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京言葉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
京ことばから転送)
京言葉
話される国 日本の旗 日本
地域 京都府の旗 京都府山城国
言語系統

日琉語族

言語コード
ISO 639-3
テンプレートを表示


歴史

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1000[1][2]

[3]

西1993519946調80使49.21054.0[4]195025

----

 426

イメージ

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20192[5]21[6]調[1]

区分

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1962[7]

 - -使使

 - -
 - 

西 - 
[7]

 - 使-

 - 使-

[7][8]沿[9]

使4[10]

 - 

西 - 西西

 - 

 - 

[11]

発音

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音韻体系は共通語とほとんど変わりないが、子音を弱く、母音を長く丁寧に発音する傾向があり、京都人が朗読すると同じ音節数でも東京人のほとんど2倍の時間を費やすという[12]

母音

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[13][14]

[13][14]1[13]231[13]

[14]
  • イ→エ:しらみ→しらめ、にんじん→ねんじん
  • エ→イ:前垂れ→まいだれ、羽二重→はぶたい
  • ウ→オ:うさぎ→おさぎ、たぬき→たのき、室町→もろまち

子音

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[s][ʃ][h][ç][ç][ʃ][13][z][d][r][d][z][d][r][13][z][d][r]194217[15]

[14]
  • [s][ʃ]:鮭→しゃけ
  • [m][b]:蝉→せび

その他

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「死による→しんにょる」「お宮はん→おんみゃはん」「年寄り→とっしょり」「日曜→にっちょー」など、イ段音・ウ段音にヤ行音が続く場合に、撥音や促音を伴ってヤ行音が拗音化することがある。イ段・ウ段音が鼻音(ナ行・マ行)の場合は撥音、それ以外のイ段・ウ段音の場合は促音が挿入されることが多い[16]

アクセント

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[17][14]-[14]
京都 大阪 神戸 備考
-ました ました 食べした
(無声化で「食べました」となる人もいる)
京都でも低起式の動詞を中心に大阪・神戸と同じ発音になることがある。
-はった はった 食べはっ
(伝統的な神戸弁では「はる」を用いない)
がみ かが
がみ
かが 神戸が最も古い発音を保っており、幕末以前は京都でも「かがみ」であった。
2000年代の若年層では地域を問わず「がみ」または「かみ」が多い。

文法

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特に注記しないかぎり、昭和20-30年代の記録を中心に記述する。

動詞

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動詞の活用には共通語と同じく五段活用上一段活用下一段活用カ行変格活用(カ変)・サ行変格活用(サ変)があるが、サ変の上二段・上一段化傾向が見られる[18]。基本となる活用形は以下のとおり[19]

未然 連用 終止 連体 仮定 命令
五段[20](行く) いか-
いこ-[21]
いき- いく いく (いきゃ)
(いったら)
いけ
下一段(出る) で- で- でる でる (でりゃ)
(でたら)
でー
上一段(着る) き- き- きる きる (きりゃ)
(きたら)
きー
カ変(来る) き-
こ-
き- くる くる (くりゃ)
(きたら)
きー
こい
サ変(する) し-
せ-
し- する する (すりゃ)
(したら)
しー
せー

--便2[22]便[22]
[22]

[22]

[22]

-[23]--


[23]



-使-使[24]-使-使[24]--[25]-[24]-使[26]
[24]

--使-[27]-1949[27]使[28]








-[29][30][30][30]
[30]

[30]

--使[31][32] -

敬語

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[33]

-[34][35][34][35]-西使-使使使[36]1990調-使2-使96-使84[36]


--使-使[35]
[35]

[35]

[35]

 +使使使使[34]調
[35]

[35]

[35]

-


 +便使使[37]--[37][37]
[37]

[37]

[37]

[37]

[37]






使[38][39][38][40][40]
[39]

[39]

[39]

[40]

[40]

[40]

[40]

形容詞

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便[41]1949[41]調[41][41]西[42]
鹿[41]

[41]

[41]

[41]

[41]

西[42]

[41]
!![41]

!![41]

[41]

[41]

使[43]

形容動詞・断定辞

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使[42]使[42]使使[42][44]

助詞

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[45][46]
[45]

[46]

[46]

[45]

[46][45]使[46]
[46]

[46]

[45]

[45][46][46]
[45]

[45]

使[46]使[46][45]
[46]

[45]

[45]

[45]

[45]

[45]

使[45]使[46][45]使[46]
[45]

[45]

[45]

[46]

[45]

[45]

[45]

使使[46]使[46]

