「山名氏」の版間の差分

山名氏
	五七桐七葉根笹
本姓	清和源氏新田氏流
家祖	山名義範
種別	武家; 華族（男爵）
主な根拠地	上野国多胡郡（八幡荘）山名郷; 但馬国出石但馬国村岡
著名な人物	山名時氏; 山名師義; 山名時義; 山名氏清; 山名持豊（山名宗全）; 山名豊国
支流、分家	山名豊国子孫。山名氏分家; 豊義流（武家）; 清水氏（清水恒豊流）（武家）; 清水氏（清水恒豊流）分家・支流山名氏（清水熙豊流）（武家）; 賀豊流（武家）; 豊常流（武家）
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日本の氏族。幾つかの流れがある。 (一)源姓新田氏族山名氏。本項で詳述。 (二)丈部姓有道氏一門山名氏は、武蔵七党の一派児玉党の一族。 (三)陸奥国磐城郡の山名氏は、大國魂の社家。

山名氏︵やまなうじ、やまなし︶は、山陰地方を中心に勢力を持った武家︵守護大名・戦国大名︶である。

経歴

山名氏の起源

山名氏の本姓は源氏。家系は清和源氏の一家系河内源氏の棟梁・鎮守府将軍・源義家の子・義国を祖とする名門・新田氏の一門。新田義重の庶子・三郎義範^[1]︵または太郎三郎とも︶が上野多胡郡︵八幡荘︶山名郷︵現在の群馬県高崎市山名町周辺︶を本貫として山名三郎と名乗ったことから、山名氏を称した。山名氏の祖の義範は鎌倉時代には早くから源頼朝に従いて御家人となり、頼朝の知行国の一つである伊豆の国主に推挙され伊豆守となる。源伊豆守の公称を許され源氏の門葉として優遇された。

南北朝時代

南北朝時代、新田義貞を中心に南朝に参加した新田一族と異なり、山名時氏は縁戚の足利尊氏に従った。尊氏が征夷大将軍に就任、室町幕府を開くと時氏も運気を掴み、守護大名として山陰地方に大勢力を張った。その後の観応の擾乱では足利直義に従ったが、室町幕府第2代将軍・足利義詮時代には幕府側に帰参し、赤松氏や京極氏、一色氏と並んで四職家の一つにまで数えられるに至った。時氏の子・師義の時、一族で全国66箇国中11箇国の守護職を占め、﹁六分の一殿﹂と称されて権勢を誇った。しかしその結果、第3代将軍・足利義満から危険視され、義満は後に山名一族離反の謀略を試みる。師義の後は嫡男の義幸でなく弟の時義が惣領となり時義の後は時煕が継承した。この時煕の惣領継承には、義幸の弟である師義流山名氏の満幸が、強い不満を持っていた。1390年︵元中7年・明徳元年︶、将軍・足利義満の命により満幸と氏清︵満幸の義父で叔父︶が時煕を攻め但馬国外へ追放した。しかし1391年︵元中8年・明徳2年︶、時煕を許すという将軍義満の変心に対し満幸は氏清︵満幸の義父で叔父︶・叔父の義理と共に幕府に対して挙兵︵明徳の乱︶、同年12月には山名軍が室町幕府の有る京都へ攻め入るも、最終的には幕府軍の反撃にあって満幸は逃亡したが後に捕えられて処刑、氏清は戦死、義理は出家して没落した。戦後の山名氏は存続こそ許されたものの、時熙︵時義の子︶の但馬守護職、氏之︵満幸の兄︶の伯耆守護職、氏家︵氏冬の子︶の因幡守護職のみとなり、一族は大幅にその勢力を減ずるに至った。山名氏の惣領は時義流の時煕に移り、師義の嫡男・義幸および嫡孫・師幸は伯耆国日野郡で山名日野家として続く。

