如意輪観音
(如意輪観世音菩薩から転送)
如意輪観音︵にょいりんかんのん、梵: Cintāmaṇicakra[1]、チンターマニチャクラ︶は、仏教における信仰対象である菩薩の一尊。観音菩薩の変化身︵へんげしん︶の一つであり、六観音の一尊に数えられる。
三昧耶形は如意宝珠、紅蓮華。種字はキリーク(ह्रीः、hrīḥ)[2]。
如意輪観音像 ボストン美術館、フェノロサ=ウェルド・コレクション 平安時代後期
日本では﹁如意輪観音菩薩﹂、﹁如意輪観世音菩薩﹂、﹁大梵深遠観音﹂などさまざまな呼び方があるが、重要文化財等の指定名称は﹁如意輪観音﹂となっている。また﹁救世菩薩﹂とも呼ばれる。
如意とは如意宝珠︵チンターマニ︶、輪とは法輪︵チャクラ︶の略で、如意宝珠の三昧︵定︶に住して意のままに説法し、六道の衆生の苦を抜き、世間・出世間の利益を与えることを本意とする。如意宝珠とは全ての願いを叶えるものであり、法輪は元来古代インドの武器であったチャクラムが転じて、煩悩を破壊する仏法の象徴となったものである。六観音の役割では天上界を摂化するという。
梵名についてはチャクラヴァルティ・チンターマニ︵Cakravarti-cintāmaṇi︶とする説もある[3]。
また、日本では近世、十九夜講の信仰の対象となっている。