使[46][45]使使[16]
[16]

使[46][46]

使使[46][46]使[46]

会話術

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婉曲

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退[47]退使[48]

#

語彙

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名詞

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 - [49]

 - [49]

 - [50][49]

 - [49]

 - [50][49]

 - [50][49]

 - [49]

 - [49]

 - 使[50][49]

  - 使[49]

 - [49]

 - 使[49]

 - 

 - [49]

 - [50][49]

 - [50]

 - 便便60[49]

 - 

形容詞・形容動詞

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 - [49]

 - 使[49]

副詞

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 - 使[49]

 - 使[49]

 - 使[49]

慣用表現

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  - [49]

 - 西[49]

 - 使[49]

 - [49]

 - 使使[49]

 -  [49]

 - [49]

  - [49]

 - 使12131213使[49]

 - 使使[49]

 - [49]

 - [49]

 - [49]

 - [49]

 - [49]

 - [49]

  - [49]

 - [49]

 - [49]

 - [49]

例文

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[51]
   
:   

:   

:   

   
:   

:   

:   

    
:    

:    

:    

   
:   

:   

:   

1964202[52]


A:      
     

B:


A:   
  

B:     5
     5

A: 
 

B: 
 

A:   
  

B: 
 

A: 
 

B:      
     

A:                
             

B:    ?   
  ?  

A:   
   

B:


A:

脚注

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(一)^ ab(2009)210-217

(二)^ (1949), 26

(三)^ (1950)32-34

(四)^ 1997

(五)^ goo201912122020520

(六)^ (1949), 4-5

(七)^ abc(1962), 262-267

(八)^ (1962), 14

(九)^ (1962), 428

(十)^ (1992), 289-290

(11)^ (1992), 290

(12)^ (1962), 17-18

(13)^ abcdef(1962), 269-273

(14)^ abcdef(1992), 302-306

(15)^ (1949), 131-137

(16)^ abc(2018)

(17)^ 200252

(18)^ (1962), 275-276

(19)^ (1949), 168

(20)^ 

(21)^ 

(22)^ abcde(1949),170-171

(23)^ ab(1950), 34

(24)^ abcd(1962), 288-289

(25)^ (1949), 177

(26)^ (1949), 179

(27)^ ab(1949), 185-187

(28)^ (1962), 283

(29)^ (1962), 285

(30)^ abcde(1949), 183-185

(31)^ (1962), 280

(32)^ (2018), 150-152

(33)^ (1950), 28-29

(34)^ abc(1962), 280-283

(35)^ abcdefghi(1949), 191-194

(36)^ ab1998 

(37)^ abcdefgh(1949), 171-175

(38)^ ab(1962), 287

(39)^ abcd(1949), 190

(40)^ abcdef(1950), 32

(41)^ abcdefghijklmn(1949), 151-165

(42)^ abcde(1962), 277-279

(43)^ (1962), 286

(44)^ (1949), 166

(45)^ abcdefghijklmnopqrstuvw(1949)

(46)^ abcdefghijklmnopqrstuvw(1962), 289-297

(47)^ (1992), 296

(48)^ (1992), 297

(49)^ abcdefghijklmnopqrstuvwxyzaaabacadaeafagahaiajakalaman(1992)

(50)^ abcdef2006p122

(51)^ (1962), 584-587

(52)^ 111969 

参考文献

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  • 楳垣実『京言葉』高桐書院、1949年。旧字旧仮名表記であるが、引用等する際に表記を一部変えた。
  • 楳垣実「京都方言」『国語学』第4輯26-38頁、国語学会、1950年。
  • 楳垣実編『近畿方言の総合的研究』三省堂、1962年
  • 寿岳章子『暮らしの京ことば』朝日新聞社、1979年
  • 木村恭造『京ことばの生活』教育出版センター、1983年
  • 井之口有一・堀井令以知『京ことば辞典』東京堂出版、1992年、ISBN 4-490-10305-0
  • 加納進『京ことば玉手箱』ユニプラン、1993年、ISBN 4-89704-017-5
  • 大淵幸治『丁寧なほど、おそろしい「京ことば」の人間関係学』祥伝社、2000年、ISBN 4-396-61116-1
  • 佐藤亮一編『都道府県別全国方言辞典 CD付き』三省堂、2009年
    • 寺島浩子・古川悠「京都府」
  • 真田信治監修『関西弁事典』ひつじ書房、2018年
    • 松丸真大「京都府の方言概説」54-64頁

関連項目

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 - 

外部リンク

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