山名宗全時代

山名持豊︵宗全︶は1441年︵嘉吉元年︶、嘉吉の乱で第6代将軍・足利義教が赤松満祐によって暗殺されると、同年、赤松氏討伐の総大将として大功を挙げた。この功績によって山名氏は、備後・安芸・石見・備前・美作・播磨などの守護職を与えられ、再び全盛期を築き上げた。宗全は、城之崎城・九日市城を詰め城とする九日市︵豊岡市九日市︶の丘陵に広大な守護所を構えたとされている。しかし宗全は、幕府の主導権をめぐって管領・細川勝元と対立する。また、足利将軍家や畠山氏、斯波氏などの後継者争いなど複雑な事情も重なった結果、1467年︵応仁元年︶には応仁の乱の勃発に至った。この時、宗全は西軍の総大将として同じく東軍総大将の勝元と戦ったが、乱の最中である1473年︵文明5年︶に宗全は病死する︵同年に勝元も急死︶。宗全の嫡男・山名教豊は山名氏を継承したものの、父に先立ち陣没した。また、教豊の弟・山名勝豊は山名氏一族が継承していた因幡守護に任じられ因幡山名氏を興した。

室町時代後期

宗全の死後、家督は孫︵四男とも︶の政豊が継いだものの、宗全死去や応仁の乱などによって一族の勢力は急速に衰退してゆく。領内では毛利次郎の乱をはじめとする国人による反乱が相次ぎ、播磨、備前、美作は赤松政則︵赤松満祐の大甥︶に奪われ、政豊は奪回を企てるも1488年︵長享2年︶に敗れ、播磨から撤退した。さらに備後守護の嫡男・山名俊豊や備後国人衆とも対立した。

戦国時代

山名俊豊を廃嫡して三男の致豊を後継者に決めて決着を着けた︵山名俊豊の子孫は備後に土着し備後山名氏となる︶。しかしその過程で国人衆の支持を取り付けるために特権を与えたため、とりわけ守護代の垣屋氏が力をつけ、それが守護権の縮小に繋がってしまった。垣屋氏に城之崎城︵豊岡城︶を制圧された政豊・致豊は九日市の守護所を棄て、丸山川対岸の此隅山城に移ったが、そこも攻撃される始末であった。さらに出雲の尼子経久、周防の大内義興、備前守護代・浦上村宗らの圧迫を受けるようになり、次第に山陰道山陽道の分国は奪われていった。致豊の弟・誠豊の時代には、但馬守護山名氏は但馬上守護代・垣屋氏や但馬下守護代・太田垣氏の傀儡となった。因幡守護家でも、山名豊時の孫・山名誠通が因幡守護としてかろうじて因幡を支配するという状態になった。1528年︵享禄元年︶には誠豊が死去し山名祐豊︵致豊の子︶が誠豊の養子となって但馬守護家を継ぐ。山名祐豊は垣屋氏・太田垣氏・田結庄・八木氏ら有力国人を征する。また、一族の因幡山名家の山名誠通を討って、弟の豊定を因幡へ派遣し因幡守護家の山名誠通の遺児が成長するまでの政務をみさせた︵豊定の没後はその地位を子の山名豊数が継承し、誠通の子山名豊儀が一時季因幡守護家を再興していたともいわれている︶。また、因幡の国人達を武力で従え、これらにより守護大名山名氏を但馬因幡の戦国大名山名氏へと地位を押し上げた。また新興勢力である毛利元就とも手を結び、尼子氏に抗し、戦国大名山名氏として脱皮させた。

