コンテンツにスキップ

「ヒマワリ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
履歴の双方向閲覧
← 古い編集
削除された内容 追加された内容
ビジュアルウィキテキスト
→‎関連項目: +スプラウト
 
(30人の利用者による、間の42版が非表示)
1行目: 1行目:

{{Otheruses}}

{{Otheruses}}

{{生物分類表

{{生物分類表

| 名称 = ヒマワリ

|名称=ヒマワリ

| 色 = lightgreen

|色=lightgreen

| 画像 = [[File:20180729 1018 słonecznik 4501 DxO.jpg|250px]]

|画像=[[画像:20180729 1018 słonecznik 4501 DxO.jpg|250px]]

| 界 = [[植物界]] {{Sname||Plantae}}

|界=[[植物界]] {{Sname||Plantae}}

| 門階級なし = [[被子植物]] {{Sname||Angiosperms}}

|門階級なし=[[被子植物]] {{Sname||Angiosperms}}

| 綱階級なし = [[真正双子葉類]] {{Sname||Eudicots}}

|綱階級なし=[[真正双子葉類]] {{Sname||Eudicots}}

| 亜綱階級なし = [[キク類]] {{Sname||Asterids}}

|亜綱階級なし=[[キク類]] {{Sname||Asterids}}

| 目 = [[キク目]] {{Sname||Asterales}}

|目=[[キク目]] {{Sname||Asterales}}

| 科 = [[キク科]] {{Sname||Asteraceae}}

|科=[[キク科]] {{Sname||Asteraceae}}

| 亜科 = [[キク亜科]] {{Sname||Asteroideae}}

|亜科=[[キク亜科]] {{Sname||Asteroideae}}

| 属 = [[ヒマワリ属]] {{Snamei||Helianthus}}

|属=[[ヒマワリ属]] {{Snamei||Helianthus}}

| 種 = '''ヒマワリ''' ''H. annuus''

|種='''ヒマワリ''' {{Snamei|H. annuus}}

|学名={{Snamei||Helianthus annuus}} {{AU|L.}} {{small|([[1753年|1753]])}}<ref name="YList">{{YList|id=5193|taxon=Helianthus annuus L.　ヒマワリ（標準）|accessdate=2023-03-29}}</ref>

| 学名 = ''Helianthus annuus'' [[カール・フォン・リンネ|L.]]

| 和名 = ヒマワリ（向日葵）

|和名=ヒマワリ

| 英名 = Sunflower

|英名=[[:w:Common sunflower|Sunflower]]

}}

}}



'''ヒマワリ'''︵'''向日葵'''、[[学名]]‥''Helianthus annuus''︶は[[キク科]]の[[一年草]]の植物である。花は黄色で、種は[[食用]]となる。'''日廻り'''や'''日回り'''と表記されることもあり、また、'''ニチリンソウ'''︵日輪草︶、'''ヒグルマ'''︵日車︶、'''ヒグルマソウ'''︵日車草︶、'''ヒマワリソウ'''︵日回り草︶、'''サンフラワー'''︵[[英語|英]]:Sunflower︶、'''ソレイユ'''︵[[フランス語|仏]]:Soleil‥太陽︶とも呼ばれる<ref>{{Cite web |url=http://www.weblio.jp/content/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%82%AC%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%A4 |title=日向葵 |accessdate=2016-8-22|date=2016-8-22 |work=季語・季題辞典 |publisher=[[日外アソシエーツ]]、[[weblio]]}} {{ja icon}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/%E5%90%91%E6%97%A5%E8%91%B5-612435#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88 |title=ひまわり︻向日葵︼ |accessdate=2016-8-22 |date=2016-8-22 |work=[[大辞林|大辞林 第三版]] |publisher=[[三省堂]]、[[コトバンク]]}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/%E5%90%91%E6%97%A5%E8%91%B5-612435#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 |title=ひ‐まわり︹‐まはり︺︻向＝日＝葵／日回り︼ |accessdate=2016-8-22 |date=2016年4月 |work=[[デジタル大辞泉]] |publisher=[[小学館]]、[[コトバンク]]}} {{ja icon}}</ref>。

'''ヒマワリ'''︵向日葵、[[学名]]: {{snamei|Helianthus annuus}}︶は、[[キク科]]の[[一年草]]の植物である。花は黄色で、種は[[食用]]となる。'''日廻り'''や'''日回り'''と表記されることもあり、また、'''コウジツキ'''︵向日葵︶、'''ニチリンソウ'''︵日輪草︶、'''ヒグルマ'''︵日車︶、'''ヒグルマソウ'''︵日車草︶、'''ヒマワリソウ'''︵日回り草︶、'''サンフラワー'''︵{{lang-en-short|Sunflower}}︶、'''ソレイユ'''︵{{lang-fr-short|Soleil}}‥太陽︶とも呼ばれる<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.weblio.jp/content/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%82%AC%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%A4|title=日向葵|accessdate=2023-03-05|date=2016-8-22|work=季語・季題辞典 |publisher=[[日外アソシエーツ]]、[[weblio]]}}</ref><ref>{{Cite Kotobank|word=向日葵|encyclopedia=[[大辞泉]]|accessdate=2023-03-05}}</ref>。



種実を[[食用]]や油糧とするため、あるいは[[花]]を{{ruby|[[花卉]]|かき}}として[[観賞]]するために広く[[栽培]]される。また、ヒマワリは[[夏]]の[[季語]]でもある。[[ロシア]]と[[ペルー]]の[[国花]]になっている。

種実を[[食用]]や油糧とするため<ref name="genrejaponica">{{cite book |和書 | chapter=| author=[[小林義雄 (菌類学者)|小林義雄]] | title=[[万有百科大事典]] 19 植物 | year=1972 | 発行所=[[小学館]] | editor=[[相賀徹夫]] }}</ref>、あるいは[[花]]を{{読み仮名|[[花卉]]|かき}}として[[観賞]]するために広く[[栽培]]される。また、ヒマワリは[[夏]]の[[季語]]でもある。[[ロシア]]と[[ウクライナ]]、[[ペルー]]の[[国花]]になっている。



[[カール・フォン・リンネ|リンネ]]の﹃{{仮リンク|植物の種|en|Species Plantarum}}﹄([[1753年]]) で記載された植物種の一つである<ref>{{Cite book|last=Linnaeus|first=Carolus|year=1753|title=Species Plantarum|location=Holmia[Stockholm]|publisher=Laurentius Salvius|page=904|url=https://www.biodiversitylibrary.org/page/358925|ref=harv|language=la}}</ref>。

