やまと号
やまと号 ︵やまとごう︶は、奈良交通を中心に運行される、奈良県と首都圏を結ぶ夜行高速バス路線である。
1989年には首都圏の他に福岡市内への路線も運行を開始したが、2000年に奈良 - 福岡、2007年に奈良 - 大宮の運行が廃止された。
夜行バスで愛称を設定する場合、路線毎に異なる愛称を設定する場合が多いが、奈良交通の場合はすべての路線が﹁やまと号﹂という愛称で統一されている。共同運行相手の会社でも﹁やまと号﹂として案内している。これは他のバス事業者でも散見される︵阪神バスの﹁サラダエクスプレス﹂、神姫バスの﹁プリンセスロード﹂、南海バスの﹁サザンクロス﹂など︶。
なお、本項では歴史的につながりのある近鉄バスの高速バス路線であるサテライト号についても記述する。
運行会社[編集]
●奈良 - 新宿線・五條 - 新宿線‥奈良交通・関東バス ●奈良 - 千葉線‥奈良交通・京成バス ●サテライト号‥近鉄バス過去の運行会社[編集]
●西日本鉄道︵奈良 - 福岡線︶ ●国際興業バス︵大阪・奈良 - 埼玉線︶ ●神奈川中央交通→湘南神奈交バス︵神奈川中央交通系列︶→横浜神奈交バス︵同︶︵奈良 - 横浜線︶運行系統[編集]
奈良 - 新宿線、五條 - 新宿線[編集]
奈良 - 横浜・千葉線[編集]
サテライト号[編集]
過去の運行路線[編集]
大阪・奈良 - 埼玉線[編集]
奈良 - 福岡線[編集]
概要
1989年に運行開始。有名観光地であると同時に大阪のベッドタウンでもある奈良と九州最大の都市である福岡を結ぶルートとして開設され、潜在需要を期待されたものの、奈良から福岡への移動は近鉄奈良線やJR大和路線などで大阪に一旦出た方が利便性が良く運賃面でも有利なため、この路線の利用は思ったほど伸びなかった。さらに薬師寺や天理教関連行事の有無で乗客数の差が著しく、また西日本鉄道の夜行高速バス路線再編の影響もあり2000年3月30日に廃止された。
中国自動車道において冬期に路面凍結防止で散布される塩化カルシウムによる塩害でバスが早期に傷んでしまうという事態に悩まされていた。天理教信者による需要については少子高齢化、ライフスタイルの変化などが理由でおぢばがえりをする信者が減少したため、利用者も激減した。同じ理由で高知からの昼行高速バスが運行休止になった。
運行経路
近鉄奈良駅 - JR奈良駅︵福岡発のみ︶ - 天理駅 - 筒井駅 - 法隆寺バスセンター - 高速門司港 - 小倉駅 - 砂津 - 引野口 - 博多駅交通センター - 西鉄天神バスセンター
奈良 - 横浜線[編集]
概要
1989年︵平成元年︶2月28日運行開始[11]。
当初は神奈川中央交通が運行担当していた[11]が、のちに湘南神奈交バス→横浜神奈交バスに変更された。
2008年9月30日に廃止され、翌10月1日から奈良 - 千葉線に路線編入された。これにより、本厚木 - 横浜間のルートで完全に飛び出る形となっていた町田バスセンターは通過となり、変更後は町田バスセンターと上大岡駅以南へは停車しなくなった。
なお神奈川中央交通は撤退後も、発券などの販売業務は引き続き行っていたが、高速バス予約センターの業務終了に伴い乗車券発売も行わなくなった。
運行経路
五位堂駅 - 上牧町役場前 - 片岡台三丁目 - 王寺駅 - 法隆寺バスセンター - 矢田山町 - 近鉄郡山駅 - JR奈良駅 - 近鉄奈良駅 - 天理駅 - 大和高原都祁︵道の駅針T・R・S内︶ - 大和高原山添 - 本厚木駅 - 町田バスセンター︵町田駅︶ - 横浜駅東口 - 上大岡駅 - 港南台駅 - 本郷車庫
沿革[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
●1988年︵昭和63年︶8月6日‥ 奈良 - 新宿線運行開始[1]。関東バスと共同運行[1]。
●1989年︵平成元年︶
●2月28日‥ 奈良 - 横浜線運行開始[11]。神奈川中央交通と共同運行[11]。
●6月1日‥ 大和高田 - 新宿線運行開始[2]。関東バスと共同運行[2]。
●8月3日‥ 奈良 - 大宮線運行開始[10]。国際興業と共同運行[10]。
●10月5日‥ 奈良 - 千葉線運行開始。京成電鉄と共同運行。
●11月15日‥ ﹁サテライト号﹂運行開始[8]。
