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もう1つは[[ギリシア悲劇|悲劇詩人]][[エウリーピデース]]に由来するとして、<!--アルカディアー王[[リュカーオーン]]の子-->[[マイナロス (ギリシア神話)|マイナロス]]の娘とする説を挙げている<ref>エウリーピデース断片︵アポロドーロス、3巻9・2による言及︶。</ref>。
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もう1つは[[ギリシア悲劇|悲劇詩人]][[エウリーピデース]]に由来するとして、<!--アルカディアー王[[リュカーオーン]]の子-->[[マイナロス (ギリシア神話)|マイナロス]]の娘とする説を挙げている<ref>エウリーピデース断片︵アポロドーロス、3巻9・2による言及︶。</ref>。
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またアタランテーを[[テーバイ攻めの七将]]の1人[[パルテノパイオス]]の母とする伝承も散見している<ref name=HY70 /><ref name=HY99 /><ref name=HY270>ヒュギーヌス、270話。</ref><ref name=SD4654 /><ref name=SD4657 />。 |
またアタランテーを[[テーバイ攻めの七将]]の1人[[パルテノパイオス]]の母とする伝承も散見している<ref name=HY70 /><ref name=HY99 /><ref name=HY270>ヒュギーヌス、270話。</ref><ref name=SD4654 /><ref name=SD4657 /><ref>アイスキュロス﹃テーバイ攻めの七将﹄526行以下。</ref><ref>ソポクレース﹃コローノスのオイディプース﹄1320行。</ref><ref>エウリーピデース﹃救いを求める女たち﹄887行-888行。</ref><ref>エウリーピデース﹃フェニキアの女たち﹄150行。</ref><ref>エウリーピデース﹃フェニキアの女たち﹄1105行。</ref><ref>エウリーピデース﹃フェニキアの女たち﹄1153行。</ref>。
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== 神話 == |
== 神話 == |
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大猪を退治するとメレアグロスはアタランテーが猪狩りの第一の功績者であるとして、その毛皮を与えようとした。すると彼の母[[アルタイアー]]の兄弟たちは、男が大勢いる中で女が最大の賞を取るのは恥であり、大猪を倒したメレアグロスにそれを受け取るつもりがないのであれば、血縁である自分たちが受け取るべきであるとしてアタランテーから毛皮を奪い取った。叔父たちがこのように異を唱えたため、メレアグロスは怒り、彼らを殺してアタランテーに与えた<ref>アポロドーロス、1巻8・2-8・3。</ref><ref name=HY174 /><ref name=HY244 />{{Refnest|group="注釈"|アポロドーロスの別の説では、アルタイアーの兄弟たちは[[イーピクレース]]が最初に大猪に攻撃を加えたと主張して毛皮を争った<ref name=AP183 />。}}{{Refnest|group="注釈"|[[コロポーンのニーカンドロス]]に基づく[[アントーニーヌス・リーベラーリス]]の物語では、メレアグロスは毛皮と頭をアタランテーに与えることなく、自分自身に与えている<ref name=AL2 />。}}。しかしアルタイアーは兄弟が息子の手で殺されたことを知ると、保管しておいた薪に火をつけてすっかり燃やしてしまった<ref name=AP183>アポロドーロス、1巻8・3。</ref><ref name=OV8 /><ref name=HY174 />{{Refnest|group="注釈"|メレアグロスは誕生したとき、アルタイアーは運命の女神[[モイラ]]たちに炉の中の薪が燃え終ったときに死ぬと[[予言]]されたため、炉から薪を取り出して大切に保管しておいた<ref name=AP182 /><ref name=HY174 /><ref name=AL2 />。}}。
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大猪を退治するとメレアグロスはアタランテーが猪狩りの第一の功績者であるとして、その毛皮を与えようとした。すると彼の母[[アルタイアー]]の兄弟たちは、男が大勢いる中で女が最大の賞を取るのは恥であり、大猪を倒したメレアグロスにそれを受け取るつもりがないのであれば、血縁である自分たちが受け取るべきであるとしてアタランテーから毛皮を奪い取った。叔父たちがこのように異を唱えたため、メレアグロスは怒り、彼らを殺してアタランテーに与えた<ref>アポロドーロス、1巻8・2-8・3。</ref><ref name=HY174 /><ref name=HY244 />{{Refnest|group="注釈"|アポロドーロスの別の説では、アルタイアーの兄弟たちは[[イーピクレース]]が最初に大猪に攻撃を加えたと主張して毛皮を争った<ref name=AP183 />。}}{{Refnest|group="注釈"|[[コロポーンのニーカンドロス]]に基づく[[アントーニーヌス・リーベラーリス]]の物語では、メレアグロスは毛皮と頭をアタランテーに与えることなく、自分自身に与えている<ref name=AL2 />。}}。しかしアルタイアーは兄弟が息子の手で殺されたことを知ると、保管しておいた薪に火をつけてすっかり燃やしてしまった<ref name=AP183>アポロドーロス、1巻8・3。</ref><ref name=OV8 /><ref name=HY174 />{{Refnest|group="注釈"|メレアグロスは誕生したとき、アルタイアーは運命の女神[[モイラ]]たちに炉の中の薪が燃え終ったときに死ぬと[[予言]]されたため、炉から薪を取り出して大切に保管しておいた<ref name=AP182 /><ref name=HY174 /><ref name=AL2 />。}}。