[[カール・フォン・リンネ|リンネ]]の﹃[[植物の種]]﹄([[1753年]]) で記載された植物種の一つである<ref>{{Cite book|last=Linnaeus|first=Carolus|year=1753|title=Species Plantarum|location=Holmia[Stockholm]|publisher=Laurentius Salvius|page=904|url=https://www.biodiversitylibrary.org/page/358925|ref=harv|language=la}}</ref>。


== 特徴 ==

== 特徴 ==

原産地は[[北アメリカ]]。高さ3mくらいまで成長し、夏から秋にかなり大きな[[黄色]]の花を咲かせる。また、ヒマワリの花の色の濃い部分はやや[[赤]]みがかった[[黄色]]([[黄金色|黄金]]っぽい[[黄色]])をしている。

原産地は、[[北アメリカ]]。高さ3mくらいまで成長し、夏から秋にかなり大きな[[黄色]]の花を咲かせる。また、ヒマワリの花の色の濃い部分はやや[[赤]]みがかった[[黄色]]([[黄金色|黄金]]っぽい[[黄色]])をしている。


花弁は大きな1つの花のように見えるが、実際は'''[[頭状花序]]'''と呼ばれ、多数の花が集まって1つの花の形を形成している。これは、キク科の植物に見られる特徴である。外輪に黄色い花びらをつけた花を'''「舌状花」'''、内側の花びらがない花を'''「筒状花」'''と区別して呼ぶ場合がある。

[[花弁]]は大きな1つの花のように見えるが、実際は'''[[頭状花序]]'''と呼ばれ、多数の花が集まって1つの花の形を形成している。これは、キク科の植物に見られる特徴である。外輪に黄色い花びらをつけた花を'''「舌状花」'''、内側の花びらがない花を'''「筒状花」'''と区別して呼ぶ場合がある。



和名の由来は、[[太陽]]の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたことから。ただしこの動きは生長に伴うものであるため、実際に太陽を追って動くのは生長が盛んな若い時期だけである。若いヒマワリの茎の上部の葉は太陽に正対になるように動き、朝には東を向いていたのが夕方には西を向く。日没後はまもなく起きあがり、夜明け前にはふたたび東に向く。この運動はつぼみを付ける頃まで続くが、つぼみが大きくなり花が開く頃には生長が止まるため動かなくなる。その過程で日中の西への動きがだんだん小さくなるにもかかわらず夜間に東へ戻る動きは変わらないため、完全に開いた花は基本的に[[東]]を向いたままほとんど動かない。なお、これは茎頂に一つだけ花をつける品種が遮るもののない日光を受けた場合のことであり、多数の花をつけるものや日光を遮るものがある場所では必ずしもこうはならない。

和名﹁向日葵﹂の由来は、[[太陽]]の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたことから。ただしこの動きは生長に伴うものであるため、実際に太陽を追って動くのは生長が盛んな若い時期だけである。若いヒマワリの茎の上部の葉は太陽に正対になるように動き、朝には東を向いていたのが夕方には西を向く。日没後はまもなく起きあがり、夜明け前にはふたたび東に向く。この運動はつぼみを付ける頃まで続くが、つぼみが大きくなり花が開く頃には生長が止まるため動かなくなる。その過程で日中の西への動きがだんだん小さくなるにもかかわらず夜間に東へ戻る動きは変わらないため、完全に開いた花は基本的に東を向いたままほとんど動かない。なお、これは茎頂に一つだけ花をつける品種が遮るもののない日光を受けた場合のことであり、多数の花をつけるものや日光を遮るものがある場所では必ずしもこうはならない。

ヒマワリの種は螺旋状に並んでおり、螺旋の数を数えていくと[[フィボナッチ数]]が現れる{{Efn|螺旋の数が多い場合、中心から離れると螺旋の隙間にも種ができてしまうため、途中から枝分かれしてフィボナッチ数にならないこともある<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.fbs-osaka-kondolabo.net/post/fibonacchi|title=全ての植物をフィボナッチの呪いから救い出す|author=[[近藤滋]]|publisher=[[大阪大学]]大学院生命機能研究科

パターン形成研究室|accessdate=2022-07-16|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210815012014/https://www.fbs-osaka-kondolabo.net/post/fibonacchi|archivedate=2021-08-15}}{{リンク切れ|date=2023-03}}</ref>。}}。


種は長卵形でやや平たい。種皮色は油料用品種が黒色であり、食用や観賞用品種には長軸方向に[[黒]]と[[白]]の縞模様がある。

種は長卵形でやや平たい。種皮色は油料用品種が黒色であり、食用や観賞用品種には長軸方向に[[黒]]と[[白]]の縞模様がある。

<gallery>

Helianthus annuus capitulum.jpg|[[頭状花序]]。左から[[筒状花]]のつぼみ、[[筒状花]]、[[舌状花]]

{| class="wikitable"

A Field of Sunshine (2162456862).jpg|[[太陽]]の動きを追うといわれるが、追うのは生長が盛んな若い時期だけ

|-

Helianthus whorl.jpg|ヒマワリの種は螺旋状に並んでおり、螺旋の数を数えていくとフィボナッチ数が現れる<ref>{{Cite video|和書|url=https://www.youtube.com/watch?v=1BdfT_ix6NI|title=自然にひそむ数と形　（１）不思議な数列|medium=[[YouTube]]|authors=サイエンスチャンネル|publisher=[[科学技術振興機構]]|date=2013-12-17|time=2m35s|accessdate=2023-03-05}}</ref>

|[[File:Helianthus annuus capitulum.jpg|x180px]]

</gallery>

|[[File:A Field of Sunshine (2162456862).jpg|x180px]]

|-

| 頭状花序<br>

左から筒状花のつぼみ、筒状花、舌状花

|[[太陽]]の動きを追うといわれるが、<br>

追うのは生長が盛んな若い時期だけ

|}


== 歴史 ==

== 歴史 ==

[[File:ヒマワリP8070012.jpg|thumb|200px|小輪ヒマワリ]]

[[画像:ヒマワリP8070012.jpg|thumb|小輪ヒマワリ]]

