「城山町 (鹿児島市)」の版間の差分

城山町
城山町
	町丁
	西郷隆盛像
	城山町城山町城山町城山町
	北緯31度35分54.38秒東経130度33分18.68秒 / 北緯31.5984389度東経130.5551889度座標: 北緯31度35分54.38秒東経130度33分18.68秒 / 北緯31.5984389度東経130.5551889度
国	日本
都道府県	鹿児島県
市町村	鹿児島市
地域	中央地域
地区	上町地区
人口（2020年（令和2年）4月1日現在）
• 合計	1,433人
等時帯	UTC+9 (JST)
郵便番号	892-0853
市外局番	099
ナンバープレート	鹿児島
運輸局住所コード	46500-0762

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日本 > 鹿児島県 > 鹿児島市 > 城山町

城山町︵しろやまちょう^[2]︶は、鹿児島県鹿児島市の町^[3]。郵便番号は892-0853^[4]。人口は1,433人、世帯数は775世帯︵2020年4月1日現在︶^[5]。城山町の全域で住居表示を実施している^[6]。江戸時代から明治時代初期にかけて島津氏77万石の居城であり、薩摩藩の藩庁であった鹿児島城︵鶴丸城︶が所在している^[7]。1877年︵明治10年︶に勃発した西南戦争では城山に籠城した西郷隆盛らの西郷軍と明治政府の軍及び警視庁が現在の城山町付近で衝突し︵城山籠城戦︶、西郷軍の敗北によって西南戦争は終結した^[8]。城山町としては、1965年︵昭和40年︶に山下町・長田町の各一部より設置された^[3]^[9]。

地理

鹿児島市中部、甲突川の下流域に位置する。町域の北方に長田町、南方に照国町、西方には新照院町・草牟田、東方には小川町・山下町がそれぞれ接している。また、一般国道である国道3号、国道10号、国道225号及び国道225号に重複する国道226号は、城山町1番1にある照国神社前交差点をすべて終点としている。南部には島津氏77万石の居城であった鹿児島城︵鶴丸城︶跡地があり、本丸の跡地には鹿児島県歴史資料センター黎明館が、二の丸跡地には鹿児島県立図書館や鹿児島市立美術館・鹿児島県立博物館が所在している。城の北部には国の史跡及び天然記念物に指定されている城山が所在する^[10]。

山岳

●城山 - 国指定史跡・天然記念物^[11]。

町名の由来

南北朝時代の上山氏の居城、江戸時代の島津氏の居城である鹿児島城︵鶴丸城︶の後背地であり、城山と呼ばれたことに由来する^[7]。

歴史

前史

﹁城山の戦い﹂の絵図

﹁城山﹂の名前は中世に地元の豪族・上山氏が山城を築いていたことに由来する^[12]。江戸時代になり、1601年︵慶長6年︶頃には島津忠恒︵のち﹁家久﹂に改名︶は、いくつかの候補地の中から城山の麓の地を選び、内城︵現在の大竜町付近︶に代わる新しい島津氏の本拠として鹿児島城︵鶴丸城︶を築いた^[13]。

「城山 (鹿児島市城山町)」および「鹿児島城」も参照

1877年（明治10年）に勃発した西南戦争では決戦である「城山籠城戦」が現在の城山町付近で勃発し、現在も西郷軍司令部の置かれた洞窟が残っているほか、北東部には西郷軍の総大将であった西郷隆盛が自決した地を示す「南洲翁終焉之地」の碑が存在しており、「西郷隆盛終焉の地」として鹿児島市の記念物（史跡）に指定されている^[14]。

「西南戦争#城山籠城戦」も参照

城山町設置後

1965年時点の山下町の町域（青の破線）と1965年の住居表示実施後の城山町の町域（ピンク枠）の比較地図

1962年︵昭和37年︶に住居表示に関する法律が施行されたのに伴い、鹿児島市は鹿児島市街地域の住居表示に着手した^[15]。1965年︵昭和40年︶7月20日には中央地区で住居表示実施に伴い町の再編が行われ、山下町及び長田町の各一部の区域より、新たに鹿児島市の町﹁城山町﹂として設置された^[3]^[9]。