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なお、アタランテーはメレアグロスと関係を持っていた。彼女は後にパルテノパイオスを産み<ref name=HY70 /><ref name=HY99 /><ref name=HY270 />、パルテニオン山に捨てた。このとき[[テゲアー]]王[[アレオス]]の娘[[アウゲー]]も[[ヘーラクレース]]の子を捨てており、牧人たちは2人の赤子を拾って養育し、前者をアタランテーが処女を装ってパルテニオン山に赤子を捨てたことからパルテノパイオスと名づけ、後者の子を牝鹿が養っていたことにちなんで[[テーレポス]]と名づけた<ref name=HY99 />。ただし父親については[[メラニオーン]]とも、[[アレース]]とも言われ、一致しない<ref name=AP392 />。 |
なお、アタランテーはメレアグロスと関係を持っていた。彼女は後にパルテノパイオスを産み<ref name=HY70 /><ref name=HY99 /><ref name=HY270 />、パルテニオン山に捨てた。このとき[[テゲアー]]王[[アレオス]]の娘[[アウゲー]]も[[ヘーラクレース]]の子を捨てており、牧人たちは2人の赤子を拾って養育し、前者をアタランテーが処女を装ってパルテニオン山に赤子を捨てたことからパルテノパイオスと名づけ、後者の子を牝鹿が養っていたことにちなんで[[テーレポス]]と名づけた<ref name=HY99 />。ただし父親については[[メラニオーン]]とも<ref name=AP392 /><ref>アポロドーロス、3巻6・3。</ref>、[[アレース]]とも言われ、一致しない<ref name=AP392 />。
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===結婚=== |
===結婚=== |
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===変身譚=== |
===変身譚=== |
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[[File:Atalanta en Hippomenes in leeuwen veranderd Metamorfosen van Ovidius (serietitel), RP-P-OB-15.962.jpg|thumb|300px|ライオンに変身したアタランテーと[[ヒッポメネース]]。17世紀の﹃[[変身物語]]﹄の挿絵。]]
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アタランテーの結婚後についてはほとんど語られていないが、アタランテーとメラニオーンないしヒッポメネースの[[変身譚]]が伝わっている。アポロドーロスによると、アタランテーとメラニオーンは狩りの途中に[[ゼウス]]の神域に入り、そこで交わったために[[ライオン]]に変えられたという<ref name=AP392 />。
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アタランテーの結婚後についてはほとんど語られていないが、アタランテーとメラニオーンないしヒッポメネースの[[変身譚]]が伝わっている。アポロドーロスによると、アタランテーとメラニオーンは狩りの途中に[[ゼウス]]の神域に入り、そこで交わったために[[ライオン]]に変えられたという<ref name=AP392 />。
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ピロデーモスによるとヘーシオドスの物語はこれらとは異なっており、見ることが禁じられていたものを見てしまったために、ゼウスによってライオンに変えられたという<ref name=HF51 />。 |
ピロデーモスによるとヘーシオドスの物語はこれらとは異なっており、見ることが禁じられていたものを見てしまったために、ゼウスによってライオンに変えられたという<ref name=HF51 />。 |
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== 備考 == |
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[[小惑星帯]]の比較的大きな[[小惑星]][[アタランテ (小惑星)|アタランテ]]や、[[イタリア]]のプロ[[サッカー]][[クラブチーム|クラブ]]、[[アタランタBC]]の名前は、ギリシア神話のアタランテーに由来している<ref>{{cite web|title=L’epidemia del “fùbal” a Bergamo: come nasce l’Atalanta |accessdate=2022/07/09 |url=https://gazzettafannews.it/calcio/serie-a/atalanta/lepidemia-del-fubal-bergamo-come-nasce-latalanta/ |publisher=gazzetta fan news}}</ref>。
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== 系図 == |
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== ギャラリー == |