ヒマワリの原産地は北アメリカ大陸西部であると考えられている。既に[[紀元前]]から[[インディアン]]の食用作物として重要な位置を占めていた。[[1510年]]、[[スペイン]]人がヒマワリの種を持ち帰り、[[マドリード]]植物園で栽培を開始した。マドリード植物園は[[ダリア]]や[[コスモス]]が最初に栽培されたことでも有名である。

ヒマワリの原産地は北アメリカ大陸西部であると考えられている。既に[[紀元前]]から[[アメリカ先住民]]の食用作物として重要な位置を占めていた。[[1510年]]、[[スペイン]]人がヒマワリの種を持ち帰り、[[マドリード]]植物園で栽培を開始した。マドリード植物園は[[ダリア]]や[[コスモス]]が最初に栽培されたことでも有名である。


ヒマワリが[[スペイン]]国外に持ち出されるまで100年近くを要し、ようやく[[17世紀]]に至り[[フランス]]、次に[[ロシア]]に伝わった。ロシアに到達してはじめて、その種子に大きな価値が認められた。


[[正教会]]は[[エルサレム入城の日|聖枝祭]]前の6週間を[[大斎 (東方正教会)|大斎]]とし<ref name="cheat">[[山北篤]]『現代知識チートマニュアル』（新紀元社、2007年、ISBN 978-4775314951）{{要ページ番号|date=2018-08-25}}</ref>、食物品目の制限による[[正教会#斎（ものいみ）について|斎]]（ものいみ）を行う。[[19世紀]]の初期にはほとんど全ての油脂食品が禁止食品のリストに載っていた。しかしヒマワリは教会の法学者に知られていなかったのか、そのリストにはなかったのである。こうした事情から、[[正教徒]]の多いロシア人たちは教会法と矛盾なく食用可能なヒマワリ種子を煎って[[常食]]としたのであった<ref name=cheat /> 。その後、[[19世紀]]半ばには民衆に普及し、ロシアが食用ヒマワリ生産の世界の先進国となったのであった。

ヒマワリが[[スペイン]]国外に持ち出されるまで100年近くを要し、ようやく[[17世紀]]に至り[[フランス]]、次に[[ロシア]]に伝わった。ロシアに到達してはじめて、その種子に大きな価値が認められた。<br/>

[[正教会]]は聖枝祭前の6週間を[[大斎 (東方正教会)|大斎]]とし<ref name="cheat"> [[山北篤]]『現代知識チートマニュアル』（新紀元社、2007年、ISBN 978-4775314951）{{要ページ番号|date=2018-08-25}}</ref>、食物品目の制限による[[正教会#斎（ものいみ）について|斎]]（ものいみ）を行う。[[19世紀]]の初期にはほとんど全ての油脂食品が禁止食品のリストに載っていた。しかしヒマワリは教会の法学者に知られていなかったのか、そのリストにはなかったのである。こうした事情から、[[正教徒]]の多いロシア人たちは教会法と矛盾なく食用可能なヒマワリ種子を煎って[[常食]]としたのであった<ref name="cheat" /> 。その後、[[19世紀]]半ばには民衆に普及し、ロシアが食用ヒマワリ生産の世界の先進国となったのであった。



[[日本]]には、ヨーロッパから中国へ伝わった後、1660年代後半に伝来した。﹃[[訓蒙図彙]]﹄には﹁丈菊、俗に言ふてんがいくわ︵天蓋花︶、一名迎陽花︵げいようくわ︶﹂として載っていて、その後﹁日廻り︵ひまわり︶﹂から﹁向日葵︵ひまわり︶﹂︵[[標準中国語|現代中国語]]名‥[[:zh:向日葵|向日葵]]︶と呼ばれるようになり、1700年ごろには﹁ひまわり﹂が定着した。<ref>[https://www.i879.com/sunflower/column/03/ ひまわりの歴史◆名前の由来と神話︵インターネット花キューピッド︶]</ref>

[[日本]]には[[17世紀]]に伝来している。


== 生産 ==

== 生産 ==
57行目: 55行目:

OIL WORLD誌の統計によるとヒマワリの種子生産量は2006/07年産、油料用植物として[[ダイズ|大豆]]（234.98百万トン）、[[セイヨウアブラナ|ナタネ]]（47.26百万トン）、[[ワタ属|綿実]]（44.15百万トン）に次ぐ、生産量（29.84百万トン）を誇る。

OIL WORLD誌の統計によるとヒマワリの種子生産量は2006/07年産、油料用植物として[[ダイズ|大豆]]（234.98百万トン）、[[セイヨウアブラナ|ナタネ]]（47.26百万トン）、[[ワタ属|綿実]]（44.15百万トン）に次ぐ、生産量（29.84百万トン）を誇る。

また、[[2006年]] - [[2007年]]の植物油生産量は[[パーム油]]（37,985千トン）、[[大豆油]]（36,716千トン）、[[菜種油|ナタネ油]]（18,425千トン）、[[ひまわり油|ヒマワリ油]]（11,171千トン）である。ヒマワリの生産地域はロシア周辺の[[ヨーロッパ]]に偏っている。5割強がヨーロッパ州に集中しており、[[アジア州]]と[[南アメリカ州]]がそれぞれ2割弱を生産している。

また、[[2006年]] - [[2007年]]の植物油生産量は[[パーム油]]（37,985千トン）、[[大豆油]]（36,716千トン）、[[菜種油|ナタネ油]]（18,425千トン）、[[ひまわり油|ヒマワリ油]]（11,171千トン）である。ヒマワリの生産地域はロシア周辺の[[ヨーロッパ]]に偏っている。5割強がヨーロッパ州に集中しており、[[アジア州]]と[[南アメリカ州]]がそれぞれ2割弱を生産している。

# [[ウクライナ]] - 13630千トン

# [[ウクライナ]]（[[セイヨウカンボク]]や[[スミミザクラ]]とともに[[国花]]とする） - 13630千トン

# [[ロシア]] (ヒマワリはロシアの国花でもある)- 11010千トン

# [[ロシア]] ([[カミツレ]]とともに国花とする)- 11010千トン

# [[アルゼンチン]] - 3000千トン

# [[アルゼンチン]] - 3000千トン

# [[中国]] - 2590千トン

# [[中国]] - 2590千トン
65行目: 63行目:

== 利用 ==

== 利用 ==

=== 食用 ===

=== 食用 ===

被子植物では果実の中に種子があり、日常語では果実のことを﹁実﹂、種子のことを﹁種﹂と呼ぶものが多いが、ヒマワリの場合は慣用的に果実全体を﹁種﹂と呼んでいる。ヒマワリの種は[[痩果]]で、種の殻と呼ばれている部分は[[果皮]]であるが、本項では便宜上﹁種﹂﹁殻﹂と 記述する。

