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この項目では、鉄道の分岐器について説明しています。電波工学における分岐器については「分配器 」を、力学系における分岐については「分岐 (力学系) 」をご覧ください。
分岐器の例 (身延線 甲斐岩間駅 )
分 岐 器 ︵ ぶ ん き き [ 1 ] 、 ぶ ん ぎ き [ 2 ] 、 英 : r a i l r o a d s w i t c h , t u r n o u t ︶ と は 、 鉄 道 の 線 路 に お い て 線 路 を 分 岐 さ せ 、 列 車 又 は 車 両 の 進 路 を 選 択 す る 機 構 。 ア メ リ カ 英 語 で の 正 式 名 称 は 、 タ ー ン ア ウ ト ス イ ッ チ 。 ア メ リ カ で は 、 分 岐 器 の う ち 、 進 路 を 転 換 す る 部 分 の こ と を ポ イ ン ト ︵ p o i n t ︶ と い う [ 3 ] 。
片開き分岐器の概略図
分 岐 器 は 一 般 的 に 1 線 の 線 路 を 2 線 ︵ ま た は そ れ 以 上 ︶ に 分 岐 さ せ る も の で あ り 、 下 記 の 4 つ の 部 位 か ら 成 る 。 1 線 側 を 前 端 、 2 線 側 を 後 端 と 称 す る 。
ポ イ ン ト 部
概 略 図 中 ( 1 ) 。 ト ン グ レ ー ル ︵ 列 車 を 分 岐 さ せ る 先 の 尖 っ た レ ー ル の こ と ︶ お よ び ト ン グ レ ー ル が 密 着 す る 基 本 レ ー ル 部 分 を 指 す 。 ポ イ ン ト 部 に は 、 ポ イ ン ト 後 端 を 支 点 に 先 の 尖 っ た レ ー ル を 動 か す 先 端 ポ イ ン ト と ポ イ ン ト 前 端 を 支 点 に 先 が 尖 っ て な い 普 通 の レ ー ル を 動 か す 鈍 端 ポ イ ン ト が あ る 。 ま た 、 ト ン グ レ ー ル の 線 形 は 直 線 進 路 用 は 直 線 、 分 岐 進 路 用 は 円 曲 線 が 普 通 と な っ て い る 。
リ ー ド 部
概 略 図 中 ( 2 ) 。 ト ン グ レ ー ル と ク ロ ッ シ ン グ 部 を 結 ぶ 部 分 を 指 す 。 一 般 的 に 、 分 岐 線 側 は リ ー ド 部 が 曲 線 と な る 。 こ の 曲 線 半 径 を リ ー ド 半 径 と 呼 び 、 リ ー ド 半 径 の 大 小 が 分 岐 器 の 列 車 通 過 制 限 速 度 を 決 定 す る 大 き な 要 因 と な る 。
ク ロ ッ シ ン グ 部
概 略 図 中 ( 3 ) 。 分 岐 器 で レ ー ル が 交 差 し て い る 部 分 を 指 す 。 内 方 分 岐 と 外 方 分 岐 以 外 の ク ロ ッ シ ン グ 部 は 、 通 常 は 直 線 に な っ て い る が 、 曲 線 半 径 を 大 き く す る た め に ク ロ ッ シ ン グ 部 を 曲 線 に し た 曲 線 ク ロ ッ シ ン グ も あ る 。 ク ロ ッ シ ン グ 部 に は 、 固 定 ク ロ ッ シ ン グ と 可 動 ク ロ ッ シ ン グ が あ り 、 前 者 の 方 は 、 ノ ー ズ 部 分 を 普 通 の レ ー ル を 削 成 し て 組 合 わ せ 、 車 輪 の フ ラ ン ジ が 通 る 隙 間 を 設 け た も の で あ り [ 4 ] 、 後 者 の 方 は ノ ー ズ 部 分 を 車 輪 の 進 行 方 向 に 可 動 で き る よ う に し た も の で あ る 。
ガ ー ド 部
ク ロ ッ シ ン グ 部 の 相 手 方 の レ ー ル 部 分 に 列 車 が 異 線 進 入 す る の を 防 ぐ た め に 設 け て あ る ガ ー ド レ ー ル 部 を 指 す 。
専 門 的 に は 、 た と え ば ﹁ 弾 性 分 岐 器 ﹂ と い え ば 弾 性 ポ イ ン ト を 使 用 し た 分 岐 器 全 体 を 指 し 、 ﹁ 弾 性 ポ イ ン ト ﹂ と い え ば 上 記 4 部 位 の う ち の ﹁ ポ イ ン ト 部 ﹂ だ け を 指 す 。
分 岐 器 の 固 定 ク ロ ッ シ ン グ の 構 造 の モ デ ル 図 。
A ス ト ッ ク レ ー ル ︵ 基 本 レ ー ル ︶
B ガ ー ド レ ー ル
C ウ イ ン グ レ ー ル
D 間 隔 材
E ク ロ ッ シ ン グ 交 点
F 鼻 端 長 レ ー ル
G 鼻 端 短 レ ー ル
H ク ロ ッ シ ン グ 前 端
I ク ロ ッ シ ン グ 後 端
J リ ー ド レ ー ル
K フ ラ ン ジ ウ ェ イ
L 填 材
分 岐 器 は 通 常 、 図 に 示 し た よ う な 構 造 に な っ て い る 。 黒 線 は ス ト ッ ク レ ー ル ︵ 基 本 レ ー ル ︶ 、 茶 色 の 線 は ト ン グ レ ー ル ︵ 先 端 軌 条 ︶ 、 赤 線 は リ ー ド レ ー ル 、 紫 の 線 は ウ ィ ン グ レ ー ル 、 青 線 は ガ ー ド レ ー ル ︵ 護 輪 軌 条 ‥ ご り ん き じ ょ う ︶ 、 オ レ ン ジ 色 の 線 は 主 レ ー ル 、 緑 線 は 全 体 で ク ロ ッ シ ン グ ︵ 米 語 ‥ フ ロ グ ︶ と 呼 ば れ [ 5 ] 、 ク ロ ッ シ ン グ を 構 成 す る も っ と も 先 端 の 頭 部 が 尖 っ た レ ー ル を ノ ー ズ レ ー ル ︵ 鼻 端 レ ー ル ︶ と 呼 ぶ [ 5 ] 。 進 路 変 更 を す る と き は 、 ト ン グ レ ー ル を 分 岐 側 と 反 対 側 の ス ト ッ ク レ ー ル に 移 動 す る 。 な お 、 弾 性 分 岐 器 で は 、 ト ン グ レ ー ル と リ ー ド レ ー ル と ウ ィ ン グ レ ー ル が 一 体 化 さ れ て い る 。
分 岐 器 は 、 通 常 は あ る 一 定 の 方 向 ︵ 本 線 ︶ に 列 車 を 進 入 さ せ る よ う に な っ て い る 。 こ れ を 定 位 と い う 。 ま た 、 通 常 と は 異 な る 方 向 ︵ 副 本 線 ︶ に 列 車 が 進 入 す る よ う に な っ て い る こ と を 反 位 と い う 。 ま た 列 車 が 分 岐 器 の 分 岐 す る 方 向 に 向 か う こ と を 対 向 と い い 、 列 車 が 分 岐 器 の 合 流 す る 方 向 に 向 か う こ と を 背 向 と い う 。
ノ ー ズ 付 近 に 見 ら れ る す き 間 は 車 輪 の フ ラ ン ジ が ス ム ー ズ に 通 過 で き る よ う に 設 け ら れ た も の で 、 フ ラ ン ジ ウ ェ イ と 呼 ぶ 。 磨 耗 防 止 [ 6 ] と こ の す き 間 に よ る 他 線 へ の 誤 進 入 を 防 ぐ た め 高 速 通 過 す る 車 両 は 減 速 を 強 い ら れ る 。 こ の た め 、 高 速 運 転 の 多 い 線 区 に は 下 記 の ノ ー ズ 可 動 式 分 岐 器 が 多 く 用 い ら れ る 。
上 記 の フ ラ ン ジ ウ ェ イ に よ る 問 題 点 を 解 決 す る た め 、 ノ ー ズ ま た は ウ ィ ン グ レ ー ル を 可 動 式 に し て ウ ィ ン グ レ ー ル ︵ ノ ー ズ ︶ に 密 着 さ せ る 事 で フ ラ ン ジ ウ ェ イ を 塞 い で 、 高 速 通 過 を 確 実 に し て い る も の で あ り 、 主 に 新 幹 線 な ど の 高 速 鉄 道 で 多 用 さ れ て い る [ 7 ] 。 そ の 場 合 、 ノ ー ズ ︵ ウ ィ ン グ レ ー ル ︶ は ト ン グ レ ー ル と 連 動 す る よ う に な っ て い る 。
可動式ノーズの概略図
右 に 可 動 式 ノ ー ズ ︵ ノ ー ズ 可 動 ク ロ ッ シ ン グ ︶ の 概 略 図 を 示 す 。 こ の う ち 水 色 の レ ー ル が 緑 色 の レ ー ル を 軸 に し て 動 く こ と に よ っ て 、 フ ラ ン ジ ウ ェ イ を 塞 い で い る ︵ 図 で は 直 進 の 場 合 の フ ロ グ の 状 態 ︶ [ 8 ] 。 異 線 進 入 の リ ス ク が 小 さ く な る こ と か ら ク ロ ッ シ ン グ 部 の ガ ー ド レ ー ル が 省 略 さ れ る こ と が あ る 。 従 来 、 可 動 式 ノ ー ズ は 、 新 幹 線 た け で は な く 在 来 線 や 私 鉄 線 に お い て も 北 越 急 行 ほ く ほ く 線 や 京 成 成 田 ス カ イ ア ク セ ス な ど の よ う に 高 速 通 過 の 多 い 分 岐 器 を 中 心 に 設 置 さ れ て い た が 、 騒 音 低 減 の 目 的 で 高 速 通 過 を 行 わ な い 一 般 的 な 分 岐 器 に お い て も ノ ー ズ 可 動 式 分 岐 器 を 採 用 す る 事 例 が 増 え て い る [ 9 ] 。 新 幹 線 な ど の 高 速 鉄 道 に お い て 、 高 速 で 通 過 す る 箇 所 で は 、 さ ら に ト ン グ レ ー ル と リ ー ド レ ー ル を 一 体 化 し て た わ ま せ る 構 造 と し て い る が 、 基 本 レ ー ル と ト ン グ レ ー ル と の 間 が 密 着 ︵ 接 着 と も 言 う ︶ せ ず 隙 間 が あ る と 、 高 速 走 行 に 支 障 を 与 え る た め 、 そ の 2 本 の レ ー ル が 密 着 し て い る か ど う か を 監 視 す る 接 着 照 査 器 [ 1 0 ] を 基 本 レ ー ル の 外 側 に 2 台 ず つ 設 置 し て お り 、 分 岐 器 の 開 通 方 向 を 表 示 す る 開 通 方 向 表 示 器 を ク ロ ッ シ ン グ 部 手 前 ︵ 対 向 方 向 ︶ の レ ー ル の 間 に 設 置 し て お り 、 開 通 側 に は 黒 地 に 緑 色 縦 線 2 本 の 表 示 が 現 れ て 、 非 開 通 側 に は 白 地 に 赤 色 の × 印 が 現 れ る よ う に な っ て い る 。
