不還
仏教用語 不還 | |
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パーリ語 | Anāgāmī |
サンスクリット語 |
अनागामिन् (IAST: Anāgāmin) |
チベット語 | ཕྱིར་མི་འོང་བ |
中国語 |
不還, 阿那含 (拼音: bùhuán , Ānàhán) |
日本語 |
不還, 阿那含 (ローマ字: fugen, anagon) |
朝鮮語 |
불환, 아나함 (RR: bulhwan, anaham) |
英語 | Non-returner |
タイ語 | อนาคามี |
ベトナム語 | Bất hoàn, A-na-hàm |
不還 ︵ふげん、巴: anāgāmi(n) アナーガーミ(ン), 梵: anāgāmin アナーガーミン, अनागामिन् , 音写 : 阿那含︵あなごん︶︶は、仏教における悟りの第三段階であり、四向四果の一つ[1]。不還向︵ふげんこう︶とは,前段の一来果を得た者が、次の不還果を得ようとして残余の修惑三品を断ちつつある位のこと。
部派仏教では五下分結︵下位の世界に結びつける五つの煩悩︶を断じた者が得る位である[2][1]。
(一)有身見︵sakkāya-diṭṭhi︶ - 五蘊を自己とみなす見解
(二)疑︵vicikicchā︶ - 疑い
(三)戒禁取︵sīlabbata-parāmāsa︶ - 誤った戒律・禁制への執着
(四)欲愛︵kāmacchando︶- 五欲への執着
(五)瞋恚︵paṭigha︶ - 怒り
倶舎論 では、欲界の修惑︵情的煩悩︶をすべて断ち切ったため、もはや欲界に戻らずに悟りに至るとする。
この位に達すると、もはや死後は人間界にもどることなく、梵天界︵初禅天︶以上の階位に上り、梵天界での死後に阿羅漢となり完全な悟りを得る[1]。