被子植物では果実の中に種子があり、日常語では果実のことを﹁実﹂、種子のことを﹁種﹂と呼ぶものが多いが、ヒマワリの場合は慣用的に果実全体を﹁種﹂と呼んでいる。ヒマワリの種は[[痩果]]で、種の殻と呼ばれている部分は[[果皮]]であるが、本項では便宜上﹁種﹂﹁殻﹂と記述する。



種は絞って搾油され[[ひまわり油|ヒマワリ油]]として利用される。ヒマワリ油には[[不飽和脂肪酸]]が多く含まれる。[[1990年代]]まで[[リノール酸]]が70 - 80%、[[オレイン酸]]が10 - 20%のハイリノールタイプが主流であった。ω-6系列の脂肪酸であるリノール酸の発ガンや高脂血症、アレルギー等との因果関係が報告されるにいたり、リノール酸が15 - 20%、オレイン酸が40 - 60%の中オレインタイプのNuSun品種が伝統的な交配育種法により育成され、[[2000年]]以降は主流となっている。

種は絞って搾油され[[ひまわり油|ヒマワリ油]]として利用される。ヒマワリ油には[[不飽和脂肪酸]]が多く含まれる。[[1990年代]]まで[[リノール酸]]が70 - 80%、[[オレイン酸]]が10 - 20%のハイリノールタイプが主流であった。ω-6系列の脂肪酸であるリノール酸の発ガンや高脂血症、アレルギー等との因果関係が報告されるにいたり、リノール酸が15 - 20%、オレイン酸が40 - 60%の中オレインタイプのNuSun品種が伝統的な交配育種法により育成され、[[2000年]]以降は主流となっている。



煎って食用とすることができる。特に中国や米国ではおやつとして好まれる<ref>{{cite web|url= https://withnews.jp/article/f0160803002qq000000000000000W02310901qq000013695A?_gl=1*1opiwmp*_ga*VVhJZnpmUTRQUmFQczZBZXdrU3ZKVndaWXZER3VIR1BXMzJWZUcta3JBTDU3VGZoNzJQSU9Ed083ZVFISFRfag.. |title=皮まで愛せ！|publisher=朝日新聞|date=2016-8-3|accessdate=2020-7-5}}</ref>。<!-- [[X-ファイル]]のモルダー捜査官が歯で殻を割って食べているシーンが頻繁に描かれている。 -->[[噛みタバコ]]や[[ガム]]と同様にアメリカの[[大リーガー]]が試合中に食す[[嗜好品]]としても普及している<ref>[https://gendai.ismedia.jp/articles/-/34158 ヒマワリの種の秘密]現代ビジネス 2012年11月27日</ref>。

煎って食用とすることができる。特に中国や米国ではおやつとして好まれる<ref>{{Cite web|和書|url=https://withnews.jp/article/f0160803002qq000000000000000W02310901qq000013695A|title=あらゆる﹁種﹂を食べてきた中国人が教える美食体験　皮まで愛せ！|author=rong zhang|publisher=[[朝日新聞社]]|website=[[ウィズニュース]]|date=2016-08-03|accessdate=2023-03-05|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220202055754/https://withnews.jp/article/f0160803002qq000000000000000W02310901qq000013695A|archivedate=2022-02-02}}</ref>。<!-- [[X-ファイル]]のモルダー捜査官が歯で殻を割って食べているシーンが頻繁に描かれている。 -->[[噛みタバコ]]や[[ガム]]と同様にアメリカの[[大リーガー]]が試合中に食す[[嗜好品]]としても普及している<ref>{{Cite web|和書|url=https://gendai.media/articles/-/34158|title=ヒマワリの種の秘密|author=岡田真理|publisher=[[週刊現代]]|website=現代ビジネス|date=2012-11-27|accessdate=2022-07-16|archiveurl=|archivedate=}}</ref>。


乾燥した種子を用いる生薬名は「向日葵子」（こうじつきし、ひゅうがあおいし）で、出血性下痢に用いられる<ref>[http://www.hmaj.com/medicine_summer.html 夏の薬草・薬木] 日本家庭薬協会</ref>。

乾燥した種子を用いる生薬名は﹁向日葵子﹂︵こうじつきし、ひゅうがあおいし︶で、出血性下痢に用いられる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.hmaj.com/medicine_summer.html#cont2|title=夏の薬草・薬木|publisher=日本家庭薬協会|accessdate=2023-03-05|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220118135914/https://www.hmaj.com/medicine_summer.html#cont2|archivedate=2022-01-18}}</ref>。


[[ペット]]（[[ハムスター]]、[[小鳥]]など）の餌に利用される。

[[ペット]]（[[ハムスター]]、[[小鳥]]など）の餌に利用される。


[[ディーゼルエンジン]]用燃料（[[バイオディーゼル]]）として利用する研究も進められている。

[[ディーゼルエンジン]]用燃料（[[バイオディーゼル]]）として利用する研究も進められている。

<gallery widths=150>

<gallery widths="150">

画像:Sunflower seeds.JPG|ヒマワリの種

画像:Sunflower seeds.JPG|ヒマワリの種

画像:Zonnebloemolie_(Sunflower_oil).jpg|ヒマワリ油

画像:Zonnebloemolie_(Sunflower_oil).jpg|ヒマワリ油
86行目: 84行目:

* 福島県 - [[喜多方市]] [[三ノ倉スキー場|三ノ倉高原ひまわり畑]]

* 福島県 - [[喜多方市]] [[三ノ倉スキー場|三ノ倉高原ひまわり畑]]

* 茨城県 - [[筑西市]] あけのひまわりフェスティバル

* 茨城県 - [[筑西市]] あけのひまわりフェスティバル

* 栃木県 - [[野木町]] [[ひまわりフェスティバル (野木町)|ひまわりフェスティバル]]

* 東京都 - [[立川市]]・[[昭島市]] [[国営昭和記念公園]]

* 東京都 - [[立川市]]・[[昭島市]] [[国営昭和記念公園]]

* 神奈川県 - [[座間市ひまわりまつり]]

