スーパーはくと
スーパーはくと | |
---|---|
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特別急行列車 |
現況 | 運行中 |
地域 | 京都府・大阪府・兵庫県・岡山県・鳥取県 |
前身 | 急行「みささ」 |
運行開始 | 1994年12月3日 |
運営者 |
西日本旅客鉄道(JR西日本) 智頭急行 |
路線 | |
起点 | 京都駅・大阪駅 |
終点 | 倉吉駅・鳥取駅 |
営業距離 |
253.5 km (157.5 mi)(京都 - 鳥取間) 293.3 km (182.2 mi)(京都 - 倉吉間) 210.7 km (130.9 mi)(大阪 - 鳥取間) 250.5 km (155.7 mi)(大阪 - 倉吉間) |
列車番号 | 50D+号数 |
使用路線 |
JR西日本:東海道本線・山陽本線(JR京都線・JR神戸線)・因美線・山陰本線 智頭急行:智頭線 |
車内サービス | |
クラス | グリーン車・普通車 |
座席 |
グリーン車指定席:4号車半室 普通車指定席:1 - 3号車、4号車半室、5号車 |
技術 | |
車両 | HOT7000系気動車(智頭急行) |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
電化 |
直流1,500 V(京都 - 上郡間)[注 1] 非電化(上郡 - 倉吉間) |
最高速度 | 130 km/h (81 mph) |
概要[編集]
1994年12月3日の智頭急行智頭線の開業とともに運行を開始した。当初は使用車両の差異によりHOT7000系を使用する列車は﹁スーパーはくと﹂、キハ181系を使用する列車は﹁はくと﹂をそれぞれ名乗っていたが、HOT7000系の増備によってキハ181系の定期運用が終了した1997年11月29日以降、全ての列車名が﹁スーパーはくと﹂に統一された。 最高速度は130 km/hで、﹁はまかぜ﹂、﹁うずしお﹂、﹁南風﹂、﹁しまんと﹂と並んで日本最速の気動車特急列車である。列車名の由来[編集]
﹁はくと﹂の列車名は、日本神話の﹁因幡の白兎﹂︵いなばのしろうさぎ︶に由来し[1]、﹁白兎﹂の音読みとなっている。なお、智頭急行線経由の特急の運転開始にあたっては列車名の公募が行われ、1994年8月2日に発表された[注 2]。 ﹁はくと﹂としての列車名は、1956年から京都駅 - 松江駅間を山陰本線経由で運転していた準急﹁白兎﹂が最初で、この列車は1961年10月に急行列車となったものの、1986年11月に特急格上げで﹁あさしお﹂に統合された[1]。運行概況[編集]
2024年3月16日現在の運行概況は次の通り[2]。 京都駅 - 鳥取駅間で上り1本、京都駅 - 倉吉駅間で下り2本・上り1本、大阪駅 - 鳥取駅間で下り3本・上り1本、大阪駅 - 倉吉駅間で下り2本・上り4本の計14本が運転されている。また、毎日運転の臨時列車として大阪駅 - 倉吉駅間で下り1本・上り1本の計2本も運転されている。かつては京都発鳥取行の9号と倉吉発京都行の6号も運転していたが新型コロナウイルスの流行による影響で2021年の春から運休となり2024年3月15日まで土休日や繁忙期を中心に運転される臨時列車に降格していた[3]。 運転開始当初は新大阪駅 - 鳥取駅・倉吉駅間で運転されていたが、1995年4月29日から5月7日まで、臨時列車として数本が京都駅に乗り入れを開始し、同年7月からは全列車が毎日運転の臨時列車として京都駅まで乗り入れた[4]。1996年3月16日から正式に京都駅発着に統一された。 2008年3月15日から1号を除き、姫路駅で﹁のぞみ﹂と接続するダイヤになっており、この乗り継ぎが東京都区内と鳥取市内の最速陸上移動ルートとなっている。このダイヤ改正以前は、﹁スーパーはくと﹂と東海道・山陽新幹線との接続については、新大阪駅︵一部の列車は京都駅︶での乗り換えが考慮されていた。しかし、﹁スーパーはくと﹂4 - 14号の上り列車の発車時刻を30分程度繰り上げて、姫路駅に停車する﹁のぞみ﹂と接続するようになったことにより、東京駅への所要時間が約25分短縮された[5]。 2024年3月16日から京都駅発着は2往復に削減されたが、代わりに大阪駅 - 鳥取駅間で1往復増発して臨時列車を含め8往復としたほか、北陸方面とは大阪駅で﹁サンダーバード﹂との接続︵一部列車のみ︶を[要出典]、新幹線とは1号以外は姫路駅で﹁のぞみ﹂との接続を改善することで対応した[6][7][8][9][10]。 