●12月19日‥ 奈良 - 福岡線運行開始。西日本鉄道と共同運行。
●1991年︵平成3年︶
●3月25日‥ 大和高田 - 新宿線を近鉄高田駅 - 五條バスセンター間延長。奈良 - 横浜線を近鉄奈良駅 - 五位堂駅間、及び横浜駅 - 本郷車庫間延長。
●4月12日‥ 奈良 - 大宮線を近鉄奈良駅 - 生駒駅間延長。
●6月21日‥ 奈良 - 千葉線を近鉄奈良駅 - 学研都市田辺︵新田辺駅︶間延長。
●1996年︵平成8年︶4月‥ ﹁サテライト号﹂が京都駅経由に変更。
●1997年︵平成9年︶
●6月30日‥ ﹁サテライト号﹂を休止。
●10月16日‥ ﹁サテライト号﹂利用客の救済的意味合いを含めて奈良 - 大宮線を近鉄奈良駅 - 大阪︵あべの橋︶間延長し、大阪・奈良 - 大宮線とする。近鉄奈良駅 - 生駒駅間は廃止。事実上、サテライト号の統合。
●1999年︵平成11年︶5月10日‥ 奈良 - 新宿線・五條 - 新宿線の東京側の運行会社が関東バスから子会社のケイビーバスに変更。
●2000年︵平成12年︶
●3月30日‥ 奈良 - 福岡線運行休止︵のち廃止︶。
●6月28日‥ ﹁サテライト号﹂が正式に廃止︵近鉄バス︶。
●2001年︵平成13年︶
●3月31日‥ 大阪・奈良 - 大宮線をあべの橋 - ユニバーサル・スタジオ・ジャパン間延長。
●6月1日‥ 奈良 - 千葉線を区間短縮、JR奈良駅 - 学研都市田辺間、及び海浜幕張駅 - 千葉中央駅間廃止。
●2007年︵平成19年︶2月28日‥ 大阪・奈良 - 埼玉線廃止。国際興業の関西方面路線完全撤退。
●2008年︵平成20年︶
●8月6日‥奈良 - 新宿線が開業20周年を迎えるのに合わせてキャンペーンを実施、同日乗車分の大人片道運賃を4,200円とする。また、同年9月1日から10月9日までは大人片道運賃が6,400円だった。
●9月30日‥ 奈良 - 横浜線廃止、翌10月1日から奈良 - 千葉線を統合すると共に、同路線の経路を本厚木・横浜経由に変更。
●2009年︵平成21年︶11月1日‥ 奈良 - 新宿線・五條 - 新宿線の東京側の運行会社がケイビーバスから親会社の関東バスに再変更。
●2012年︵平成24年︶6月18日‥ 奈良 - 千葉線を東京スカイツリータウン前︵浅草通り沿い︶停車に変更。
●2020年︵令和2年︶
●3月16日‥新型コロナウイルス感染拡大の影響により、奈良 - 千葉線をこの日の出発便より当面の間運休[12][13]。
●4月6日‥新型コロナウイルス感染拡大の影響により、奈良 - 新宿線・五條 - 新宿線をこの日の出発便より当面の間運休[14][15]。
●2021年︵令和3年︶12月15日‥夜間に奈良地区より五條 - 新宿線へ接続する連絡バスの運行を開始。︵2022年1月24日~4月27日の間運休、翌28日より運行再開︶
●2022年︵令和4年︶
●4月27日‥コロナ禍による影響を受けて運休していた奈良 - 千葉線、奈良 - 横浜線の運行を再開[6]。
●4月28日‥同じく運休していた五條 - 新宿線の運行を再開[16]。
●2023年
●2月23日 - 再びサテライト号の運行を開始。
●10月1日 - 奈良 - 横浜・千葉線が再び運休[17]。
Wi-Fi対応ステッカー
●三菱ふそう・エアロキング︵2階建バス、新宿 - 五條線︶
●日野・セレガ/セレガR︵ハイデッカー、新宿 - 五條線を含む各路線︶
●かつてはスーパーハイデッカー︵日野・グランデッカー︶が用いられ、2-1列のシート配置を採用していた。西日本鉄道と共同運行していた奈良 - 福岡線開設時から独立3列シートを装備した車両も登場している。2000年以降利用者の多い奈良 - 新宿線には2階建てバスを充当しているが、続行便やその他路線は導入費用などが安価なハイデッカーを充当している。旧タイプであるセレガRのハイデッカーはトイレなどの設備を車両後部に設置︵スーパーハイデッカーの場合は中央床下︶したが、定員を減らさなかったため、座席間隔が狭くなっている。新型セレガハイデッカーについてはトイレ・仮眠室などの設備を中央床下に配置しているため座席間隔を犠牲にしていない。
●車内設備
●トイレ
●車内サービス
●飲物、おしぼり、毛布、スリッパ、コンセント、wi-fi
車両[編集]
奈良交通かつて奈良交通で運行されていたダブルデッカー車