* 神奈川県 - [[座間市ひまわりまつり]]

* 山梨県 - [[北杜市]]明野サンフラワーフェス

* 山梨県 - [[北杜市]]明野サンフラワーフェス

他、多数

他、多数

<gallery widths=150>

<gallery mode="packed">

File:2017-07-15 Ono-himawarino-oka-park (小野市立ひまわりの丘公園) ☆彡6.jpg|[[小野市立ひまわりの丘公園]]（兵庫県[[小野市]]）

2017-07-15 Ono-himawarino-oka-park (小野市立ひまわりの丘公園) ☆彡6.jpg|[[小野市立ひまわりの丘公園]]（兵庫県[[小野市]]）

File:Sun flower field.jpg|ヒマワリ畑

Sun flower field.jpg|ヒマワリ畑

File:Amingholamali Sunflowers at sunset Ormiyeh.JPG|夕日とひまわり畑

Amingholamali Sunflowers at sunset Ormiyeh.JPG|夕日とひまわり畑

画像:Sunflowers in Zama.jpg|[[神奈川県]][[座間市]]

画像:Sunflowers in Zama.jpg|[[神奈川県]][[座間市]]

</gallery>

</gallery>


=== 除染効果 ===

=== 除染効果 ===

ヒマワリは[[カリウム]]などと共に性質が類似する[[セシウム]]を吸収する性質を持つことから、[[原子力事故|原発事故]]などで[[放射能汚染]]された土地に植えたら除去できる︵[[ファイトレメディエーション]]︶という説が流布しているが、そのような効果は認められていない<ref>{{Cite web |date=2011-9-15 |url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110915/dst11091500260000-n1.htm |title=希望の象徴﹁ヒマワリ﹂除染効果低かった 被災農家﹁ショック﹂ |publisher=MSN産経ニュース |accessdate=2012-03-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120112153807/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110915/dst11091500260000-n1.htm |archivedate=2012年1月12日 |deadlinkdate=2017年9月 }} </ref><ref>{{Cite web |date=2011-9-15 |url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110914-OYT1T00965.htm |title=ヒマワリ除染、効果ありませんでした… |publisher=読売新聞 |accessdate=2012-03-08}} {{ja icon}}</ref>。

ヒマワリは[[カリウム]]などと共に性質が類似する[[セシウム]]を吸収する性質を持つことから、[[原子力事故|原発事故]]などで[[放射能汚染]]された土地に植えたら除去できる︵[[ファイトレメディエーション]]︶という説が流布しているが、そのような効果は認められていない<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/special/10005/TKY201109140656.html|title=ヒマワリは除染効果なし　農水省が実験結果公表|publisher=朝日新聞|date=2011-09-14|accessdate=2023-03-05|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220716042855/https://www.asahi.com/special/10005/TKY201109140656.html|archivedate=2022-07-16}} </ref>。



そもそも、一般的に植物にとって必須元素であるカリウムの吸収が、放射性セシウムの除染のために価値がある程大きいのであれば、ヒマワリの生えた後の土壌は極端に貧栄養化しているはずである。また[[農林水産省]]は﹁ヒマワリはセシウムの吸収率が低く、除染に極めて長い時間がかかるため実用的ではない﹂としている<ref>{{Cite web |date=2011 |url= http://www.maff.go.jp/mobile/kinkyu/tohoku_saigai/08/2011/1109/110914/110914_gijutu_betu01.html|title=実証した除染技術の成果の概要 |publisher=[[農林水産省]] |accessdate=2012-03-08}} {{ja icon}}</ref>。

そもそも、一般的に植物にとって必須元素であるカリウムの吸収が、放射性セシウムの除染のために価値がある程大きいのであれば、ヒマワリの生えた後の土壌は極端に貧栄養化しているはずである。また[[農林水産省]]は﹁ヒマワリはセシウムの吸収率が低く、除染に極めて長い時間がかかるため実用的ではない﹂としている<ref>{{Cite web|和書|url=https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20110915_01/|title=ヒマワリに放射性セシウムの吸収効果期待できず|publisher=科学技術振興機構|website=サイエンスポータル|date=2011-09-15|accessdate=2023-03-05|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220716043945/https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20110915_01/|archivedate=2022-07-16}}</ref>。


== 日本における主な産地 ==

== 日本における主な産地 ==

[[File:2017-07-15 Ono-himawarino-oka-park (小野市立ひまわりの丘公園) 6082☆彡.jpg|thumb|200px|ヒマワリ畑]]

[[File:2017-07-15 Ono-himawarino-oka-park (小野市立ひまわりの丘公園) 6082☆彡.jpg|thumb|ヒマワリ畑]]

これらの[[地方公共団体|自治体]]ではヒマワリによる地域特産化を図り、油等食品、化粧品等のヒマワリ関連製品を販売している。北海道の標準播種期は5月上旬であり、[[霜]]や氷点下の気温にも耐性はある<ref>{{link|https://web.archive.org/web/20100101151806/http://www.agri.pref.hokkaido.jp/center/kenkyuseika/gaiyosho/S62gaiyo/1986042.htm ひまわりの標準栽培法}} {{ja icon}}</ref>。

これらの[[地方公共団体|自治体]]ではヒマワリによる地域特産化を図り、油等食品、化粧品等のヒマワリ関連製品を販売している。北海道の標準播種期は5月上旬であり、[[霜]]や氷点下の気温にも耐性はある<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.hro.or.jp/list/agricultural/center/kenkyuseika/gaiyosho/S62gaiyo/1986042.htm|title=ひまわりの標準栽培法|publisher=[[北海道立総合研究機構]]|accessdate=2023-03-05|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220716044817/https://www.hro.or.jp/list/agricultural/center/kenkyuseika/gaiyosho/S62gaiyo/1986042.htm|archivedate=2022-07-16}}</ref>。

{{div col||25em}}

* 北海道[[名寄市]] [[なよろひまわり畑]]

* 北海道[[名寄市]] [[なよろひまわり畑]]

* 北海道[[北竜町]] [[ひまわりの里]]

* 北海道[[北竜町]] [[ひまわりの里]]
116行目: 116行目:

* 香川県[[まんのう町]]（旧・[[仲南町]]）[[ひまわりの里 まんのう]]

* 香川県[[まんのう町]]（旧・[[仲南町]]）[[ひまわりの里 まんのう]]