片 開 き 分 岐
直 線 軌 道 か ら 分 岐 線 だ け を 曲 線 で 分 岐 さ せ る 形 状 の も の 。 基 本 線 は 直 線 で あ り 、 分 岐 線 は 曲 線 と な る 。 基 本 線 か ら 分 岐 線 が 右 側 に 分 岐 す る も の を ﹁ 右 片 開 き 分 岐 器 ﹂ 、 左 側 に 分 岐 す る も の を ﹁ 左 片 開 き 分 岐 器 ﹂ と 呼 ぶ 。
両 開 き 分 岐
直 線 軌 道 か ら 分 岐 線 を 左 右 同 一 の 角 度 で 開 い て 分 岐 さ せ る 形 状 の も の 。 Y 字 分 岐 と 呼 ぶ こ と も あ る 。
振 分 分 岐 ︵ ふ り わ け ぶ ん き ︶
直 線 軌 道 か ら 分 岐 線 を 左 右 が 等 し く な い 角 度 で 開 い て 分 岐 さ せ る 形 状 の も の 。 振 り 分 け 率 は 9 : 1 、 4 : 1 、 7 : 3 、 3 : 1 、 2 : 1 、 3 : 2 の も の が 一 般 化 さ れ て い る 。
内方分岐
内 方 分 岐
曲 線 区 間 で 基 本 線 、 分 岐 線 と も に 同 方 向 の 曲 線 で 構 成 さ れ て い る も の 。 右 カ ー ブ の 場 合 は ﹁ 右 内 方 分 岐 ﹂ 、 左 カ ー ブ の 場 合 は ﹁ 左 内 方 分 岐 ﹂ と 呼 ぶ 。
外 方 分 岐
曲 線 区 間 で 基 本 線 と 分 岐 線 を 逆 方 向 に 分 岐 さ せ る 形 状 の も の 。 根 元 も 曲 線 の 両 開 き や 振 分 分 岐 と 考 え る こ と が で き る 。 基 本 線 が 左 カ ー ブ の 場 合 は ﹁ 右 外 方 分 岐 ﹂ 、 右 カ ー ブ の 場 合 は ﹁ 左 外 方 分 岐 ﹂ と 呼 ぶ 。 基 本 線 側 に カ ン ト が 設 定 さ れ て い る 場 合 、 分 岐 側 で は 逆 カ ン ト と な る の で 、 分 岐 側 の 速 度 制 限 が 厳 し く な る 。
片 渡 り 線 ・ 渡 り 線 ︵ ク ロ ス オ ー バ ー 、 シ ン グ ル ク ロ ス ︶
複 線 区 間 な ど 複 数 の 線 路 が 並 行 す る 箇 所 に お い て 、 隣 接 す る 線 路 に た す き 掛 け さ れ た 形 状 の も の 。 大 抵 は 片 開 き 分 岐 で 構 成 さ れ る が 、 内 外 方 分 岐 や 振 分 分 岐 、 各 種 ス リ ッ プ ・ ス イ ッ チ で 構 成 さ れ る こ と も よ く あ り 、 複 分 岐 で 構 成 さ れ る こ と も あ る 。 複 線 区 間 で は 上 下 線 の 行 き 来 に 、 ま た 複 線 区 間 か ら 単 線 が 分 岐 す る 箇 所 な ど で 多 用 さ れ る 。
シ ザ ー ス ク ロ ッ シ ン グ ( イ ギ リ ス 、 リ ー ズ 駅 )
両 渡 り 線 ︵ ダ ブ ル ク ロ ッ シ ン グ 、 シ ザ ー ズ ク ロ ッ シ ン グ 、 s c i s s o r s c r o s s i n g 、 SC ︶
両 方 向 へ の 片 渡 り 線 を 同 一 箇 所 に 重 ね て 配 置 し た も の 。 や は り さ ま ざ ま な 形 状 の 分 岐 器 で 構 成 さ れ る 。 軌 道 中 心 間 隔 が 狭 い と フ ラ ン ジ ウ ェ イ が 増 え る の で 、 直 線 側 で も 揺 れ が 大 き く な る こ と が あ る 。 従 来 は 、 ダ イ ヤ モ ン ド ク ロ ッ シ ン グ 部 の 速 度 制 限 に よ っ て ︵ 角 度 の 緩 い 分 岐 で は フ ラ ン ジ ウ ェ イ が 過 大 に な り 、 適 切 な フ ラ ン ジ ウ ェ イ を 設 定 す る と 分 岐 角 が 急 に な る ︶ 、 新 幹 線 の よ う に 分 岐 側 で も 高 い 進 入 速 度 が 求 め ら れ る 本 線 上 に は 設 置 で き ず 、 代 わ り に 片 渡 を 2 組 ず つ 設 置 し て い た 。 し か し 、 中 央 線 東 京 駅 な ど で 見 ら れ る 弾 性 可 動 式 ダ イ ヤ モ ン ド ク ロ ッ シ ン グ を も つ シ ザ ー ズ ク ロ ッ シ ン グ が 開 発 さ れ た の で 、 東 北 新 幹 線 八 戸 駅 の よ う に 通 過 列 車 が 設 定 さ れ て い る 、 あ る い は 予 定 さ れ て い る 新 幹 線 の 本 線 上 に も 設 け ら れ る よ う に な っ た 。 日 本 で の 名 称 は 、 事 業 者 等 ご と に 揺 れ が み ら れ る が 、 2 0 0 2 年 改 正 の J I S E 1 3 1 1 ﹁ 鉄 道 - 分 岐 器 類 用 語 ﹂ に お い て は ﹁ シ ー サ ー ス ク ロ ッ シ ン グ ﹂ と 規 定 し て い る 。 こ の 他 、 鉄 道 模 型 の 製 品 名 で は ダ ブ ル ク ロ ス と 称 す る こ と も あ る 。
ヨ ー ロ ッ パ な ど 双 単 線 が 一 般 的 な 地 域 で は 費 用 削 減 や 高 速 対 応 の た め に 片 渡 り 線 の 連 続 を 使 用 す る こ と が 多 く 、 両 渡 り 線 は 駅 構 内 な ど 用 地 が 限 ら れ て い る 場 合 に 留 め ら れ る 。
片 渡 り 付 交 差 ︵ シ ン グ ル ・ ス リ ッ プ ・ ス イ ッ チ 、 S i n g l e s l i p s w i t c h 、 S S S ︶
ダ イ ヤ モ ン ド ク ロ ッ シ ン グ に 渡 り 線 を 1 本 付 加 す る こ と で 、 交 差 す る 線 路 の う ち 一 方 向 へ の 分 岐 が 可 能 な も の 。 も う 一 方 は 交 差 し か で き な い 。 片 開 き 分 岐 と の 組 合 せ で 両 渡 り 線 の よ う に 用 い る こ と も あ る 。 直 線 側 に も 制 限 が あ る の で 、 高 速 列 車 が 通 過 す る 駅 に 設 置 さ れ る こ と は ま れ で あ る 。
両 渡 り 付 交 差 ︵ ダ ブ ル ・ ス リ ッ プ ・ ス イ ッ チ 、 D o u b l e s l i p s w i t c h 、 D S S ︶
シ ン グ ル ・ ス リ ッ プ ・ ス イ ッ チ に さ ら に 渡 り 線 を 1 本 付 加 し 、 交 差 す る 線 路 の 双 方 向 へ 分 岐 で き る よ う に し た も の 。 両 渡 り 線 と 同 等 の 機 能 を 持 つ が 、 2 つ 以 上 の 進 路 を 同 時 に 構 成 す る こ と は で き な い 。 ま た 、 シ ン グ ル ス リ ッ プ と 同 様 直 線 側 に も 制 限 が か か る 。 タ ー ミ ナ ル 駅 や 操 車 場 で 用 い る ほ か 、 敷 地 の 制 約 か ら 用 い ら れ る 。
ア ウ ト サ イ ド ・ ス リ ッ プ ・ ス イ ッ チ ( O u t s i d e s l i p s w i t c h )
ダ ブ ル ス リ ッ プ ス イ ッ チ と 同 様 の 分 岐 で あ る が 、 リ ー ド レ ー ル を 2 つ と も 中 央 の ダ イ ヤ モ ン ド 部 の 中 央 に 置 く こ と で 、 比 較 的 高 速 で の 通 過 を 可 能 と し て い る 。 ダ ブ ル ス リ ッ プ の 一 種 と し て 扱 わ れ る 場 合 も あ る 。 但 し 、 ダ ブ ル ス リ ッ プ と 比 べ 敷 地 を 取 り 、 そ の 上 両 渡 り 線 の よ う に 2 列 車 を 同 時 進 入 さ せ る こ と も で き な い た め ご く ま れ に 使 わ れ る の み で あ る 。
シングルスリップ
シングルスリップ(阪神尼崎駅)
ダブルスリップ
アウトサイドスリップ(ドイツ)
ダブルスリップとアウトサイドスリップの併用(ドイツ)
東 急 大 井 町 線 自 由 が 丘 に あ っ た 三 枝 分 岐 器