京都駅 - 上郡駅間では交通系ICカード﹁ICOCA﹂が利用できる。 京都発が下り列車で、列車番号は 51D - 66D と運転線区で変更がなく、下りは号数+50の奇数、上りは号数+50の偶数である。車内チャイムは﹁きなんせ節﹂﹁だいこくさま﹂﹁ふるさと﹂が使用されている。かつては﹁月の沙漠﹂も使用されていた。 京都駅 - 鳥取駅間ではかつては山陰本線経由で﹁あさしお﹂が運転されており、走行距離は山陰本線経由﹁あさしお﹂の230.3kmに対し、智頭急行線経由﹁スーパーはくと﹂は253.5kmであり約20km長くなっているものの、線形の良い東海道本線・山陽本線・智頭急行線を経由する﹁スーパーはくと﹂の方が最高速度が速く、所要時間は﹁あさしお﹂の4時間弱に対して約1時間短縮されている。停車駅[編集]
京都駅 - 新大阪駅 - 大阪駅 - 三ノ宮駅 -︵神戸駅︶- 明石駅 -︵西明石駅︶-︵加古川駅︶- 姫路駅 - 上郡駅 - 佐用駅 - 大原駅 - 智頭駅 - 郡家駅 - 鳥取駅 - 倉吉駅使用車両・編成[編集]
スーパーはくと | ||||||||||||||
← 倉吉・鳥取 大阪・京都 → | ||||||||||||||
| ||||||||||||||
|
-
貫通型先頭車の編成
-
展望席からの眺望
-
普通車指定席
-
グリーン席
臨時列車[編集]
ビクトリーはくと[編集]
神戸ルミナリエ号[編集]
1999年・2000年には神戸ルミナリエ開催期間中の土休日に、倉吉駅 - 三ノ宮駅︵2000年は大阪駅︶間で﹁神戸ルミナリエ号﹂が運転されていた[21][22]。神戸ルミナリエの最寄り駅である元町駅にも停車し、山陰方面から神戸地区を直通していた。かにカニ鳥取・かにカニスーパーはくと[編集]
利用状況[編集]
当列車の運転開始以前は播但線経由で、大阪駅 - 鳥取駅間の最速の特急列車でも4時間かかり、大阪 - 鳥取間の列車利用は時間帯によっては山陽新幹線岡山駅乗り換えで急行﹁砂丘﹂の利用が速かったが、﹁スーパーはくと﹂が大阪駅 - 鳥取駅間を2時間30分台で結んだことから、高速バスに流れていた利用客が鉄道利用に戻るなどした。 1995年に大阪と鳥取を結ぶ航空便が廃止されてからは、﹁スーパーはくと﹂が京阪神と鳥取を結ぶ最短・最速ルートとなっている。2004年度には﹁スーパーはくと﹂と﹁スーパーいなば﹂の合計利用者数は100万人に達しており[24]、2010年度の1日の乗車人員︵姫路駅 → 上郡駅間︶は、平均829人である[25]。京阪神対鳥取県優等列車概略[編集]
みささ[編集]
停車駅[編集]
大阪駅 - 三ノ宮駅 - 神戸駅 - 明石駅 - 姫路駅 - 佐用駅 - 津山駅 - 智頭駅 - 郡家駅 - 鳥取駅 - 倉吉駅かいけ[編集]
大阪駅 - 米子駅間で準急列車として1965年に運転を開始し、翌年に急行列車化された。1960年に運転を開始した「みささ」と運転経路が同じであったため、1968年に「伯耆」に統合されて廃止された。
伯耆[編集]
1968年に「みささ」と「かいけ」が統合された運転を開始した急行列車で、2往復運転されていた。このうち、大阪駅 → 上井駅間の列車には岡山駅 → 月田駅間の「ひるぜん」の編成の一部が津山駅 → 上井駅(現在の倉吉駅)間で「伯耆」と併結運転していたが、1972年に単独運転に変更。
しかし、1975年に伯備線内急行の総称名として用いられることとなり、再び「みささ」と変更された。
みまさか[編集]
1960年に「みささ」とともに運転を開始した準急列車で、大阪駅 → 中国勝山駅間と大阪駅 → 月田駅間で運転され、大阪駅 - 津山駅間で「みささ」と、これに加えて下り列車は津山駅 - 中国勝山駅間は「ひるぜん」と併結運転が行われていた。
休日や行楽シーズンには観光客の利用が多く、大阪駅 - 中国勝山駅間では常に高い乗車率を維持していた。利用が好調であったため、1962年に大阪駅 - 姫路駅間で「但馬」と併結する列車が1往復増発され、一部は新見駅まで運転された。1966年に急行列車化された。その後、「やまのゆ」の統合により最大3往復にまで増発され、グリーン車も連結された時期もあった。しかし、1975年に中国自動車道の部分開通を境に中国ハイウェイバスやマイカー利用に転移が進んで利用客の減少が続き、1985年には1往復にまで減少して、1989年に廃止された。
停車駅[編集]