* 岡山県[[笠岡市]]

* 岡山県[[笠岡市]]

{{div col end}}


== 日本における都道府県・市区町村の花 ==

== 日本における都道府県・市区町村の花 ==

{{div col||12em}}

* 北海道：二海郡[[八雲町]]、虻田郡[[京極町]]、雨竜郡[[北竜町]]、紋別郡[[遠軽町]]

* 北海道

* 山形県：東村山郡[[中山町]]

** 二海郡[[八雲町]]

* 茨城県：[[那珂市]]、[[鉾田市]]

* 栃木県：下都賀郡[[野木町]]

** 虻田郡[[京極町]]

** 雨竜郡[[北竜町]]

* 埼玉県：[[さいたま市]][[南区 (さいたま市)|南区]]

** 紋別郡[[遠軽町]]

* 千葉県：[[船橋市]]、[[柏市]]、[[八街市]]

* 山形県

* 東京都：[[西東京市]]

** 東村山郡[[中山町]]

* 神奈川県：[[横浜市]][[港南区]]、[[座間市]]

* 茨城県

* 山梨県：[[北杜市]]

** [[那珂市]]

* 長野県：下伊那郡[[平谷村]]

** [[鉾田市]]

* 愛知県：[[名古屋市]][[南区 (名古屋市)|南区]]、[[豊田市]]、[[尾張旭市]]、[[豊明市]]、丹羽郡[[扶桑町]]

* 栃木県

* 三重県：三重郡[[朝日町 (三重県)|朝日町]]

* 京都府：[[向日市]]

** 下都賀郡[[野木町]]

* 埼玉県

* 大阪府：[[大阪市]][[港区 (大阪市)|港区]]、[[泉南郡]][[熊取町]]

** [[さいたま市]][[南区 (さいたま市)|南区]]

* 兵庫県：[[小野市]]、神崎郡[[市川町]]、揖保郡[[太子町 (兵庫県)|太子町]]、佐用郡[[佐用町]]

* 千葉県

* 奈良県：生駒郡[[三郷町]]、北葛城郡[[広陵町]]

** [[船橋市]]

* 和歌山県：日高郡[[美浜町 (和歌山県)|美浜町]]

** [[柏市]]

* 広島県：安芸郡[[海田町]]

* 徳島県：[[阿南市]]

** [[八街市]]

* 東京都

* 愛媛県：伊予郡[[松前町 (愛媛県)|松前町]]

** [[西東京市]]

* 福岡県：[[北九州市]]、鞍手郡[[小竹町]]、嘉穂郡[[桂川町]]、田川郡[[川崎町 (福岡県)|川崎町]]

* 神奈川県

* 長崎県：[[南島原市]]

* 宮崎県：[[日向市]]

** [[横浜市]][[港南区]]

** [[座間市]]

* 鹿児島県：[[志布志市]]、[[南九州市]]

* 山梨県

** [[北杜市]]

* 長野県

** 下伊那郡[[平谷村]]

* 愛知県

** [[名古屋市]][[南区 (名古屋市)|南区]]

** [[豊田市]]

** [[尾張旭市]]

** [[豊明市]]

** 丹羽郡[[扶桑町]]

* 三重県

** 三重郡[[朝日町 (三重県)|朝日町]]

* 京都府

** [[向日市]]

* 大阪府

** [[大阪市]][[港区 (大阪市)|港区]]

** [[泉南郡]][[熊取町]]

* 兵庫県

** [[小野市]]

** 神崎郡[[市川町]]

** 揖保郡[[太子町 (兵庫県)|太子町]]

** 佐用郡[[佐用町]]

* 奈良県

** 生駒郡[[三郷町]]

** 北葛城郡[[広陵町]]

* 和歌山県

** 日高郡[[美浜町 (和歌山県)|美浜町]]

* 広島県

** 安芸郡[[海田町]]

* 徳島県

** [[阿南市]]

* 愛媛県

** 伊予郡[[松前町 (愛媛県)|松前町]]

* 福岡県

** [[北九州市]]

** 鞍手郡[[小竹町]]

** 嘉穂郡[[桂川町]]

** 田川郡[[川崎町 (福岡県)|川崎町]]

* 長崎県

** [[南島原市]]

* 宮崎県

** [[日向市]]

* 鹿児島県

** [[志布志市]]

** [[南九州市]]

{{div col end}}


=== 廃止市町村 ===

=== 廃止市町村 ===

{{div col||25em}}

* 秋田県：北秋田郡[[鷹巣町]]

* 秋田県：北秋田郡[[鷹巣町]]

* 山形県：東田川郡[[余目町]]

* 山形県：東田川郡[[余目町]]
158行目: 206行目:

* 熊本県：菊池郡[[西合志町]]

* 熊本県：菊池郡[[西合志町]]

* 鹿児島県：薩摩郡[[入来町]]

* 鹿児島県：薩摩郡[[入来町]]

{{div col end}}

==[[文化]]==

ヒマワリは、ロシア、ウクライナ、ペルーの[[国花]]扱いである。米国[[カンザス州]]の[[アメリカ合衆国の州の花一覧|州花]]である。日本でも、[[北九州市]]など各地の[[#日本における都道府県・市区町村の花|市区町村の花]]として定められている。

画家[[ゴッホ]]に有名な「[[ひまわり (絵画)]]」シリーズがある。


この他に、ヒマワリは各種の[[社会運動]]、例えば[[耽美主義]]、台湾の[[ひまわり学生運動]]、[[心霊主義]]、[[緑の政治]]などのシンボルとしてしばしば使われてきた。


== 脚注 ==

== 脚注 ==

{{脚注ヘルプ}}

{{脚注ヘルプ}}

=== 注釈 ===

{{Reflist|2}}

{{Notelist}}

=== 出典 ===

{{Reflist}}


== 参考文献 ==

== 参考文献 ==
185行目: 244行目:

* [https://www.oil.or.jp/ 一般社団法人日本植物油協会 公式サイト] {{ja icon}}

* [https://www.oil.or.jp/ 一般社団法人日本植物油協会 公式サイト] {{ja icon}}

* [https://www.sunflowernsa.com/ National Sunflower Association] {{en icon}} - 米国ヒマワリ協会

* [https://www.sunflowernsa.com/ National Sunflower Association] {{en icon}} - 米国ヒマワリ協会

