東武30000系電車
東武30000系電車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 東武鉄道 |
製造所 |
アルナ工機 東急車輛製造 富士重工業 |
製造年 | 1996年 - 2003年 |
製造数 | 150両 |
運用開始 | 1997年3月25日 |
主要諸元 | |
編成 | 6両編成・4両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 |
100 km/h(東武線) 80 km/h(半蔵門線) 110 km/h(田園都市線) |
設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 |
3.3 km/h/s 2.5 km/h/s(10000系列併結時) |
減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 |
6両編成:890(座席306)人 4両編成:584(座席198)人 |
車両定員 |
先頭車:139(座席48)人 中間車:153(座席54または51)人 |
自重 | 29.0 - 37.5 t |
編成重量 |
6両編成:199.0 t 4両編成:134.0 t |
全長 | 20,000 mm |
車体幅 | 2,770 mm |
全高 |
4,045 mm 4,080 mm(パンタグラフ搭載車) |
車体 | ステンレス鋼 |
台車 |
モノリンク式ボルスタレス台車 SS138形(TRS-95M形)・SS038形(TRS-95T形) |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 TM-95形 |
主電動機出力 | 190 kW |
駆動方式 | TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 99:14 (7.07) |
制御方式 | IGBT-VVVFインバータ制御 |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ・純電気ブレーキ |
保安装置 |
東武形ATS 乗入れ対応車:東武形ATS・新CS-ATC・ATC-P 東上線転属車:東武形ATS・T-DATC |
概要
1983年︵昭和58年︶から13年間にわたって486両導入された10000系車両の後継車両として登場した[文献 1]。当時計画中だった帝都高速度交通営団︵現・東京地下鉄︶半蔵門線への直通運転に対応した設計とされ、6両・4両編成各15本の合計150両が製造された[文献 1]。 地下鉄半蔵門線への直通運転用車両には、既存の10000系列を改造して直通運転に充当する構想もあったが、次世代通勤車両の計画が浮上する中で、改造する費用面の問題などから本系列が製造された[文献 2]。 搬入から営業運転開始まで、長い乗務員習熟運転期間が設けられた。これは当初予定されていた1999年︵平成11年︶度の半蔵門線押上駅延伸に併せて、東武では初採用となるワンハンドル車両について乗務員習熟を進める目的もあった。 製造はアルナ工機・東急車輛製造・富士重工業の3社が担当した。アルナ工機と富士重工は本系列の製造をもって鉄道車両製造から撤退した。 なお、特急用の250型は主回路制御方式や台車が本系列とほぼ共通のものが使用されている。車両概説
車体
20 m両開き4ドア、車体は軽量ステンレス製鋼体であり[文献 3]、従来の東武ステンレス車と同じく﹁ロイヤルマルーン﹂色の帯を巻く[文献 4]。前頭部はFRPの成形品を使用し、併結運転を考慮して正面貫通式である。客室との仕切壁付近には地下線内における非常用の梯子が設置してある。前照灯は東武では初めてHID式を採用した。 下部にはスカートを設置したが連結器の関係で高さを限界まで下げている。連結器は密着連結器であり、下部に併結運転用に二段の電気連結器がある。上部の122接点が本系列と10000系列の共用、下部の37接点は本系列同士の連結用である。 側面見付は10030型に準じているが、扉間の側窓が2連のユニット窓となった。客用ドアは高さを10000系列より50mm高い1,850 mmとしており、ドアガラスには複層ガラスが使用されている。連結部には新たに転落防止幌が設置された。 前面・側面の行先表示器はLED式であり、前面には種別・行先表示・運行番号の表示器が、側面には大型の種別・行先表示器が設置された。東武線内における半蔵門線直通列車では行先の右側に﹁半蔵門線直通﹂と表示される。 当初は乗り入れ先の東急田園都市線での使用に備えて前面に急行灯︵通過標識灯︶が設置されていたが、2002年︵平成14年︶3月に東急田園都市線内で急行灯の使用が停止されたため、同年度の増備車である31611F・31411F以降より急行灯が省略されている。-
側面行先表示器
室内
乗務員室はそれまでのグリーンの配色をやめ、ダークグレーの色調としている。主幹制御器には乗り入れ先の東急・営団に合わせ東武では初となる両手操作のT字型ワンハンドル式を採用した。計器盤中央に車内信号に対応した速度計があり、両側に表示灯を、右側には車両情報制御装置のモニター表示器が収納されている。
乗務員室仕切は客室から向かって左から(運転台背面は壁)仕切扉窓・固定窓がある。遮光幕は両方の窓に設置している。
機器類
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日立製作所製VVVFインバータ装置
(VFI-HR1420B形) -
東芝製静止形インバータ装置
(INV095-J0形・出力190kVA)
運用の変遷
就役から50050型営業開始まで(1997年 - 2006年3月)
登場から直通運転開始前は伊勢崎線浅草口を中心とした地上線で使用された。4両固定編成は10000系列の2両編成と連結して6両編成で運用されることが多かった。
2002年(平成14年)、当年度増備車である31611F・31411F以降より、半蔵門線・田園都市線用の乗り入れ用機器が搭載された。10両編成時に先頭車となるクハ31600形・クハ34400形の床下にATC/S装置の設置や10両編成時の3号車となるモハ32400形に誘導無線アンテナの設置、乗務員室に3社間対応用列車無線送受話器設置や自動放送に乗り入れ先用データの追加などが実施された。その後、従来車両にも搭載改造が実施された。