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; アタランテとメレアグロス |
; アタランテとメレアグロス |
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Atalanta and Meleager MET DP261342.jpg|{{small|[[ピーテル・パウル・ルーベンス]]『メレアグロスとアタランテ』1616年頃 [[メトロポリタン美術館]]所蔵}} |
Atalanta and Meleager MET DP261342.jpg|{{small|[[ピーテル・パウル・ルーベンス]]『メレアグロスとアタランテ』1616年頃 [[メトロポリタン美術館]]所蔵}} |
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Jacob Jordaens - Meleager en Atalanta.JPG|{{small|[[ヤーコブ・ヨルダーンス]]『メレアグロスとアタランテ』[[アントワープ王立美術館]]所蔵}} |
Jacob Jordaens - Meleager en Atalanta.JPG|{{small|[[ヤーコブ・ヨルダーンス]]『メレアグロスとアタランテ』[[アントワープ王立美術館]]所蔵}} |
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Jacob Jordaens - Meleager and Atalanta, 1620-1650.jpg|{{small|ヤーコブ・ヨルダーンス『メレアグロスとアタランテ』[[プラド美術館]]所蔵}} |
Jacob Jordaens - Meleager and Atalanta, 1620-1650.jpg|{{small|ヤーコブ・ヨルダーンス『メレアグロスとアタランテ』[[プラド美術館]]所蔵}} |
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Jan van den Hoecke - Meleager presents the head of the Calydonian Boar to Atalanta.jpg|{{small|[[ヤン・ファン・デン・ヘッケ]]『メレアグロスとアタランテ』[[オルレアン美術館]]所蔵}} |
Jan van den Hoecke - Meleager presents the head of the Calydonian Boar to Atalanta.jpg|{{small|[[ヤン・ファン・デン・ヘッケ]]『メレアグロスとアタランテ』[[オルレアン美術館]]所蔵}} |
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; アタランテとピッポメネース |
; アタランテとピッポメネース |
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Nicolas Colombel 002.jpg|{{small|[[ニコラ・コロンベル]]『アタランテとヒッポメネス』1680年}} |
Nicolas Colombel 002.jpg|{{small|[[ニコラ・コロンベル]]『アタランテとヒッポメネス』1680年}} |
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Herp Atalanta and Hippomenes.jpg|{{small|{{仮リンク|ウィレム・ファン・エルプ|en|Willem van Herp}}『アタランテとヒッポメネス』1632年}} |
Herp Atalanta and Hippomenes.jpg|{{small|{{仮リンク|ウィレム・ファン・エルプ|en|Willem van Herp}}『アタランテとヒッポメネス』1632年}} |
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Johann Heinrich Schönfeld - Atalanta and Hippomenes - WGA21056.jpg|{{small|{{仮リンク|ヨハン・ハインリッヒ・シェーンフェルト|en|Johann Heinrich Schönfeld}}『アタランテとヒッポメネス』1650年頃}} |
Johann Heinrich Schönfeld - Atalanta and Hippomenes - WGA21056.jpg|{{small|{{仮リンク|ヨハン・ハインリッヒ・シェーンフェルト|en|Johann Heinrich Schönfeld}}『アタランテとヒッポメネス』1650年頃}} |
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Noël Hallé - The Race between Hippomenes and Atalanta - WGA11034.jpg|{{small|[[ノエル・アレ]]『アタランテとヒッポメネス』1765年頃}} |
Noël Hallé - The Race between Hippomenes and Atalanta - WGA11034.jpg|{{small|[[ノエル・アレ]]『アタランテとヒッポメネス』1765年頃}} |
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; 彫刻 |
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Atalanta Vatican Inv2784.jpg|{{small|『バルベリーニのアタランテ』紀元前1世紀頃 [[ヴァチカン美術館]]所蔵}} |