* [http://www.isa.cetiom.fr/ International Sunflower Association] - 国際ヒマワリ協会

* [http://www.isa.cetiom.fr/ International Sunflower Association]{{リンク切れ|date=2022-07}} - 国際ヒマワリ協会

* {{Kotobank}}

* {{Kotobank}}


{{Normdaten}}

{{Normdaten}}


{{DEFAULTSORT:ひまわり}}

{{デフォルトソート:ひまわり}}

[[Category:キク亜科]]

[[Category:キク亜科]]

[[Category:油糧作物]]

[[Category:油糧作物]]

2024年5月28日 (火) 20:41時点における最新版

曖昧さ回避 「ヒマワリ」のその他の用法については「ヒマワリ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ヒマワリ
分類
界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
目 : キク目 Asterales
科 : キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
属 : ヒマワリ属 Helianthus
種 : ヒマワリ H. annuus
学名
Helianthus annuus L. (1753)[1]
和名
ヒマワリ
英名
Sunflower

ヒマワリ︵向日葵、学名: Helianthus annuus︶は、キク科の一年草の植物である。花は黄色で、種は食用となる。日廻りや日回りと表記されることもあり、また、コウジツキ︵向日葵︶、ニチリンソウ︵日輪草︶、ヒグルマ︵日車︶、ヒグルマソウ︵日車草︶、ヒマワリソウ︵日回り草︶、サンフラワー︵英: Sunflower︶、ソレイユ︵仏: Soleil‥太陽︶とも呼ばれる[2][3]。

種実を食用や油糧とするため[4]、あるいは花を花卉︵かき︶として観賞するために広く栽培される。また、ヒマワリは夏の季語でもある。ロシアとウクライナ、ペルーの国花になっている。

リンネの﹃植物の種﹄(1753年) で記載された植物種の一つである[5]。

特徴[編集]


原産地は、北アメリカ。高さ3mくらいまで成長し、夏から秋にかなり大きな黄色の花を咲かせる。また、ヒマワリの花の色の濃い部分はやや赤みがかった黄色(黄金っぽい黄色)をしている。

花弁は大きな1つの花のように見えるが、実際は頭状花序と呼ばれ、多数の花が集まって1つの花の形を形成している。これは、キク科の植物に見られる特徴である。外輪に黄色い花びらをつけた花を﹁舌状花﹂、内側の花びらがない花を﹁筒状花﹂と区別して呼ぶ場合がある。

和名﹁向日葵﹂の由来は、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたことから。ただしこの動きは生長に伴うものであるため、実際に太陽を追って動くのは生長が盛んな若い時期だけである。若いヒマワリの茎の上部の葉は太陽に正対になるように動き、朝には東を向いていたのが夕方には西を向く。日没後はまもなく起きあがり、夜明け前にはふたたび東に向く。この運動はつぼみを付ける頃まで続くが、つぼみが大きくなり花が開く頃には生長が止まるため動かなくなる。その過程で日中の西への動きがだんだん小さくなるにもかかわらず夜間に東へ戻る動きは変わらないため、完全に開いた花は基本的に東を向いたままほとんど動かない。なお、これは茎頂に一つだけ花をつける品種が遮るもののない日光を受けた場合のことであり、多数の花をつけるものや日光を遮るものがある場所では必ずしもこうはならない。

ヒマワリの種は螺旋状に並んでおり、螺旋の数を数えていくとフィボナッチ数が現れる[注釈 1]。

種は長卵形でやや平たい。種皮色は油料用品種が黒色であり、食用や観賞用品種には長軸方向に黒と白の縞模様がある。
  • 頭状花序。左から筒状花のつぼみ、筒状花、舌状花
    頭状花序。左から筒状花のつぼみ、筒状花、舌状花
  • 太陽の動きを追うといわれるが、追うのは生長が盛んな若い時期だけ
    太陽の動きを追うといわれるが、追うのは生長が盛んな若い時期だけ
  • ヒマワリの種は螺旋状に並んでおり、螺旋の数を数えていくとフィボナッチ数が現れる[7]
    ヒマワリの種は螺旋状に並んでおり、螺旋の数を数えていくとフィボナッチ数が現れる[7]

歴史[編集]

小輪ヒマワリ

ヒマワリの原産地は北アメリカ大陸西部であると考えられている。既に紀元前からアメリカ先住民の食用作物として重要な位置を占めていた。1510年、スペイン人がヒマワリの種を持ち帰り、マドリード植物園で栽培を開始した。マドリード植物園はダリアやコスモスが最初に栽培されたことでも有名である。

ヒマワリがスペイン国外に持ち出されるまで100年近くを要し、ようやく17世紀に至りフランス、次にロシアに伝わった。ロシアに到達してはじめて、その種子に大きな価値が認められた。

正教会は聖枝祭前の6週間を大斎とし[8]、食物品目の制限による斎︵ものいみ︶を行う。19世紀の初期にはほとんど全ての油脂食品が禁止食品のリストに載っていた。しかしヒマワリは教会の法学者に知られていなかったのか、そのリストにはなかったのである。こうした事情から、正教徒の多いロシア人たちは教会法と矛盾なく食用可能なヒマワリ種子を煎って常食としたのであった[8] 。その後、19世紀半ばには民衆に普及し、ロシアが食用ヒマワリ生産の世界の先進国となったのであった。

日本には、ヨーロッパから中国へ伝わった後、1660年代後半に伝来した。﹃訓蒙図彙﹄には﹁丈菊、俗に言ふてんがいくわ︵天蓋花︶、一名迎陽花︵げいようくわ︶﹂として載っていて、その後﹁日廻り︵ひまわり︶﹂から﹁向日葵︵ひまわり︶﹂︵現代中国語名‥向日葵︶と呼ばれるようになり、1700年ごろには﹁ひまわり﹂が定着した。[9]

生産[編集]

種ができる頃のヒマワリ
OIL WORLD誌の統計によるとヒマワリの種子生産量は2006/07年産、油料用植物として大豆︵234.98百万トン︶、ナタネ︵47.26百万トン︶、綿実︵44.15百万トン︶に次ぐ、生産量︵29.84百万トン︶を誇る。 また、2006年 - 2007年の植物油生産量はパーム油︵37,985千トン︶、大豆油︵36,716千トン︶、ナタネ油︵18,425千トン︶、ヒマワリ油︵11,171千トン︶である。ヒマワリの生産地域はロシア周辺のヨーロッパに偏っている。5割強がヨーロッパ州に集中しており、アジア州と南アメリカ州がそれぞれ2割弱を生産している。