大阪駅 - 三ノ宮駅 - 神戸駅 - 明石駅 - 加古川駅 - 姫路駅 - 本竜野駅 - 播磨新宮駅 - 佐用駅 - (美作江見駅) - 林野駅 - (勝間田駅) - (東津山駅) - 津山駅 - 美作落合駅 - 久世駅 - 中国勝山駅 - (月田駅) - 刑部駅 - 新見駅
やまのゆ[編集]
姫新線で初めての急行列車として1964年に京都駅 - 中国勝山駅間で運転を開始した。運転開始当初から週末運転の臨時列車として、京都駅 - 姫路駅間は「だいせん」と併結運転が行われた。
1967年に毎日運転の臨時列車に変更。しかし、1966年に同じく京阪神から中国勝山駅まで運転されている「みまさか」が急行列車化されたため、1968年に「みまさか」に統合されて廃止された。
京阪神対鳥取県優等列車沿革[編集]
姫新線経由の優等列車[編集]
●1960年︵昭和35年︶10月1日‥大阪駅 - 上井駅間︵姫新線・因美線経由︶で準急﹁みささ﹂が、大阪駅 - 中国勝山駅・月田駅間で準急﹁みまさか﹂が運転開始。大阪駅 - 津山駅間は両列車の併結運転。 ●1962年︵昭和37年︶3月1日‥大阪駅 - 新見駅間で﹁みまさか﹂が1往復増発。また、既存の﹁みまさか﹂も月田駅発着になる。 ●1964年︵昭和39年︶3月20日‥京都駅 - 中国勝山駅間で臨時急行列車﹁やまのゆ﹂が運転開始。 ●1965年︵昭和40年︶10月1日‥大阪駅 - 米子駅間︵姫新線・因美線経由︶で準急﹁かいけ﹂が1往復運転開始。 ●1966年︵昭和41年︶3月5日‥準急列車の制度改変に伴い﹁みささ﹂・﹁みまさか﹂・﹁かいけ﹂が急行列車になる。 ●1967年︵昭和42年︶10月1日‥﹁やまのゆ﹂が定期列車化。 ●1968年︵昭和43年︶10月1日‥ヨンサントオのダイヤ改正に伴い、以下のように変更。 (一)﹁みささ﹂﹁かいけ﹂が統合され、大阪駅 - 上井駅・米子駅間で﹁伯耆﹂︵ほうき︶が運転開始。 ●なお、岡山駅 → 月田駅間の﹁ひるぜん﹂の編成の一部が、津山駅 → 上井駅間で﹁伯耆﹂と併結運転。 (二)﹁やまのゆ﹂が廃止されて﹁みまさか﹂に統合され、﹁みまさか﹂は3往復になる。 ●1972年︵昭和47年︶10月1日‥﹁伯耆﹂の単独運行区間が鳥取駅までに変更。また、岡山発上井行きの﹁伯耆﹂が﹁砂丘﹂に変更。 ●1975年︵昭和50年︶3月10日‥1往復が鳥取始終着に区間短縮されたため、大阪駅 - 鳥取駅・倉吉駅間︵姫新線・因美線経由︶の急行﹁みささ﹂2往復になる。大阪駅 - 鳥取駅間1往復、大阪駅 - 倉吉駅間1往復︵倉吉駅 → 鳥取駅間は普通列車︶。﹁伯耆﹂の名称は伯備線経由の急行列車に使用。 ●1980年︵昭和55年︶10月1日‥一部の﹁みまさか﹂が津山駅以西は普通列車になる。 ●1982年︵昭和57年︶ ●11月15‥﹁みまさか﹂の急行区間が大阪駅 - 津山駅間に統一される。 ●11月15日‥ダイヤ改正により、﹁みささ﹂は大阪駅 - 鳥取駅間1往復、大阪発米子行き1本︵倉吉駅 → 米子駅間は快速列車︶、倉吉発大阪行き1本︵倉吉駅 → 鳥取駅間は普通列車︶になる。 ●1985年︵昭和60年︶3月14日‥﹁みささ﹂・﹁みまさか﹂が1往復に削減。﹁みまさか﹂は大阪駅 - 中国勝山駅間の運転になる︵津山駅 - 中国勝山駅間は普通列車︶。 ●1986年︵昭和61年︶11月1日‥福知山線経由の急行﹁だいせん﹂の昼行列車の廃止と、播但線経由の急行﹁但馬﹂の浜坂駅以西が廃止されることにより、大阪駅と鳥取駅を直通する唯一の昼行急行列車になる。 ●1989年︵平成元年︶3月11日‥﹁みささ﹂・﹁みまさか﹂が廃止。﹁みささ﹂廃止の代替として﹁砂丘﹂が増発されたため、大阪駅から智頭・郡家経由で鳥取駅へ直通する優等列車の運行が一時中断する。智頭急行開業と﹁スーパーはくと﹂・﹁はくと﹂[編集]
関連項目[編集]
●山陰特急バス ●鳥取エクスプレス京都号 ●プリンセスバード号脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
参考文献[編集]
●寺本光照﹃国鉄・JR列車名大事典﹄中央書院、2001年。ISBN 4-88732-093-0。 ●今尾恵介・原武史﹃日本鉄道旅行歴史地図帳-全線・全駅・全優等列車- 9号・大阪﹄新潮社、2011年。ISBN 978-4-10-790043-2。外部リンク[編集]
- スーパーはくと - 智頭急行
- スーパーはくと HOT7000系:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道