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Atalanta Lepautre Louvre MR1804.jpg|{{small|{{仮リンク|ピエール・ルポートル (彫刻家)|en|Pierre Lepautre (sculptor)|label=ピエール・ルポートル}}『アタランテ』1804年 [[ルーヴル美術館]]所蔵}} |
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La Toilette d'Atalante – James Pradier – Musée du Louvre, ML 136 – Q19120252.jpg|{{small|[[ジェームス・プラディエ]]『アタランテの化粧』1850年 ルーヴル美術館所蔵}} |
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Francis Derwent Wood - Atalanta.jpg|{{small|{{仮リンク|フランシス・ダーウェント・ウッド||Francis Derwent Wood}}『アタランテ』1907年頃 [[マンチェスター市立美術館]]所蔵}} |
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Atalanta by Paul Manship, 1921, bronze - National Gallery of Art, Washington - DSC09769.JPG|{{small|{{仮リンク|ポール・ハワード・マンシップ|en|Paul Manship}}『アタランテ』1921年 [[ナショナル・ギャラリー (ワシントン)|ナショナル・ギャラリー]]所蔵}} |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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* [[オウィディウス]]『[[変身物語]](上)』[[中村善也]]訳、岩波文庫(1982年) |
* [[オウィディウス]]『[[変身物語]](上)』[[中村善也]]訳、岩波文庫(1982年) |
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* 『[[オデュッセイア]]/[[アルゴナウティカ]]』松平千秋・[[岡道男]]訳、[[講談社]](1982年) |
* 『[[オデュッセイア]]/[[アルゴナウティカ]]』松平千秋・[[岡道男]]訳、[[講談社]](1982年) |
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* 『[[ギリシア悲劇]]I [[アイスキュロス]]』「[[テーバイ攻めの七将]]」高津春繁訳、[[ちくま文庫]](1985年) |
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* 『ギリシア悲劇II [[ソポクレス]]』「[[コローノスのオイディプース]]」高津春繁訳、ちくま文庫(1986年) |
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* 『ギリシア悲劇III [[エウリピデス]](上)』「[[救いを求める女たち (エウリピデス)|救いを求める女たち]]」[[中山恒夫]]訳、ちくま文庫(1986年) |
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* 『ギリシア悲劇IV エウリピデス(下)』「[[フェニキアの女たち]]」岡道男訳、ちくま文庫(1986年) |
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* 『ギリシア悲劇全集6 エウリーピデースII』「[[救いを求める女たち (エウリピデス)|ヒケティデス]]」橋本隆夫訳、[[岩波書店]](1991年) |
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* 『ギリシア悲劇全集8 エウリーピデースIV』「[[フェニキアの女たち|ポイニッサイ]]」安西眞訳、岩波書店(1991年) |
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* [[シケリアのディオドロス|ディオドロス]]『神代地誌』飯尾都人訳、龍溪書舎(1999年) |
* [[シケリアのディオドロス|ディオドロス]]『神代地誌』飯尾都人訳、龍溪書舎(1999年) |
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* [[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年) |
* [[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年) |
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* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』[[松田治]]・青山照男訳、[[講談社学術文庫]](2005年) |
* [[ヒュギーヌス]]『ギリシャ神話集』[[松田治]]・青山照男訳、[[講談社学術文庫]](2005年) |
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* 『[[ヘシオドス]] 全作品』中務哲郎訳、京都大学学術出版会(2013年) |
* 『[[ヘシオドス]] 全作品』中務哲郎訳、[[京都大学学術出版会]](2013年) |
