サルタ (イエメン料理)
サルタ (Saltah, アラビア語: سلتة) とは、アラビア半島南西部のイエメンの料理である。
概要[編集]
イエメンの首都サナアを中心に食べられている、大変人気のある料理である。外見はシチューか鍋料理に似ている。作り方[編集]
●マメ科の香辛料・ヘルバ︵英語でフェヌグリーク︶の種子を水に漬け、ペースト状にする。 ●骨付きの羊肉か牛肉を煮出し、具のないスープ﹁マラク﹂を作る。 ●インディカ米を差し水をしつつ煮込み、塩や脂を加えて柔らかい飯を炊く。この飯を﹁ルッズ﹂という。 ●トマト、ニンニク、塩、香辛料をミキサーにかけ、トマトペースト﹁サハーウィク﹂を作る。 これら具材が揃ったところで、マクラー︵石鍋︶を熱する。 充分に熱された石鍋にスープを少量注ぎ、鶏卵を割り入れてかき混ぜる。そこに飯、トマトペースト、肉を次々と入れ、最後にヘルバのペーストをかけて出来上がり。 薄焼きパンの一種・マルージュを使って、熱々のサルタを手食する。社会背景[編集]
かつてイエメンは、オスマン帝国の支配を受けていた。サルタは、その時期に導入された料理だとされる。 熱した石鍋を使うサルタは専門店で供される場合が多い。 しかしイエメンでは食事は家庭で摂るものとされており、さらに女性の外食は憚られる行為である。そのため、サルタ屋に出入りする者は独身男性か、食事の用意ができない男性に限られる。 なお、石鍋はイエメンの家庭ならば大抵備えられている。そのため女性は家庭料理としてサルタを味わうことができる。参考文献[編集]
- 『世界の食文化 アラブ』農文協 2007年
外部リンク[編集]
- Saltah, Very Special Yemeni Dish Yemen Times
- "Al-Saltah" the Yemeni National Dish Yemen Times