三 枝 分 岐
左 右 2 つ の 片 開 き 分 岐 を 重 ね て 3 方 向 に 分 岐 で き る よ う に し た も の 。
複 分 岐 ︵ 庄 内 駅 ︶
複 分 岐
左 右 2 つ の 片 開 き ま た は 振 分 分 岐 を 重 ね て 3 方 向 に 分 岐 で き る よ う に し た も の 。 三 枝 分 岐 は 枝 が 左 右 対 称 に 分 か れ る が 、 複 分 岐 で は 分 岐 点 が 前 後 に ず れ て い る 。
分岐器において基準線から分岐線が分かれる角度については、角度を直接規定する方式と、両線の開きとそれに要する長さの比率に基づいて規定する方式の2種類に大別される。世界的に広く採用されているのは後者の方式で、日本ではこの比率を示す数値について「番数」と称している。分岐器の番数の定義や呼称・表記方法は、国によって次の通り差異がある。
中心線法 (英語 : Centre line method [11] )は、クロッシング(フログ)部において交差する軌間線の接線の角度(交差角)または軌道中心線の交点における接線の角度(分岐角)を、角の中心線の長さと両接線の開きの比率をもって示し、「No.15」(=15番)のように番号(番数)として呼称する。交差番数または分岐番数Nと、交差角または分岐角θとの関係は次の式で表される。
N
=
1
2
cot
θ
2
{\displaystyle N={1 \over 2}\cot {\theta \over 2}}
イギリス[11] ・北米・日本などで採用。
● 直 角 法 ま た は コ ー ル 法 ︵ 英 語 : R i g h t a n g l e m e t h o d / C o l e ' s m e t h o d [ 1 1 ] ︶ は 、 ク ロ ッ シ ン グ ︵ フ ロ グ ︶ 部 に お い て 交 差 す る 軌 間 線 の 接 線 の 角 度 ︵ 交 差 角 ︶ ま た は 軌 道 中 心 線 の 交 点 に お け る 接 線 の 角 度 ︵ 分 岐 角 ︶ を 、 一 方 の 接 線 を 底 辺 と し 残 る 一 方 の 接 線 を 斜 辺 と す る 直 角 三 角 形 の 底 辺 と 高 さ の 比 率 ︵ 正 接 ︶ を も っ て 示 す 。 ヨ ー ロ ッ パ で は 分 岐 線 の 曲 線 半 径 を 合 わ せ て ﹁ 1 9 0 - 1 : 9 ﹂ ︵ = 半 径 1 9 0 m 、 9 番 ︶ の よ う に 単 位 分 数 の 比 の 形 で 表 記 す る 。 ロ シ ア お よ び C I S 諸 国 で は ﹁ 1 / 1 1 ﹂ ︵ = 1 1 番 ︶ の よ う に 単 位 分 数 と し て 表 記 す る 。 イ ン ド で は ﹁ 1 i n 9 ﹂ ︵ 9 番 ︶ の よ う に 表 記 す る 。 交 差 番 数 ま た は 分 岐 番 数 N と 、 交 差 角 ま た は 分 岐 角 θ と の 関 係 は 次 の 式 で 表 さ れ る 。
●
N
=
cot
θ
{\displaystyle N={\cot \theta }}
● ヨ ー ロ ッ パ ・ ロ シ ア ・ C I S 諸 国 ・ イ ン ド [ 1 1 ] な ど で 採 用 。
交差角または分岐角が成す二等辺三角形の等辺と底辺の長さの比で番数を示す二等辺三角形法 (英語 : Isosceles triangle method [11] )は路面電車などの軌道分岐器で用いられることが多い[12] 。交差番数または分岐番数Nと、交差角または分岐角θとの関係は次の式で表される。
N
=
1
2
csc
θ
2
{\displaystyle N={1 \over 2}\csc {\theta \over 2}}
分 岐 器 の 番 数 は 、 基 準 線 か ら 分 岐 線 が 分 か れ る 角 度 の 大 小 を 示 す も の で 、 片 開 き 、 両 開 き な ど と い っ た 分 岐 器 の 形 状 と は 無 関 係 に 、 分 岐 器 に 用 い ら れ て い る ク ロ ッ シ ン グ ︵ フ ロ グ ︶ の 番 数 を 分 岐 器 全 体 の 番 数 と し て 呼 称 す る [ 1 3 ] [ 1 4 ] 。 ク ロ ッ シ ン グ 番 数 は 中 心 線 法 を 採 用 し 、 ク ロ ッ シ ン グ 部 で 接 す る 両 軌 条 の 軌 間 線 が 成 す 二 等 辺 三 角 形 の 高 さ ︵ 略 図
b
{\displaystyle b}
︶ と 底 辺 ︵ 略 図
a
{\displaystyle a}
︶ の 比 を も っ て 示 す [ 1 4 ] [ 1 5 ] [ 1 6 ] 。
分 岐 器 類 の 名 称 の 前 に 、 分 岐 器 で 用 い て い る ク ロ ッ シ ン グ の 番 数 を 付 加 し 、 ﹁ 8 番 片 開 き 分 岐 器 ﹂ ﹁ 10 番 シ ザ ー ズ ク ロ ッ シ ン グ ﹂ の よ う に 呼 称 す る [ 1 3 ] 。 ク ロ ッ シ ン グ 番 数 に 応 じ て 、 ク ロ ッ シ ン グ 後 方 に お け る 両 方 の 軌 間 線 [ 1 7 ] の 接 線 が な す 角 度 ﹁ ク ロ ッ シ ン グ 角 ﹂ が 定 め ら れ て い る 。 曲 線 分 岐 器 の 場 合 は 両 方 の 軌 間 線 の 交 角 [ 1 3 ] ︵ ク ロ ッ シ ン グ 交 点 に お い て 引 い た 2 本 の 接 線 が な す 角 度 [ 1 4 ] ︶ を も っ て ク ロ ッ シ ン グ 角 と す る 。
な お 、 曲 線 ダ イ ヤ モ ン ド ク ロ ッ シ ン グ で は 、 両 方 の 軌 道 中 心 線 が 交 差 す る 角 度 を ク ロ ッ シ ン グ 角 と 読 み 換 え 、 そ れ に 相 応 す る ク ロ ッ シ ン グ 番 数 を 呼 称 す る [ 1 3 ] 。 シ ザ ー ズ ク ロ ッ シ ン グ で は 、 使 用 す る 分 岐 器 に 用 い ら れ て い る ク ロ ッ シ ン グ の 番 数 を 呼 称 す る [ 1 3 ] 。
かつて「轍叉番号(てっさばんごう)」とも呼ばれた。JIS E 1301で、クロッシング番数およびその角度は次のように規定されている[13] 。
クロッシング番数
クロッシング角
備考[14]
4番
14°18'
8番クロッシング角の2倍
5番
11°26'
10番クロッシング角の2倍
6番
9°32'
12番クロッシング角の2倍
7番
8°10'
14番クロッシング角の2倍
8番
7°09'
計算式により算出
9番
6°22'
10番
5°43'
12番
4°46'
14番
4°05'
16番
3°34.5'
8番クロッシング角の1/2
20番
2°51.5'
10番クロッシング角の1/2
● 8 番 、 9 番 、 10 番 、 12 番 、 14 番 の ク ロ ッ シ ン グ 角 は 、 ク ロ ッ シ ン グ 番 数 と ク ロ ッ シ ン グ 角 に 関 す る 上 記 の 計 算 式
N
=
1
2
cot
θ
2
{\displaystyle N={1 \over 2}\cot {\theta \over 2}}
に よ り 、 分 未 満 を 四 捨 五 入 し て 定 め た も の で あ る [ 1 4 ] 。
● 他 の ク ロ ッ シ ン グ 番 数 の ク ロ ッ シ ン グ 角 は 、 次 の よ う に し て 機 械 的 に 定 め た も の で あ り [ 1 4 ] 、 計 算 式 に よ っ て 算 出 す る 角 度 と は 誤 差 が あ る [ 1 8 ] 。
● 4 番 、 5 番 、 6 番 、 7 番 の ク ロ ッ シ ン グ 角 は 、 そ れ ぞ れ 8 番 、 10 番 、 12 番 、 14 番 の ク ロ ッ シ ン グ 角 の 2 倍 と す る 。
● 16 番 、 20 番 の ク ロ ッ シ ン グ 角 は 、 そ れ ぞ れ 8 番 、 10 番 の ク ロ ッ シ ン グ 角 の 1 / 2 と す る 。
ドイツにおいて、クロッシング番数 (Herzstückverhältnis) は分子を1とした単位分数 を比 を用いて示す(8番=1:8)。番数はヨーロッパ標準の直角法を用いている。ドイツ連邦鉄道 (DB) および現在のドイツ鉄道 (DBAG) では、番数を含め次の形式で分岐器類を分類呼称している。
例:EW 60-500-1:12 L Fz H
略号
意味
略号の例
EW
分岐器の形式
単純分岐 (EW)、外方分岐 (ABW)、内方分岐 (IBW)、複分岐 (DW)、片複分岐 (EinsDW)
60
レール種類
UIC60レール (60)、S49レールb(49 - ドイツ国有鉄道、ドイツ連邦鉄道、ドイツ国営鉄道)、S54レール(54 - ドイツ連邦鉄道)、R65レール(65 - ドイツ国営鉄道)
500
曲線半径
分岐線の曲線半径。単位m。
1:12
番数
単位分数で表記する。例では12番。
L
分岐方向
左 (L)、右 (R)
Fz
ポイント部構造
弾性トングレール (Fz)、弾性ポイントブレード (Fsch)、ピボット式トングレール (Gz)
H
枕木材質
木製 (H)、木製のうち広葉樹材 (Hh)、鋼製 (St)、コンクリート (B)
現在のドイツ鉄道で主に使われている分岐器の例である(分岐器呼称のxxはレール種類に応じた任意の数字が入る)。