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* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』 |
* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年) |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
2022年7月9日 (土) 07:48時点における版
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/60/Neschwitz_Schlosspark_Atalante.jpg/300px-Neschwitz_Schlosspark_Atalante.jpg)
系譜伝承
アタランテーの系譜伝承に関しては諸説ある。アポロドーロスはアタランテーをアルカディアー地方の王イーアソスと、オルコメノス王ミニュアースの娘クリュメネーとしている[2]。しかしヒュギーヌスはイーアシオス[11][12]、アイリアーノスはイーアシオーンの娘としており[1]、父親の名前はよく似た名前と混同されている[13]。 アポロドーロスはさらに異なる2つの説を挙げている。そのうちの1つはスコイネウスの娘とするもので、同様の説を採る古代の詩人や著述家は多い[5][7][8][14][6][10][15][16][17][18]。スコイネウスはボイオーティア地方のオルコメノス王アタマースの子レウコーンの子で、アルカディアー地方に移住したらしい[14]。アポロドーロスやピロデーモスはこの説をヘーシオドスに由来するとしているほか[19][20]、いくつかのパピュルスの断片によって、伝ヘーシオドスの﹃名婦列伝﹄において同様の伝承が歌われていたことが明らかとなっている[21][22][23]。 もう1つは悲劇詩人エウリーピデースに由来するとして、マイナロスの娘とする説を挙げている[24]。 またアタランテーをテーバイ攻めの七将の1人パルテノパイオスの母とする伝承も散見している[11][12][25][15][16][26][27][28][29][30][31]。神話
幼少期
アイリアーノスによると、父イーアシオーン︵アポロドーロスではイーアソス︶は男子を欲していたため、アタランテーは生れるとアルカディアー地方のパルテニオン山の泉のそばに捨てられた。そこに牝熊が現れて乳を与えた。この牝熊は狩人に子供を奪われて、乳を吸う者がいなかったため、赤子を気に入って親代わりになったのであった。しかし狩人たちは牝熊が餌を探しに出かけている間に赤子を連れ去った。赤子はアタランテーと名づけられ、狩人たちによって育てられた。成長するにつれてアタランテーはアルテミスにならい、結婚せずに処女を守って生きることを望み、男を避け、孤独な生活に憧れて、アルカディアー地方の中で最も高い山の洞窟で暮らした。アタランテーはこの場所で、葡萄を育てながら狩りに明け暮れた[1][2]。 アタランテーは幼い頃から驚異的な足の速さを誇り、獣であろうと人間であろうと、アタランテーから逃れることはできなかった。また誰もアタランテーを捕まえることができなかった[1]。 体格はすでに並みの女性よりも大きく、また当時のペロポネーソス半島に住むどの女性よりも美しかった。そのため彼女の噂を聞き及んで恋する者もいたほどであった。しかし山野で自らを錬磨し、狩に明け暮れ、誰にも頼ることなく生活していたため、目つきは男のように厳しく、激しい気性の持ち主であり、少女らしさはかけらも持ち合わせていなかった[1][注釈 1]。ヒュライオスとロイコス
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/12/Chalkidian_Hyria_Munich_Inscription_Painter_2.jpg/270px-Chalkidian_Hyria_Munich_Inscription_Painter_2.jpg)
アルゴー船の冒険
いくつかの文献はアタランテーがイアーソーン率いるアルゴー船の冒険に参加したと伝えている[5][6]。シケリアのディオドーロスの物語によると、アルゴナウタイがメーデイアの手引きで金毛羊の毛皮を入手したのち、アイエーテース率いるコルキス人と戦闘になり、アタランテーも戦って負傷したことが語られている[33]。これに対してロドスのアポローニオスの叙事詩﹃アルゴナウティカ﹄ではアタランテーは不参加となっている。アタランテー本人は熱烈にアルゴナウタイに加わることを望み、イアーソーンがマイナロスを訪れた際には自らの槍を贈ったほどだった。しかしイアーソーンは英雄たちが美しい彼女をめぐって争うことを恐れたため、アタランテーの申し出を断った。その代わりにイアーソーンはアタランテーから贈られた槍を携えて冒険に出発したという[34]。またヒュギーヌスもアタランテーをアルゴナウタイに加えていない[35]。 イアーソーンの帰還後に催されたペリアースの葬礼競技では、アキレウスの父親ペーレウスとレスリングの競技で戦い[2][36]、勝利したともいう[2]。カリュドーンの猪狩り
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5b/Peter_Paul_Rubens_-_Meleager_and_Atalante_%28ca._1635%29.jpg/220px-Peter_Paul_Rubens_-_Meleager_and_Atalante_%28ca._1635%29.jpg)
結婚
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/57/Hip%C3%B3menes_y_Atalanta_%28Reni%29.jpg/330px-Hip%C3%B3menes_y_Atalanta_%28Reni%29.jpg)
