グアテマラ

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グアテマラ共和国
República de Guatemala
グアテマラの国旗 グアテマラの国章
国旗 国章
国の標語:Libre Crezca Fecundo
国歌グアテマラの国歌(グアテマラよ幸福なれ!)
グアテマラの位置
公用語 スペイン語
首都 グアテマラシティ
最大の都市 グアテマラシティ
政府
大統領 ベルナルド・アレバロ
副大統領 カリン・エレーラ英語版
面積
総計 108,890km2104位
水面積率 0.4%
人口
総計(2020年 17,916,000[1]人(65位
人口密度 167.2[1]人/km2
GDP(自国通貨表示)
合計(2020年 5992億3600万[2]ケツァル
GDP(MER
合計(2020年776億300万[2]ドル(66位
1人あたり 4,317.448[2]ドル
GDP(PPP
合計(2020年1492億4600万[2]ドル(77位
1人あたり 8,303.265[2]ドル
独立
 - 日付
スペインより
1821年9月15日
通貨 ケツァルGTQ
時間帯 UTC-6 (DST:なし)
ISO 3166-1 GT / GTM
ccTLD .gt
国際電話番号 502

: República de Guatemala1720[3][4]11

16182118231841

19201944101954[5]

19601996[6][7][8]20143331[9]


[]


República de Guatemala(: )Guatemala [gwateˈmala]

Republic of GuatemalaGuatemala [ˌɡwɑːtɨˈmɑːlə, ɡwæ-]



[10]

歴史[編集]

先コロンブス期[編集]

ティカルの神殿

180090018500

3781011Reino Kakchiquel

スペイン植民地時代[編集]

スペイン人のコンキスタドール、ペドロ・デ・アルバラード

149215231524 ()152415261541715419

15445Pre-Columbian Maya codex[ 1]

17177.4177317761786

植民地から独立国へ[編集]


1789180817退111821

1823 - 1839[]


1823Provincias Unidas del Centro de América18271838

[]

1891

183918651856

1871187318851879188091893

アメリカ合衆国の進出(1898年 - 1920年)と政治的空白期[編集]

独裁者マヌエル・エストラーダ・カブレーラミゲル・アンヘル・アストゥリアスの『大統領閣下』のモデルとなった。

1898年マヌエル・エストラーダ・カブレーラが大統領に就任し、22年間の独裁政治を行うが1920年にカブレーラは失脚した。カブレーラが失脚すると、政治的空白状況が生まれ、クーデターが繰り返される不安定な状況が続いたが、1931年ホルヘ・ウビコ将軍が隙を突いて権力を握ると、「ウビコ以外はすべて不自由である」といわれるほど苛烈な統治を行い、グアテマラ社会の荒廃は一層進んだ。

こうした状態を憂いた愛国者によりウビコは1944年に追放され、民主主義の時代がグアテマラにも訪れた。

なお、日本とは1935年堀義貴初代駐グアテマラ日本公使が着任し、正式に外交関係が成立した[11]

グアテマラの春[編集]

1944年から1954年まではグアテマラの春と呼ばれ、自由な空気のもとに、各種の民主的な社会改革が進められた。

ハコボ・アルベンス・グスマンポプリスモ的政治家として土地改革などの政策を行ったが、これは次第に、アメリカ合衆国が「グアテマラは共産主義化している」というネガティブキャンペーンを張る要因となっていき[† 2]、土地改革がユナイテッド・フルーツの社有地に適用されることになると、合衆国の怒りは頂点に達した。アメリカ政府の雇用した反アルベンス派傭兵軍がエル・サルバドルから侵攻すると、軍の上層部はアルベンスを見捨てアルベンスは亡命した。こうして、グアテマラの春は終わりを告げたのであった(PBSUCCESS作戦[† 3]

グアテマラ内戦[編集]


1954PBSUCCESS196036FAR198020[12]1980使使1996調

209334[13]

[]


1996120152019811 [ 4] [14]2020114[15]

政治[編集]

国会議事堂

Congreso de la República1584


国家安全保障[編集]

2014年現在のグアテマラ陸軍は現役1万3,444名、予備役約6万2,000名で、15の軍管区に旅団を基礎とした実戦部隊が配備されている。

国際関係[編集]

  ベリーズ領のうち領土問題になっていない地域
  ベリーズが実効支配し、グアテマラが領土主張している地域
  グアテマラ領



1981

2008128OAS201310201841595.88%201941955.4%

日本との関係[編集]

地方行政区分[編集]

グアテマラの地図
グアテマラの県

グアテマラは22の県(departamentos 地方、州とも訳す)から構成される。

  1. アルタ・ベラパス県
  2. バハ・ベラパス県
  3. チマルテナンゴ県
  4. チキムラ県
  5. ペテン県
  6. エル・プログレソ県
  7. キチェ県
  8. エスクィントラ県
  9. グアテマラ県
  10. ウェウェテナンゴ県
  11. イサバル県
  12. ハラパ県
  13. フティアパ県
  14. ケツァルテナンゴ県
  15. レタルレウ県
  16. サカテペケス県
  17. サン・マルコス県
  18. サンタ・ローサ県
  19. ソロラ県
  20. スチテペケス県
  21. トトニカパン県
  22. サカパ県