単純分岐器
ノーズ
許容通過速度
EW xx-190-1:7,5/6,6(分岐半径190m、7.5番/6.5番)
可動
40 km/h
EW xx-190-1:7,5(分岐半径190m、7.5番)
可動
40 km/h
EW xx-190-1:9(分岐半径190m、9番)
固定
40 km/h
EW xx-300-1:9(分岐半径300m、9番)
可動
50 km/h
EW xx-500-1:12(分岐半径500m、12番)
可動
60 km/h
EW xx-500-1:14(分岐半径500m、14番)
固定
60 km/h
EW xx-760-1:14(分岐半径760m、14番)
可動
80 km/h
EW xx-1200-1:18,5(分岐半径1200m、18.5番)
可動
100 km/h
EW xx-2500-1:26,5(分岐半径2500m、26.5番)
可動
130 km/h
曲線分岐器(一例)
ABW xx-215-1:4,8(分岐半径215m、4.8番)
可動
40 km/h
またICE が運行するマンハイム-シュトゥットガルト高速線 およびハノーファー-ヴュルツブルク高速線 用に開発された高速分岐器 (Schnellfahrweichen) には次のようなものがある。分岐器呼称末尾の「-fb」は弾性可動ノーズ付きを示す。複心曲線使用の分岐器は分岐線側を異なる半径の曲線を組み合わせたものにしており、EW 60-7000/6000-1:42の場合、トングレール部は半径7000m、分岐器中央部より後方は半径6000mとなっている。
分岐器呼称
許容通過速度基準線側 / 分岐線側
EW 60-1200-1:18,5-fb(分岐半径1200m、18.5番)
280 km/h / 100 km/h
EW 60-2500-1:26,5-fb(分岐半径2500m、26.5番)
280 km/h / 130 km/h
複心曲線使用分岐器
EW 60-6000/3700-1:32,5-fb(分岐半径6000m+3700m、32.5番)
280 km/h / 160 km/h
EW 60-7000/6000-1:42-fb(分岐半径7000m+6000m、42番)
280 km/h / 200 km/h
ド イ ツ 鉄 道 が 開 発 し 1 9 9 8 年 に 使 用 を 開 始 し た ク ロ ソ イ ド 分 岐 器 ( K l o t h o i d e n w e i c h e n ) に は 次 の よ う な も の が あ る 。 分 岐 線 側 の 曲 線 を 緩 和 曲 線 の 一 種 で あ る ク ロ ソ イ ド 曲 線 と し て 衝 動 及 び レ ー ル 損 耗 の 低 減 を 図 っ た も の で 、 E W 6 0 - 1 0 0 0 0 / 4 0 0 0 - 1 : 3 9 の 場 合 、 ト ン グ レ ー ル 先 端 を 半 径 1 0 0 0 0 m と し 、 分 岐 器 中 央 部 に か け て 半 径 4 0 0 0 m ま で 曲 率 が 逓 増 し た の ち 、 分 岐 器 後 方 に か け て 再 び 半 径 1 0 0 0 0 m ま で 曲 率 が 逓 減 す る 。 こ の 特 徴 の た め 、 ク ロ ッ シ ン グ 部 の 番 数 だ け で は 従 来 の 分 岐 器 と 規 模 を 単 純 に 比 較 で き な い 。
こ の う ち 、 分 岐 線 側 で も 2 2 0 k m / h で の 通 過 を 可 能 と し た 4 0 . 1 5 番 ク ロ ソ イ ド 分 岐 器 E W 6 0 - 1 6 0 0 0 / 6 1 0 0 - 1 : 4 0 , 1 5 - f b は ベ ル リ ン - ハ レ 線 ビ タ ー フ ェ ル ト 駅 構 内 に お い て ハ レ 方 面 と ラ イ プ ツ ィ ヒ 方 面 の 分 岐 用 に 2 基 使 用 さ れ て お り 、 番 数 は 42 番 高 速 分 岐 器 E W 6 0 - 7 0 0 0 / 6 0 0 0 - 1 : 4 2 - f b よ り 小 さ い も の の 、 分 岐 器 1 基 の 長 さ は 1 6 9 . 2 m に 達 し 、 ド イ ツ 国 内 最 大 の 分 岐 器 で あ る 。
分岐器呼称
許容通過速度基準線側 / 分岐線側
EW 60-3000/1500-1:18,5(分岐半径3000m-1500m-3000m、18.5番)
330 km/h / 100 km/h
EW 60-4800/2450-1:24,26(分岐半径4800m-2450m-4800m、24.26番)
330 km/h / 130 km/h
EW 60-10000/4000-1:39(分岐半径10000m-4000m-10000m、39番)
330 km/h / 160 km/h
EW 60-16000/6100-1:40,15(分岐半径16000m-6100m-16000m、40.15番)
330 km/h / 220 km/h
画面中央手前で分岐しダイヤモンドクロッシングおよびダブルスリップスイッチを経て左上奥の短いホームに至る配線は、段階式分岐器時代は直線だったが、比率式分岐器に置換えた際、わずかなクロッシング角の違いから直線にすることができず、途中に曲線が入った(チェコ・プラハ中央駅 )
1 9 1 8 年 に オ ー ス ト リ ア 帝 国 鉄 道 ( k k S t B ) と ハ ン ガ リ ー 国 家 鉄 道 ( M Á V ) を 承 継 し た チ ェ コ ス ロ バ キ ア 時 代 の チ ェ コ ス ロ バ キ ア 国 鉄 ( Č S D ) で は 、 1 9 7 0 年 代 ま で 、 角 の 長 さ と 開 き の 比 率 に よ る 番 数 で は な く 、 分 岐 角 を 直 接 定 め る ﹁ 段 階 式 分 岐 器 ﹂ ︵ チ ェ コ 語 : S o u s t a v a s t u p ň o v ý c h v ý h y b e k , ス ロ バ キ ア 語 : S ú s t a v a s t u p ň o v ý c h v ý h y b i e k ︶ を 採 用 し て い た 。 概 要 は 次 の 通 り で あ る [ 1 9 ] 。
● 単 純 分 岐 器 ︵ 片 開 き 分 岐 器 ︶ は 、 標 準 の 分 岐 角 を 6 ° ま た は 7 ° と し 、 分 岐 線 半 径 は 1 5 0 m か ら 2 0 0 m 。 許 容 通 過 速 度 は 3 0 k m / h か ら 4 0 k m / h 。
● 複 分 岐 器 は 6 ° ( 4 ° + 2 ° ) ま た は 7 ° ( 5 ° + 2 ° ) と し 、 駅 構 内 な ど に お い て 6 ° 単 純 分 岐 器 ま た は 7 ° 単 純 分 岐 器 に よ っ て 本 線 か ら 分 岐 し て 平 行 す る 多 数 の 側 線 を 構 成 す る 配 線 の 場 合 、 本 線 よ り 分 岐 し た 次 の 分 岐 器 に 4 ° + 2 ° 複 分 岐 器 ま た は 5 ° + 2 ° 複 分 岐 器 を 1 基 置 き 、 本 線 と 1 0 ° ま た は 1 2 ° の 角 度 を 保 ち つ つ 側 線 を 分 岐 す る 形 態 が 一 般 的 に 用 い ら れ た 。 次 の 図 は 7 ° 単 純 分 岐 器 お よ び 5 ° + 2 ° 複 分 岐 器 を 使 用 し た 側 線 群 配 線 の 模 式 図 で あ る 。
● 両 開 き 分 岐 器 は 1 0 ° ( 5 ° + 5 ° ) を 標 準 と し 、 分 岐 線 曲 線 半 径 は 2 3 0 m 。
● 高 速 分 岐 器 は 分 岐 角 6 ° 未 満 、 分 岐 線 通 過 許 容 速 度 を 4 0 k m / h 以 上 と し た も の で 、 5 ° ︵ 曲 線 半 径 5 0 0 m 、 通 過 許 容 速 度 6 0 k m / h ) 、 4 ° ︵ 曲 線 半 径 8 0 0 m 、 通 過 許 容 速 度 8 0 k m / h ) 、 3 ° 6 ' ︵ 曲 線 半 径 1 2 0 0 m 、 通 過 許 容 速 度 1 0 0 k m / h ) の 3 種 が 設 定 さ れ た 。
チ ェ コ ス ロ バ キ ア 国 鉄 は 1 9 7 0 年 代 、 新 規 格 の S 4 9 レ ー ル お よ び R 6 5 レ ー ル の 採 用 に あ た っ て 交 差 角 ま た は 分 岐 角 の 番 数 を 用 い た ﹁ 比 率 式 分 岐 器 ﹂ ︵ チ ェ コ 語 : S o u s t a v a p o m ě r o v ý c h v ý h y b e k , ス ロ バ キ ア 語 : S ú s t a v a p o m e r o v ý c h v ý h y b i e k ︶ を 導 入 し て 新 設 計 の 分 岐 器 を 設 定 し た 。 現 在 も チ ェ コ ︵ 鉄 道 施 設 管 理 公 団 ︶ 、 ス ロ バ キ ア ︵ ス ロ バ キ ア 国 鉄 ︶ 両 国 で は 、 比 率 式 分 岐 器 と そ れ 以 前 の 段 階 式 分 岐 器 が 混 在 し て い る 。