織豊時代

しかし晩年の山名祐豊は長男、次男に先立たれ気力が衰えたのか、織田信長の勢力が但馬へ伸張してくると、1580年︵天正8年︶信長の重臣・秀吉︵およびその弟・秀長︶の軍勢に取り囲まれることとなり降伏後しばらくして死去。しかし祐豊の三男・山名堯熙(氏政)は、降伏前に父と意見が異なり、主立った近臣らと城を出ていた。氏政は攻め手の羽柴秀長の陣を公式訪問し、祐豊は隠居であり自分が当主であること、山名氏は羽柴氏に対して敵意が無いこと等をつげ許された。しかし隠居とは名ばかりで亡くなる直前まで実権は祐豊が握っていた︵このことが山名氏の衰退の原因であった︶。但馬平定に続き、羽柴氏による因幡侵攻が始まると、氏政は八木氏・垣屋氏ら旧山名家重臣らとともに羽柴氏に従い因幡へ従軍した。羽柴家の要請により鳥取城に籠もる敵方の主要な付城である因幡国八東郡私部城を攻め取り入城し、鳥取城落城因幡平定に貢献した。但馬は、その後も播磨と併せて羽柴氏の根本領地となり、生野銀山からの莫大な財力と但馬兵は後の羽柴氏と明智光秀︵丹波︶との戦を支え続けた。氏政は秀吉に請われ、馬廻衆︵親衛隊︶として仕えることとなり、1581年︵天正9年︶因幡国八東郡のうち7,000石の所領を認められる。 1582年︵天正10年︶8月、氏政︵堯煕︶は秀吉より播磨国加古郡のうち7,000石に転封され、近習に列す。その後500石さらに摂津国能勢郡に加増された。秀吉没後、氏政の子・山名堯政は豊臣秀頼に仕えた。大坂の陣で、堯政は豊臣方として戦った。西因幡でも、山名豊定の子、山名豊国が自らの居城である鳥取城から重臣達の反対を押し切り、単身秀吉に降伏した。城内に残った者は悲惨な最期を遂げた。その後、和歌等、教養面での造詣の深い豊国は豊臣家からの仕官の話を固く断り浪人となり摂津の多田氏の食客となった。中・東因幡では、毛利氏の勢力が早くから強く、因幡守護家の山名誠通の子孫は毛利家家臣となった︵すでに備後山名氏は毛利氏家臣となっていた︶。

江戸時代

但馬山名氏山名堯熙の嫡男・山名堯政は豊臣氏の豊臣秀頼に近侍、1615年︵慶長20年︶の大坂夏の陣で、大坂城内にて戦死した。それで若い堯政の未亡人︵垣屋氏︶は一族の長老・山名豊国の妾となってしまった。堯熙は大阪夏の陣を生き延び京都六条の屋敷に於いて晩年を過ごした。堯政の子の煕政︵後の恒豊、当時8歳︶は徳川家臣の山名豊国の計らい︵豊国は恒豊を引き取ろうとするも幕府の許可が下りず断念した︶^[2^]により、すでに徳川家臣となっていた山名氏旧臣・清水正親の養子となり清水氏の家督を相続。これにより堯煕流の山名氏は断絶した。その後、恒豊は徳川氏の幕臣となる。恒豊および恒豊の子、清水煕豊が山名姓への復帰を願い嘆願するも、豊臣遺臣を警戒する初期の江戸幕府からは決して許されることはなかった。︵清水流山名家伝︶しかし江戸時代中期になって改姓の願いが叶う。1700年︵元禄13年︶3月2日に恒豊の孫、清水時信が徳川将軍家から特別の許しを得、山名姓に改姓、山名時信と称した。これにより煕政流山名氏は再興され以後山名氏嫡流・山名時氏に因む﹁時﹂字を通字として幕末まで代々続く。微禄ながら、以後の将軍からも山名家嫡流のうちの一つとして認知された。時信の従兄弟の山名豊常の子・山名豊明は将軍・徳川吉宗より寄合に加えられたのち御作事奉行・御鎗奉行に任じられた。布衣︵従六位相当︶であった豊常は、さらに山名氏の長者として従五位下伊豆守に叙任されるなど吉宗の信任を得て山名氏の名を高めた。徳川家治にも重く用いられ日光東照宮にも同行を許された。幕末の動乱では御家人として最後まで徳川将軍家に従った。徳川家達が転封されるとともに静岡県にも赴いた。但馬山名氏の流れを酌む清水氏流山名家は明治を迎え他の幕臣同様士族となった。
また一方、因幡の山名豊国は豊臣時代は無禄であったが1600年︵慶長5年︶の関ヶ原の戦いで家康側につき、亀井茲矩の軍に加わった。山名氏は徳川氏とおなじくらいに新田一族につながるということで大名待遇の交代寄合表御礼衆という家格に列せられた︵江戸幕府の正式な家譜では松平家そして酒井家に次ぐ血族とされた︶。但馬山名氏︵祐豊の家系︶が断絶しため、山名宗家は豊国が継承した。江戸時代初期の山名隆豊は旗本・福島氏の子として生まれ︵福島正則の曾孫︶、山名氏に婿養子に入り継承した。江戸時代中期の山名義徳は九州の筑後柳川藩主家︵大名︶、立花貞俶の子として生まれ、山名家に婿養子に入り旗本家を継承した。幕末の動乱では、旗本だったが山名家は明治政府側に従った。その結果1869年︵明治2年︶、山名義済は1万1,000石への高直しが明治政府に認められ大名となり、新たに但馬村岡藩を立藩した︵まもなく廃藩置県となる︶。1884年︵明治17年︶、山名氏は男爵に列せられた︵維新立藩の大名は江戸幕府の大名とは別扱いで子爵とされなかった。他の交代寄合の家も同様で、山名家のみではない︶。新田家︵岩松家︶や名和家のとは違い、先祖の勲功に寄らない男爵の叙爵である。ちなみに足利家︵喜連川氏) は子爵に叙爵された。
また、因幡守護家の山名誠通の子孫は江戸時代を通じて長州藩士として毛利氏に仕え幕末をむかえた。特に叙爵はなかった。