備考[編集]
奈良交通は﹁やまと号﹂を運行する一方でWILLER GROUPが運行している高速路線バスの続行便を担当することがある︵運行受委託契約︶。また、ツアーバス時代には繁忙期を中心にWILLER TRAVELが主催する夜行ツアーの格安便を担当していた。このような縁から、WILLER TRAVELでもやまと号の販売が行われている。
脚注[編集]
(一)^ abc“高速バス時代が本格到来”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1989年4月20日)
(二)^ abc“新宿-大和高田 夜行高速バス 来月1日から運行”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1989年5月28日)
(三)^ “︻やまと号︼関東バス便スカニア社製2階建てバス運行のお知らせ”. 関東バス (2021年11月22日). 2023年4月7日閲覧。
(四)^ “︻やまと号︼京王プラザホテルバス停休止のお知らせ”. 関東バス (2023年3月1日). 2023年4月7日閲覧。
(五)^ “ニュースリリース|奈良交通”. www.narakotsu.co.jp. 2022年1月29日閲覧。
(六)^ ab﹃夜行高速バスやまと号﹁﹃東京ディズニーリゾート﹄・横浜線﹂の運行再開および路線の再編について―令和4年4月27日︵水︶より―﹄︵プレスリリース︶奈良交通株式会社、2022年4月4日。 オリジナルの2022年4月12日時点におけるアーカイブ。2022年4月12日閲覧。
(七)^ "夜行高速バス やまと号﹁奈良~横浜・京成上野・﹃東京ディズニーリゾート®﹄﹂線の運休について―令和5年10月1日︵日︶より―" (Press release). 奈良交通. 31 August 2023.
(八)^ ab“近鉄など6社の三系統 高速バスを免許”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1989年11月1日)
(九)^ 夜行新路線﹁池袋・さいたま新都心・大宮行き﹂の運行を開始いたします!
(十)^ abc“高速バス4路線開設 運輸省が免許”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1989年7月19日)
(11)^ abcd“二高速バス事業免許”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1989年2月3日)
(12)^ “京成高速バス 運行情報” (PDF). 京成バス. 2020年4月14日閲覧。
(13)^ “︻運休期間延長︼新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う夜行高速バス﹁やまと号﹂奈良‐横浜・京成上野・﹁東京ディズニーリゾート®﹂線の運休について―令和2年3月16日︵月︶より―”. 奈良交通 (2020年3月27日). 2020年4月14日閲覧。
(14)^ “︻運休 夜行高速乗合バス︼運休のお知らせ2020.04.10”. 関東バス (2020年4月10日). 2020年4月14日閲覧。
(15)^ “︻運休期間延長︼新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う夜行高速バスやまと号﹁奈良新宿線﹂・﹁五條新宿線﹂の運休について―令和2年4月6日︵月︶より―”. 奈良交通 (2020年4月10日). 2020年4月14日閲覧。
(16)^ ﹃夜行高速バスやまと号﹁五條新宿線﹂および連絡バスの運行について―令和4年4月28日︵木︶より―﹄︵プレスリリース︶奈良交通株式会社、2022年4月4日。 オリジナルの2022年4月4日時点におけるアーカイブ。2022年4月12日閲覧。
(17)^ "夜行高速バス﹁奈良線﹂の運休について︻10/1~︼" (Press release). 京成バス. 31 August 2023.
外部リンク[編集]
- 高速夜行バス「やまと号」 - 奈良交通
- 夜行高速乗合バス やまと号 - 関東バス
- 奈良~横浜・上野・東京スカイツリータウン前・「東京ディズニーリゾート®」 - 京成バス