比 率 式 分 岐 器 に お け る 番 数 は ヨ ー ロ ッ パ 標 準 の 直 角 法 を 用 い て い る 。 単 純 分 岐 器 の 場 合 、 分 岐 半 径 3 0 0 m ︵ 許 容 通 過 速 度 5 0 k m / h ︶ ま た は 分 岐 半 径 1 9 0 m ︵ 同 4 0 k m / h ︶ の 1 : 9 ︵ 9 番 ︶ 分 岐 器 を 標 準 に 、 1 : 1 2 ︵ 12 番 ︶ 分 岐 器 、 1 : 1 4 ︵ 14 番 ︶ 分 岐 器 を 設 定 。 ま た 高 速 分 岐 器 と し て 許 容 通 過 速 度 1 0 0 k m / h の 1 : 1 8 , 5 ︵ 1 8 . 5 番 ︶ 分 岐 器 を 設 け た 。 ま た 駅 構 内 用 と し て 1 : 7 , 5 ︵ 7 . 5 番 ︶ 分 岐 器 、 側 線 用 と し て 1 : 6 ︵ 6 番 ︶ お よ び 1 : 6 , 5 ︵ 6 . 5 番 ︶ 分 岐 器 を 設 定 し た 。
現 行 の 比 率 式 分 岐 器 の 規 格 は 次 の 通 り で あ る 。 分 岐 線 曲 線 半 径 と 許 容 通 過 速 度 に つ い て は 、 通 過 時 の 横 方 向 加 速 度 が 0 . 6 5 m / s ² を 超 え な い よ う 定 め ら れ て い る 。
番数
曲線半径
許容通過速度
1:6(6番)
150 m
30 km/h
1:7,5(7.5番)
150 m
30 km/h
1:7,5(7.5番)
190 m
40 km/h
1:9(9番)
190 m
40 km/h
1:9(9番)
300 m
50 km/h
1:11(11番)
300 m
50 km/h
1:12(12番)
500 m
60 km/h
1:14(14番)
760 m
80 km/h
1:18,5(18.5番)
1200 m
100 km/h
1:26,5(26.5番)
2500 m
120 km/h
● 中 国 の 京 滬 高 速 鉄 道 の 徐 州 東 駅 北 京 側 に は 42 番 分 岐 器 が あ る [ 2 0 ] 。
● 高 崎 駅 付 近 で の 上 越 新 幹 線 ︵ 下 り 線 ︶ と 北 陸 新 幹 線 の 分 岐 や 、 成 田 湯 川 駅 ︵ 京 成 成 田 ス カ イ ア ク セ ス 線 ︶ の 成 田 空 港 方 の 分 岐 に 使 用 さ れ て い る 38 番 分 岐 器 は 、 分 岐 側 の 通 過 速 度 が 1 6 0 k m / h で あ る ︵ 前 者 は 新 幹 線 の 本 線 同 士 の 分 岐 、 後 者 は 在 来 線 と し て は 日 本 最 速 で あ る 1 6 0 k m / h 運 転 区 間 に お け る 単 線 と 複 線 の 分 岐 ︶ 。 成 田 ス カ イ ア ク セ ス 線 の 38 番 分 岐 器 ︵ 成 田 湯 川 駅 付 近 )
● JR 北 海 道 で は 1 9 9 5 年 に 行 わ れ た 石 勝 線 高 速 化 の 際 に 、 楓 駅 ︵ 現 ・ 楓 信 号 場 ︶ に 日 本 で 初 め て 20 番 弾 性 両 開 き 曲 線 ク ロ ッ シ ン グ 分 岐 器 を 設 置 し 、 両 開 き 分 岐 器 最 高 の 通 過 速 度 1 2 0 k m / h を 実 現 し た 。
● 特 殊 狭 軌 線 ︵ 軌 間 7 6 2 m m ︶ で あ る 三 岐 鉄 道 北 勢 線 で は 東 員 駅 等 で 新 た に 12 番 片 開 き 分 岐 器 を 導 入 し た も の の 、 軌 間 の 制 約 も あ っ て 分 岐 線 側 通 過 制 限 速 度 は 2 5 k m / h に と ど ま っ て い る ︵ 参 考 ‥ JR 在 来 線 等 の 12 番 分 岐 器 の 分 岐 側 制 限 速 度 は 4 5 k m / h ︶ 。
● ヨ ー ロ ッ パ の 高 速 鉄 道 な ど の 動 力 集 中 式 の 列 車 で は 、 動 力 分 散 式 に 比 べ て 加 速 ・ 減 速 の 度 合 い が 小 さ い 。 し た が っ て 分 岐 器 を 高 速 で 通 過 す る た め 、 番 数 の 大 き い 分 岐 器 が 使 用 さ れ る 。 T G V の 番 数 65 番 の 高 速 分 岐 器 は ノ ー ズ 可 動 式 で 、 L G V 上 の 高 速 渡 り 線 に 使 わ れ 、 直 進 側 3 0 0 k m / h 、 分 岐 側 2 2 0 k m / h で 通 過 可 能 だ が 、 転 轍 器 の 構 造 が 複 雑 で 高 価 な 上 、 メ ン テ ナ ン ス の 費 用 が 高 額 で あ る 。
トングレール(分岐器の分岐部分のレール)の後端部継ぎ目部分に遊間(隙間)を設け、ポイント転換の際にトングレール後端部が滑り移動しながら動作するポイントのこと。大正14年型分岐器や側線用分岐器などに使用される。
トングレール(分岐器の分岐部分のレール)の後端部継ぎ目部分に遊間(隙間)を設け、ポイント転換の際にトングレール後端部を中心にして回転するように動作するポイントのこと。50Nレール使用の本線用分岐器など、全国的に最も多く使用されてきたが、トングレール後端部継ぎ目部分での衝撃・損傷が大きいので、主要幹線では次項の弾性ポイントに更換されつつある。
16番両開き弾性分岐器
ト ン グ レ ー ル と リ ー ド レ ー ル を 一 体 化 し て ト ン グ レ ー ル の 後 端 部 継 ぎ 目 を な く し た ポ イ ン ト の こ と 。 ト ン グ レ ー ル 後 端 部 レ ー ル 底 面 に 切 り 欠 き が 設 け て あ り 、 ト ン グ レ ー ル 全 体 を た わ ま せ て 転 換 す る 。 弾 性 ポ イ ン ト を 使 用 し た 分 岐 器 の こ と を 弾 性 分 岐 器 と 称 す る 。 分 岐 器 通 過 時 の 振 動 や 騒 音 が 押 さ え ら れ 、 通 過 速 度 を 向 上 で き る 特 徴 が あ る ︵ 直 線 側 は ポ イ ン ト に 由 来 す る 速 度 制 限 が 事 実 上 な い [ 2 1 ] ︶ 。
新 幹 線 や 高 速 列 車 の 多 い 路 線 で 多 く 使 用 さ れ る が 、 一 般 的 に 他 の 分 岐 器 よ り 高 価 と な る 。 在 来 線 で は 、 JR 四 国 予 讃 線 の 本 山 駅 に 最 初 に 設 置 さ れ 、 1 6 0 k m / h で 通 過 し た 実 績 が あ る 。
安 全 側 線 に 設 置 さ れ る 分 岐 器 。 乗 越 ト ン グ レ ー ル と 乗 越 ク ロ ッ シ ン グ の 両 方 ま た は ど ち ら か 一 方 が 用 い ら れ て い る 。 信 号 冒 進 時 に 車 両 を 本 線 か ら 脱 線 さ せ る た め 、 信 号 と 連 動 し て い る 転 轍 機 で 転 換 す る 。 脱 線 さ せ る 側 が 定 位 と な っ て お り 、 脱 線 後 に 分 岐 側 か ら 戻 る 事 は 考 え ら れ て い な い 。
横 取 装 置
保 守 用 車 が 保 守 基 地 線 へ の 出 入 り の た め に 使 用 す る 簡 易 分 岐 器 。 取 扱 い に あ た っ て は 基 本 的 に 線 路 閉 鎖 手 続 き が 必 要 で 、 分 岐 側 か ら の 通 過 が 可 能 で あ る こ と が 乗 越 分 岐 器 と の 大 き な 違 い で あ る 。 本 線 線 路 に は 普 通 レ ー ル が 用 い ら れ て お り 、 欠 線 部 も 存 在 し な い 。 JR の 在 来 線 で は 手 動 の 可 動 式 横 取 装 置 が 多 く 設 置 さ れ て お り 、 取 り 扱 い の 際 は 横 取 器 と い う 部 品 を 本 線 線 路 に 被 せ る こ と で 分 岐 側 の 進 路 を 構 成 す る 。 大 手 私 鉄 で は 、 油 圧 装 置 で 横 取 レ ー ル を 横 滑 り さ せ る タ イ プ の も の が 使 用 さ れ て い る 。 新 幹 線 で は 保 守 基 地 線 へ つ な が る 線 路 が 横 移 動 し 本 線 線 路 を 覆 う 。 本 線 線 路 を 直 交 し 、 保 守 用 車 が 90 度 転 車 す る こ と で 本 線 線 路 に 載 線 す る タ イ プ も あ る 。
列 車 や 営 業 車 両 は 分 岐 側 に 入 る こ と は 想 定 さ れ て お ら ず 、 使 用 後 は 完 全 に 取 り 外 す 必 要 が あ る 。 取 り 外 し を 忘 れ た 状 態 で 営 業 列 車 が 走 行 し 、 脱 線 事 故 を 起 こ し た 事 例 も あ る [ 2 2 ] [ 2 3 ] 。
特殊狭軌線(軌間762 mm)用の乗越分岐器(乗越クロッシングのみを用いたもの)
三線軌条(軌間1,067 mm・1,435 mm)の乗越分岐器
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在 来 線 で の 分 岐 器 の 分 岐 側 は 、 分 岐 側 の 曲 線 半 径 で あ る リ ー ド 半 径 、 分 岐 器 の 強 度 、 乗 り 心 地 、 分 岐 器 の 保 守 な ど を 総 合 し て 、 安 全 比 率 を 一 般 曲 線 よ り 小 さ い 5 . 5 と し て 、 速 度 制 限 が 決 め ら れ る 。