山名氏 - 但馬守護 - 御家人

(一)山名義範 (二)山名義節 (三)山名重国 (四)山名重村 (五)山名義長 (六)山名義俊 (七)山名政氏 (八)山名時氏 (九)山名師義 (十)山名時義 (11)山名時熙 (12)山名持豊︵山名宗全︶ (13)山名教豊‥但馬守護。 (14)山名政豊‥但馬守護。 (15)山名致豊‥但馬守護。 (16)山名誠豊‥但馬守護。致豊の弟。 (17)山名祐豊‥但馬守護。誠豊の養子、致豊の次男。1580年秀吉率いる織田軍に包囲される中、死去。 (18)山名堯熙‥氏政とも。但馬守護。祐豊の三男。後秀吉に所領を与えられ豊臣家の家臣となり秀吉に仕える。 (19)山名堯政‥堯熙の子。豊臣秀頼近臣。大坂夏の陣、大坂城で戦死。
清水氏︵山名家重臣︶^[3] (一)清水庄太夫某‥但馬守護職山名祐豊の家臣。 (二)清水正親‥祐豊の家臣。その後天正18年︵1590年︶徳川家康に仕える。280俵。清水氏︵清水恒豊流︶ (一)清水恒豊‥初名は煕政。実父戦死時8歳。山名堯政の子。大坂の陣︵1615年︶で豊臣方に味方した堯政の子としては、徳川家に仕えることが難しいため、山名豊国の計らいにより、山名氏旧臣であり、当時すでに幕臣となっていた清水正親の養子になり、清水氏を称することで恒豊は幕臣に列することとなった。延宝7年︵1679年︶5月16日死去。禄は480石。墓所は龍興寺(中野区上高田)　寺が無縁墓として処理。法名は清厳慈円居士。 (二)清水豊頼‥清水恒豊の次男。清水家の家督を継承。元禄15年1月14日死去。480石。 (三)清水豊長‥豊頼の嫡子。宝永元年8月21日死去。 (四)清水豊重‥豊長の養子、実父は酒井重賢、母は豊頼の養女。享保8年5月10日死去。 (五)清水豊春‥豊重の嫡子。寛政6年6月21日死去。 (六)清水豊信‥豊春の嫡子。 (七)清水豊道‥豊信の嫡子。禄は三百八十石。山名氏︵清水熙豊流) (一)清水熙豊‥清水恒豊の長男。弟に清水家家督を譲り別に家を立て山名復姓を願うも許されず。 (二)山名時信‥清水熙豊の子。元禄13年︵1700年︶3月2日、特に徳川綱吉から許され山名に改姓。450俵の禄を与えられる。以後子孫同じ禄。御家人なので常府︵江戸住︶。 (三)山名時尚‥時信の弟。次男服部保教︵服部保昌の養子︶、三男清水時庸︵清水豊秋の養子︶。 (四)山名時連‥時尚の嫡子。 (五)山名時睦‥時連の養子、清水豊秋次男。 (六)山名時習‥時睦の嫡子。子に時方、時勝、時守。清水氏︵清水賀豊流) (一)清水賀豊‥清水恒豊の三男。 (二)清水豊秋‥賀豊の養子、母不詳。 (三)清水時庸‥豊秋の養子、実父は山名時尚。 (四)清水時良‥時庸の嫡子。 (五)清水時親‥時良の嫡子。100石 (六)清水時柯‥時親の子。のちに清水氏から山名氏に改姓。山名氏︵清水豊常流)