2003年(平成15年)3月19日、伊勢崎線の曳舟駅 - 押上駅間の開業と、半蔵門線の押上駅 - 水天宮前駅間の開業に伴い、半蔵門線と東急田園都市線との相互直通運転を開始した。南栗橋駅 - 中央林間駅の走行距離は98.5 kmに及ぶロングランとなった。また田園都市線への乗り入れ開始により、東武の車両が営業運転としては初めて神奈川県内でも見られるようになった。
当初の直通列車の運行本数は朝夕は1時間には4-5本、日中帯や土休日は1時間に3本と少なく、また朝ラッシュ時運行の通勤準急を除けば大半が新越谷駅以北を各駅に停車する区間準急として運行されたため、後続の準急列車(当時)との緩急接続による東武線内時間調整や押上駅などでの停車時間が長く所要時間もかかったので利便性は高いものではなく、伊勢崎線内では浅草発着列車主体のダイヤ構成であった。
2004年(平成16年)当時、東武の直通運用編成は15本と東京メトロや東急に比べて運用編成が少なかった(東武乗り入れ対応編成は東京メトロ25本・東急は31本)ため、本系列は走行距離の精算の関係上、東急田園都市線⇔半蔵門線内折り返しの運用が多くなり、日中に東武線内に入線することは極めて少なかった。
前述したが、半蔵門線直通時は基本的に編成の末尾の車両番号2桁を揃えて使われていたが、車体広告編成は2003年夏季頃から6両・4両編成を組み替えて使用することが増えたため、末尾の数字が揃わないことが多くなった。
- 2005年度車体広告編成一覧
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乗り入れ用の保安装置
(東芝製のATC/S装置)
50050型営業開始後(2006年3月以降)
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地上線用に転用され、6両で運用に就く30000系
(2012年5月 栃木駅)
東上線転属および伊勢崎線からの撤退(2011年1月以降)
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東上線に転用された編成は電気連結器が撤去された。
(2019年11月 高坂駅付近) -
東上線への転用の際に10両固定編成化され、連結部に転落防止幌が設置された。
(2021年11月)
編成表
2021年9月現在 凡例 VVVF‥制御装置︵1C4M2群︶、SIV‥補助電源装置︵静止形インバータ︶、CP‥空気圧縮機 [文献 13]← 池袋 小川町 → | ||||||||||
号車 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
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組成 | クハ31600形 (Tc1) |
< > モハ32600形 (M1) |
モハ33600形 (M2) |
サハ34600形 (T1) |
> モハ35600形 (M3) |
サハ36600形 (T) |
サハ31400形 (T) |
< > モハ32400形 (M1A) |
モハ33400形 (M2A) |
クハ34400形 (Tc2) |
搭載機器 | VVVF・CP | VVVF・SIV | SIV | VVVF・CP | VVVF・CP | VVVF・SIV | ||||
車両番号 | 31601 : : : 31615 |
32601 : : : 32615 |
33601 : : : 33615 |
34601 : : : 34615 |
35601 : : : 35615 |
36601 : : : 36615 |
31401 : : : 31415 |
32401 : : : 32415 |
33401 : : : 33415 |
34401 : : : 34415 |
脚注
- ^ SS138 SS038 / 東武鉄道30000系(鉄道ホビダス台車近影・インターネットアーカイブ)。
注釈
- ^ 本系列が10両編成を組成する際、朝ラッシュ時の田園都市線で最も混雑する4号車と5号車にあたる部分に運転台が入ってしまうため、他の車両と比較して収容力が劣っていた。
参考文献
- ^ a b 上田, 忠男 (1997年2月1日), “東武鉄道30000系”, 鉄道ピクトリアル 47 (2)
- ^ 花上, 嘉成 (1997年12月10日), “私鉄車両めぐり158 東武鉄道”, 鉄道ピクトリアル 47 (12臨増)
- ^ 稲葉, 克彦 (2008年1月10日), “東武鉄道 現有車両プロフィール2008”, 鉄道ピクトリアル 58 (1臨増)
- ^ 今, 和昌 (1997年10月10日), “東武鉄道30000系”, 鉄道ピクトリアル 47 (10臨増)
- ^ https://toyokeizai.net/articles/-/456551?page=2
- ^ 東武30000系31601編成+31401編成が森林公園検修区へ - 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース 2011年1月26日
- ^ 東武30000系,東上線での営業運転を開始 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース 2011年6月14日
- ^ 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2012年4月号私鉄車両のうごき記事参照。
- ^ 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2011年10月号「私鉄車両のうごき」記事参照
- ^ 交友社「鉄道ファン」2012年3月号「THE TOBU RAILWAY WORLD」記事参照。
- ^ 鉄道ファン2020年8月号・「私鉄車両編成表」・「私鉄車両の動き」より
- ^ https://toyokeizai.net/articles/-/456551?page=3
- ^ 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2011年10月号「私鉄車両のうごき」記事参照
参考書籍
- 東武電車研究会「私鉄車両ビジュアルガイド 東武鉄道」
- 交友社『鉄道ファン』
- 1997年2月号 新車ガイド「東武鉄道30000系」
- 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』
- 1997年3月号「東武鉄道30000系」
外部リンク
- 新型30000系車両を導入(東武鉄道ニュースリリース・インターネットアーカイブ・1996年時点の版)