在 来 線 で の 分 岐 器 の 直 線 側 は 、 分 岐 器 の ク ロ ッ シ ン グ の 強 度 、 ト ン グ レ ー ル の 開 口 、 ク ロ ッ シ ン グ 部 分 の ガ イ ド レ ー ル お よ び ウ イ ン グ レ ー ル ︵ 翼 レ ー ル ︶ の 背 面 横 圧 の 限 度 、 保 守 量 の 増 加 な ど の 理 由 に よ り 速 度 制 限 が あ り 、 高 速 列 車 に お い て は 直 線 で 最 高 速 度 で 走 行 し て も 分 岐 器 が 存 在 す る 通 過 駅 で は 減 速 を 余 儀 な く さ れ 、 ﹁ ノ コ ギ リ 運 転 ﹂ と 呼 ば れ る 加 速 や 減 速 を 繰 り 返 し て い た 。 こ れ に つ い て は 改 善 対 策 が 行 わ れ て お り 、 枕 木 の 強 化 、 分 岐 器 の レ ー ル に 使 用 さ れ る ヒ ー ル ボ ル ト の 強 化 、 分 岐 器 の 下 部 に 設 置 さ れ て い る 床 板 の 強 化 、 車 輪 お よ び レ ー ル の 保 守 限 度 の 見 直 し に よ り 、 従 来 の 制 限 速 度 で あ る 1 0 0 k m / h か ら 1 2 0 k m / h に 上 げ ら れ て お り 、 通 過 駅 で の 減 速 を 無 く し て 表 定 速 度 の 向 上 が 図 ら れ て い る 。
凍 結 や 積 雪 に よ り 分 岐 器 が 転 換 不 能 に な る 事 態 が 起 き る [ 2 4 ] [ 2 5 ] 。 ト ン グ レ ー ル の 固 着 や ト ン グ レ ー ル に よ る 氷 雪 塊 の 挟 み 込 み を 防 ぐ た め [ 2 6 ] 、 冬 季 は ポ イ ン ト 部 に 下 や 側 面 か ら 火 を 当 て る 融 雪 器 ︵ 融 雪 カ ン テ ラ ︶ [ 2 7 ] [ 2 8 ] 、 電 熱 器 を 使 い 凍 結 や 着 氷 を 防 ぐ こ と が 積 雪 の ほ と ん ど 無 い 地 域 に お い て 行 わ れ る 。 ま た 積 雪 地 で は 代 わ り に 温 水 ・ 熱 風 を 用 い た 融 雪 装 置 を 設 置 す る [ 2 9 ] 。 北 海 道 や 東 北 地 方 の ほ と ん ど の 駅 ・ 信 号 場 で は 転 て つ 器 部 分 に カ バ ー を か ぶ せ た り 、 防 雪 シ ェ ル タ ー で 覆 っ た り し て い る 。 北 海 道 新 幹 線 に お い て は 融 か し た 雪 が ほ ど な く し て 再 度 凍 る こ と か ら 空 気 ジ ェ ッ ト に よ り ト ン グ レ ー ル に 挟 ま っ た 氷 雪 を 吹 き 飛 ば し 、 氷 雪 塊 の 挟 み 込 み を 防 い で い る [ 2 9 ] 。 人 に よ る 除 雪 や 融 雪 剤 ・ 防 氷 剤 の 散 布 [ 3 0 ] 、 圧 縮 空 気 で 吹 き 飛 ば し も 行 わ れ る が 、 様 々 な 方 式 の ポ イ ン ト 融 雪 器 が 考 案 さ れ た [ 3 1 ] [ 3 2 ] 。
融 雪 カ ン テ ラ
ポ イ ン ト の 下 に 灯 油 ス ト ー ブ の よ う な 火 が 灯 る 器 具 を 設 置 す る タ イ プ 。 大 き な 工 事 を 必 要 と せ ず 、 あ ま り 降 雪 し な い 場 所 で 使 用 さ れ て い る [ 3 3 ] [ 3 4 ] 。
稀 に 、 火 災 と 間 違 わ れ る [ 3 5 ] 。
散 水 融 雪 装 置
温 水 を 散 布 す る こ と で 融 雪 す る 装 置 [ 3 6 ] [ 3 7 ] 。
温 水 マ ッ ト 式 融 雪 装 置
温 水 が 循 環 す る マ ッ ト を 下 に 設 置 す る 方 式 [ 3 1 ] 。
電 気 融 雪 器
電 気 融 雪 器 に は 、 直 接 加 熱 方 式 電 気 融 雪 器 と 温 風 式 電 気 融 雪 器 が 存 在 す る [ 2 5 ] 。 レ ー ル を 直 接 ヒ ー タ ー で 温 め る か 、 電 気 ヒ ー タ ー で 温 め た 温 風 を 吹 き か け る 方 式 で あ る [ 2 5 ] 。
JR 東 海 で は 、 2 0 1 4 年 時 点 で 電 気 融 雪 器 1 4 3 駅 、 熱 風 式 融 雪 器 13 駅 に 設 置 し て い る [ 3 8 ] 。
豪 雪 地 帯 や 山 間 部 の 信 号 場 で は ポ イ ン ト の 周 囲 の 軌 道 ご と ス ノ ー シ ェ ル タ ー で 覆 う 場 合 が あ る 。
融雪カンテラを使用している様子
電気式温風ポイント融雪器
温風式融雪器の作動している様子
スノーシェルターで覆われたポイント
分 岐 器 の ポ イ ン ト 部 を 操 作 し 、 車 両 の 進 路 を 切 り 替 え る 装 置 を 転 て つ 器 [ 3 9 ] ︵ て ん て つ き ︶ と 呼 ぶ 。 " て つ ﹁ 轍 ﹂ " の 字 は 常 用 漢 字 外 [ 4 0 ] で あ り 、 転 て つ 器 と 表 記 さ れ る 。 転 て つ 器 の う ち 、 転 換 を 行 う 機 械 を 転 て つ 機 [ 4 1 ] ︵ て ん て つ き ︶ と い う 。 転 て つ 器 に は 構 造 ・ 用 途 に よ る 分 類 と 使 用 動 力 に よ る 分 類 で 以 下 の 区 分 が あ る 。
普通転てつ器
三枝転てつ器
脱線転てつ器
乗越転てつ器
脱線器
動力転てつ器・・・電気及び空気の力等により転換するもの
発条転てつ器・・・人及び発条(ばね)の力により転換するもの
手動の転てつ器・・・人の力により転てつ器を転換するもの
電気転てつ機と装置類。 Aトングレール、Bスイッチアジャスター、Cフロントロッド、D接続桿、E鎖錠桿のカバー、Fスイッチアジャスターロッド、G動作桿のカバー、Hモーター、I手回しハンドル穴(蓋をされて施錠している状態)、J手回し完了表示窓、K床板、Lダイバー(転てつ棒)、踏切から撮影。
電 気 転 て つ 機 は 電 気 を 動 力 源 と す る 動 力 転 て つ 器 の 1 つ で あ る 。 電 気 指 令 に よ っ て 本 体 内 部 に あ る 制 御 リ レ ー と 回 路 制 御 器 が 作 動 し 、 そ の 後 モ ー タ ー な い し 空 気 シ リ ン ダ ー が 動 作 し て そ れ を 動 力 源 と し て 切 り 替 え る 転 て つ 機 で 、 1 箇 所 で 集 中 制 御 す る 際 に 用 い ら れ て お り 、 分 岐 器 の 開 通 方 向 を 連 動 装 置 等 の 遠 隔 装 置 に 出 力 す る 。 構 造 と し て は レ ー ル を 切 り 替 え る 転 換 部 と 、 分 岐 器 を 列 車 が 通 過 し て い る 間 に 転 て つ 器 が 転 換 し な い よ う に 鎖 錠 す る 転 換 鎖 錠 部 と で 構 成 さ れ て お り 、 前 者 は モ ー タ ー か ら フ リ ク シ ョ ン ク ラ ッ チ [ 4 3 ] と 減 速 歯 車 を 介 し て 転 換 ロ ー ラ ー に 繋 が り 、 そ こ か ら 動 作 桿 と ス イ ッ チ ア ジ ャ ス タ ー ロ ッ ド と ス イ ッ チ ア ジ ャ ス タ を 介 し て ダ イ バ ー ︵ 転 て つ 棒 ︶ で ト ン グ レ ー ル に 接 続 さ れ て お り 、 後 者 は 転 換 部 か ら ロ ッ ク ピ ー ス と 鎖 錠 桿 を 介 し て [ 4 4 ] 接 続 桿 に 繋 が り 、 そ れ が ト ン グ レ ー ル の 先 端 に あ る フ ロ ン ト ロ ッ ド に 接 続 さ れ て い る 。 ま た 、 手 動 で 転 換 で き る よ う に 転 て つ 機 本 体 に 手 回 し ハ ン ド ル 穴 が あ り [ 4 5 ] 、 手 動 で 完 全 に 転 換 し て そ の 後 に 鎖 錠 状 態 に な っ た 時 に 、 手 回 し 完 了 表 示 窓 に 矢 印 の 表 示 が 出 る よ う に な っ て い る 。 電 気 転 て つ 機 の 種 類 と し て は NS 形 と G 形 の 他 、 本 線 以 外 の 側 線 用 に YS 形 が あ る 。
電 空 転 て つ 機 は 転 換 す る 動 力 に 圧 搾 空 気 を 用 い る 動 力 転 て つ 器 で あ る 。 圧 搾 空 気 の 配 給 と 制 御 を す る 電 磁 弁 、 圧 搾 空 気 の 転 て つ シ リ ン ダ 、 シ リ ン ダ の ピ ス ト ン に よ っ て 動 か さ れ る 転 換 鎖 錠 器 、 回 路 制 御 器 等 か ら な る 。 電 空 転 て つ 機 を 用 い る 場 合 は 圧 搾 空 気 を 発 生 さ せ る 設 備 お よ び 各 転 て つ 機 に 配 給 す る 設 備 が 必 要 で あ り 、 多 数 の 転 て つ 器 が あ る よ う な 大 構 内 な ど に 適 し て い る 。 [ 4 6 ] ま た 、 電 空 転 て つ 機 は 構 内 が 浸 水 や 降 雪 の 被 害 を う け や す い 駅 の 場 合 に 、 電 気 転 て つ 機 と 比 較 し て 有 利 な 点 が あ り [ 4 7 ] 、 東 京 地 下 鉄 道 丸 ノ 内 線 ︵ 現 ‥ 東 京 メ ト ロ 丸 ノ 内 線 ︶ 建 設 の 際 に 採 用 さ れ た [ 4 8 ] 。