(一)山名豊常‥清水豊頼の次男。山名氏に改姓。200石 (二)山名豊明‥作事奉行、鎗奉行。徳川吉宗に重用さる。 (三)山名豊実‥豊明の嫡孫。父豊全は家督を継がずして死去。 (四)山名如風‥豊実の養子、実父は清水豊春。

山名氏 - 因幡守護 - 長州藩士

(一)山名勝豊‥因幡守護。父は山名持豊。 (二)山名豊時‥因幡守護。 (三)山名豊重‥因幡守護。 (四)山名豊頼‥因幡守護。 (五)山名誠通‥因幡守護。出雲守護尼子氏に近づいたため嫡流家の山名祐豊に征せられる。 (六)山名豊通‥因幡守護。祐豊の命により山名豊定が後見する。 (七)山名豊次‥因幡守護。

山名氏 - 因幡守護 - 交代寄合 - 村岡藩

●山名豊定‥但馬山名氏。父は但馬守護である山名致豊。正室は室町幕府の管領である細川高国の娘。因幡に派遣され、因幡守護。山名祐豊の弟。 ●山名豊数‥豊定の子。因幡守護。 (一)山名豊国‥豊定の子。豊数の弟。母は室町幕府管領である細川高国の娘。妻は伯父である山名祐豊娘。因幡守護。豊臣家から禄を与えられるという話を固辞し流寓。のちに徳川家に仕える。山名氏嫡流家は豊国の家系になった。徳川家が編纂した江戸幕府の系譜では酒井家に次ぐ徳川家に近い家系とされた。血筋は但馬山名氏。但馬村岡山名家初代。 (二)山名豊政 : 正室は高家である大沢基宿の娘。 (三)山名矩豊 (四)山名隆豊 :福島正則のひ孫。 (五)山名豊就 :大番頭、寺社奉行山名豊政の孫。 (六)山名豊暄 :正室は下野喜連川藩主・喜連川茂氏の娘。 (七)山名義徳 :筑後柳川藩主・立花貞俶の八男。豊暄の娘婿。 (八)山名義方 : 正室は常陸谷田部藩主・細川興晴の娘・菊子。 (九)山名義蕃 :越前鯖江藩主・間部詮茂の四男。 1818年まで甥・間部詮勝(1840年から1843年と1858年から1859年に二度老中)の後見役を務める。義方の娘婿。 (十)山名義問 ‥正室は出雲広瀬藩主・松平直寛の娘・蔵子。継室は肥前島原藩主・松平忠馮の娘・和子。　娘・喬子は須坂藩主・堀直明室、弟・山名眞龍は了源寺 (船橋市)住職、二條秀量上人は誠照寺(鯖江市)第25世法主。 (11)山名義済‥正室は須坂藩主・堀直格の娘・縁子。堀氏は明治維新後、三管領四職斯波氏一族の奥田氏に改姓。須坂藩の江戸屋敷跡に田中角栄元総理大臣の通称﹁目白御殿﹂は建てられた。 (12)山名義路‥姉妹、快子は誠照寺︵鯖江市︶第26世法主二條秀源上人︵弟は西園寺公望︶夫人。忻子は垣屋問察養女。 (13)山名義鶴‥民社党結党に参画、結党後はブレーンとして、党を支えた。東京帝大新人会、大原社会問題研究所、等で活動。日本労働者教育協会主宰。財団法人中東調査会理事長、公安審査委員会委員等歴任。弟、義亀は垣屋忻子養子。

