ハンナ・アーレント

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ハンナ・アーレント
Hannah Arendt
晩年のアーレント(1975年)
生誕 1906年10月14日
ドイツの旗 ドイツ帝国
プロイセンの旗 プロイセン王国
リンデン英語版
死没 1975年12月4日(1975-12-04)(69歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニューヨーク州
ニューヨーク
時代 20世紀の哲学
地域 西洋哲学
学派 大陸哲学実存主義共和主義
研究分野 政治哲学、近代性、歴史哲学全体主義
主な概念 工作人、労働する動物、「労働」と「仕事」の区別、悪の陳腐さ、「活動的生活」と「観照的生活」の区別、権威(auctoritas)、出生(natality)
テンプレートを表示

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思想[編集]

全体主義批判[編集]


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革命論[編集]

アーレントは、革命については戦争と分母を同じくするものであり、すなわち暴力が母体になっているとする。


革命は戦争と共に20世紀の様相をかたちづくってきたものであり、戦争が簡単に革命に転化し、革命が戦争への道を開く傾向を示しているのは、暴力がこの両者の一種の公分母になっているからである。聖書と古典が明らかにしているように、人類の伝説的なはじまりは暴力による。「はじめに犯罪ありき」―「自然状態」はそれを理論的に純化して言い換えたものに過ぎない。

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活動的生活[編集]


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参考文献[編集]

  • 矢野久美子『ハンナ・アーレント「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』中公新書、2014年
  • アーレント, ハンナ  齋藤純一、引田隆也訳 (1994), 過去と未来の間――政治思想への8試論 (原著1968), みすず書房 
  • アーレント, ハンナ  大久保和郎、大島かおり訳 (2017), 全体主義の起原 3 (原著英語版1951,ドイツ語版1955), みすず書房 
  • アーレント, ハンナ  森一郎訳 (2022), 革命論 (原著英語版1963,ドイツ語版1965), みすず書房 
  • 豊泉清浩「ヤスパースの全体主義批判における人間の尊厳について:ハンナ・アーレント『全体主義の起源』との関連において」文教大学教育学部紀要53,p 253-270, 2019.

関連文献[編集]

  • マーガレット・カノヴァン『アレント・政治思想の再解釈』(寺島俊穂・伊藤洋典訳、未來社、2004年)
  • エリザベス・ヤング=ブルーエル『ハンナ・アーレント伝』(荒川幾男ほか3名訳、晶文社、1999年)
  • マルティーヌ・レイボヴィッチ『ユダヤ女 ハンナ・アーレント』(合田正人訳、法政大学出版局〈叢書・ウニベルシタス〉、2008年)
  • ケン・クリムスティーン『ハンナ・アーレント、三つの逃亡』(百木漠訳、みすず書房、2023年)、図版解説

日本人による研究書[編集]

  • 川崎修『アレント――公共性の復権』(講談社、1998年、新版2005年)
  • 太田哲男『ハンナ=アーレント』(清水書院・人と思想、2001年、新装版2016年)
  • 杉浦敏子『ハンナ・アーレント』(FOR BEGINNERSシリーズ:現代書館、2006年)
  • 杉浦敏子『ハンナ・アーレント入門』(藤原書店、2002年)
  • 矢野久美子『ハンナ・アーレント――「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』(中央公論新社中公新書〉、2014年)
  • 牧野雅彦『精読アレント『全体主義の起源』』(講談社選書メチエ、2015年)
    • 『ハンナ・アレント 全体主義という悪夢』(今を生きる思想:講談社現代新書、2022年)
  • 中山元『アレント入門』(筑摩書房ちくま新書〉、2017年)
  • 仲正昌樹『悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える』(NHK出版新書、2018年)- ※以上は入門書
  • 寺島俊穂『生と思想の政治学――ハンナ・アレントの思想形成』(芦書房、1990年)
  • 千葉眞『アーレントと現代――自由の政治とその展望』(岩波書店、1996年)
  • 伊藤洋典『ハンナ・アレントと国民国家の世紀』(木鐸社、2001年)
  • 矢野久美子『ハンナ・アーレント、あるいは政治的思考の場所』(みすず書房、2002年、新装版2023年)
  • 森分大輔『ハンナ・アレント研究――<始まり>と社会契約』(風行社、2007年)
  • 森川輝一『〈始まり〉のアーレント―「出生」の思想の誕生』(岩波書店、2010年)
  • 亀喜信『ハンナ・アレント―伝えることの人間学』(世界思想社、2010年)
  • 中山元『ハンナ・アレント〈世界への愛〉 その思想と生涯』(新曜社、2013年)
  • 小玉重夫『難民と市民の間で ハンナ・アレント『人間の条件』を読み直す』(現代書館〈いま読む!名著〉、2013年)
  • 仲正昌樹『ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義』(作品社、2014年)
    • 『ハンナ・アーレント「革命について」入門講義』(作品社、2016年)
  • 中島道男『ハンナ・アレント 共通世界と他者』(東信堂、2015年)
  • 森一郎『死を超えるもの: 3・11以後の哲学の可能性』東京大学出版会 、2013年
    • 第8章 アーレントと原子力の問題I――大地からの疎外、または「宇宙人」の侵略
    • 第9章 アーレントと原子力の問題II――戦争論への寄与
  • 千場達矢『哲学者アーレントに脚光 思考停止に警鐘 現代に響く』日本経済新聞:2014年7月20日朝刊40面
  • 佐藤和夫『〈政治の危機〉とアーレント――『人間の条件』と全体主義の時代』(大月書店、2017年)