発条転てつ器を手動で切り替える掛員(大井川鐵道 井川線 奥泉駅 )
発 条 転 て つ 器 は 分 岐 器 の 対 向 か ら 進 入 す る 際 の 方 向 が 定 位 ︵ 常 時 開 通 さ せ て お く 方 向 ︶ [ 4 9 ] に 固 定 さ れ て お り 、 分 岐 器 の 反 位 側 に 背 向 よ り 進 入 す る 場 合 は 、 車 輪 に よ っ て ト ン グ レ ー ル を 押 し 広 げ て ︵ 割 出 し と も 言 う ︶ 通 過 で き 、 通 過 後 は 発 条 転 て つ 機 に 内 蔵 さ れ た ス プ リ ン グ と 油 緩 衝 器 [ 5 0 ] に よ っ て 自 動 的 に 定 位 へ 戻 る 転 て つ 器 で あ る 。 こ の た め 発 条 転 て つ 器 は 、 反 位 方 向 か ら 定 位 方 向 へ の 転 換 操 作 が 不 要 で あ る 。 転 て つ 器 を 発 条 転 て つ 器 と す る 場 合 は 発 条 転 て つ 機 を 設 備 す る 。 必 要 に 応 じ て 発 条 転 て つ 機 に 設 け ら れ た ハ ン ド ル に よ り 、 手 動 で 反 位 に 固 定 す る こ と が で き る [ 5 1 ] 。 転 て つ 器 標 識 は 、 定 位 で 青 の 円 盤 に S の 文 字 、 反 位 で 黄 色 の 矢 羽 根 形 で あ る 。
発 条 転 て つ 器 は ス プ リ ン グ 機 構 を 有 す る 発 条 転 て つ 機 本 体 の ほ か 、 ト ン グ レ ー ル が ど ち ら か の ス ト ッ ク レ ー ル に 密 着 し て い る か を 検 知 し て 転 て つ 器 の 開 通 方 向 を 知 る 回 路 制 御 器 又 は 鎖 錠 す る 為 の 電 磁 転 て つ 鎖 錠 器 を 設 置 し 、 前 者 は ト ン グ レ ー ル に 接 続 し た ロ ッ ド を 検 知 す る 方 法 と ス ト ッ ク レ ー ル に 穴 を 開 け た 後 、 突 起 を 付 け た セ ン サ ー を 取 付 け て ト ン グ レ ー ル の 可 動 に よ り そ れ を 作 動 さ せ る 方 式 が あ り 、 後 者 は 鎖 錠 の 場 合 に は 内 部 の ソ レ ノ イ ド 電 磁 石 に 電 源 が 入 り 励 磁 し て 転 て つ 器 を 定 位 方 向 に 固 定 さ せ 、 鎖 錠 を 解 除 す る 場 合 に は 内 部 の ソ レ ノ イ ド 電 磁 石 の 電 源 を 切 り 転 て つ 器 の 定 位 方 向 の 固 定 を 解 除 す る こ と に よ り ト ン グ レ ー ル を 押 し 広 げ る こ と が 可 能 と な る 。 両 者 と も 進 路 設 定 の 際 に 必 要 な 装 置 で あ り 、 進 路 構 成 後 に 出 発 ・ 場 内 信 号 機 を 現 示 さ せ て 列 車 を 進 行 さ せ る 。
反 位 側 か ら の 進 入 に は 厳 し い 速 度 制 限 が 加 わ る た め 、 路 面 電 車 の 折 返 し 点 や 優 等 列 車 運 行 の な い 単 線 区 間 の 交 換 駅 な ど 、 進 行 方 向 が 一 定 か つ 通 過 速 度 も 遅 い 箇 所 で 使 わ れ て い る 。 し か し 速 度 制 限 や 、 通 過 す る 車 輪 と ト ン グ レ ー ル の 摩 耗 な ど の 問 題 か ら 減 少 傾 向 に あ り 、 設 備 改 良 な ど で 発 条 転 て つ 機 か ら 電 気 転 て つ 機 に 交 換 し た ケ ー ス も あ る 。
小湊鉄道線 里見駅 構内のスプリングポイント。転てつ器標識に「S」のマークがあるため、スプリングポイントであることがわかる。
転 て つ 器 を 人 力 で 切 り 替 え る 装 置 で あ る 。 主 要 な 転 て つ 器 に は 転 て つ 器 標 識 が 設 置 さ れ る 。 転 て つ 器 の 開 通 方 向 を 示 す の に 標 識 ま た は ラ ン プ を 用 い る も の も あ る 。
留 置 線 や 保 線 用 側 線 な ど 、 鎖 錠 の 必 要 が な く 通 過 車 両 が 比 較 的 軽 量 か つ 低 速 で あ る 場 合 、 ポ イ ン ト リ バ ー の ハ ン ド ル 自 体 の 重 量 に よ り ト ン グ レ ー ル を 押 さ え つ け る 簡 易 式 の も の で あ る 。
転 て つ 転 換 機
転 て つ 転 換 機 は 、 1 組 の ポ イ ン ト を 転 て つ リ バ ー に よ り 現 場 で 操 作 す る 転 換 機 で あ り 、 第 1 号 転 て つ 転 換 機 と 第 2 号 転 て つ 転 換 機 の 2 種 類 が あ る [ 5 2 ] 。
転 て つ 器 標 識 を 設 備 す る 場 合 は 、 定 位 で 青 の 円 盤 、 反 位 で 黄 色 の 矢 羽 根 形 で あ る 。 転 て つ 器 が 列 車 通 過 時 の 振 動 で 勝 手 に 切 り 替 わ る こ と が な い よ う ト ン グ レ ー ル を 固 定 す る ロ ッ ク 機 構 が あ る ︵ ロ ッ ク 方 式 は 数 種 類 が あ る ︶ 。 連 動 装 置 の 管 理 下 で 取 り 扱 わ れ る 場 合 、 機 械 的 ま た は 電 気 的 な 鎖 錠 装 置 を 持 つ 。 転 て つ 転 換 機 は 信 号 扱 所 か ら て こ に よ り 転 て つ 器 を 遠 隔 操 作 す る こ と が 原 則 で あ る こ と に 対 し 、 入 れ 換 え 用 途 な ど 線 路 脇 の て こ で 操 作 で き る 方 が 有 利 で あ る 場 合 に 採 用 さ れ る 。
日中線 熱塩駅 の機回し線 には、スタフ(スタフ閉塞 のスタフであり外見上はタブレットの玉)をセットしないと動かせない転てつ器があった。これは当該区間が盲腸線でありスタフ閉塞 という非自動閉塞区間であり、また熱塩駅 自体も絶対信号機を持たない停留所でありながら分岐を持ち機回しを行う例外的な駅 であったためである[要出典 ] 。本来分岐器を持つ停車場には場内出発信号機の設備が必要である。この処置により、列車運転時には分岐器は常に固定された状態になり、列車が進入可能で、かつ、分岐器が操作可能(固定されていない)と言う危険な状態を避けることが出来る。つまり、分岐器を操作できるときは閉塞に進入可能な列車は当該駅に停車している(=列車がスタフを持ち込んでいる)か、もしくは閉塞に列車が進入できない(スタフを代替手段で陸送した)のどちらかであり、スタフを取り出せたならば分岐器は固定されている。
定位で脱線するようになっている転てつ器。交換駅・待避駅等で安全側線 が設けられない場合に設けられるが、低速でなければ車両転覆の危険があるので、主に保留貨車の本線暴走突入防止に使われていた。定位のときの標識は赤の四角、反位のときは黄色の矢羽根形である。
以 下 の も の は 厳 密 に は 1 線 の 線 路 を そ れ 以 上 に 分 岐 さ せ ず 、 分 岐 器 で は な い が 、 分 岐 器 の 一 種 と し て 扱 わ れ る こ と が 多 い 。
交 差 ︵ ダ イ ヤ モ ン ド ・ ク ロ ッ シ ン グ 、 DC ︶
線 路 ど う し の 平 面 交 差 を 行 う 際 に 用 い ら れ る 。 線 路 の 枝 分 か れ は な い 。 分 岐 器 と 交 差 を あ わ せ て 分 岐 器 類 と い う 。
単 複 線 ・ 搾 線 ︵ ガ ン ト レ ッ ト ト ラ ッ ク ︶
敷 地 面 積 の 狭 い 場 所 に お い て 、 2 本 の 線 路 を 重 ね る よ う に し て 敷 設 し た も の 。 現 在 日 本 で は 使 わ れ て い な い が 、 過 去 に は 名 鉄 瀬 戸 線 堀 川 - 土 居 下 間 で 見 ら れ た 。
移 線 器
三 線 軌 条 の 軌 道 に お い て 、 内 側 の 軌 道 の み を 反 向 曲 線 に す る こ と で 、 外 側 の 軌 道 と 共 有 す る 線 路 を 前 後 で 切 り 換 え る も の 。
世界的に規格がまちまちであるため複数の方式が使用されている[53] 。
日 本 に お け る A G T は 、 1 9 8 3 年 に 当 時 の 建 設 省 ・ 運 輸 省 の 指 導 に よ る 統 一 規 格 ﹁ 標 準 型 新 交 通 シ ス テ ム ﹂ が 策 定 さ れ 、 案 内 方 式 は ﹁ 側 方 案 内 方 式 ﹂ が 標 準 と な っ て い る 。
