成唯識論
﹃成唯識論﹄︵じょうゆいしきろん、梵: Vijñapti-mātratā-siddhi, ヴィジュニャプティ・マートラター・シッディ︶は、法相宗︵唯識宗︶が所依とする論典の一つ。10巻からなる。
﹁ヴィジュニャプティ・マートラター﹂︵vijñapti-mātratā︶とは﹁唯識﹂、﹁シッディ﹂︵悉地, siddhi︶とは﹁成就﹂、総じて﹁唯識による︵悟りの︶成就︵についての論︶﹂の意。
世親が著した﹃唯識三十頌﹄を護法が注釈したもので、中国の唐代に玄奘が漢訳した唯識の論典。
注釈書として、大乗基が玄奘の口述を記した﹃成唯識論述記﹄が、唯識学の根本聖典とされた。
日本へも早くに伝わり、長く唯識の教学として研究された。近年新しい訳解説が刊行されている。