変身譚
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/45/Atalanta_en_Hippomenes_in_leeuwen_veranderd_Metamorfosen_van_Ovidius_%28serietitel%29%2C_RP-P-OB-15.962.jpg/300px-Atalanta_en_Hippomenes_in_leeuwen_veranderd_Metamorfosen_van_Ovidius_%28serietitel%29%2C_RP-P-OB-15.962.jpg)
備考
小惑星帯の比較的大きな小惑星アタランテや、イタリアのプロサッカークラブ、アタランタBCの名前は、ギリシア神話のアタランテーに由来している[45]。系図
ペラスゴス |
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ケルキュオーン |
| ヘーラクレース |
| アウゲー |
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ヒッポトオス |
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| テーレポス |
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| アエロポス |
| アンカイオス |
| エポコス |
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| アムピダマース |
| イーアソス |
| クリュメネー |
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アイピュトス |
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| エウリュピュロス |
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| エケモス |
| アガペーノール |
| エウリュステウス |
| アンティマケー |
| メラニオーン |
| アタランテー |
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キュプセロス |
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| ラーオドコス |
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| パルテノパイオス |
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クレスポンテース |
| メロペー |
| ポリュポンテース |
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ギャラリー
- アタランテとメレアグロス
-
ピーテル・パウル・ルーベンス『メレアグロスとアタランテ』1616年頃 メトロポリタン美術館所蔵
-
ヤーコブ・ヨルダーンス『メレアグロスとアタランテ』アントワープ王立美術館所蔵
-
ヤーコブ・ヨルダーンス『メレアグロスとアタランテ』プラド美術館所蔵
-
ヤン・ファン・デン・ヘッケ『メレアグロスとアタランテ』オルレアン美術館所蔵
- アタランテとピッポメネース
-
ニコラ・コロンベル『アタランテとヒッポメネス』1680年
-
ウィレム・ファン・エルプ『アタランテとヒッポメネス』1632年
-
ヨハン・ハインリッヒ・シェーンフェルト『アタランテとヒッポメネス』1650年頃
-
ノエル・アレ『アタランテとヒッポメネス』1765年頃
- 彫刻
-
『バルベリーニのアタランテ』紀元前1世紀頃 ヴァチカン美術館所蔵
-
ピエール・ルポートル『アタランテ』1804年 ルーヴル美術館所蔵
-
ジェームス・プラディエ『アタランテの化粧』1850年 ルーヴル美術館所蔵
-
フランシス・ダーウェント・ウッド『アタランテ』1907年頃 マンチェスター市立美術館所蔵
-
ポール・ハワード・マンシップ『アタランテ』1921年 ナショナル・ギャラリー所蔵
脚注
注釈
出典
参考文献
- アイリアノス『ギリシャ奇談集』松平千秋、中務哲郎訳、岩波文庫(1989年)
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- アントーニーヌス・リーベラーリス『ギリシア変身物語集』安村典子訳、講談社文芸文庫(2006年)
- オウィディウス『変身物語(上)』中村善也訳、岩波文庫(1982年)
- 『オデュッセイア/アルゴナウティカ』松平千秋・岡道男訳、講談社(1982年)
- 『ギリシア悲劇I アイスキュロス』「テーバイ攻めの七将」高津春繁訳、ちくま文庫(1985年)
- 『ギリシア悲劇II ソポクレス』「コローノスのオイディプース」高津春繁訳、ちくま文庫(1986年)
- 『ギリシア悲劇III エウリピデス(上)』「救いを求める女たち」中山恒夫訳、ちくま文庫(1986年)
- 『ギリシア悲劇IV エウリピデス(下)』「フェニキアの女たち」岡道男訳、ちくま文庫(1986年)
- 『ギリシア悲劇全集6 エウリーピデースII』「ヒケティデス」橋本隆夫訳、岩波書店(1991年)
- 『ギリシア悲劇全集8 エウリーピデースIV』「ポイニッサイ」安西眞訳、岩波書店(1991年)
- ディオドロス『神代地誌』飯尾都人訳、龍溪書舎(1999年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- 『ヘシオドス 全作品』中務哲郎訳、京都大学学術出版会(2013年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)