こ の シ ス テ ム で は 水 平 可 動 案 内 板 方 式 に よ る 分 岐 が 使 用 さ れ て い る 。 車 両 側 に は 、 各 車 両 下 部 に あ る 台 車 か ら 案 内 バ ー が 左 右 両 側 に 伸 び て お り 、 そ の 先 の 上 部 に は ガ イ ド ウ ェ イ の 案 内 軌 条 を 走 行 し て 転 動 方 向 を 規 制 さ せ る 案 内 輪 、 下 部 に は 分 岐 で 進 行 方 向 を 変 え る た め に 使 用 す る 分 岐 案 内 輪 が 取 付 け ら れ て い る 。 案 内 輪 は 、 走 行 軌 道 ︵ ガ イ ド ウ ェ イ ︶ に 沿 っ て 両 側 に 設 置 さ れ た 、 H ま た は I 形 鋼 に よ る 案 内 軌 条 に 車 両 の 両 側 に あ る 案 内 輪 が 走 行 す る こ と で 、 走 行 中 の 車 両 の 転 動 方 向 を 規 制 し て 案 内 す る 装 置 で あ る が 、 車 両 が 分 岐 場 所 を 通 過 す る 際 に は 案 内 軌 条 の 一 側 を 離 さ な く て は な ら な い 。 地 上 側 の 分 岐 場 所 に は 、 2 つ の 可 動 案 内 板 と 固 定 案 内 板 が ガ イ ド ウ ェ イ の 両 側 の 案 内 軌 条 の 下 に 設 置 さ れ て お り 、 可 動 案 内 板 が 電 気 転 轍 器 で 可 動 す る こ と に よ っ て 分 岐 器 の 役 割 を 果 た す 。 車 両 は 可 動 案 内 板 に 車 両 側 の 左 右 ど ち ら か の 分 岐 案 内 輪 が 入 り 込 み 、 そ の 後 、 固 定 案 内 板 を 通 過 す る こ と に よ っ て 車 両 の 進 行 方 向 が 選 択 で き る 。 す な わ ち 両 側 拘 束 の 案 内 軌 条 を 離 れ 、 一 時 的 に 片 側 の み を 拘 束 す る こ と に よ っ て 分 岐 す る の で あ る 。
側方案内方式の車両側の案内バーの先端に取付けられている案内または分岐装置。1集電装置、2案内輪、3分岐案内輪
側方案内方式の車両側の案内または分岐装置を車両前方から見た写真。A案内輪、B分岐案内輪、C集電装置
側 方 案 内 方 式 の 地 上 側 の 分 岐 器 。 A 案 内 軌 条 、 B 可 動 案 内 板 、 C 固 定 案 内 板 、 D 電 車 線 ︵ 直 流 7 5 0 V の た め 、 プ ラ ス と マ イ ナ ス の 2 本 ︶
側方案内方式の地上側の分岐器が転換した状態。可動案内板が電気転轍器によって可動したのが分かる。
﹁ 札 幌 方 式 ﹂ に お け る 上 下 式 分 岐 器 ︵ 南 北 線 自 衛 隊 前 駅 ︶ 。 写 真 は 直 進 状 態 。
川 崎 重 工 業 と 開 発 し た 独 自 の 規 格 ︵ S . S . T R A M 、 札 幌 方 式 と も ︶ で あ り 、 南 北 線 と 東 西 ・ 東 豊 線 で 規 格 が 異 な る が 、 い ず れ も 中 央 案 内 軌 条 方 式 を 採 用 し て い る 。
こ の た め 、 向 き の 違 う 案 内 軌 条 2 本 を 浮 沈 さ せ て 進 路 を 決 定 す る ﹁ 上 下 式 ﹂ を 中 心 に 、 基 地 内 な ど で は 、 ト ラ バ ー サ ー 上 に 複 数 の 進 路 の 軌 条 を 設 定 し 、 ト ラ バ ー サ ー を 動 か し て 進 路 を 決 定 す る ﹁ ト ラ バ ー サ 式 ﹂ を 採 用 し て い る [ 5 4 ] 。
モ ノ レ ー ル や H S S T も 鉄 道 に 分 類 さ れ 、 そ の 線 路 に は 分 岐 が あ る 。
跨 座 式 の 場 合 は 、 上 記 ま で の 2 本 の レ ー ル や ガ イ ド ウ ェ イ を 使 う も の に 比 べ る と 、 モ ノ レ ー ル の 軌 道 は 1 本 で 車 両 重 量 全 体 を 支 え る た め に 幅 が 広 く 重 量 が 大 き く 、 ま た 、 そ の 構 造 上 、 鉄 軌 道 の そ れ の よ う に 轍 を 乗 せ 換 え る 方 式 で は な く 、 軌 道 を 繋 ぎ 変 え る 方 式 と な る 。 主 な 方 式 と し て は 関 節 式 と 関 節 可 撓 ( か と う ) 式 [ 5 5 ] が あ る 。 前 者 は 、 1 つ の 分 岐 器 を 使 用 し て 軌 道 を 転 轍 さ せ る 支 点 よ り そ の ま ま 曲 げ る 方 式 で 、 乗 り 心 地 は 悪 く な っ て し ま う 。 そ の た め 、 本 線 で は 使 用 さ れ ず 、 乗 り 心 地 を 追 及 す る 必 要 の な い 、 車 両 基 地 内 や 、 側 線 へ の 分 岐 点 で 使 用 さ れ る [ 5 5 ] [ 5 6 ] 。 後 者 は い く つ か の 短 い 桁 を 組 み 合 わ せ 軌 道 を 転 轍 す る 方 式 で 、 そ れ ぞ れ の 桁 は 関 節 で 接 続 さ れ て い る た め 、 車 体 の 振 動 が 関 節 式 と 比 較 し て 極 力 少 な く す る こ と が で き る [ 5 5 ] 。 ま た 、 構 造 上 分 岐 の 形 式 は 通 常 単 純 な 複 数 方 向 へ の 分 岐 か シ ン グ ル ク ロ ス が 多 い が 、 東 京 モ ノ レ ー ル 羽 田 空 港 第 2 タ ー ミ ナ ル 駅 の よ う に 、 ダ ブ ル ク ロ ッ シ ン グ を 設 け る 例 も あ る 。
常 電 導 リ ニ ア の 一 つ で あ る 、 H S S T で は 軌 道 の 設 置 方 式 に ダ ブ ル ビ ー ム 型 と シ ン グ ル ビ ー ム 型 が あ る が 、 現 在 実 用 化 さ れ て い る シ ン グ ル ビ ー ム 型 で は 、 構 造 上 モ ジ ュ ー ル ︵ 台 車 に 相 当 ︶ が 軌 道 を 抱 え 込 む 方 式 と な っ て い る た め 、 跨 座 式 モ ノ レ ー ル と 同 様 の 関 節 式 ・ も し く は 関 節 可 撓 式 の 分 岐 器 が 採 用 さ れ て い る 。
懸 垂 式 の 場 合 は 、 鉄 軌 道 の ト ン グ レ ー ル と リ ー ド レ ー ル に 相 当 す る T 形 断 面 の 可 動 レ ー ル [ 5 7 ] が 転 轍 さ せ る 支 点 を 中 心 に 可 動 し て 軌 道 を 転 轍 す る 方 式 を 採 用 し て い る 。
跨座式モノレールのシングルクロッシング分岐器、可動前の下り線と上り線が平行の状態。
跨座式モノレールのシングルクロッシング分岐器、可動中の状態。
跨座式モノレールのシングルクロッシング分岐器、可動後に上り線と下り線が接続されている状態。
懸垂式モノレールの分岐器、下りの方向に路線が開通している状態。
懸垂式モノレールの分岐器、可動レールが可動して転換中の状態。
懸垂式モノレールの分岐器、転換後、上りの方向に路線が開通している状態。
跨座式モノレールのダブルクロッシング分岐器の動作状態を表すアニメーション。
モノレールの分岐の例(大阪モノレール万博記念公園駅)。関節可撓式を採用している。
HSSTの分岐器(愛知高速交通 東部丘陵線 万博会場駅(現:愛・地球博記念公園駅))
案 内 車 輪 を 誘 導 す る レ ー ル を 用 い る 方 式 の 場 合 、 分 岐 器 が 必 要 と な る 。 仏 ‥ ト ラ ン ス ロ ー ル 社 の ト ラ ン ス ロ ー ル に お い て は 、 そ れ ぞ れ 分 岐 器 中 央 部 後 端 よ り に 支 点 を 持 つ 2 本 1 組 の 案 内 軌 条 が ず れ て 進 路 を 構 成 す る 方 式 や 、 跨 座 式 モ ノ レ ー ル の よ う に ポ イ ン ト 先 端 部 に 支 点 を 持 つ 一 本 の レ ー ル を 繋 ぎ か え る 方 式 が 用 い ら れ て い る 。 ま た 、 ク ロ ッ シ ン グ 部 で は タ ー ン テ ー ブ ル 状 の 線 路 を 用 い て 進 路 を 構 成 す る 必 要 が あ る 。
ボ ン バ ル デ ィ ア ・ ト ラ ン ス ポ ー テ ― シ ョ ン の T V R 方 式 に お い て も 同 様 な 分 岐 器 が 用 い ら れ て い る が 進 路 で な い 軌 道 が 一 部 カ バ ー に 隠 れ る 構 造 と な っ て お り 、 支 持 方 式 の 構 造 上 ク ロ ッ シ ン グ に タ ー ン テ ー ブ ル は 用 い ら れ な い 。
トランスロールの分岐器
トランスロールの分岐器(跨座式タイプ)
トランスロールのクロッシング部
TVRの分岐器
ケ ー ブ ル カ ー で は 、 丁 度 中 間 地 点 で 行 き 違 い を す る こ と に な る た め 、 そ の 前 後 に 二 又 を 設 け 、 進 行 方 向 に よ っ て 互 い に 別 の 側 に 入 る よ う に 配 線 す る 。 左 右 の 車 輪 の 片 側 は 両 フ ラ ン ジ 車 輪 、 も う 片 側 は フ ラ ン ジ な し の 厚 み の あ る 車 輪 と い う 特 殊 な 構 造 を 使 用 す る こ と で 、 分 岐 器 に 可 動 部 を な く し た も の が よ く 使 わ れ る 。
超電導リニア (JRマグレブ)の山梨実験線 では、各種方式の試験の結果、モノレールの関節可撓式に類似した「トラバーサ方式」を採用している[58] 。
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