旗本豊義流

(一)山名豊義‥山名豊国の子表高家並寄合大名家に準じた扱い。( 交代寄合表御礼衆と同様の老中支配) 1,000石 (二)山名豊満 (三)山名義往 (四)山名重周 (五)山名豊峰 (六)山名義安 (七)山名豊翔 (八)山名義矩‥山名義徳の子、豊翔の養子。 (九)山名義栄 (十)山名義質 (11)山名義行 (12)山名義照

系譜

太字は嫡流当主、実線は実子、点線は養子。

清和天皇

（5代略）

源義家

源義国

［新田氏］
義重

［足利氏］
義康

季邦

山名義範

［里見氏］
里見義俊

新田義兼

［得川氏］
得川義季

［額戸氏］
額戸経義

義節

重国

重家

重村

朝家

国長

義房

義行

義長

義俊

政氏

時氏^{[系 1]}

師義^{[系 2]}

義理^{[系 3]}

［因幡山名氏］
氏冬^{[系 4]}

氏清^{[系 5]}

［但馬山名氏］
時義^{[系 6]}

高義

［日野山名氏］
義幸^{[系 7]}

氏之^{[系 8]}

満幸^{[系 9]}

［行松氏］
幸松右馬允

義清

氏家^{[系 4]}

［宮田氏］
宮田時清

［宮田氏］
宮田時家

熙高^{[系 4]}

師幸

熙之

教清^{[系 10]}

熙貴^{[系 11]}

熈幸^{[系 4]}

政康

持幸

教之^{[系 12]}

政清^{[系 10]}

勝豊^{[系 4]}

豊氏^{[系 4]}

政実^{[系 4]}

宗幸^{[系 13]}

豊之^{[系 8]}

豊氏

之弘^{[系 8]}

元之^{[系 8]}

小太郎

豊時^{[系 4]}

豊幸

政之^{[系 8]}

尚之^{[系 8]}

澄之^{[系 8]}

豊重^{[系 4]}

豊頼^{[系 4]}

藤幸

（略）

豊治^{[系 4]}

誠通^{[系 4]}

時熙^{[系 14]}

日野景幸^{[系 15]}

氏豊

満時

持熙

持豊（宗全）^{[系 16]}

教豊^{[系 17]}

是豊^{[系 18]}

勝豊

豊久

政豊^{[系 19]}

［海老名氏］
海老名豊継

致豊^{[系 20]}

誠豊^{[系 20]}

豊一

祐豊

豊定^{[系 4]}

豊弘

祐豊^{[系 21]}

［南条氏］
南条政近

豊数

［旗本交代寄合］
豊国^{[系 4]}

堯熙

政継

［旗本交代寄合］
豊政

南の局

［旗本］
豊義

［駿河徳川家臣］
豊晴

堯政

［渡辺氏］
渡辺定継

矩豊

義豊

豊守

［旗本清水氏・清水氏流山名氏］
清水恒豊^{[系 22]}

［志賀氏］
志賀定勝

恒豊^{[系 23]}

豊有^{[系 24]}

［旗本］
泰豊

隆豊^{[系 25]}

泰豊

義豊

［御家人］
清水熙豊

清水豊頼

［旗本］
清水賀豊

豊就

山名時信

清水豊長

［旗本］
山名豊常

清水豊秋^{[系 26]}

高林昌盈

豊暄

時尚

服部保教

清水時庸

清水豊重^{[系 27]}