主要都市[編集]

ほとんどの主要都市は国の南半分に位置している。主要都市は首都グアテマラ市ケツァルテナンゴエスクィントラである。その他にも港町としてカリブ海側にプエルト・バリオスが存在する。

地理[編集]

地形図

1418[16]

16222316[16]

100 [ 5]5 - 61,000 - 2,0001001,500500[ 6][ 7]3 - 4[17]

西590沿4,2204,000126[18]

[]


2025823307[19]

経済[編集]

首都グアテマラシティ

413251

1996361998

4,000332000IMF2020GDP77614,317[2]

15920135,252[20]

鉱業[編集]

2009年時点の原油生産量は110万トン、天然ガスは0.43千兆ジュールにとどまっているが、これは油田炭田が未開発なためである。金属鉱物資源はニッケルが中核であるが、鉄は1万トン、ニッケルはほとんど採掘されておらず、金が若干生産されている。

国民[編集]

マヤ系住民

寿7269.3%10%47%52%

76%

[]


60.751%Ladino8%41.3% 9.1% 8.4%Mam7.9%Q'eqchi'6.3%10.6%Xinca0.22%Garifuna0.04%2002

使19

15033

言語[編集]

グアテマラの言語分布地図

言語はスペイン語公用語とされており、国民の6割程度が使用している。残りの4割は先住民族の言語を使用する。地方では特に21種類のマヤ系言語が用いられているほか、シンカ語アラワク語族ガリフナ語など、非マヤ系言語も用いられている。DECRETO NÚMERO 19-2003によれば、23種類の言語がグアテマラの国語として認められている。

宗教[編集]


32311500

1996
各宗教の信者数の割合
国勢調査年 ローマ・カトリック プロテスタント 無宗教 その他
(1940) 97.0% 2.0% 0.3% 0.7%
(1978) 80.3% 17.4% 1.4% 0.9%
(1980) 76.9% 19.1% 3.0% 1.0%
(1982) 72.4% 22.2% 4.4% 1.0%
(1986) 62.5% 30.0% 6.2% 1.3%
(1991) 65.0% 21.0% 12.0% 2.0%
(2001) 58.3% 25.2% 14.2% 2.3%
(2006) 56.9% 30.7% 10.2% 2.2%
(2010) 47.3% 38.7% 11.6% 2.4%

教育[編集]

2002年のセンサスによれば、15歳以上の国民の識字率は69.1%である[21]

おもな高等教育機関としては、サン・カルロス・デ・グアテマラ大学(1676)やフランシスコ・マロキン大学(1971)などの名が挙げられる。

治安[編集]

1960年から36年間続いた内戦によって25万人が犠牲になったグアテマラでは、一般の犯罪や暴力団による殺人で2008年には6,232人が死亡している。また、誘拐では400人以上が誘拐された。2011年には毎日平均14人が殺害され、犯罪を犯しても98%の犯人は処罰されないとされた[22]

グアテマラの抱える最大の問題は治安問題、麻薬密輸、司法権の機能不全、政府の無策、腐敗、社会的不平等、人権侵害である。治安問題はコロン政権になってもまったく無策であり、毎日、テレビ・ニュースで殺人事件が報道されている。

人権面では、政治犯はいないがいまだに地方都市ではリンチが行われているほか婦女子に対する暴力が多く、また裁判を受ける権利も保証されておらず人権侵害は著しく人権意識が希薄である。

文化[編集]

グアテマラの文化はマヤ文明とスペインの文化に根を持ち、グアテマラには現在もなおマヤ文明とスペイン植民地時代の遺風が残っている。衣食には伝統的なマヤ文化の色彩が今でも残り、また国のいたるところにマヤの遺跡が残っている。また、カリブ海沿岸には宗教儀式、舞踊、音楽などにアフリカ文化の影響がみられる。

文学[編集]

ノーベル文学賞作家、ミゲル・アンヘル・アストゥリアス



191897


音楽[編集]

グアテマラではアフリカ伝来のマリンバが独特の発展を遂げている。また、カリブ海側の先住民、ガリフナ族の音楽は世界的に有名である。さらにクラシック音楽においては、グアテマラ出身の特に著名な作曲家・指揮者としてホルヘ・サルミエントスの名が挙げられる。

世界遺産[編集]

グアテマラ国内には、ユネスコ世界遺産リストに登録された文化遺産が2件、複合遺産が1件存在する。

祝祭日[編集]

日付 日本語表記 現地語表記 備考
1月1日 新年(元旦) Año Nuevo
3月4月の一週間 イースター週間 Semana Santa 移動祝日
5月1日 メーデー Día del Trabajador
6月30日 軍隊記念日 Día del ejército
8月15日 聖母被昇天祭 Día de la Virgen de la Asunción
9月15日 独立記念日 Día de la Independencia
10月20日 革命記念日 Día de la Revolución
11月1日 死者の日 Día de los muertos
12月24日 クリスマス・イブ Noche Buena 午後のみ
12月25日 クリスマス Navidad, Pascua
12月31日 大晦日 Noche Vieja 午後のみ

スポーツ[編集]

サッカー[編集]


11001919231942CSDFC30

FIFACONCACAF191967

[]


202250004

[]



災害[編集]