楞伽経
﹃楞伽経﹄︵りょうがきょう、梵: Laṅkāvatāra Sūtra、ランカーヴァターラ・スートラ︶とは、中期大乗仏教経典の一つ。如来蔵思想と唯識思想が説かれる。
禅についても説かれているため、初祖である達磨大師以来、中国における初期の禅宗でも重視された︵六祖・慧能からは、代わりに﹃金剛経﹄︵金剛般若経︶が重視されるようになった︶[1]。
ネパールでは、九法宝典︵Navagrantha︶の一つとして位置づけられる[2]。
概要[編集]
ランカー島︵セイロン島︶を訪れた釈迦がラーヴァナと対話する、という体裁をとる。 以下の三種の訳書が現存する。 ●﹃楞伽阿跋多羅宝経﹄ 求那跋陀羅訳 ●﹃入楞伽経﹄ 菩提流支訳 ●﹃大乗入楞伽経﹄ 実叉難陀訳 大正新脩大藏經では﹁経集部﹂に収録。参考文献[編集]
- 『佛典講座17 楞伽経』、高崎直道、大蔵出版、1980年 ISBN 4804354131
- 『華厳経』、『楞伽経』「現代語訳大乗仏典5」、中村元編者代表、東京書籍、2003年 ISBN 978-4487732852
- 『ランカーに入る ーすべてのブッダの教えの核心ー(復元梵文原典 日本語訳と研究)』、常盤義伸、禅文化研究所、2018年 ISBN 9784881823064
脚注・出典[編集]
(一)^ ﹃華厳の思想﹄ 鎌田茂雄 講談社学術文庫 pp152-153
(二)^ 藤谷厚生﹁金光明経の教学史的展開について﹂︵PDF︶﹃四天王寺国際仏教大学紀要﹄2004年度平成16年度 大学院 第4号 人文社会学部 第39号 短期大学部 第47号、四天王寺国際仏教大学、2005年、1-28頁、CRID 1520290884260557312、ISSN 13490850、NAID 110006337539。 p.14より