実施後	実施年	実施前
城山町（新設）	1965年（昭和40年）	山下町（一部）
城山町（新設）	1965年（昭和40年）	長田町（一部）

文化財

鹿児島港から望む城山︵史跡、天然記念物︵植物︶︶

城山町に所在している鹿児島県歴史資料センター黎明館、鹿児島市立美術館において多数の文化財指定物件を所蔵していることから、多数の文化財の所在地となっている。以下の一覧において※1は鹿児島県歴史資料センター黎明館、※2は鹿児島市立美術館所蔵の物件であることを示す。

国指定

●城山︵史跡、天然記念物︵植物︶︶ 1931年︵昭和6年︶6月3日指定^[11]。 ●大久保利通関係資料︵重要文化財︵歴史資料︶︶※1 2004年︵平成16年︶6月8日指定^[11]。大久保利通が書き残した日記、文書、遺品類、大久保利通宛の書状に加えて、利通死去後に大久保家が収集した資料群であり、大久保利通の全貌を語るものとして貴重である^[16]。 ●太刀銘国宗︵国宝︵工芸品︶︶※1 1964年︵昭和39年︶5月26日指定^[11]。照国神社所有の太刀であり、長さ81.4cm、反り2.6cmである。鎌倉時代中期に刀工国宗によって作られたものであり、島津忠重が1927年︵昭和2年︶に照国神社へ奉納したもので、第二次世界大戦後に行方不明となったが1963年︵昭和38年︶にアメリカ合衆国において発見され、照国神社に返還されたものである^[17^]。

国登録

●鹿児島県立博物館考古資料館︵登録有形文化財︵建造物︶︶ 1998年︵平成10年︶12月11日登録^[18]。 ●鹿児島県立博物館︵旧鹿児島県立図書館︶︵登録有形文化財︵建造物︶︶ 2008年︵平成20年︶4月18日登録^[19]。

県指定

●鶴丸城跡︵記念物︵史跡︶︶ 1953年︵昭和28年︶9月7日指定^[20]。 ●私学校跡石塀︵記念物︵史跡︶︶ 1968年︵昭和43年︶3月29日指定^[20]。 ●世界で初めて精子が発見されたソテツ︵天然記念物︶ 2008年︵平成20年︶4月22日指定^[21]^[20]。 ●釈迦八相之図︵有形文化財︵絵画︶︶※1 1955年︵昭和30年︶1月14日指定^[11]。 ●富嶽雲烟之図一幅︵有形文化財︵絵画︶︶※2 1967年︵昭和42年︶3月31日指定^[11]。 ●玩具コレクション︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1954年︵昭和29年︶5月24日指定^[20]。 ●刀銘薩州住藤原正房一口︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1956年︵昭和31年︶9月27日指定^[20]。 ●刀銘主馬首一平安代︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1956年︵昭和31年︶9月27日指定^[20]。 ●刀銘奥大和守平朝臣元平一口︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1978年︵昭和53年︶3月8日指定^[20]。

●刀銘一葉葵紋主馬首一平藤原安代︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1983年︵昭和58年︶4月13日指定^[20]。 ●刀銘一葉葵紋主水正藤原正清︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1983年︵昭和58年︶4月13日指定^[20]。 ●白釉茶碗火計手︵有形文化財︵工芸品︶︶※2 2011年︵平成23年︶4月19日指定^[20]。 ●黒蛇蝎釉茶碗︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 2011年︵平成23年︶4月19日指定^[20]。 ●白蛇蝎釉茶碗︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 2011年︵平成23年︶4月19日指定^[20]。 ●為政清明一幅︵有形文化財︵書跡︶︶※2 1967年︵昭和42年︶3月31日指定^[20]。 ●桑幡文書︵有形文化財︵書跡︶︶※1 1954年︵昭和29年︶3月15日指定^[20]。 ●山ノ口遺跡出土品︵有形文化財︵考古資料︶︶※1 2015年︵平成27年︶4月17日指定^[20]。 ●吉利郷惣絵図︵有形文化財︵古文書︶︶※1 2013年︵平成25年︶4月23日指定^[22]

