小侍従 (源氏物語)
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小侍従︵こじじゅう︶とは、源氏物語に登場する架空の人物。源氏物語の登場人物の中で﹁小侍従﹂と呼ばれる人物としては、雲居の雁の乳母子である﹁小侍従﹂も存在するが[1]、通常源氏物語の登場人物として﹁小侍従﹂というときには朱雀院の女三宮の乳姉妹である﹁小侍従﹂のことをいう。
概要[編集]
朱雀院の女三宮の乳姉妹であり、叔母が柏木の乳母だった関係で自身も柏木の召人を務めるようになる。柏木と女三宮とを結び付けうる立場にいる人物であり、柏木の願いを受けて、女三宮への手引きをした人物である。その結果薫の出生の秘密を知っている数少ない人物の一人となった[注釈 1]。主要人物の出生の秘密を知る人物として王命婦などと対比されることがある[2]。登場する巻[編集]
小侍従は直接には以下の巻で登場し、本文中ではそれぞれ以下のように表記されている[3] ●第34帖 若菜上 小侍従、乳主、侍従 ●第35帖 若菜下 小侍従、侍従の乳母の娘 ●第36帖 柏木 侍従 ●第45帖 橋姫 小侍従、侍従、小侍従の君、侍従の君各巻での活動[編集]
柏木から女三宮への文を託され女三宮に渡すが返事はない。柏木の頼みを断り切れず柏木を女三宮のもとへ導く。女三宮の懐妊を知って不安に思う。柏木から女三宮への文を光源氏に見られてしまったことを柏木に告げる。︵第35帖 若菜下︶ 臨終間近の柏木の文を女三宮に届ける。︵第36帖 柏木︶ 薫が5・6歳のころ胸の病で死去する。︵第45帖 橋姫︶参考文献[編集]
●篠原昭二﹁作中人物事典 小侍従﹂﹃源氏物語事典﹄ 秋山虔編、学燈社︿別冊国文学﹀No.36、1989年︵平成元年︶5月10日、p. 282。 ●牧野高子﹁﹃源氏物語﹄の女房﹁小侍従﹂--手引きに至る心情について﹂駒沢大学大学院国文学会編﹃駒沢大学大学院国文学会論輯﹄第32集、駒沢大学大学院国文学会、2004年︵平成16年︶3月、23~41 ●福波眞知﹁乳母子小侍従--﹃源氏物語﹄の表現から﹂清泉女子大学日本語日本文学会﹃清泉語文﹄第1号、清泉女子大学日本語日本文学会、1998年︵平成10年︶3月、pp. 50-59。 ●加藤宏文﹁若菜下巻 物深からぬわか人 小侍従 -﹁はやりかなる口ごはさ﹂の果て-﹂﹃源氏物語の端役たち﹄溪水社、2006年︵平成18年︶12月、pp. 209-220。 ISBN 978-4-8744-0953-4脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ 稲賀敬二「作中人物解説 小侍従 一」池田亀鑑編『源氏物語事典下巻』東京堂出版 1960年(昭和35年)(合本は1987年(昭和62年)3月15日刊)、p. 346。 ISBN 4-4901-0223-2
- ^ 「王命婦から小侍従へ」森一郎編著『源氏物語作中人物論集』勉誠社、1993年(平成5年)1月。 ISBN 4-585-03012-3
- ^ 稲賀敬二「作中人物解説 小侍従 二」池田亀鑑編『源氏物語事典下巻』東京堂出版 1960年(昭和35年)(合本は1987年(昭和62年)3月15日刊)、p. 346。 ISBN 4-4901-0223-2