豊明^{[系 28]}

時庸

山名時睦

義徳^{[系 29]}

女

時連

豊春

豊全

時良

義方

義矩

柳生久知

土屋徳直

時睦

山名如風

豊信

豊実^{[系 30]}

時親

整

義蕃^{[系 31]}

時習

豊道

如風

時柯

義問

田中義寿

桂辰昭

藤懸永成

金田房清

義済

義路

垣屋忻子

義鶴

義亀

京子

晴彦^{[系 32]}

(一)^ 伯耆・出雲・隠岐・因幡・若狭・丹波・丹後守護 (二)^ 丹後・伯耆・但馬守護 (三)^ 美作・紀伊守護 (四)^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ因幡守護 (五)^ 丹波・和泉・山城・但馬守護 (六)^ 美作・伯耆・但馬・備後守護 (七)^ 丹後・出雲・隠岐守護 (八)^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g伯耆守護 (九)^ 丹後・伯耆・出雲・隠岐守護 (十)^ ^a ^b石見・美作守護 (11)^ 石見守護 (12)^ 伯耆・備前守護 (13)^ こちらより。通称、遠江守。 (14)^ 但馬・備後・安芸・伊賀守護 (15)^ 宮景盛の次男。 (16)^ 但馬・備後・安芸・伊賀・播磨守護 (17)^ 但馬・備後・安芸・播磨守護 (18)^ 備後・安芸・山城守護 (19)^ 山城・安芸・但馬・備後守護 (20)^ ^a ^b但馬・備後守護 (21)^ 但馬守護 (22)^ 幕臣清水正親の養子・清水氏を継承 -恒豊流清水氏の初代は清水庄太夫で正親は2代目 (23)^ 出羽庄内藩主・酒井忠勝の九男。 (24)^ 高家・大沢尚親の次男。 (25)^ 福島正長の次男、福島正則の孫。 (26)^ 前田定能の子。 (27)^ 酒井重賢の子。 (28)^ 前田定勝の子。 (29)^ 筑後柳川藩主・立花貞俶の八男。 (30)^ 嫡孫相続。 (31)^ 越前鯖江藩主・間部詮茂の四男。 (32)^ 旧越前丸岡藩主家・有馬純文の四男。

主要家臣団

●垣屋続成 ●垣屋光成 ●垣屋恒総 ●中村春続 ●中村国重 ●中村政重 ●中村豊重 ●吉岡定勝 ●森下道誉 ●田結庄是義 ●武田国信 ●武田高信 ●山名四天王 - 山名氏の下で名を馳せた4人を指す。領内を運営していた実質上の支配者とも言われる。垣屋続成・田結庄是義・八木豊信・太田垣輝延とされる。

庶家

●海老名氏‥山名教豊の四男が海老名豊継を称した。 ●宮田氏‥山名氏清の子が宮田時清、宮田時家を称した。 ●南条氏‥海老名豊一の子(海老名豊継の孫)が南条政近を称した。 ●渡辺氏‥南条政継の子(南条政近の孫)が渡辺定継を称し、後志賀定継を称した。 ●志賀氏‥渡辺定継が、後志賀定継を称した。 ●三上氏 ●岸氏 ●八橋氏 ●草山氏 ●行松氏

全国山名氏一族会

山名氏の子孫・関係者が集う会である。 ●岩田年浩︵本名‥山名年浩︶　全国山名氏一族会会長(備後山名家当主‥宗全公から数えて二七代目)。京都経済短期大学学長。元経済教育学会会長。