市指定

●刀銘波平安氏︵有形文化財︵工芸品︶︶ 1977年︵昭和52年︶5月20日指定^[23]。 ●刀銘波平行周文化八年二月日︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1977年︵昭和52年︶5月20日指定^[23]。 ●刀銘薩州住藤原正盛︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1977年︵昭和52年︶5月20日指定^[23]。 ●刀銘主馬首藤原朝臣安代子一平安在作︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1977年︵昭和52年︶5月20日指定^[23]。 ●刀銘大和守波平安行︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1977年︵昭和52年︶5月20日指定^[23]。 ●短刀銘波平友安作﹁八月吉日﹂︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1980年︵昭和55年︶5月28日指定^[23]。 ●刀銘波平近安︵有形文化財︵工芸品︶︶※1 1983年︵昭和58年︶4月12日指定^[23]。 ●西郷隆盛洞窟︵記念物︵史跡︶︶ 1974年︵昭和49年︶3月15日指定^[14]。 ●西郷隆盛終焉の地︵記念物︵史跡︶︶ 1974年︵昭和49年︶3月15日指定^[14]。 ●坐︵座︶禅石︵記念物︵史跡︶︶ 1977年︵昭和52年︶5月20日指定^[14]。

●黒田清輝作﹁アトリエ﹂︵有形文化財︵絵画︶︶※2 1974年︵昭和49年︶3月15日指定^[23]。 ●黒田清輝作﹁桜島噴火連作6点﹂︵有形文化財︵絵画︶︶※2 1974年︵昭和49年︶3月15日指定^[23]。 ●八田知紀筆﹁竹﹂︵有形文化財︵絵画︶︶※2 1974年︵昭和49年︶3月15日指定^[23]。 ●藤島武二作﹁裸體習作﹂︵有形文化財︵絵画︶︶※2 1977年︵昭和52年︶5月20日指定^[23]。 ●藤島武二作﹁中国風景﹂︵有形文化財︵絵画︶︶※2 1977年︵昭和52年︶5月20日指定^[23]。 ●和田英作作﹁赤い燐寸﹂︵有形文化財︵絵画︶︶※2 1977年︵昭和52年︶5月20日指定^[23]。 ●有島生馬作﹁スザンナ﹂︵有形文化財︵絵画︶︶※2 1980年︵昭和55年︶5月28日指定^[23]。 ●有島生馬作﹁巴里娘﹂︵有形文化財︵絵画︶︶※2 1980年︵昭和55年︶5月28日指定^[23]。 ●桃田柳栄筆﹁官女図巻﹂一巻︵有形文化財︵絵画︶︶※2 1991年︵平成3年︶2月27日指定^[23]。 ●天保年間鹿児島城下絵図︵有形文化財︵歴史資料︶︶※2 1989年︵平成元年︶3月31日指定^[23]。 ●市来家文書︵有形文化財︵歴史資料︶︶※1 2005年︵平成17年︶3月31日指定^[23]。

鹿児島城（鶴丸城）跡
私学校跡
西南戦争で西郷軍が最後に立て籠もった西郷洞窟
西南戦争西郷軍最後の進軍路
南洲翁（西郷隆盛）終焉之地

人口

以下の表は国勢調査による小地域集計が開始された1995年以降の城山町の人口の推移である。

統計年		人口
1995年（平成7年）	^[24]	884
2000年（平成12年）	^[25]	828
2005年（平成17年）	^[26]	1,109
2010年（平成22年）	^[27]	1,175
2015年（平成27年）	^[28]	1,303

施設

公共

鹿児島県歴史資料センター黎明館（1983年（昭和58年）開館）^[29]
鹿児島県立図書館^[30]
鹿児島県立博物館^[31]
- 考古資料館
鹿児島市立美術館（1954年（昭和29年）開館）^[32]
かごしま近代文学館・鹿児島メルヘン館（1998年（平成10年）1月29日開館）^[33]
城山公園
国立病院機構鹿児島医療センター

教育

つくし保育園

その他

西郷隆盛像
薩摩義士碑

小・中学校の学区

市立小・中学校に通う場合、学区（校区）は以下の通りとなる^[34]。

町丁	番・番地	小学校	中学校
城山町	全域	鹿児島市立名山小学校	鹿児島市立長田中学校

交通

中央公園から望む国道10号と城山町

道路

一般国道 ●国道3号 ●国道10号 ●国道58号なお、同町の街路が﹁ガス燈のともる歴史と文化の道﹂で、平成2年度手づくり郷土賞︵街灯のある街角︶受賞。

脚注

[脚注の使い方]