脚注[編集]

注釈[編集]



(一)^ [5]

(二)^ 195021925 - 1975

(三)^ 
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(四)^ [9]

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出典[編集]

  1. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説”. コトバンク. 2018年2月12日閲覧。
  2. ^ a b c d 豊泉清浩「ヤスパースの全体主義批判における人間の尊厳について:ハンナ・アーレント『全体主義の起源』との関連において」文教大学教育学部紀要53,p 253-270, 2019.
  3. ^ ハンナ アレント』 - コトバンク
  4. ^ アーレント』 - コトバンク
  5. ^ Kazin "New York Jew" p.199
  6. ^ 『ハンナ・アーレント伝』p87
  7. ^ The Origins of Totalitarianism
  8. ^ 矢野久美子『ハンナ・アーレント「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』中公新書、2014年、187-188頁。
  9. ^ 矢野久美子 『ハンナ・アーレント「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』、中公新書、2014年、198頁。
  10. ^ 「悪夢と逃避」『アレント政治思想集成』 vol.1. p.182
  11. ^ 「近年のヨーロッパ哲学思想における政治への関心」 『アレント政治思想集成』p.300
  12. ^ a b c アーレント 2017, p. xix-xx..
  13. ^ a b アーレント 2017, p. 70.
  14. ^ アーレント 2017, p. 131-132.
  15. ^ a b c アーレント 2017, p. 208-211.
  16. ^ アーレント 2017, p. 230.
  17. ^ アーレント 2017, p. 231.
  18. ^ アーレント 2017, p. xiv.
  19. ^ 反右派闘争』 - コトバンク
  20. ^ アーレント 2017, p. xv.
  21. ^ アーレント『全体主義の起源3 全体主義』「緒言」
  22. ^ 『革命について』
  23. ^ a b c d e アーレント 2022, p. 64-66.
  24. ^ 『革命について』『暴力について』
  25. ^ 資本論第1巻第7篇第24章第6節 「産業資本家の生成」
  26. ^ a b c d e f アーレント 1994, p. 24-27.
  27. ^ a b アーレント 1994, p. 28-32.
  28. ^ The Modern Concept of History:「歴史の概念 - 古代と近代」1958
  29. ^ a b c アーレント 1994, p. 103-104.
  30. ^ a b アーレント 1994, p. 105-106.
  31. ^ アーレント 1994, p. 107.
  32. ^ a b アーレント 1994, p. 108.
  33. ^ 『ハンナ・アーレント伝』p.72
  34. ^ 『アーレント=ヤスパース往復書簡3』、大島かおり訳、みすず書房、2004年,p.286-287。井上純一「拒否されたアイデンティティ」立命館国際研究18-3,March2006
  35. ^ 『ハンナ・アーレント伝』p.106
  36. ^ 記憶-ホロコーストの真実を求めて. 柏書房. (1998) 
  37. ^ 元は1973年にアバディーン大学でのギフォード講義

関連人物[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]