山名氏縁故社寺・菩提寺

●山名八幡宮︵高崎市山名町︶ - 山名義範が創建 ●楞厳寺︵美方郡新温泉町︶ ●西國寺︵尾道市︶ ●北野経王堂願成就寺 (大報恩寺通称千本釈迦堂︶- 足利義満が創建した、明徳の乱で討たれた山名氏清の供養の寺。経王堂の前に山名矩豊が﹁山名陸奥太守氏清之碑﹂を建立
●光孝寺(倉吉市山名時氏開基) ●円通寺︵豊岡市山名時義、時熙父子開基︶ ●大明寺︵朝来市山名時熙開基︶ ●宗鏡寺︵豊岡市山名氏清開基︶ ●大同寺︵朝来市山名時熙中興開基︶ ●極楽寺︵鳥取市　山名義親菩提寺) ●真乗院︵臨済宗南禅寺塔頭山名持豊(山名宗全) 菩提寺) ●東林院︵妙心寺塔頭山名豊国開基︶ ●自證院(新宿区富久町) ●總持寺︵豊岡市︶ - 但馬山名氏祈祷所 ●法雲寺︵美方郡香美町︶ - 山名氏の総菩提寺

逸話・その他

●諸侯は最低でも子爵なのに、男爵だったのは、交代寄合(表御礼衆・御勝手御礼衆)において、室町時代から江戸時代までの家格や格式が、無視された結果と思われる。 ●伯耆守護山名氏の一族山名氏豊と娘・﹁駒姫﹂が祀られている、駒姫八幡(大岳院の境内倉吉市)。駒姫八幡の右隣に大江磐代君の母﹁おりんの方﹂の墓があり、並んでいる。第119代光格天皇の祖母﹁おりんの方﹂は、この﹁駒姫﹂の娘といわれる。

脚注

(一)^ ^a ^b ^c﹃尊卑分脈﹄足利氏の項によると、家祖の山名義範は足利氏一門の矢田義清と新田義重の娘の間の子と記され、山名氏は足利一門として扱われている。 (二)^ 。但馬の殿様吉盛智侊著神戸新聞 (三)^ 寛政重修諸家譜による。寛政重修諸家譜では清水庄太夫某を初代としている。又清水氏流山名氏は、恒豊流清水氏の支流、分家となっている。なお、清水氏・清水氏流山名一門では清水恒豊を初代としている。

参考文献

渡邊大門『中世後期山名氏の研究』日本史史料研究会(2010)
但馬の殿様吉盛智侊著神戸新聞

外部リンク

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 宗全は、[[城之崎城]]・[[九日市城]]を詰め城とする九日市（[[豊岡市]]九日市）の丘陵に広大な守護所を構えたとされている。
-しかし宗全は、幕府の主導権をめぐって[[管領]]・[[細川勝元]]と対立する。また、[[足利将軍家]]や[[畠山氏]]、[[斯波氏]]などの後継者争いなど複雑な事情も重なった結果、[[1467年]]︵[[応仁]]元年︶には[[応仁の乱]]の勃発に至った。この時、宗全は西軍の総大将として同じく東軍総大将の勝元と戦ったが、乱の最中である[[1473年]]︵[[文明_(日本)|文明]]5年︶に宗全は病死する︵同年に勝元も急死︶。宗全の嫡男・[[山名教豊]]は山名氏を継承したものの、父に先立ち陣没した。また、教豊の弟・[[山名勝豊]]は山名氏一族が継承していた因幡守護に任じれれ因幡山名氏を興した。
+しかし宗全は、幕府の主導権をめぐって[[管領]]・[[細川勝元]]と対立する。また、[[足利将軍家]]や[[畠山氏]]、[[斯波氏]]などの後継者争いなど複雑な事情も重なった結果、[[1467年]]︵[[応仁]]元年︶には[[応仁の乱]]の勃発に至った。この時、宗全は西軍の総大将として同じく東軍総大将の勝元と戦ったが、乱の最中である[[1473年]]︵[[文明_(日本)|文明]]5年︶に宗全は病死する︵同年に勝元も急死︶。宗全の嫡男・[[山名教豊]]は山名氏を継承したものの、父に先立ち陣没した。また、教豊の弟・[[山名勝豊]]は山名氏一族が継承していた因幡守護に任じられ因幡山名氏を興した。
 === 室町時代後期 ===