(一)^ “自動車登録関係コード検索システム”. 国土交通省. 2021年4月26日閲覧。 (二)^ “鹿児島市の町名”. 鹿児島市. 2020年11月2日閲覧。 (三)^ ^a ^b ^c﹁角川日本地名大辞典﹂編纂委員会 1983, p. 360. (四)^ “鹿児島県鹿児島市城山町の郵便番号”. 日本郵便. 2021年2月6日閲覧。 (五)^ “年齢︵5歳階級︶別・町丁別住民基本台帳人口︵平成27～令和2年度︶”. 鹿児島市 (2020年4月1日). 2020年5月8日閲覧。 (六)^ “住居表示実施区域町名一覧表”. 鹿児島市 (2020年2月3日). 2020年6月28日閲覧。 (七)^ ^a ^b﹁角川日本地名大辞典﹂編纂委員会 1983, p. 686. (八)^ ^a ^b鹿児島市史編さん委員会 1969, p. 666. (九)^ ^a ^b“かごしま市政だより︵昭和40年6月号︶” (PDF). 鹿児島市 (1965年6月20日). 2020年7月26日閲覧。 (十)^ 鹿児島市史編さん委員会 1970, p. 1098. (11)^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f鹿児島市 2020, p. 2. (12)^ ﹁角川日本地名大辞典﹂編纂委員会 1983, p. 359. (13)^ 鹿児島市史編さん委員会 1969, p. 319. (14)^ ^a ^b ^c ^d鹿児島市 2020, p. 5. (15)^ 鹿児島市史編さん委員会 1970, p. 742. (16)^ “大久保利通関係資料”. 国指定文化財等データベース︵文化庁︶. 2021年2月6日閲覧。 (17)^ “太刀銘国宗一口”. 鹿児島県. 2021年2月6日閲覧。 (18)^ 鹿児島市 2020, p. 6. (19)^ 鹿児島市 2020, p. 7. (20)^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ ^o鹿児島市 2020, p. 3. (21)^ 南日本新聞 2015, p. 1067. (22)^ “吉利郷惣絵図”. 鹿児島県. 2021年2月6日閲覧。 (23)^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ ^o ^p ^q ^r鹿児島市 2020, p. 4. (24)^ “国勢調査 / 平成7年国勢調査　小地域集計 / 小地域集計46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年2月6日閲覧。 (25)^ “国勢調査 / 平成12年国勢調査 / 小地域集計46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年2月6日閲覧。 (26)^ “国勢調査 / 平成17年国勢調査 / 小地域集計46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年2月6日閲覧。 (27)^ “国勢調査 / 平成22年国勢調査 / 小地域集計46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年2月6日閲覧。 (28)^ “国勢調査 / 平成27年国勢調査 / 小地域集計46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年2月6日閲覧。 (29)^ 南日本新聞 2015, p. 1043. (30)^ “県立図書館”. 鹿児島県. 2021年2月6日閲覧。 (31)^ “アクセス︵県立博物館︶”. 鹿児島県. 2021年2月6日閲覧。 (32)^ 南日本新聞 2015, p. 1038. (33)^ 南日本新聞 2015, p. 1036. (34)^ “小・中学校の校区︵学区︶表”. 鹿児島市役所. 2020年9月26日閲覧。

参考文献

●鹿児島市史編さん委員会﹃鹿児島市史Ⅰ﹄ 1巻、鹿児島市、1969年2月28日。, Wikidata Q111372666 ●鹿児島市史編さん委員会﹃鹿児島市史Ⅱ﹄ 2巻、鹿児島市、1970年3月25日。, Wikidata Q111372706 ●南日本新聞﹃鹿児島市史Ⅳ﹄ 4巻、鹿児島市、1990年3月15日。, Wikidata Q111372875 ●南日本新聞﹃鹿児島市史Ⅴ﹄ 5巻、鹿児島市、2015年3月27日。, Wikidata Q111372912 ●﹁角川日本地名大辞典﹂編纂委員会﹁角川日本地名大辞典46鹿児島県﹂﹃角川日本地名大辞典﹄第46巻、角川書店、日本、1983年3月1日。ISBN 978-4-04-001460-9。, Wikidata Q111291392 ●“鹿児島市内の指定文化財等一覧表”. 鹿児島市 (2020年4月1日). 2020年11月8日閲覧。

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 :* [[国道10号]]
 :* [[国道58号]]
+なお、同町の街路が「ガス燈のともる歴史と文化の道」で、平成２年度[[手づくり郷土賞]]（街灯のある街角）[https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/tedukuri/list/pref/list_46kagoshima.html 受賞]。
 == 関連する人物 ==