密教の水源をみる 空海・中国・インド
﹃密教の水源をみる 空海・中国・インド﹄︵みっきょうのすいげんをみる くうかい・ちゅうごく・いんど︶は、小説家の松本清張による著作。1984年4月に講談社から書き下ろし刊行された[1]。
平安時代初期の僧・空海の入唐前後の事情や、古代インドで成立したとされる密教の発生・伝来に関する著者の推論を交えながら、中国・インドの各地をたどる紀行エッセイ。特別番組﹁松本清張、密教に挑む - マンダラに宇宙を見た﹂︵1984年3月27日放送、朝日放送制作︶の取材班への同行記録となっている︵取材期間は1983年5月25日 - 6月13日︵中国︶、1983年10月1日 - 10月13日︵インド︶︶。
ナーランダの遺跡
(一)中国篇Ⅰ 無錫・福州・揚州
大運河の街・無錫/入唐の起点・福州/空海入唐の謎/大使と空海一行の行路/交通の要衝・揚州/﹃東征伝﹄の虚構
●日本から唐に渡った空海の実像をめぐる考察、鑑真像に関する見解など。
(二)中国篇Ⅱ 西安・蘭州
大都・長安/﹁中国密教﹂の流れ/胡人の通路・蘭州
●長安での空海の活動、古代中国での密教の待遇をめぐる考察など。
(三)インド篇 デリー・ナーランダー・パトナー・マハーバリプラム・コナーラク・ブバネーシュワル・カルカッタ
首都・デリー/仏教研究の中心・ナーランダー寺大学/統治手段とされた大乗仏教/インド宗教の変遷/ヒンドゥー寺院を歩く
●古代インドにおける宗教の特質、古代ペルシア文化との関連をめぐる考察など。
(四)考究篇
﹁インド密教﹂の幻影/中国密教・空海
●本書全体の結論。