(一)ウクライナ︵セイヨウカンボクやスミミザクラとともに国花とする︶ - 13630千トン
(二)ロシア (カミツレとともに国花とする)- 11010千トン
(三)アルゼンチン - 3000千トン
(四)中国 - 2590千トン
(五)ルーマニア - 2030千トン

利用[編集]

食用[編集]


被子植物では果実の中に種子があり、日常語では果実のことを﹁実﹂、種子のことを﹁種﹂と呼ぶものが多いが、ヒマワリの場合は慣用的に果実全体を﹁種﹂と呼んでいる。ヒマワリの種は痩果で、種の殻と呼ばれている部分は果皮であるが、本項では便宜上﹁種﹂﹁殻﹂と記述する。

種は絞って搾油されヒマワリ油として利用される。ヒマワリ油には不飽和脂肪酸が多く含まれる。1990年代までリノール酸が70 - 80%、オレイン酸が10 - 20%のハイリノールタイプが主流であった。ω-6系列の脂肪酸であるリノール酸の発ガンや高脂血症、アレルギー等との因果関係が報告されるにいたり、リノール酸が15 - 20%、オレイン酸が40 - 60%の中オレインタイプのNuSun品種が伝統的な交配育種法により育成され、2000年以降は主流となっている。

煎って食用とすることができる。特に中国や米国ではおやつとして好まれる[10]。噛みタバコやガムと同様にアメリカの大リーガーが試合中に食す嗜好品としても普及している[11]。

乾燥した種子を用いる生薬名は﹁向日葵子﹂︵こうじつきし、ひゅうがあおいし︶で、出血性下痢に用いられる[12]。

ペット︵ハムスター、小鳥など︶の餌に利用される。

ディーゼルエンジン用燃料︵バイオディーゼル︶として利用する研究も進められている。
  • ヒマワリの種
    ヒマワリの種
  • ヒマワリ油
    ヒマワリ油

観光地[編集]

村おこし・町おこしや、災害からの復興活動として、全国にヒマワリ畑があり、イベントも開催されている。

他、多数

除染効果[編集]


ヒマワリはカリウムなどと共に性質が類似するセシウムを吸収する性質を持つことから、原発事故などで放射能汚染された土地に植えたら除去できる︵ファイトレメディエーション︶という説が流布しているが、そのような効果は認められていない[13]。

そもそも、一般的に植物にとって必須元素であるカリウムの吸収が、放射性セシウムの除染のために価値がある程大きいのであれば、ヒマワリの生えた後の土壌は極端に貧栄養化しているはずである。また農林水産省は﹁ヒマワリはセシウムの吸収率が低く、除染に極めて長い時間がかかるため実用的ではない﹂としている[14]。

日本における主な産地[編集]

ヒマワリ畑
これらの自治体ではヒマワリによる地域特産化を図り、油等食品、化粧品等のヒマワリ関連製品を販売している。北海道の標準播種期は5月上旬であり、霜や氷点下の気温にも耐性はある[15]。

日本における都道府県・市区町村の花[編集]

廃止市町村[編集]

文化[編集]


ヒマワリは、ロシア、ウクライナ、ペルーの国花扱いである。米国カンザス州の州花である。日本でも、北九州市など各地の市区町村の花として定められている。

画家ゴッホに有名な﹁ひまわり (絵画)﹂シリーズがある。

この他に、ヒマワリは各種の社会運動、例えば耽美主義、台湾のひまわり学生運動、心霊主義、緑の政治などのシンボルとしてしばしば使われてきた。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 螺旋の数が多い場合、中心から離れると螺旋の隙間にも種ができてしまうため、途中から枝分かれしてフィボナッチ数にならないこともある[6]。

出典[編集]



(一)^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Helianthus annuus L.　ヒマワリ︵標準︶”. BG Plants 和名−学名インデックス︵YList︶. 2023年3月29日閲覧。

(二)^ “日向葵”. 季語・季題辞典.  日外アソシエーツ、weblio (2016年8月22日). 2023年3月5日閲覧。

(三)^ "向日葵". 大辞泉. コトバンクより2023年3月5日閲覧。

(四)^ 小林義雄 著、相賀徹夫 編﹃万有百科大事典19植物﹄1972年。 

(五)^ Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 904. https://www.biodiversitylibrary.org/page/358925 

(六)^ 近藤滋. “全ての植物をフィボナッチの呪いから救い出す”.  大阪大学大学院生命機能研究科 パターン形成研究室. 2021年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月16日閲覧。[リンク切れ]

(七)^ サイエンスチャンネル﹃自然にひそむ数と形　︵1︶不思議な数列﹄︵YouTube︶科学技術振興機構、2013年12月17日、該当時間: 2m35s。https://www.youtube.com/watch?v=1BdfT_ix6NI。2023年3月5日閲覧。 

(八)^ ab山北篤﹃現代知識チートマニュアル﹄︵新紀元社、2007年、ISBN 978-4775314951︶[要ページ番号]

(九)^ ひまわりの歴史◆名前の由来と神話︵インターネット花キューピッド︶

(十)^ rong zhang (2016年8月3日). “あらゆる﹁種﹂を食べてきた中国人が教える美食体験　皮まで愛せ！”. ウィズニュース.  朝日新聞社. 2022年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。

(11)^ 岡田真理 (2012年11月27日). “ヒマワリの種の秘密”. 現代ビジネス.  週刊現代. 2022年7月16日閲覧。

(12)^ “夏の薬草・薬木”.  日本家庭薬協会. 2022年1月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。

(13)^ “ヒマワリは除染効果なし　農水省が実験結果公表”.  朝日新聞 (2011年9月14日). 2022年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。 

(14)^ “ヒマワリに放射性セシウムの吸収効果期待できず”. サイエンスポータル.  科学技術振興機構 (2011年9月15日). 2022年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。

(15)^ “ひまわりの標準栽培法”.  北海道立総合研究機構. 2022年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

ウィキメディア・コモンズには、ヒマワリ畑に関連するカテゴリがあります。
ウィキメディア・コモンズには、ヒマワリに関連するメディアおよびカテゴリがあります。
ウィキスピーシーズにヒマワリに関する情報があります。

外部リンク[編集]

「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ヒマワリ&oldid=100533595」から取得