても厄介とされる。

手順1[編集]

△持ち駒 なし
987654321 
       
  
        
       
        
  
      
 

1.1 ...      

4.4 ... 887

§3 37


4.4 ...   

       35 ...  4 ... 3 [1]

☗6 その1... ▲2四歩[編集]

△持ち駒 歩二
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6.6 ... ▲2四歩 △同歩先手は後手に続き、飛車先の交換を行う。

ここで先手は必ずしも飛車先を交換する必要はない。むしろ2010年代から、相掛かりでは先手はすぐに飛車先交換をせず、タイミングを見極めながら行うことが多くなっている。

先手がノーガード戦法に引き込まれたくない場合、後手の計画を後述の6.その2の手で失敗させることも可能。▲8七歩と受けると、後手はノーガード戦法はできない。